僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

「小国ナスミ、享年43。」宿り、去って、やがてまたやって来る―感動と祝福の物語。

村内先生は中学の臨時講師。言葉がつっかえて、うまくしゃべれない。

昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

店を開くも失敗、交通事故死した調理師だった父。女手ひとつ、学食で働きながら東京の私大に進ませてくれた母。

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。

38歳、秋。ある日、僕と同い歳の父親に出逢った。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。

「お探し物は、本ですか？仕事ですか？人生ですか？」。仕事や人生に行き詰まりを感じている５人が訪れた、町の小さな図書室。

大学病院で激務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。

写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見付ける。

純喫茶「昭和堂」の店主・霧子は、美人なのに、ちょっとぐうたらな不思議系。

ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。

仕事も人間関係もうまくいかず、毎日辛くて息が詰りそう。２３歳の千鶴は、会社を辞めて死ぬつもりだった。

愛したはずの夫は、まったくの別人であった。 「マチネの終わりに」から2年。

私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ……。 私の名は、矢島大穴(ダイアナ)。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

じいさんが死んだ夏のある日、孫の良嗣は、初めて家族のルーツに興味を持った。

このビタミンは心に効きます。疲れた時にどうぞ。

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画」。日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

十五年前、自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人―。警視庁に入った一本のタレ込みで事件が息を吹き返す。

昭和36年。小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。

あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL…。

高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

本屋大賞ノミネート作、待望の文庫化！ 宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。

小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

僕たちは双子で、僕たちは不運で、 だけど僕たちは、手強い 双子の兄弟が織りなす、「闘いと再生」の物語 常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。

直木賞受賞、第一作 待望の書き下ろし長編 母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、食欲もなかった。

世紀の奇書『熱帯』に惹かれ、秘密を解き明かさんと集まった“学団”によるソウダイなる追跡劇。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。

クラスでは目立たない存在の結佳。

家族のことが、好きですか?郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。

今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

人生の岐路に立つ六人の女の運命を変えたのは、ひとりの女の“幸せ”だった。

二ノ宮こと葉は、製菓会社の総務部に勤める普通のOL。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。