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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.61pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全79件 21~40 2/4ページ
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蹴りたい背中よりもエンターテイメントとして読めました。完成度は劣るかもしれませんが、綿矢さんの入門書としては面白く読めると思います。 | ||||
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(略)女子高生一七歳、肉体みずみずしく、良くも悪くもマスコミにもてはやされている旬の時季である。そんな短い青春の時間に何故、軽い売春行為にいそしまなければならないのか。私はどれだけ眠らなくてもへっちゃらの強い身体と、歴史上に存在する何百人もの偉人達の名をすべて記憶できる新鮮な脳ミソを持っているのだ。それだけの最高素材をこの押入れの中に閉じ込めてしまうチャット嬢になるという行為は、つまりこれこそ、私が今の大切な時期に最も切り捨てたいと思っていた“無駄”である。道の踏み外しである。こんな寄り道を気の迷いで選んだら、何者にもなれそうにない予感が確信、確定に変わってしまうことは間違いないだろう。冗談じゃないなと思った。 私、女子高生として、旬は旬なりの決断を下さねばならない。 「嫌、ですか?」 子供が目を伏せて聞いた。 「やらせていただきます」 すんなり言った。口がそう動いた。もういいや。コンピューターを見る。その中で光るエロチックな写真と、そこから広がる私の知らない世界。 おもしろそうだった。(p70) これは新しい時代の到来を予感させる現象と云っていい。 本著『インストール』は子どもでも大人でもない、プロでもアマでもない、これまでのカテゴリーを爽やかに乗りこえる小説である。堀江敏行にも「回送電車とはおもしろいことを…」と思ったのだが、インストールとはおもしろいことを考えたものだ。それにしてもこれが一七歳で書き上げた処女作というから驚きである。事件である。天才あらわるである。 確かに仮想と現実といったネット時代を象徴するモチーフとか、チャット嬢とか、まさに時流を背景にする新鮮な感覚、などということよりもリアルな文学の王道を突きすすむ完成度の高いその文体に度肝を抜かれるのだ。 トリックスターのような趣で登場する青木かずよし、という不思議な少年の設定もおもしろい。この小説には透明感があり滑稽さもある。そのうえ、切なくも爽やかな読後感に充たされる心地よさがある。 | ||||
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この作者なら、まあ今でも書けそうではあるが。 女子高生といけ好かないインテリガキのネットでのオシゴトのお話。 ホームドラマもあり、案外緊迫したシーンも多い。 ラノベのような内容なので、スラスラと読める。読了まで1時間かからないかも。 17歳でこれを書いたのなら、しかも処女作なら、上出来でしょ。少年の性格とか、生理用品のくだりとか、いかにも厨2病患者の背伸びを感じるけれどね。 | ||||
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今ごろ読みました、すみません。「蹴りたい背中」よりこっちの方がいいです。カニグズバーグの『クローディアの秘密』を下敷きにしているようだけれど、当初、高校生らしい「おぬし言葉」が気になったが、うまくてけれん味がなく、純文学になっている。文芸賞受賞作でこれだけのものはなかなかない。すっと終るところもいい。 | ||||
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良くも悪くも「若い」作品。 高校3年生なんだから、当然と言えば当然。 サラッとした、若さを感じる文体で、 物語は途切れなく流れていく。 しかし、人妻を描くのに、 高校生は若すぎたか。 | ||||
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綿矢りさのデビュー作。高校二年生で書いたフィクション、才能溢れる筆力と描写で、ぐいぐい読者を引っ張る。 上出来の本。 | ||||
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問題なし。綿矢りさの大ファンである僕には、満足できましたよ。 | ||||
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この一文だけで1050円を払った甲斐がある。 作者の感性に脱帽した。 | ||||
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話題になってから十年以上経った今、読みました。 爽やかな小説で気持ち良かったです。登場人物は小学生より中学生の方がよかったような…ちょっとリアリティに欠けていますが テンポも良く、十七歳でこれを書いたとなると驚きます。 ドロドロではなく、トロッとした人間関係も上手かったと思います。 ただインストールに入っている You can keep it は途中で止めてしまいました。 恐らく三人称を挑戦的に挑んだんでしょうけど、物凄く視点がバラバラで読みにくくて仕方がなかった。 | ||||
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部屋をかたずけてきれいにすれば、何かかわるかな。 でもそんな魔術的な儀式では世界は変わらない。 そんな彼女に与えられたエロチャットという「仕事」。 コンピュータで「仕事」をして見て気づく、あっお金って何を変えてくれるのだろうという、あたりまえに存在していた固定概念へのちょっとした疑問。 大人の世界を知って、絶望して、諦念して、そして今大切にすべきことを知って。何者にもなれないという閉塞感から逃れるべく葛藤した、彼女のちょっとした冒険譚だ。 | ||||
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感動しました。 「もう全部無価値だ、時間も若さも金も」と言ってしまえる、書けてしまえるその若さに。 18を過ぎてしまうとそんな言葉、とてもじゃないけど恥ずかしくて言えない。 行き場のない気持ちを抱えて、若かった自分の代わりに言ってくれたんじゃないかと、そんなふうにすら思えた。 ありがとう。 この本はオジサンオバサン向けかな。 読むと昔の自分がとてもとても懐かしくなる。 | ||||
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「蹴りたい背中」ですっかり綿矢りさのファンになり、二作目として読みました。期待を裏切らないみずみずしい才能が文章全体から表出しています。大変な作家が出現したと思います。 | ||||
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読書があまり好きではない私がふらりと図書室に立ち寄ったときこの本を見つけました。 作者が私と同じ高校3年生という所に親近感が湧き、気になって読んでみると……もう、すごいです(笑)…… 難解な漢字などはなく、スラスラ読み進められます。他の人のレビューでは内容が浅い、物語の締め方が弱いなど否定的な書き込みがありますが、私は逆にその方が深く考えすぎないでスラスラ読めたので良かったと思います。 中高生が好きそうな内容なので、普段読書しない中高生の方もきっとハマると思います。是非一度、読んでみて下さい。 | ||||
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30分-1時間程度でさくっと読める。 リズムが良いが、あまり意味を追うとリズムに乗れないかも。 小説らしい小説というか、女の子話。 少女マンガ?読まない、というか嫌いという男子には不向き。 あまり突っ込んではいけない。 描き下ろしの You can keep it. ではリズム感はおちるが、 大学時代の酸っぱい感じは懐かしい。 | ||||
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女性差別と思われるかもしれないが、女流作家の小説は非常に駄作が多い。 特に恋愛を書かせたら、とかく独りよがりになるのでつまらない。 その中で、綿矢りさだけは、別格だ。 この人だけは、俯瞰で文章を書けている。 実にうまい。まいった、と感じる。 でも、このインストールは、まだ荒い。 ちょっと気持ち悪さがある。 男子生徒と女教師が付き合っている、というシーンからして「あれ?ちょっと気持ち悪いぞ?」と感じた。 この人の作品では、蹴りたい背中が、2012年の段階ではベスト作品だろう。 | ||||
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電子ブックリーダーの「お薦め」欄に出ていたので、電子版を「ダウンロード」してみました。 舞台となるマンションの描写もハッキリ画が浮かぶ分かりやすさで、私は入り込めました。 彼女の読書暦が垣間見えるような古臭い言い回し、秀逸な比喩のセンス。なかなか味があります。 特に古いPCを死んだじいちゃんになぞらえるくだり、大好きです。 世界が狭いのは確かですが、高校生の日常なんてそんなもん(だった)んじゃないかな? これを「高2の冬休みに書きました」と言われたら、参りました。と言うしかありませんね〜 私はあえて細かい突っ込みはしたくない、愛すべき作品だと思います。 | ||||
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ネズミの脳に電極を差し込んで、ゲージ内にあるボタンを押すと、ドーパミンだかアドレナリンだかの麻薬物質が分泌されるようにしたら、なんとそのネズミはメシも食わず水も飲まずに死ぬまでボタンを押し続けた、っていう脳科学の実験を以前どこかで見聞きしたけれど、本書を読んだ感想はそれに近かった。 というのも著者の書く日本語が気持ち良すぎて、風呂の中で読み始めたのだけれど、どうにもやめれなくなって、お湯がぬるくなるまで最後まで読んでしまったから。 例えば、 『平和?違う、みんな騙しあいっこをしている。受験勉強シテル?マッサカー私昨日九時ニ寝チャッタ、本当ダヨウダカラコンナニ元気ナノ。じゃあその目の下の隈は何だと聞きたい。』 とか、 『私が耳元で、パンツ何色ですか〜、と寝起きドッキリリポーターの口調で囁くと子供は眠そうな目で私を見つめ、なぜかうっすら微笑み、ブランケットの中で丸まった。』 とか、日本語ってこんなに自由で楽しいものなんだ、と時に笑いながら時に目を丸くさせられて、言葉の魅力というものを考えさせられた。 文庫版のあとがきでは、高橋源一郎氏は言葉を濁しつつもこの作品と著者が、何かの「はじまり」を告げるために現われ、日本の近代の終わりそのものと深く関係がある、と述べている。 もし彼の言う事が正しいのであれば、 1、身体感覚のある日本語 2、近代文学に欠かせなかった「私VS世界」という葛藤の排除 という趨勢を辿ることを意味しているが、それは日本人には元々欧米的な「私」というものは無理だったのか、それとも欧米を意識することなく独自の道を進めるほどに、わが国はグローバルなエートスが浸透したのか、どちらなのだろうという疑問が私の頭の中に残った。 | ||||
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最近はあまり読んでませんが、私は本が大好きです。 その中でも一気に上位に来てしまいました。 やっぱ・・・賞を取るだけありますよ。 正直、嫉妬心から、読んでみるのがこんなに遅く なりました。17歳の女の子が書いたものを読むのが 怖かったのです。 私も、こっち方面の夢があるから・・・ 笑える場面もあり、計算しつくされてるのか、自然に 書けたのか、知りたい。 色々あった30代の私の心の情熱を再燃させてくれました。 パソコンを使ったことがない人にはさっぱり理解できない 作品かもしれませんが。 30代からパソコンを使い始め、実は押入れチャットの経験のある 私には、わかるわかるわかる〜〜〜の連続。シンクロニシティ!? 性の言葉を書く勇気もすごい・・・。 他にも、こんな年寄り臭い言葉をなぜ知ってるの!?と思うところも(笑) 読み終え、なぜか胸がスッキリしました! 私は文学も娯楽と考えます。憂鬱になる小説にはウンザリ。 私にとっては、小説とはこうあるべき!!な作品でした。 もっと買って読んで応援しますね!今後が楽しみです。 追記☆辛口評論家の目を意識しすぎて、歪んでいかないで欲しいです。 爽やかな風のような雰囲気を残しつつ、大作家になって下さい。 | ||||
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作者との関係を調べると、この小説の本質が理解できる 1インタビュー記事によると、 当時高校2年であった作者の綿矢りさは通っていた塾に馴染めず、辞めてしまい、受験勉強から逃避する。 親にも誰にも知られずに、この小説「インストール」を書いた。 小説では、 主人公朝子は、みんなと同じ生活ではなく有名になりたいと願うが、ある日、不登校になり、受験戦争から脱落していく。 朝子と小学生のかずよしは押入れの中で、エロチャットのバイトをする。 2朝子=作者 かずよし=作者。どちらも小学校6年の時に転校している。 3エロチャットのバイトをする=小説「インストール」を書く チャットの場面は、コミカルに描かれてはいるが、他人を遮断して薄暗い押入れの中で行う孤独な作業である。 一人で小説を書いている作者の不安な心情を象徴的に表しているのであろう。 作者にとって、受験勉強をせずに、小説を書くというのは相当リスクのある行為だった。 以上からわかるように、隠喩的にではあるが、この小説のストーリーとは、どのようにしてこの作品が出来たのかという内容である。 つまり、「インストール」という小説は、それ自身が創作されていく過程が書かれたメタフィクションである。 また、同時に平凡な女子高生でしかなかった綿矢りさの心に、作家への決意がインストールされていく契機にもなった。 | ||||
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綿矢さんの作品は【蹴りたい背中】【夢を与える】をに続き、最近これを読みました。 順番的にはこれが最初だったんだろうけど… 先ほど上げた2作品は正直面白い小説ではありませんでした。 でもそれより先にこの作品を書いていたなんて! インストールは面白い! 妙に納得してしまう言い回しや、ストーリーの押し付けがましく無い様がすっと受け入れる作品だったと思います。 ただ、話が薄っぺらいというか、もっと読みたいというか、腹八分って感じです。 | ||||
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