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果ての浜辺のリゾートナイト: 裏世界ピクニック2
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果ての浜辺のリゾートナイト: 裏世界ピクニック2の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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このタイミングできたので1巻発売の段階で話が進んでいたのでしょうか楽しみです 1巻で気になっていた兵士達を危険なのを承知で助けにいくのかどうか この部分について続きとして書かれてましたのでスッキリした 新しい仲間になりそうな?彼女の存在もいろんな意味で気になる2巻でした | ||||
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2ちゃんねるのオカルト超常現象板内の超人気スレッド「死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?」に集められた 有象無象の怪異譚・ネットロアを元にした世界観を宮澤伊織が小説として纏め上げた二人の少女の冒険物語・第二幕。 物語はかつてのパートナー冴月を探しに一人で裏世界に入った鳥子を 裏世界の研究者だが極度の怖がりである小桜とともに空魚が追った冒険から少し後から始まる。 半ば強引に裏世界に連れ込まれた事で怒りを隠そうともしない小桜を宥める為に大枚叩いて焼肉を奢る羽目になった空魚だったが、 「きさらぎ駅に残された米軍の兵士たちを救出しなくては」と言い出し、またもや小桜に呆れられる事に。 相手が公開されていない秘密部隊だという事もあり下手に関わってもトラブルの元になるだけだと思い止まらせようとする小桜だったが、 肝心の空魚のパートナー・鳥子が「新しい銃が欲しいから」という理由で賛成した事で救出作戦を実行される事になる。 きさらぎ駅に辿り着いた時と同じ新宿の居酒屋にゲートがあると推測した空魚たちはトリガーとなったであろう 八尺様の帽子を手に件の居酒屋へと向かう。 前回のような異言を発する店員も厨房からひびく犬の鳴き声にも遭遇する事無く店を出た空魚だったが、 空振りかと思いながら新宿の道を歩きながら一瞬アスファルトに目を落として、再び顔を上げると周りの風景は一変していた。 看板の文字は読めなくなり、店の中が水槽と化しエビのような甲殻類が積み重なった異形の世界に二人はここが 裏世界に通じる中間領域だと判断。 しばらくすると更に風景は変化し、二人は裏世界に突入。 AKを手に歩く二人は米軍を探して歩き回るが、突然の発砲を受けてようやくお目当ての米軍に再会。 前回二人に親切に接してくれたウィル・ドレイク中尉は超次元の罠であるグリッチを見抜く目に期待し 残存した兵士を連れてゲートへ向かう事を承諾。 空魚・鳥子は米軍が裏世界に入った時の沖縄米軍基地に通じるゲートに向かう事になるが… うん、今回もきっちりと怖い。 ただ怖いは怖いでも前回の日常が静かに怪異に侵食されていく恐怖は若干トーンダウン。 その代わり人の情念みたいな物の怖さが強調されており「怖さ」の質がシフトチェンジした様な印象を受けた。 正直、一巻を読んだ限りでは「世間でこの作品は百合と言われているけど、言うほど百合か?」と思っていたが、 今回は紛れもなく百合であり、百合な関係を描いた作品特有のちょっとジメッとした湿度の高さを感じさせる内容に。 ネットロアをベースにした本作だけれども、今回も基本的には2ちゃんねるのオカ板からネタを集めている。 四編の連作短編構成で、お題はそれぞれ「姦姦蛇螺」、「リゾートバイト」、「須磨海岸にて」、「猫の忍者」、 そしてオカ板以外にも噂が広まった事で有名なネットロア「コトリバコ」と粒ぞろいの怪異譚を用いている。 意外だったのは一巻の「ステーション・フェブラリー」で登場した米軍を再登場させた点。 「ステーション・フェブラリー」ではきさらぎ駅から脱出した空魚たちが裏世界に取り残す形になった米軍が その後どうなったのか語られず、「ああ、これはその部分を読者に想像させる事で恐怖心を掻き立てる手法かな」と思っていたのだが 彼らを救出する話に繋げてきた事でネットロア特有の話の「その後」の不明瞭さが薄れ、 その分、本作の小説としての世界観が明瞭に事になっている。 作品世界の明瞭化という点では研究者である小桜や鳥子のかつてのパートナーだった冴月が所属していた組織、 裏世界の研究機関である「DS研(ダーク・サイエンス研究奨励会」が登場した事で、 あまり詳しい事をしろとしないまま空魚と鳥子が裏世界をうろつき回り怪異に遭遇するだけの話からは変化を果たしている。 この変化自体は「輪郭のはっきりしない方がネットロアっぽくて良い」という人には賛否両論かもしれない。 裏世界の侵食の不気味さも今回は空魚たちが積極的に裏世界に入り込もうとする姿勢を見せる事で若干薄れた感があるが、 その分、裏世界を支配する「何か」が空魚と鳥子の二人に目を付けてきた様子も伺える事から別の怖さが増しているとも言える。 また、その「目を付けられる」という点では第三話の「猫の忍者におそわれる」はこれまで知らず知らずのうちに 迷い込むだけの場所だった裏世界が、現実世界でも空魚たちに付きまとい始めたような怖さが強調されていた。 今回の最大の特色である百合要素なのだけど、ここまで空魚と鳥子のペアで活動してきた裏世界の探検に 少しずつ他の人物が絡んできた事から関係性がグラつき始めた様子を描いている。 第三話は猫の忍者に襲われているので助けて欲しいと「霊感があると噂されている」空魚に相談を持ち掛けてきた 大学の下級生・茜理とともに空魚たちが裏世界の存在に襲われる話となっているのだが、 「鳥子と二人だけ」の関係に割り込んできた茜理に対して向けられる空魚の「面白くない」感情や 茜理の元家庭教師がかつてのパートナーだった冴月だった事や冴月が自分以外にも裏世界探検のパートナーを探していた事を 知ってしまった鳥子の感情の揺れが強調されている。 相手探しの難しさ故か百合カップルには普通のバイセクシャルな関係以上にパートナーに対する「独占欲」が強い傾向が 百合作品では強調され、独自の湿っぽさが感じられる事が多いのだが、空魚と鳥子がともにこの「独占欲」を見せた事で 「ああ、たしかにこの作品は百合の物語だ」と妙に納得させられる部分が多く、また空魚が知った「ある事実」を 鳥子から隠そうとする姿勢を露骨に見せる様になった事で「情念」の怖さみたいな物が生まれていた事は否定できない。 ネットロアの輪郭が不明瞭な怖さから昔ながらの情念の怖さに話全体がシフトチェンジした印象はこの点において強く感じられた。 個人的な好き好みで語れば一巻の輪郭不明瞭なネットロア的怖さを追求した話作りがベストではあったのだけど、 主役カップルに「他の女」が絡んでドロドロした感情が湧いてくる部分を加えた事で 作者なりに物語に変化を付けようとしているのかな、と試行錯誤している様子が伺えた。 多少減じたとはいえ(「慣れ」の部分もあるが)、ネットロアをベースとした裏世界の不気味さは今回も健在。 まだまだ「オカ板」には埋もれた恐怖譚が眠っているかと思われるので、作者には更なる発掘作業を進めて頂き、 読者を恐怖のどん底に突き落としてもらいたいと改めて思わされた第二巻であった。 | ||||
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ネットの都市伝説を元にした(人間の創った話のイメージとかを裏世界の存在が使ってるみたいな感じだから設定としてもおかしくない)ホラー百合小説だけど 元ネタのネットロアを知らない方がより楽しめる(怖がれる)気がする 「猫の忍者に狙われている……」のコピペとか有名過ぎて知ってるつもりだったけど 実際はそこで終わらずどんな風に襲われているかの詳細が語られる続きがあるって聞いて、すごく怖くなった 昔から遊んでたオモチャが呪いの品だったような気分 ただ実際に元ネタのネットロアを読んでみると、いかにも作り話臭くてまるで怖くないので 変に下調べせず、何も知らないままで小説読む方が純粋に怖がれて良いと思う どんどん仲が深まっていく鳥子ちゃんと空魚ちゃんも素晴らしい | ||||
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