■スポンサードリンク
R帝国
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
R帝国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.48pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 41~51 3/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
独裁政権の成れの果て、極度のネット依存、人工知能、そして戦争など、近未来の世界観を壮大に描いた物語だった。 国民の不安、怒り、恐怖をいかに煽るか。そして、国民から支持されるように仕向けるのか。 国民の感情を巧みに操ったり、他人と比較することで優越感を感じたりする心理を利用したりといった描写には恐怖と危機感を感じた。 また、人工知能が搭載されたHumanPhone(HP)が自ら感情をもって行動したり、判断したりする世の中の怖さも感じた。 一方、アルファやサキ、栗原といった人種がいることにも希望がもてた。何が正しくて何が正しくないのか。マスコミの言葉を鵜呑みにするのではなく、自分なりの価値観や信念をいかにもつのか、考えさせられることが多かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
総選挙には間に合ったが 結果は筆者予測通り 前の人も書いていたが 読売にも 理解者がいるということか かなり急いでいる文体が筆者の切迫感のあらわれ でも中途半端な批評家より 思いの深さは伝わる 村上龍の若いころのような とげとげしさがもっとあっても良いかも 自作も期待 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2017年10月21日読了。 明日の結果がどうなるとしても、サキのように勇気を持って生きていきたいと願う。 しかし、この内容が御用メディアの読売に掲載されていたとは、信じがたい。(夕刊ではあるが) 登場人物たちは、中村さんテイストによって恐らく現実より(私が認識している現実よりは)すこしだけ業が深く描かれているが、 本質としては、正に今の日本人はこのような人たちがこのように考えて動いているだろうと深く納得させられるものだった。 中村さんとしては急いで描いたような印象を受けたが、それでも、2016年からこれを書き始め、 この選挙前に出版できた時代への洞察力と筆力には脱帽せざるを得ない。なんという才能、運命性。 そして、何よりも、勇気。 間違いなく現代日本の擁する最良の作家の一人。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
即ち、この書物は世界中の国々、そして世界中の戦争の事実を描いたノンフィクションなのではなかろうか。こんな事を書くと、wwwのついた無数の「ただの陰謀論」と云う声が涌いてくるかとも思う。が、しかし私はそうは考えない者のひとりである。作者は支配者にこう言わせている、人は信じたいものを信じ、思い込みたいように思い込む、と。支配者は限りなく傲慢だが、それ以外の大多数もまた限りなく卑怯に描かれる。それは私達人間の真実でもあろう。今の日本に、敢えて戦争を起こす必然性は無いと考えるが、近未来のディストピアを思うと空恐ろしい。本文末尾とあとがきの間に、たった2行であるけれども、ブラックユーモアとも真剣な挑発ともとれる記述がある。もしやこの著作は、否、読者は完全に侮られているのではと、つい考え込む。未だ覚醒せざる人々の蒙を啓く可能性と、覚醒せし者を更なる絶望へと導く可能性との両義性を秘めた書物である。しかし著者は呻くように言う、曰く、希望を置き去りにしてはならないのだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小説の内容は現在の日本を覆う不気味さや閉塞感を、よく(過剰に)表現できていると思う。 少なくとも夢想レベルよりは現実味があると思う。 書かれている内容や技術について未熟だ、というコメントもあるが当を得ていない。 科学技術的な話は枝葉末節な部分であって、本書の本質と関係がない。本書は人間の話をしているのであって、IAや兵器など話は味付け部分に過ぎない。その描写の正確性やの正しさを論評しても全く意味がないし、作者もそんなことは分かって書いていると思う(科学的な正確性などどうでもいい、と)。シンギュラリティの話なんて数行しか出てこないんだから。 その辺を割り切って読めないのは、「スターウォーズ」や「ドラゴンボール」を非現実的だからつまらない、と言っているようなものと感じる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
フィクションなのにフィクションと感じさせない作品、最後まで作品に引き込まれました。アルファベット表記の国名や固有名詞がすこし紛らわしい部分があった気もしましたが沢山のことを考えさせられる作品でした。 希望を持って、今何が起きているのか、今何をしなければいけないのか冷静に熟考し生きていきたいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本を読んでいる途中、何度も「見てはいけないものを見てしまった」感覚に捕らわれた。この小説で描かれるあまりにも身勝手な人達に出会いながら。 そして、何回も「死にたくない」とも思った。この小説で描かれる理不尽に死んでいく人のシーンに出くわしながら。 だけど、この小説にとても大切なことを教えられた気がする。 どんな現実でも理想を掲げることで、肯定できること。 そのために、できる「抵抗」をしていくこと。 自分にできる抵抗は何か。 どんなことがあっても、希望を捨てずに生きていくべきだと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
所謂ディストピアもの。描かれているのは戦争が始まった世界だが、作者の筆力のせいもあって、「近い将来現実になりそう」と感じさせる。 スマホに依存し、ネットに依存する人々。 匿名を盾にして誰かれ構わず攻撃する人々。 批判さえできれば対象はなんでも構わない人々。 そういう人々は確かに、権力者や国からすれば最も扱いやすい。自分で物事を考えないから。 そしてそういう人々が最近どんどん増えているように感じられるし、これからも増えていけば筆者の書いた通りになるのかもしれない。 ほとんど絶望しか描かれていないフィクションなのにフィクションと思えないのが何より恐ろしい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
中村さんの十八作品目の小説は、近未来の架空の世界を描いた「R帝国」。架空の世界を描くというのは、これまでにない試みではあるが、内容はしかし非常にリアルな現実がそこにあった。これは決して架空などではなく、私たちが生きている世界の構図を解りやすく例えて描き出して見せただけであり、人間の愚かな構造を見事に描き出している。 私たちがスマートフォンやインターネットで繫がっていなければ不安でならないその依存性が人工知能を搭載したHPなるものに依存している人々の姿に投影されている。そして、戦争、テロに高揚する人間の心理を巧妙に描いている。 「サキ」や「アルファ」など、自らの意志で戦い抜く強い女性が描かれているのも特徴的だ。ここまで強い意志で生きる女性像は中村文則作品では「王国」以来かもしれない。 私は時々、人は望んで戦争へ向かうのかもしれないと恐れていたが、この本を読むとそれはより確信に変わった。 人は自分の醜さや不幸を受け入れないために、容易に他人を貶め、憎み、蔑み、自分の優位性で馬鹿になるのだ。私は、そんなふうにはなりたくないと思う。 「R帝国」=「日本」と考えて差し支えないだろう。私たちは、ちゃんと自分の意志で物事を考えているのか、ちゃんと自分の足で立っているのか、誰かに何かに操られていないか、よくよく考える必要があると思う。 中村さんは、世界の、日本の未来を危惧してこれを書かれたと思う。私は、しっかりとそのメッセージを受け止め、世界がもし間違った方向に向かっても「サキ」や「アルファ」のように強い意志で「抵抗」したいと思う。 この小説では『抵抗』という言葉がなくなってしまっているが、私たちもそれを無くしてはいないか自分に問わなければならないのではないだろうか。 最後に、この小説のサイン会で中村さんに直接お会いすることが出来ました。その時、とても親切に気さくに優しく接していただきました。「肩の力抜いてね」と励まされて、とてもありがたかったです。本には『共に生きましょう!!』と書いていただきました。 一生の宝物です。ありがとうございました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
中村文則さんの小説は、「教団X」「私の消滅」に続いて3作目ですが、 個人的には本作が一番、読みごたえがありました。 AI、ドローン、無人爆撃機、シンギュラリティなど近未来感溢れるテクノロジーのエッセンスを取り入れながら、 支配者/被支配者の心のありようが描かれていきます。ミステリー的な側面もあり、息がつけない緊迫感があります。 第一部の終わり方などは、これまで読んだ本の中でも最も印象的なシーンとして胸に残っています。 一晩で一気読みしてしまいましたが、もう一度読み返したいと思える傑作でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いつもどおりの簡潔で美しい文章を重ねつつ、作者がえがきだす壮大な近未来図にのみこまれる。難民問題、民族差別、ネットによる情報操作など、今の世界を覆うさまざまな問題をちりばめつつも、エンターテイメントとしても成立している。圧巻の展開力といい、意外な結末といい、文句なし。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!