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R帝国
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R帝国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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教団Xもひどかったが、さらに輪をかけて薄い。 一言でいうと世界は陰謀で動いているとした陰謀史観本なのだが、 そういわれるのを見越して、作中にエクスキューズを入れているのがまた寒い。 本書で描かれるディストピアより悲惨な国家は現実に存在していたし、現在もすぐ近くに存在する。 R帝国は国民の管理に熱心だが、そもそも国民なんかどうでもいいと思っている独裁国家も多い。 作者の描く世界は陳腐で、軍事にせよ、経済にせよ、AIにせよ、あまりまじめに勉強したり考えたりしたことがないのであろう。 社会を憂える自分に、作者が陶酔しているようで正直気持ち悪い。 | ||||
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私はこれまで中村文則氏のほとんどの著作に触れ、そのうちのいくつかからは、強烈な衝撃と影響を受けてきました。 そのうえで、あえて書きます。 今作は期待はずれだったと。 他の書評にもありますが、登場人物の描写があまりにも薄っぺらく、全く感情移入できません。 主要な登場人物として矢崎と栗原という異父兄弟がでてきますが、内面や言動の書き分けが明確ではなく、(つらい過去を持つこと、一見して冷めた性格ながらも人情に厚い部分もある、なぜか女性にモテる、など)どちらが矢崎で栗原だったのか途中で混乱してしまいました。 また、小説の筋書き自体もどこかで見聞きしたような内容で、物語というよりも定型の解説文の切り貼りを読んでいるような気になり、あえて読者の情緒に訴えかけるような描写も散見され、少々つらいものがありました(特に女性兵士が戦死する場面など)。 小説の舞台とされる国名もR帝国、Y宗国、G宗国、A帝国というようにアルファベットで示してある点も読みづらく感じてしまいました(この点はあるいは若い読者を想定してあえて覚えやすい表記にしたのか)。 「日本」や「第二次世界大戦」「アメリカ」といった現実の国や歴史が作中における架空の小説として紹介されている点は面白いなと思いましたが、この物語が私たちが生きている現実の世界の未来として描かれているのか、そうだとすれば西暦何年ごろの話であるのかが明らかではないため、消化不良感が残ります。 黒幕的存在である加賀の独白など、引き込まれる部分もありましたが、やはり細部の描写の弱さが最後まで気になってしまいます。 大衆に迎合することの恐ろしさ、民衆の無意識の悪意、右傾化・全体主義化していくことへの警鐘、戦争と貧困の繋がりとからくり、排外主義・差別主義への嫌悪感、思考を停止しないことの意義、「幸福 とは閉鎖である」こと 、、、 著者がこの小説を通して「世界」に訴えかけようとしていることはひしひしと伝わってきました。しかし、だからこそ、内容に関してはもっと推敲してもらいたかった、という気持ちになります。圧倒的な説得力と完成度がなければ、本来この小説を読まなければならない人々にはこの主張は届かないからです。 いろいろと偉そうなことを書き連ねてしまいましたが、中村文則作品のファンであるからこその辛辣な意見です。 「掏摸」を読み終えたときの足元がぐらつく感覚、「銃」「遮光」の引きずり込まれるような闇、「惑いの森」で教えてくれた多くの扉、「何もかも憂鬱な夜に」での無条件の存在の肯定、「悪と仮面のルール」の疾走感、「教団X」でかいま見えた世界の成り立ちと深淵、「あなたが消えた夜に」の喪失と希望。 あのときの感覚をまた味わいたい。 私は、中村文則さんの書く小説が、文章が好きです。 巻末にいつも書かれている「共に生きましょう」の言葉にはいつも小さく励まされています。 結局のところ、貶しているのか讃えているのかよくわからないレビューになってしまいましたが、自作への期待も大きく込めての星2つです。 個人的には政治的な主張や暴力描写からは離れた小説が読んでみたいです。 最後に余談をひとつ。 今作と同じ近未来ディストピアものがお好きな方にはカナダの女性作家マーガレット・アトウッドの「オリクスとクレイク」をお薦めいたします。バイオテクノロジーの進歩や社会階層の成り立ちなど、かなりリアリティーのある内容です。 もう一つ、こちらは話題作で小説ではありませんが、ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」では「R帝国」にも登場するAIの特異点の話や新人類の誕生に関して人類史の観点から詳細に綴ってあり、引き込まれるものがあります。 | ||||
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作者が今の世界を生きていて何となくモヤモヤしているものを、頑張ってシナリオプランニングしてみました - そういう本だと理解しました。スケールは壮大だし、天文学的な確率でこういう感じの世界が来るのかもしれません(未来のことは誰にもわからないのですから)。 僕が読んでいて苦痛だったのは、余りにも作者が描く未来がリアリティがなさすぎる事でした。恐らくテクノロジーの進歩はこんな感じにならないし、流石に一般人もここまで馬鹿ではない。勝手な想像で恐縮ですが、おそらく作者は、AIの現状を何も知らずにただシンギュラリティの本を読んで、人とあまり接さずにニュース越しに世界を眺めているのではないかと感じてなりませんでした。 言い換えると、お伽噺としては読めますが、少しでもリアリティのある未来を読みたいのであれば、この本は適切な選択肢とは言い難いでしょう(少なくとも、まともに社会に出て仕事をしている人からすれば) ※少し追記すると、人の価値観・社会の情勢・技術の進歩は、それぞれが絡み合って変化していくものだと思います。(勿論それ以外にも因子は星の数ほどありますが)それらを掛け合わせたときに、とても未来はこんな話にはならないんじゃないかと感じました。(技術の話だけ取り出して言っているわけではない) | ||||
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若い作家さんなので今後の伸びしろに期待してましたが…… 『教団X』の衝撃、再び…ってスッカスカな中身が衝撃ですよ。今回も浅い。 近未来SF…全体主義…狙っているのでしょうけど的外れ。 どこかで観たような読んだような内容で目新しさはない。 つまり、あざとい。ズバリ幼稚。寄せ集めディストピア小説。 以後、この作家さんの本は読まないでしょうね。 | ||||
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読売新聞の夕刊に連載していたものを単行本化したものだが、作者の幼稚な思惟には毎回呆れさせられる。一応、近未来を舞台にしているものの、書いている内容は現在の中国や北朝鮮等の独裁国家が行なっている施策そのもの。オリジナリティが全くない。 この誰が読んでも分かる作者の意匠を誤魔化すためか、ワザと扇情的な言葉を書き連ね、緊迫した雰囲気を醸し出そうとしている作者の虚しい努力には哀れみすら覚えた。作者の作品は何冊か読んだが、何時も作者の作家としての立ち位置が分からず、他人事ながら心配となる。 読むだけ時間の無駄なので、手に採るのを避けた方が賢明な愚作である。 | ||||
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