■スポンサードリンク
(アンソロジー)
謎の館へようこそ 白
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
謎の館へようこそ 白の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新本格30周年記念でリリースされた2部作の白編。 作家陣は新本格ムーブメント以降の新しい作家が手掛けており、館のミステリーというテーマで腕を競っている短編集アンソロジーだ。 作家陣的には黒よりも白の方が売れ線か・・・・。 東川篤哉氏は今回はユーモア度は控えめで初期の頃の本格テイストで勝負しており、トリックはややありきたりながら館の密室殺人という王道路線で楽しめる。 一肇氏は本格路線の館ものミステリーではないが、サスペンス路線の青春ものとなっている。 古野まほろ氏はまず文章が読みにくい(この作家の特徴でもあるのだが)上に本格ものではあるが、館ミステリーとは言い難いし、細かいロジックが展開する割りに分かりにくい。はっきり言ってこの作品集の中では一番つまらないだろう。 青崎有吾氏はまさに特異な館の構造を活かしきったアイデア重視の一発作品。幕切れのトリックが見事だ。 周木 律氏は館ものの専業だけに、今回も驚天動地のアイデアとトリックがさく裂する。館もの本格ミステリーという趣旨に最もストレートに応えた作品であり、個人的には一番面白かった。 澤村伊智氏は本格ミステリーではなく幻想サスペンス調だが、なかなか印象深いストーリーである。 古野まほろ氏の作品以外は全て標準以上の出来で、充実した館もの短編ミステリー集になっている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
綾辻氏の館シリーズから"館"と聞くと読まずには... 短編なので、ちょっと物足りなさはありましたが、まぁまぁ楽しめました。 大体は殺人がセットですが、そうではない話も。 わくわくから肩透かしを...や、そう来るかなど。 ちょっと価格分まではいかない感はありましたが。 次は黒です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『舘』をテーマにした競作ミステリ集。バラエティにとんだ作家陣が、いろんな切り口で『舘』を料理しているが、それだけに読み手のストライクゾーンのあり方によって、評価もいろいろになりそうだ。 『陽気舘(仮)の密室』東川篤哉 文章も人物造形も荒けずりな印象。ユーモアのセンスも、筆者の笑いのツボには全くハマッてこなかった。密室トリックは大胆な面白さがあるが、赤川次郎の某長編のトリックに、少しひねりを加えたものなのかなとも思った。 『銀とクスノキ~青髭館殺人事件~』一 肇 女子高生が同性の級友に殺意をいだく倒叙形式のミステリかと思いきや、やがてサイコスリラー的な展開へ…。本格推理という線からは外れているが、スリリングに一気読みさせる面白さがある。 『文化会館の殺人―Dのディスパリシオン』古野まほろ たぶんシリーズキャラクターなのだろうが、何の説明もなく唐突に対面させられても、他の作品を未読の筆者は戸惑うばかりで、探偵役のキャラにも、彼らのヘンなしゃべり方にも全く馴染めなかった。同じ意味合いのことを何度もくり返す、文章の冗長さにも閉口。残念ながら、筆者の感性にヒットしてくるものは、何もなかった。 『噤ヶ森の硝子屋敷』青崎有吾 『煙突舘の実験的殺人』周木 律 収録作中この二作品が、舘ものの本格推理のど真ん中にヒットした、いちばんの快作だと思った。短編の限られた枚数のなかにも、十角館や人狼城などに負けない、不可思議で魅力的な異空間、スリリングな展開、明快なロジック、奇抜なトリックなどの本格エッセンスを凝縮させようとした、創意工夫に満ちていた。両作とも、本書を手にして良かったと思わせてくれた好編である。 『私のミステリーパレス』澤村伊智 本格ものの定義からはいちばん遠い作品かもしれないが、たくみな小説技巧で、謎とサスペンスと驚きのストーリーを流暢につむぎだしている。本格推理という括りにこだわらなければ、もっともテクニカルな良作かもしれない。この著者の作品を読むのは初めてなのだが、ホラー系の人らしく、他の作品も読んでみたいと思わせるものがあった。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!