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その犬の歩むところ



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【この小説が収録されている参考書籍】
その犬の歩むところ (文春文庫)

その犬の歩むところの評価: 3.95/5点 レビュー 37件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.95pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全37件 1~20 1/2ページ
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No.37:
(5pt)

犬の善良さ、人間の強い意志、アメリカ人としての誇り、が描かれていて、感動した。

かなり前からこの本は私のKindleに入っていたが、ようやく読むことができた。なぜもっと早く読まなかったかと後悔するような、素晴らしい物語だった。
犬と人間との関わりをこれほどに濃密に書いた小説に出会ったのは、中学生の頃に読んだ、戸川幸夫の「高安犬物語」以来だろうか。最近では、馳星周の「少年と犬」が良かったが、この本はそれ以上である。犬を飼っている小学六年生の孫娘が中学生になったら贈ってやろうと思っている。

 さて、この本である。一匹の犬、名前はギブ、の一生をそれぞれに関わった人々を周りに配して語っていく。言葉は喋らないが、この犬、ギヴが主人公である。犬を外側から見てその感情を伝えるという手法を取った作者の巧みな描写には驚くばかりである。
 
 ギヴの最初の飼い主は、街の人から魔女と呼ばれる変わり者の動物愛護家のアンナだった。そして、いくつかの転変を経て、ギヴの飼い主はルーシーとなるが、洪水に巻き込まれた猫を助けようとして死んでしまう。その後のギブは、イラク帰還兵のディーン・ヒコックに命を救われ、ヒコックは犬のたどった経歴を遡って、ルーシーが住んでいた家にまでたどり着き、ルーシーを我が子のように思っていた、ミズ・エルの息子の警官・レイファーから、洪水で死んだルーシーや、傷ついたギヴをいたわるミズ・エルや住民たちの話を聞くことができた。レイファーを訪ねているときに、ヒコックはイラク戦争で亡くなった戦友の弟・スリップが、山火事に襲われたことを知る。ヒコックはギヴと一緒にスリップを助け出しに向かい、スリップの救助には成功するのだが、ギヴの行方がわからなくなる。英雄・ヒコックを報じるテレビを見ていた(元飼い主の)アンナは、その犬はギヴに違いないと直感し、入院していたヒコックの元を訪ねて、ギヴを探しに山火事の後の山に捜索に出るのだった。
 
 危険地域を警戒する警官の目を抜けて、ヒコックがギブと一緒にスリップを探しに山の中に入る場面の描写が私には感激的だった。作者、ボストン・テランの心の中を見た思いがした。それは、「アメリカに住む者なら誰もが血の中にもっているものがある。われわれはみなそれから生まれ、それとともに、それのためにこそ、あるいはそれにもかかわらず、死ぬ。中略 われわれはそれをわれわれの名前をたどるぼろぼろの旗と同等に崇める。純然たる反骨心。正しかろうとまちがっていようと、とにかく行く。」この記述から、アメリカを愛する良きアメリカ人魂を見た想いだった。そして、こう言うことを臆さずに記述するボストン・テランが好きになった。
 
 訳者が後書きで言っている、「ギブという犬の持つ善良さと同時に、人の持つ善意が描かれ、その尊さが作中繰り返し訴えられる。」とまさにその通りなのである。ボストン・テランの本を何冊も訳している、訳者・田口俊樹氏に対して、心のこもった翻訳に感謝したい。
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No.36:
(4pt)

たくましく優しい犬ギブ

この作者の本は3冊読んだが、これが1番愉しめたかなと思う。   
内容は良いのにテランの本は比喩がくどいのでサラサラ読めないのが難点。
この人独特の文体に慣れるのに時間がかかる。
訳者も「呼ばわる」と言う何だかあまり聞かない日本語を使ったりするので癖がある。最後まで文を理解しようとじっくり読むと疲労するかも。
深く考えないで雰囲気を感じとりながら文を追って行くのが完読の秘訣かと…。文学的でいい作品なのだけれどなぁ。
映画化されたらもっと感動できると思う。
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No.35:
(3pt)

期待に反した。

人に勧められて購入したが、それほど面白くなかった。冗舌で翻訳もいまいちの感がしました。
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No.34:
(4pt)

いい話でした

フランダースの犬といい、忠犬ハチ公といい、救助犬エリーといい、映画『僕のワンダフル・ライフ』のベイリーといい、犬の物語はいつも胸の深いところへ響くから不思議です。

このギヴの物語も、例にもれず愛と感動のお話でした。
書き方がとても独特で、ミステリアスで、なおかつ、大型ハリケーン・カトリーナの洪水被害など生々しいリアルな描写もあり、才能豊かな作家さんだなと思いました。

訳者あとがきに、「いい小説です!」と絶賛されていましたが、
ほんとに、いい話でした。読んで良かったです。
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No.33:
(5pt)

兎に角!読んでみて下さい。

電子書籍で読みました。どうしても、もう一度手に取り読みたくてならない本です。
犬好きにはたまらない、愛おしくてたまらない内容です。
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No.32:
(4pt)

うまく共鳴しないまま読了してしまった。

うーん、どうも最後までなじめなかった。
商品説明や裏表紙紹介文の「愛」「感動」に必要以上に引きずられたか。

「アメリカ的」という言葉が(たぶん)何度か出てくる。
ある時代のアメリカを表す象徴的な事件だけでなく、楽曲、大統領、場所などの固有名詞が散りばめられ、最後あたりはハリウッド映画ヒーロー物のような救出劇もあるのだけど、ビバ!アメリカな感じではなくどちらかと言うと皮肉めいて聞こえる。
ただそれも嫌みったらしいものではなく、移民で構成された歴史の浅い国が力や夢で無理に自己存在を認めようとしてうまく行かず、結果、傷ついた果てに人と人の繋がりや自己認識に辿り着いたところに希望を見出している、ように思う。

のだけれども、どうも頭での理解と心への響き方がわたしの中でうまく共鳴しないまま読了してしまった。
何かの機会に読み直してみるか。
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No.31:
(5pt)

犬と人の愛情の深さが伝わります

一頭の犬と その犬に係わる人々の物語。
甘過ぎるエピソードはなく、犬が擬人化される事もありません。それでも犬と人の愛情の深さが伝わります。
犬を良く知っている方ほど、心打たれるのではないでしょうか。名作だと思います。
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No.30:
(3pt)

レビュー見て期待しすぎたのかも知れませんが

途中は辛くても最後には皆がなんらかの形で犬に救われる話、だと思っていたので
中段の若者たちに結局救いらしいものがなかったのが(もちろんギブと出会って
交流することで癒される展開はあるのですが)なんだか裏切られた感じが。
もちろん、それがリアルな今のアメリカだと言われてしまえばそれまでなんですが
年食うと、リアルはそうだからこそフィクションにはカタルシスが欲しいのです。
それに限らず(現代のアメリカの反映として)やり切れない思いにさせられる
犠牲者たちが多く描かれている中、救いが得られるのはほんの一握りの人々、
というのがリアルで、リアルな故に私は癒されませんでした。
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No.29:
(4pt)

ギヴにありがとうと言いたくなる

生まれてすぐはスクスクと育っていたのに、ミュージシャンの兄弟に盗まれてから
過酷な運命に翻弄されるようになってしまった犬のギヴと関わる人間の物語。

ひどい扱いを受けたりして、読んでて辛い。人間って自分勝手で傲慢でごめん、という気持ちになる。
でも、ギヴも愛してくれるなら人間と一緒にいたい、というのがわかるから救われる。

切ない物語だけど、読む価値のある物語だと思います。
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No.28:
(5pt)

その意志の歩むところ

犬が主人公…といいつつも
主人公であるはずのギヴ(GIV)自身の
本当の感情や思考は実はわからない
ギヴの行動原理はすべて人間側からみた
「そう見える」「そうに違いない」というだけだ
もしかしたらギヴは…
それほど哲学的なことを考えているわけではなく
もっとシンプルなのではないだろうか
ただ「するべきことをする」
それだけのような気がする
作中で「死んじゃったんだよね?」「馬鹿だよな」
というセリフがある
『しなくてもいいことをして命を落とした』
事象だけをなぞればそうかもしれない
しかし「なぜ」それをしたのか
そしてそれは「どうしてもせざるを得なかったのか?」
…ギヴとかかわった人はそういう人たちだ
それはギヴが影響を与えたということではなく
そういう人だからギヴが寄り添ったのではないだろうか
ギヴは愛されたからといって寄り添ったりはしない
それこそどんなに愛されても…
選ばれた相手はギヴに「何かをした・しなかった」
ではなく「どういう人なのか」…
描かれたことだけではなく人柄をたどればその答えは
自ずと導き出される
ギヴが寄り添う相手は作中のことばを使えば
「正しい愛」で「血族」の相手だけである
ギヴが認める相棒はこの世界でどれほど「命」が美しく
尊いものなのかを知っている人間なのである
そしてギヴ同様 その光りを助けられる可能性があれば
その歩を止めることはどうしても出来ない人なのである
本音を言ってしまえば
愛する人がこういう人だととても苦しい
しかしこういう人たちは 月日と共に個人の名前はなくなっても
その存在は善と美に形を変え 永遠となるのであろう
温かさと涙とともにいつでもその存在を感じられるのかもしれない
テラン作品のラストシーンは旅立ちや哀惜が多いが
この本は「命をつないでいくこと」の意味を提示してくれる
その美しさに本当に心を揺すぶられた
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No.27:
(1pt)

ムムム!

犬がいじめられる描写が最初から出てくるので、いきなり読めなくなりました。幾ら感動的な本でも、犬がいじめられるって! 絶対読むのは無理です!
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No.26:
(4pt)

作者ならではの一言一句、

噛みしめ読める文章で、この厚さでも時間を要した。四作目に似た匂いで、流れ去るには惜しい重い時間。広汎な文化的言及のある翻訳も最高。
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No.25:
(4pt)

翻訳がちょっとゴタゴタしてるが、佳き犬の本です

犬が
好きな人に読んでほしい!
犬と人間、犬と犬と人と人そしてアメリカの小さな街の
アウトローなかっこいい、温かめの時間を
経験してね。
訳はこなれてないけれど
なれるから大丈夫だよ!
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No.24:
(1pt)

そんなにいい本なのか?

わからん、どうしてそこまで評価が高いのか。
読みはじめて、すぐにまどろっこしい、長ったるい文と感じ、我慢して200ページくらい読んだが、どうにも中身に没頭できないので、過去の話や人物とリンクできず、読むのをやめた。
相性なのか?村上春樹が読めない私なので、村上春樹が好きな人はきっとこの本が好きなんだろうと思う。
私にとって、読書は娯楽。この本は娯楽にならなかった。
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No.23:
(5pt)

犬の大河ドラマ

”GIV"という名前の犬が、どこでどのように生まれ、
どのようなアクシデントを乗り越えて、この作者とめぐりあったか、、
いわば”犬の大河ドラマで”ある。
犬のハードボイルドである。
どのような境遇になろうとも、決して善良な心を失わず、
アメリカの各地で、傷ついた人たちを愛し、愛され、癒してきた。

テランらしい、乾いた感じで、リズムのある文章。
訳者も良いのでしょうけれど。
ストーリーには、サスペンス的な要素も少々ちりばめられているけど、
メインは、犬と人の交流。
しみじみと味わいながら、泣きながら読んだ。
私もこの犬を抱きしめたくなった。
ハードボイルドなサスペンスかと思って読んだのに、、泣けた。
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No.22:
(5pt)

犬好きであればいっそう感情移入できる作品

犬のギヴが主人公の物語。ギヴの最初の飼い主はモーテルを経営する女性のアンナ。モーテルに止まった兄弟のうち、兄がギヴを盗む。そして、弟と知り合った女性のルーシーの手にギヴが渡る。しかし、ルーシーはハリケーンのカトリーナの被害に遭い死亡する。ギヴは様々な困難を乗り越えながら、物語の語り手のディーン・ヒコックに出会う。そして最後は、・・・。読んでいて悲しくもなり、微笑ましくもなり、様々な感情を味わえる。犬好きであれば、ギヴの一挙手一投足に共感を覚えるだろう。ギヴが主人公であるが、犬の視点で語られることはなく、あくまでも人間が物語を綴る。小説として面白い試みであるし、それが成功している。本屋大賞の翻訳部門に入賞したのも頷ける。
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No.21:
(4pt)

読みかえすとじわじわ来ます

1度目に読んだときは、まあ、ほのぼのとしているな、と☆☆☆くらいの感じでしたが、自分が落ち込んだ時に読み返してみると、なんだか涙が出てきました。

元気な時よりも、人間関係や人生に疲れている時に心に響く本だと思います。
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No.20:
(5pt)

犬は神に近いと思う

犬が好きな人にも、そうでない人にもぜひ読んでいただきたい作品です。
滅多にないことですが、すぐにまた読み返しました。この世界にずっと浸っていたかった。
犬が大好きです。犬の純粋で深い魂、人間はそれに応えられるのか…考えさせられます。
最後の14行は、犬好きの人なら忘れられない文章になると思いますね。
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No.19:
(5pt)

犬と人、動物同士!

こんな事ってあるんですね〜。
小説だったら出来過ぎですが、そこは実話の強さでそのまま感動できました。
犬好きにはたまらず、犬嫌いな人も読んだら好きになってくれるかも。
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No.18:
(5pt)

読み終えても手元に長く残したい1冊

プロローグにある「犬というのはわれわれの生ける意識の一部であり、われわれの永遠の良心の核だ」という一節に深く頷かされました。ロバート・パーカーの「警察署長 ジェッシー・ストーン」にも、愛犬を亡くした主人公が「良心を失った」と呻く場面があります。テランのこの深遠な言葉の意味を知るには、ぜひともご一読をお勧めします。読み終えても手元に長く残したい1冊です。
その犬の歩むところ (文春文庫)Amazon書評・レビュー:その犬の歩むところ (文春文庫)より
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