シンパサイザー



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初公開日(参考)2017年08月
分類

長編小説

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シンパサイザー (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2017年08月24日 シンパサイザー (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「私はスパイです。冬眠中の諜報員であり、秘密工作員。二つの顔を持つ男――」捕らえられた北ベトナムのスパイは、独房で告白をつづる。息もつかせぬスパイ小説にして皮肉に満ちた文芸長篇。ピュリッツァー賞、エドガー賞最優秀新人賞など六冠に輝いた傑作!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

シンパサイザーの総合評価:6.40/10点レビュー 20件。Dランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(6pt)

全600ページの独白は、正直キツい

南ヴェトナムが崩壊した1975年に4歳で難民として渡米したヴェトナム系アメリカ人作家の長編デビュー作。MWA賞最優秀新人賞とピュリッツアー賞を受賞し、アメリカでは大ヒットした作品である。
主人公(最後まで、名前は出ない)は、フランス人宣教師がヴェトナム人メイドに生ませた私生児で、生まれた時から父親には認知されず、妾の子として迫害されながら育ち、南ヴェトナム秘密警察長官(将軍)に信頼される大尉として勤務し、駐ヴェトナムCIA局員からも可愛がられていた。1975年、サイゴン陥落を目前に、将軍たちはサイゴンを脱出し、アメリカへとわたる。難民として苦労しながら、将軍たちはCIAや米国保守派の助けを借りて南ヴェトナムへ侵攻する計画を進めていた。将軍の片腕として活動する主人公だったが、実はヴェトナム時代から南ヴェトナム秘密警察に潜り込んだ北ヴェトナムのスパイであり、今も親友で義兄弟の契りを結んだ北のハンドラーと連絡を取り合っていたのだった。しかも、義兄弟と誓い合ったもう一人の友人は、熱烈な反共主義者の南ヴェトナム軍人で、同じく将軍と一緒に行動しているのであった。
物語の中心は、スパイ活動と周辺の人々への愛情との亀裂をはじめ、西洋と東洋の血が流れる自身のアイデンティティの苦悩、祖国とアメリカ文化の対立、成功した革命が見せる変質への失望などなど、二つの精神のせめぎ合いと葛藤に置かれている。従って、いわゆるスパイ小説のスリリングさやサスペンスを期待していると裏切られる。言わば、ヴェトナム人の視点から描いたヴェトナム戦争小説である。
描かれている世界は複雑で、さまざまなエピソード、登場人物も魅力的なのだが、いかんせん全600ページ(文庫本2冊)がすべてが主人公の独白という構成が重苦しい。読み通すのに、かなりの気力と体力が必要だった。
スパイ小説を期待せず、現代アメリカ文学のヴェトナム戦争分野の異色作として読むことをオススメする。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.19:
(4pt)

ベトナム戦争をベトナム側から見る凄惨な物語

北ベトナムのスパイをしている語り手の告白という形式で進む、ベトナム戦争の悲惨さを小説にした作品。サイゴン陥落など史実を元に語り手がどのように戦争を乗り越えていくのか描かれており、なかなか凄惨である。1ページに占める文字量が多く、文字の洪水のように語り手の告白を読むことになる。私が知っているベトナム戦争はアメリカからの視点だったことに気づかされた。本書はベトナム側の視点でのベトナム戦争であり、新しい気づきがある。また、日本人よりはベトナム戦争当事者であるアメリカ人に刺さる作品になるだろう。
シンパサイザー (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:シンパサイザー (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.18:
(5pt)

暴力の世界、主人公の知性とは無関係なんだ。

主人公は、ベトナム人であるが、戦争終結前にアメリカの大学で優秀な成績を上げている。私の知人に日本の大学を卒業した人がいるが、知的で静かだ。
でも戦争の中では、そんなことには無関係だ。米国内で知人をナイフで殺すし、拷問するし、友人から拷問を受ける。
「ゲームの王国」「チャイナタウンの女武者」も暴力にあふれているが、その感じとは大きく違う。この本の主人公はずっと冷静で、知的だが、殺人はあふれている。

活字がつまっているせいか、主人公の内省的な記述が多く、ページ単位でのストーリ展開が読めないせいか、読み進みが遅い。それがまた主人公の行き詰まりと心的な複雑さを感じさせてくれる。
シンパサイザー (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:シンパサイザー (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.17:
(4pt)

翻訳も優秀

テーマの面白さ、原文英語の言葉遣いの妙、日本語への翻訳も非常に優秀で素晴らしかった。
シンパサイザー (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:シンパサイザー (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.16:
(4pt)

これはミステリーでもサスペンスでもない。

この作品はピュリッツァー賞とアメリカ探偵作家クラブ賞を同時受賞している。だが、私にとってこれは推理小説でも
サスペンスでもない。ヴェトナム人の目から見たヴェトナム戦争の真実を描いた凄まじいまでのドキュメンタリーである。
仏人の父と13歳のヴェトナム人の母から生まれた私生児の「私」は南ヴェトナム秘密警察の大尉でありながら、
北から送り込まれたスリーパーである。この「私」の「司令官」への告白の形で、「私」の半生が描かれて
行く。スパイでありながら、ものの考え方はかなりアメリカナイズされているこの大尉の体験を通して、ヴェトナム戦争が
終わる前の腐敗した南ヴェトナムと北が勝利した後のヴェトナムの実態が明らかにされる。狂気ともいえる
戦争場面や拷問のシーンは、全編を通じて観念的であると言っていいこの作品の中では、極めて写実的で
グロテスクである。結局、この戦争の意味は「何もない」ことを見つけたというくだりの虚無的なまでの
「私」の告白も米国、フランスそして共産主義者に蹂躙されるヴェトナム人民の声として読者の心に残るであろう。
なかなか読めないし、決して映画にもならないであろうヴェトナム人から見たヴェトナム戦争史である。
シンパサイザー (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:シンパサイザー (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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No.15:
(1pt)

久しぶりで途中でギブアップした

原文がそうなのか訳のせいなのかわからないが、ひたすら読みにくかった。
わざと下手に書くのが持ち味なのだろうか。
舞台は興味をそそるのに、もったいない。
シンパサイザー (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:シンパサイザー (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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