アメリカン・ウォー



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    初公開日(参考)2017年08月
    分類

    長編小説

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    アメリカン・ウォー(下) (新潮文庫)

    2017年08月27日 アメリカン・ウォー(下) (新潮文庫)

    北部民兵による難民キャンプでの大虐殺で母親を失った傷心の一家は、故郷へと帰還するが、サラットの心だけは内戦の前線地帯でわだかまっていた。自爆テロか、弛緩した生か。しかし、ある日突然彼女はテロ容疑で戦犯収容所に拘留されてしまう。地獄のような拷問の日々。解放されるも、人格が崩壊したサラットは、ある人物のもとを訪れるのだった―。驚異の新人による問題作が緊急上陸!(「BOOK」データベースより)




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    No.2:
    (5pt)

    「戦争の悲惨さだけが世界の真に普遍的な言語」なんて。悲し過ぎる

    読後、現在のアメリカ社会の「現状」と世界の「現状」を考えると、
    恐くなりました。
    この作品は、一種のSFシミュレーション物語ですが、
    その状況「設定」がリアルに感じたからです。

    著者がデビュー作である本作品で書きたかったことは、
    「報復の普遍性」ということだそうです。

    「どこの国に生まれ育った人間であれ、
    同じような苦汁をなめさせられれば同じような報復に走るはずで、
    たとえば自爆テロもイスラム教の特性から来るのではなく、
    同じような状況に置かれたら人種や宗教の別なくそれを実行する
    可能性があるのだという」(「訳者あとがき」より)

    メキシコから不法入国してきた父親とアフリカ系の母親の間に
    生まれた、南部米国人である主人公は、収容所での北軍による
    七年間にもわたる拷問の「報復」として、無差別の生物疾病兵器
    による自爆テロを実行してしまいます。
    疾病兵器の病原体を自らの体の奥深くに隠し持って。

    戦争は、その原因となった過去の苦汁への「報復」が再び同様の、
    あるいはそれ以上の「報復」を新たに産みだしてしまいます。
    この「報復」の拡大再生産(悪循環)も、大昔からあります。

    本書は、もしも米国内で米国人どうしの武装戦闘が起きると、
    これまでにないくらいの大変な数の犠牲者が出る可能性がある
    ことを、フィクションという形で読者に例示して予見させて
    くれました。

    小説の「設定」が実際の歴史を踏まえているので、リアルで
    興味深く感じられました。
    再発防止策が暗示としても示されないので、ただただ悲惨な
    フィクションですが。

    「解説(池上彰による)」の表題の
    「他人にしたことは自らにも降りかかる」という教訓が、
    この小説の「設定」の土台にあるように感じました。

    アメリカ合衆国がこれまで周辺の国や中東の国々に対して
    行ってきたことが、この作品では、そのまま「報復」の
    ような真逆な形になってアメリカ合衆国自らにも
    降りかかってくるという、皮肉な「設定」です。

    巻末の「訳者あとがき」と「解説」には、この小説の
    「設定」に関連するアメリカ合衆国の歴史的事実が
    分かりやすく書かれていて、小説理解を助けてくれます。
    この小説が単なる作り話や絵空事のワンダーランドの物語
    ではないことに気付かせてくれます。

    例えば、アメリカの戦争の戦死者について、(第一次)
    南北戦争では北軍・南軍あわせて約六十万人、
    第一次世界大戦では約十万人、第二次世界大戦では約四十万人であった、
    と「訳者あとがき」は教えてくれます。

    この小説の<第二次アメリカ南北戦争>では、主人公が使った
    「無差別の武器」としての「疫病」兵器(262頁)だけで、
    約一億一千万人の「戦死者」という膨大な「設定」です。

    無差別の生物兵器が、いかに恐ろしい武器になりうるかを
    思い知らせて、読者に想像させてくれる小説「設定」です。

    この小説の中では、<戦闘鳥>と呼ばれる無人爆撃機が
    「自由南部国」の空にしばしば飛来してきて、すでに
    コントロールを失っているため「無差別に」爆弾を
    落としてくるという「設定」です。

    この「無人爆撃機」は、人間ではないので「情け」容赦なく、
    昼夜を問わず爆撃してくる、人でなしのロボットです。
    この無差別の新兵器は、南北に分かれた同じ米国人どおしの
    国内戦争である、この小説戦争の中にも数カ所で現れます。

    過去の人間社会は、世界中、戦争だらけの歴史だったことを
    思い出します。
    現在、世界が置かれている「状況」は、この小説の「設定」
    となっている戦争「状況」とよく似ています。

    この小説の<第二次アメリカ南北戦争>は、北軍の勝利となり、
    負けた「自由南部国」は消滅し、アメリカ合衆国として再統合
    されます。

    しかし、収容所で拷問を受けた南部人の心の中には「報復」心
    が残ったままで未来まで癒されることはありません。

    戦争は問題の解決にならない、戦争の後には空しく悲惨な
    破壊と破滅だけが残る、というのが歴史の教訓です。
    この小説の結末も、教訓どおりでした。
    読後、あーあ、とため息が出ました。

    冒頭の「アメリカ合衆国周辺地図(2075年頃)」には、
    2000年のアメリカ大統領選挙のときに、得票の集計をめぐって大混乱し、
    勝利者の決定が大きくずれ込んだ「フロリダ州」は、フロリダ海に深く
    沈んでしまっていて存在しません。

    地球温暖化による海面上昇が、アメリカ合衆国のひとつの州をも海面下に
    呑み込んでしまった、という「設定」です。

    この小説の主なテーマとして描かれた<第二次アメリカ南北戦争>の
    きっかけとなった「自由南部国」は、ミシシッピ川が国境となって、
    そこでとどまっています。
    そこには堤防のような巨大な壁があるだけで、南と北とを分ける
    「戦時隔離地域」はありません。

    その地図では、メキシコ軍支配下の「メキシコ保護領」が、
    西海岸のカリフォルニア州の大部分を飲み込んでおり、
    かつテキサス州の油田地帯のすぐ近くまで迫っています。
    アメリカ合衆国は、この戦争でカリフォルニア州とテキサス州を
    失ったという「設定」です。

    「カリフォルニア州」は、南北アメリカの内戦の隙を突いた
    メキシコ軍の介入によって「メキシコ保護領」となってしまいます。
    この「設定」は、もともとこの地域はメキシコ領土だったものを
    アメリカが戦争で奪ったという歴史をふまえています。
    「メキシコ保護領」は「報復」措置?

    「戦争の悲惨さだけが世界の真に普遍的な言語」(27頁)なんて。
    悲し過ぎる、と思いました。

    何千年もの長い間、大小の戦争を繰り返して歴史に学んできた人類。
    ここ数年の学習で人間を打ち負かすほど「勝負」強くなった人工知能。

    人工知能が戦争シミュレーション・ソフトを開発し、戦争は勝っても
    負けてもいいことは何もないから、「戦争はやめたほうがいい」と
    忠告してくれないかな、と思います。

    これまでの人間の歴史を振り返れば、人類共通の普遍的な
    「戦争再発防止策ソフト」は、人間の手では作れそうもない、
    人間の知恵にあまる、とあきらめるのは、悲し過ぎます。
    アメリカン・ウォー(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:アメリカン・ウォー(下) (新潮文庫)より
    4102201327
    No.1:
    (1pt)

    期待はずれ

    傑作との価値基準に?娯楽0%、大仰なタイトルだが薄すぎではないでしょうか…
    さて、別の本を読もう
    アメリカン・ウォー(下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:アメリカン・ウォー(下) (新潮文庫)より
    4102201327



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