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(短編集)
眼の気流
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眼の気流の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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昭和30年代に発表された短・中編が5編。 タイトルにもなっている『眼の気流』だが、やや作為的過ぎていまひとつ。 どれも趣向を凝らしたミステリだが、『たずたずし』『影』がよかった。 | ||||
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数ヶ月前、松本清張を集中的に読んだ時に選んだ短編集の一つです。 この短編集自体は、ミステリとしてストーリーは面白いが展開に無理があるなと感じるものが多く(伏線やエピソードを増やして長編にすれば違ったと思われる)あまり印象に残っていません。 が、中の1編「結婚式」はかなり強い印象を残した作品です。 この「結婚式」はミステリとはいえず、「社会派」とも全く関係なく--私が最初にこれを読んで思い浮かべたのは江國香織さんの「清水夫妻」でした。江國香織作品は他に読んだことがないし、松本清張と文体やテーマに共通点を見つけた訳でもないのですが--喜怒哀楽とも愛憎とも違うところにある人生の味というか機微というか、不思議な趣に惹かれた点が同じだったのです。 一時期まとめて読んだ清張を続けて読んでいないのは、やはり古く感じる作品が多いからなのですが、この「結婚式」などは今でも十分通用すると思います。他にも厳密にはミステリでない作品に私の好みは集中しているので、そのような「ミステリでない」一風変わった作品だけのアンソロジーがあればもう一度読みたいし、松本清張なんて古いと思っている読者にもアピールすると思うのですが。 | ||||
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もはやぼくの先入観では、松本清張は推理小説で名をあげた心理小説家なのだった。 推理小説という観点で読んでいくと、中には「ありゃ?」というできのモノがある。 例えば、この「眼の気流」に収められている「眼の気流」だ。 事件発覚すら確定していないのだ。桑木刑事は行方不明の二人の男女の行く末を「刑事の直感」で殺人事件と見抜く。 真犯人も「刑事の直感」で! 「死体はここにある!」と警察上層部の反対を押し切って捜索するも死体は出ず。 となぜか、2番手の死体遺棄現場を「刑事の直感」で発見。 それを見ている「真犯人」はやがて自白でもしそうな勢いだ。 なんだ、そりゃ?と思わせないのが松本清張の心理小説家たる筆力。 この小説として疑問だらけの展開が、松本清張の筆力にかかれば、二転三転の起伏にあふれる娯楽小説に生まれ変わるのだ。 「結婚式」にいたっては心理小説でですらない。 しかし、面白い。 松本清張の底と謎をいつか解いてみたい。 | ||||
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