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第四間氷期
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第四間氷期の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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SF(的な)作品。「砂の女」「他人の顔」「箱男」のような凝った言葉を緻密に組み立てていくタイプの作品ではなく、シュールではあるものの謎解きめいたストーリー性のある作品。 主人公の勝見博士(46)は、国家の研究所で「予言機械」を発明。すでに、ソ連も予言機械を発明している。この予言機械の実証のために部下の頼木といっしょにある中年男(会計係)を無作為で選び、その運命を予言することを思いつく。二人でこの男を尾行すると、男は愛人の家に入っていく。翌日、この男が殺されたことが新聞で判明。愛人は自分が犯人だと自供しているらしいがとてもそうは思えない。真犯人がいるはず。勝見は、この男の屍体を予言機械にかけて屍体に真相を白状させようとするが、真犯人は判明せず。ただ、愛人が妊娠中絶すると7000円もらえる病院の話をしていたということが判明し、ますます???更に、肝心の愛人も服毒自殺。勝見にはときどき「深入りするな」という警告電話がかかってくるし、何者かに尾行もされる。 更に、勝見の妻は子宮外妊娠していたのだが、妻はだまされて連れて行かれて堕胎。7000円もらう。勝見は子どもはどっちでもよかったらしく、このあたりはあっさりしている。 勝見は、頼木が真犯人ではないかと疑う(結果的には確かに頼木が犯人なのだが)。疑われた頼木は、勝見をある研究所に誘う。その研究所は水棲生物を作るところで、どうもなんらかの上位機関のコントロール下にあるらしい。水の中で生きる豚などを見せてもらい、すでに海底牧場などが実用化されているという。これは秘密プロジェクト。更に中絶胎児を改造してすでに数万人もの水棲人(子ども)も作っている。 予言機械によれば、間氷期が終わり、これらから陸地の大部分が水没する。警告電話の主は予言機械で勝見の未来をみてしまった予言値(未来を知った勝見の分身的人工知能?)らしい。この予言値は勝見を説得したいらしい。陸地の大部分が水没する(ヨーロッパ全滅、アメリカもロッキー山脈しか残らない、日本は山だらけの小島になる)という未来が予見されるため海底植民地プロジェクトが始まり、そのためにたくさんの胎児をあつめて水棲人をつくっている。洪水が来る以上、限られた陸地で争奪を始めるか、水棲人を未来の担い手としてみとめるしかない。この水棲人のつくる海底都市から地上に救援物資が届けてもらえるように計らうことで人類を救う。とはいえ、徐々に陸地はなくなっていくので陸上人はどのみち衰える。中年男とその殺人は勝見をそれとなく秘密の水棲人プロジェクトに導く仕掛けだったらしい。しかし、勝見は、予言機械の製作者でありながら、この予言(現在の延長からは想像できない不連続な未来)が正しいのか信じ切れない。それゆえに勝見がプロジェクトにとってむしろ邪魔になるのではないかと予言値は危惧していた。頼木たちは勝見を助けたいらしいが、勝見がこの未来対策に協力してくれないのなら勝見を処刑するしかない。 まったく妙な話ではある。 | ||||
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