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蒲生邸事件
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蒲生邸事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全131件 41~60 3/7ページ
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はじめのほうは苦手な歴史のにおいがしたり、 タイムトラベラーの要素があったりで、 はずれかもと思いながら、スローペースに読んでいたのですが、 中盤あたりからぐいっと一気に物語りに引き寄せられて、 読み終わった後はしばらく、余韻に浸っていました。 こんなに読み応えのある話を読んだのは久しぶり。 どっぷりとはまって大満足。 そしてちょっぴり切ない。 | ||||
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2.26事件に素材をとった、SF的な小説。関川夏央氏が解説を書いている。解説の中でこの小説の主人公は「歴史」であると述べている。この小説を読んで宮部みゆきが好きになった思いがする。 「歴史」に対する真摯な思いが伝わってくる。現在の高みから過去の歴史やその時の思想、行動を断罪する一部の左翼的な、イデオロギー過剰の言説とは無縁な視点でこの小説は書かれている。 2.26事件当時に生きた蒲生憲之陸軍大将が、黒井に連れられ戦後の日本を見て、そこから昭和初期の世相を批判する動きは、反射的に戦後の視点で戦前を弾劾、批判する皮相的な人々への風刺になっている。東條は抜け駆けをしなかった。その時代を生で生きていたと著者は語っている。タイムトラベルという手法で書かれているので、歴史、時といった哲学的な問題への思いを誘われる。戦前の家督相続、現代の配偶者への相続との違い等がさりげなく書かれていて興味深い。 | ||||
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最後まで納得出来なかった銃声….大体, 頭を撃って自殺をする場合,絶対的に銃口を 密着させて発射するものであり,この場合, 銃声はほとんど聞こえないのが常識である. ましてや25口径の掌サイズの拳銃である. 頭部がサイレンサーの役割をしてしまう. であるから,相応に離れた半地下まで銃声が 聞こえたとなれば殺人だと断定する.然し, 結果は自殺で決まり.この辺り,宮部みゆき らしからぬ不手際である.無理もないか? | ||||
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松本清張「昭和史発掘」高橋正衛「二・二六事件」を参考に、昭和史を発掘している。時間旅行者(time traveller)と同伴する主人公。最後の約束の待ち合わせが悲しい。会うまで調べなかったという気持ちが宮部流。人が大学や学力で育つのではなく経験で育つということが裏の主題かも。 | ||||
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古本と言う事で、余り気にせずに注文しましたが。。。思っていた以上に状態も良く気持ちよく読む事が出来ました。 | ||||
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よくできた本ではあるとおもう。ただし、タイムトラベルに無理がある。殺人動機にも無理がある。なにより、主人公の青年が女々しくて、読んでてイライラする。ぶん殴ってやろうか、こいつ!って感じだ。 | ||||
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これをもっと上手くスッキリまとめられれば4くらいの評価でも納得できるが他のレビューにもある通り序盤のだれがひどい。大きく分けて6章くらいあるが最初の2章がとにかく退屈で読むのが苦痛だった。長ければいいてもんじゃない。文章が読みづらいので尚更。 ストーリー事態もそこまでスゴい!というほどではなくちょっといい話程度。自分は過大評価につられて期待しすぎたのであまり期待せず読んだ方がいいと思う。 つまらないわけではないが読まなければ損というより暇なら読んでもいいかもくらいだった。あと長い割にはそこまで濃い内容ではないので時間がもったいない。 ミステリー小説ではなく歴史小説っぽいので純粋にミステリーが読みたい人にもおすすめしない。学生さんには結構おすすめできる本かも。 | ||||
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とてもせつなかった。せつなくてせつなくてたまらなかった。 一個人じゃどうしようもできない、歴史の流れの残酷さを見た気がする。 確かに自分も、あの時代に道のど真ん中で、悠然と当たり前のように並んで走る軍隊を見て、戦争反対なんて言えただろうか? たぶん言えない。だって怖いから。死にたくないし。 この話は個人の小さな狭い話を主軸としつつ、大きな歴史、戦争に向かって流れていく大きな話がとてもリンクしている。 結局、個人の人の歴史は少し変えられたのかもしれないけど、戦争に向かっていく流れは止められなかった。 主人公がそれを止める気があったのかどうかは別として。 歴史に介入するのはやっぱり不自然だ。逆説的に言うと、戦争があったから、貴族階級は消え、ある程度公平な時代。総中流時代が訪れた。それはとても喜ばしい事だ。 その過程が、個人が散々地獄のような思いをして築き上げた歴史だとしても・・・ 歴史に介入するってやっぱりとても責任が大きいのかもしれない。 結局エンディングを見ると、僕は歴史を少し変えたことに、意義があるし、何より少し幸せそうだった。 歴史を変えるということ、そこにあったものをなくし、元からなかった場所にあたらしいなにかを作る行為だ。 それは幸せの天秤もバンバン振れて動き回る。 もしかしたらそれで不幸な人の総体が増える代わりに、幸せな人が増えるかもしれない。 秤と一緒なのかもしれない。 そしてそれは自然な流れで決めていきたいと僕は少し思いました。 人が人の幸せの目盛を勝手に自分の意のままに計るなんて不謹慎だ。 それは、たとえ戦争で人がたくさん死んでしまっても・・・ もうおこってしまったんだからしょーがないと僕は思う。 過去は生かせばいいんです。次に でも最後の人情話みたいなほろりとする感じ こんぐらいなら、いいんじゃないかな。歴史を変えても | ||||
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とてもおもしろいストーリーでした。 購入前に他者のレビューを見て参考にして買いましたが、 よかったです。 中古品でも十分に醍醐味を堪能できました。 | ||||
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宮部作品の中ではこれが一番好きだ。 物語は平成の青年が大学受験を前に腐っていろいろ悩んでいたとき、泊まっていたホテルが火事となって絶体絶命に陥った際、一人の男に助けられホテルからなんと昭和、それも226事件が起きる少し前の家にタイムワープしてしまう。その家が題名でもある蒲生邸だった。主人公の青年はその蒲生邸にて戸惑いながらも人と交流をし、そしてその目でもって歴史の教科書でしか知らない226事件を目の当たりにする。 事件あり、恋愛あり、胸躍る展開、次に青年の身に何が起こるのか、はらはらドキドキ、ページをめくる手が止まらなかった。 こんなに面白い小説はそうはない。まさしく面白いの一言。 宮部作品らしい、人物の深みはもちろん、細かい描写は素晴らしい。 本の厚みはあるが、むしろ少ないくらいだった。もっと、もっとこの作品を読んでいたい気持ちにさせてくれる。 | ||||
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間抜けな事に、武田信玄の山の巻を取り出したつもりが、この本を抜き出して、 あろう事か、8年ぶりに全部読み返してしまいました。 ああ、あの2.26.事件を舞台にした宮部作品ね。 そんな感じで思い出して、何とはなしに20ページ。そこはもう、かつて夢中に なった宮部ワールドでした。 え、こここんな感じだったっけ?わーお、これありかよー?って感じで、どん どん読み進む。 所謂タイムトリップもの。孝史と平田の、二週間。昭和11年2月25日への旅。 ひょんなことから出会った孝史と平田。蒲生家へのトリップは、意外な方向。 意外な展開へ。 原文を一部引用します。 「私が、歴史は変えられないって言うのは、そういう意味なんだ。」 「タイムトリップの能力を持つものは、いわば、まがいものの神なんだ」 歴史に対して、人は無力だ。その言葉を孝史は心の中で繰り返してみた。 変わらない歴史に対して、わずかな抵抗を見せる孝史と、そして謎の黒井。 再会はかなわなかった平成6年4月20日の孝史とふきの物語が、なんとなく 「かたみうた」の本屋の親父の景色にも似て、素敵でした。 平田の決意にも感心しました。 一回目よりも二回目の味わいが深かったこの作品。 確かに、2月下旬に予備校の入学試験はありません。高崎から上京した受験生 は、こんなに東京の地理に詳しいわけがありません。 そんなありえない設定も、○にしてしまう初期の宮部ワールド。 お勧めします。満点。8年くらいおいて、二回目もどうぞ。 | ||||
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多作とお聞きしますが、宮部さんの作品あたりはずれがないですね。もちろんこれも大おすすめ。 読んでソンしません。 | ||||
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自分に身が切られるように悲しいことがあった時、 空も、町もいたって普通に動いているのに改めて驚いたことがあった。 たぶん 地球上のだいたいの人はだいたい凡人で、 歴史に名を残すなんてことはないのだろう。 歴史を変えていくこともないのだろう。 では自分の生きる意味はなんなのだろう。 歴史は変えられなくても人の心は変えられる。 思い出を作ることはできる。 希望を持たせることはできる。 スリリングな展開のおもしろさ、 心あたたまるいい本でした。 | ||||
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宮部みゆきの著作を今回初めて読みました。最初は、2.26事件の歴史物・ タイムマシンもののようですが、読み進んでいくと殺人事件の推理小説の色合 いが強くなってきます。主人公が今時というか、最初はへたれなのだが、変な ところで意地を張ったり、厚かましかったりとあまり感情移入はできませんでした。 結局、村上春樹の小説のセリフにもあったが、「自分が生きてきた生き様を 誰かに憶えてもらいたい」という欲望が人間にはあるのだなと感じました。そ の時代時代、自分の能力・経験・人脈を使って一生懸命生きると言うこと。そ の中で、過去から未来を予測するというのは、人間だけに与えられた能力だと思った。 | ||||
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人物設定や舞台設定が地味というかマイナーですが、そのせいか逆に新鮮で心に残る作品になっています。ラストは凄くグッと来ましたが長〜い中盤はSFとしては盛り上がりに欠けるし、サスペンスとしては当たり前過ぎる展開。しかしこの地味な展開が舞台設定には合ってるのかとも思いました。ただ人物描写が薄く感情移入ができないのがマイナスポイント。人物が魅力的に表現されていれば星5つでも良かったと思います。 | ||||
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終盤のホロリは間違いなし。戦中戦後を生き抜いた、蒲生家ゆかりの人々の人生が、確かなぬくもりと実在感をもって胸に迫ってきます。 ただ、それまでが長いんだ!自分の場合、イラつかずに読めるようになってきたのはやっと五章からで、主人公が出会うものほとんどすべてにムカッ腹を立てながら空回っている長い長い間は、彼の視点で物語を追っていかねばならない逃げ場のなさが苦痛で、あやうく途中で投げるところでした。ヘタレのくせに頑固で人の言うことは聞かず勝手な行動してはビビり倒す繰り返し、時代背景の違う人々に対し、万事に失礼だし。他のキャラには誰一人として違和感は感じなかったのに、語り部型の主人公だけがこんなに肌に合わないのは初めてでした。 こういう巻き込まれ型の主人公って、やたら適応が速く、したり顔で立ち回って見せても面白くないことは百も承知で、もうちょっとだけ柔軟で素直なキャラにして前半の尺を短くできなかったんかなー…とか思ってたら解説の人は彼のことを「柔軟で素直」って言ってるんですよね。私の感覚がおかしいのか… 感動しましたが、そんなこんなで星三つ。いろんな意味で忘れられない作品になりました。 | ||||
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タイムトリップを芝居仕掛けに、今を生きることを考えさせる一冊です。 今をどう生きるか、自分はどう生きたいかを考えたとき、人それぞれの生き方があることが分かります。 やはり、宮部みゆきは面白いなと思う一冊です。 | ||||
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架空の歴史上の一家である蒲生家で発生した殺人事件を、タイムトラベルした主人公が解決する物語。 SFというよりもミステリー色が強く、フーダニットもの。 しかしこの設定でタイムトラベラーである必要性は低い。未来を知っている、またその未来は大きく変えることはできないという予備知識があって解決する謎ではあるが、若干興がそがれるポイントである。 純粋なミステリーの中にSF色をだして時代設定を作ったのはいいけど、なんか反則だね。トラベルの回数制限もちょっとご都合的だし。 時代の空気はうまく表現できてるけど、反戦とか厭世とかの味もごくわずか。ちょっと全般的に中途半端。 | ||||
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ネタバレをしないように、軽くあらすじを書いてみたいと思います。 平成6年。 受験生である主人公が泊まったホテルには、変わった宿泊客がいた。 彼は文字通りの"暗い"人間で、他の人間とはどこか違った雰囲気を持っていた。 ある夜、ホテルは火災に見舞われ、行き場を失った主人公はその男に助けられる。 しかし、男の時間旅行により、次に目を開けたときには昭和11年の世界にたどり着いていた。 ホテルが建っていた場所にあるのは、蒲生大将の住む蒲生邸。 現代に戻りたいと訴えるが、男に今はできないと告げられる。 二・二六事件が勃発しようとする中、蒲生邸で事件が起こる! ちょっと難しいですね。 話がゆっくりめなので頭に入りにくいのも難点です。 ただ宮部トリックは健在で、意外な展開を期待できます。 とても切ない物語です。 | ||||
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「タイムトラベル」というSF的要素を取り入れているが、「ありえない」の一言では終わらない作品だと思った。確かに「タイムとラベル」はありえない。けれど、タイムスリップに巻き込まれた主人公の行動、そして、歴史を変えようとする主人公への周囲の対応は「あるかもしれない」「そうかもしれない」という説得力があった。読み終えた後、「この世界で生きること」「今、与えられた世界で自分に正直にまっすぐに生きること」それらがどれだけ難しいことなのか、そしてどれだけ幸せなことなのかをかみ締めた。 | ||||
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