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屍人の時代
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屍人の時代の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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呪師霊太郎シリーズの三作目。 前2作よりもミステリとしての多様性が増し、作者の自由奔放な側面が発揮されているように思えた。 語り口に趣向を凝らした「神獣の時代」、連城三紀彦氏の抒情的ミステリを思わせる「零戦の時代」、映画と啄木という組み合わせの妙の「啄木の時代」、義賊の行動が感動を呼ぶ「少年の時代」。 以上4編、なかなか楽しめました。 | ||||
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四編が収められ、それぞれの題にある海獣、零戦、啄木、少年が狂言回し的に物語は進む。 モチーフや背景となっているのは 北洋漁業、アイヌ、だったり、 太平洋戦争、化学兵器、だったり、 日活映画、撮影所、だったり、 宮澤賢治、探偵小説、だったり。 そして、それらから想起されるのは、自然や争いや夢と現実や憧れや諦念や博愛や・・・。 いろいろ思い浮かぶ。 どんな小説?と問われても、ミステリー、幻想小説、ノスタルジー、探偵モノなど、読む人によって印象は違うと思う。 わたしが何となく感じたのは、ある時期の風俗を通じて、日本や日本人の特性についてが書いてあるのかな、ということ。 なんでそんなことを感じたのだろうと考えさせる、不思議な短編集。 | ||||
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呪師霊太郎シリーズの三作目。戦前の時代の独立した4作品。ただ、時代設定が同じであることと、北海道から東北が舞台の中心であり、それぞれが微妙につながっている。 第2話の「零戦の時代」は、読んでいて、スローなテンポでありながら深遠な事実を探り当てる、これはミニ「ファイルオペラ」だと思った。特に今回の呪師霊太郎には驚かされた。飄々とした、とぼけた若者というところを残しながらも、黙忌一郎ばりの神格さをもつ、いつの間にこんなに成長というより化けたのか。黙忌一朗シリーズを書くパワーはもう無いだろうが、短編シリーズを舞台とする呪師霊太郎は、これからの山田正紀作品の名探偵としての位置を確立したのでは無いだろうか。次作が楽しみである。 | ||||
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本来発売されることのなかった物語が何故か発売された。どうして?と読み進むと実在の組織や人物が登場した。 例えば某国営放送とか超々大物銀幕スター(昭和生まれの人なら100%知っている)I・Y、K・A、A・K、S・J 達が実名で登場する。しかも現在存命中のスターも含んでいるから、これいったいいいんですか?とびっくりする 普通、文庫本を発売する場合必ずと言っていいほど後書きとか解説が付されているのだが、この書籍には一切ない。 執筆者(著者ではなく)に対する出版社の配慮であろうか? 作品は第一話「神獣の時代」、第二話「零戦の時代」、第三話「啄木の時代」、第四話「少年の時代」からなる。 結果を推論しても全て裏切られる。特に第四話の「少年の時代」では、終盤に差し掛かったところで目が点になる。 暫くそこから動けなくなった。唯残念なのは全能の様な探偵を登場させ推論を語らせている点である。物的証拠も ないのでしょうがないと言えばしょうがないか。 | ||||
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シリーズ第1弾の『人喰いの時代』とは趣きの違うSFチックなミステリー連作短編集。奇妙な民間探偵・呪師霊太郎の時間の概念を超越した活躍を描いた四話を収録。帯の『本来書かれるはずのなかった幻の小説、奇跡の刊行!!』の惹句に惹かれ、シリーズ第1弾の『人喰いの時代』と共に購入。帯の惹句に偽り無し。 『神獣の時代』。民間探偵の呪師霊太郎は猫の耕介と共に吐裸羅島へと渡る。霊太郎の目的はギャンブラーの五十嵐という男に会うことなのだが…一筋縄ではいかないミステリーの開幕。 『零戦の時代』。50年もの時を経て描かれる呪師霊太郎の推理。震えるような結末と巧みな伏線、予想のつかない展開。もはや見事と言うしかない。 『啄木の時代』。石川啄木に纏わるミステリー。40年前に依頼された事件を調査し続けた呪師霊太郎… 『少年の時代』。岩手県を舞台に宮沢賢治に纏わるミステリーが展開する。まるで泡沫のような現実…夢か真か…呪師霊太郎の存在さえも… | ||||
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10年ほど前、ハルキ文庫で『人喰いの時代』を読み、感心した記憶がある。 旧カバーの三浦均氏のイラストも、雰囲気があって実に良かった。 本書では「神獣の時代」がすごい。 少し読み進んでも、まるで訳が分からない舞台設定で、しかもクラシックな味わいに収束する超技巧。 もし、今年のこのミスなどの短編部門ナンバーワンとなったとしても、当然だろうと思う。 スルーされないことを祈ります。 巻末に初出情報があるのみで、あとがきも解説もなし。 編集者が書いたと思われるカバーの惹句「本来発売されることは無かった幻の書籍」は意味が分からない(でも面白いフレーズ)。 | ||||
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ただのミステリーだと思って読むと最後にやられてしまいます。著者はSF作家として有名ですがミステリーや探偵小説にも造詣が深くミステリー小説もたくさん書いています。とはいってもSFネタでごまかすのではなく、SF作家ならではの時間感覚や想像力の広さで思いがけない展開を用意してくれます。読み進むほどに以外なことがでてきてやられてしまいます。 | ||||
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