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魔王
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魔王の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全208件 161~180 9/11ページ
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伊坂氏のファンというわけではなく、店頭でチラッと見て面白そうだったから、あくまでも エンターテイメント性を期待して購入しました。 結果、値段が不満でした。ハードカバーにする程の本かなぁと。 読ませる文章力で内容も確かに面白いのですが、謎は解明されずオチもない。主役二人の考 え方や生き方は読んでいてとても気分が良いのですが、ストーリィは完結していると言い難く、 狙ったのであればこれは一体どういうジャンルなのだろうという感想を持ちました。 文庫の価格帯であれば楽しめた分だけの価値はあると思いますが、わざわざ持ち歩きしづら いハードカバーで価格も高いことを考えると、値段分のエンターテイメントを提供されたとは 思えません。 むしろ期待だけ高まらせてハシゴをはずされたような気分で、面白かった分の反動から二度と この筆者の本は買うまいと思ってしまったほど。 面白さと拮抗するほどの欲求不満が溜まる作品です。娯楽を求める人には不向きかと。 | ||||
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私がこの小説を読んでいた頃、建築家の黒川紀章さんが都知事選に立候補されて、世間から「どうしちゃったの?」と白い目で見られていました。実は私自身もその1人でした。しかし、小説を読み終わり、報道番組での黒川さんの姿を見たとき、私は「あっ」と、鳥肌の立つような感覚を覚えました。、ここからは私の勝手な解釈ですが、黒川さんの活動は美しかったと、この場を借りて断言したい。黒川さんが目指したことと、この小説とが、私の中で結び付いたような気がしました。私の勝手な解釈でした。 | ||||
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人間が人間を動かす時、それは見えないパワーなのか それは人の考えを変えてしまう宗教的なリーダーシップなのか それとも金なのか 私はどれも怖いと思った。 兄と弟、日本を動かす政治家。 兄は自分が持っている念力で政治家に立ち向かい、政治家は自分の掲げる公約で世間の支持を熱烈に集め「国」を動かそうとする、 弟は最後に自分にも兄と一緒のパワーがある事を知り、庶民が「国」を動かすには、 「お金」が必要だと考える。 どれもががかなり危険因子的だ。ひとつ間違うとどれも危ない。 政治に興味のない人でも本当にありそうな現実に、いち個人として立ち向かえるのか?などと 思わせる一冊でした。 | ||||
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作者の過去の作品とは作風が異なるため、好みが別れるのも分かる作品です。 個人的に、この作品はSFホラーとしてとらえてます。 結末やメッセージを求める小説ではなく、漠然とした怖さを表現するような。 誰が正しく、何が魔王か? 伊坂さんが書くと禍々しさはなく、透明な灰色といった感じになるのはさすがです。 作品は好きなのですが…上記のような考えなので、単行本の帯が 「なんかちがうなぁ」って思えて好きになれないので (帯の好き嫌いをいうのは筋違いかもですが)この評価にしました。 | ||||
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大学の帰り道にある古本屋で半額以下だったので買ってしまいました。 今までにない伊坂作品で、ある意味衝撃的な1冊でした。 僕たち一般人が知らない、気づかない間に世界はどんどん移り変わっている。 知らない間に憲法は改正され、ファシズムが成立してしまう。 それはとても恐ろしいことだ。 と、伊坂はこの作品でそれを警告している。 はたして現代にめくれているスカートをなおせる人間がどれだけいるんだろう? 必読。 | ||||
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物語を通して「群集心理」の怖さを改めて感じました。 確かに「流行」というものは非常に不思議なものです。 それを過ぎてしまえばなんて事はないのにその時期は殆どが同じ人を支持したり同じものを持つことをステータスだと考えたりする。 今回は「政治」を例に挙げていましたが、確かに「流行」に流されてとんでもない方向に行く可能性もあるのだとも感じた。 | ||||
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魔王は前衛的イメージを人に与えるようですが、この小説で用いられている曖昧さは、俗に純文学といわれる「退屈な文学」ではありきたりな方法であるのです。 そういった方法をエンターテイメントに用いたことには評価が出来ますが、やっぱ伊坂幸太郎にはミステリっていうか結末がしっかりとしたのが欲しい。 | ||||
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話の内容は一つの物語。 だけど、僕は違かった。第二章「呼吸」での弟の静かだが確かな意思。 あの描写が強烈だった。 自問した。何が俺と違うんだ。俺とこの弟は、特殊な能力を除いて何も違わない。 なら同じことが出来るんじゃないかって。 俺は単純だし、ねじまがった理解の仕方をするからこうなりました。 一人で何かを変えようとする二人の兄弟の意思に衝撃です。 | ||||
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この作品の中で強く頭に残る言葉として「諸君はこの颯爽たる諸君の未来圏から吹いて来る透明な清潔な風を感じないのか」という三行からなる文でしょう。これは宮沢賢治の作品の一文なのですがこの一文をテーマというか題材にして魔王は創られています。虚無や無関心が満ちる時代に宮沢賢治の言葉を引っさげあらわれた1人の政治家・犬養。犬養のファシズム化に悪寒を感じある日突然手に入れた力で阻止しようとする安藤・兄。その先にあるものは青空か荒野か。颯爽たる風とは犬養のことではありません。犬養自体はただのきっかけであり、自分で考え、覚悟して、行動することで見えてくる事がそうなのです。しかし、自分はあえて弟の話である呼吸を推します。政治とか、人間関係とか、大自然の中で鳥一匹を探しているとまったく自分には関係ない隔絶されたものに思えてくるのです。これもまたある意味颯爽たる風ではないでしょうか。風なるものは同じが無く人それぞれによって、また、状況によって違ってくるものなのだと考えた2日間でした。 | ||||
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おもしろい小説の条件の一つとして、読み易さが上げられると思います。この本の取り上げているテーマとしては、その条件をうまく満たしていると思います。しかし、うーん、好き嫌いが分かれそうです。ファシズム、超能力、戦争、大衆、演説、洗脳、濃いテーマを村上龍的にごしごしと展開させないところはさすが小説巧者です。うまさを堪能すればそれでいいという気がしています。 | ||||
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面白い作品でした。一つの物語を二人の主人公を通して描いていく。 タッチを変えながら一つの物語としてのテーマ、世界観を持ち続ける。そして展開していく。 ボクにとってこの作品は伊坂さん2作目。裏の読み方は分からなかったのですが、それでもたっぷり楽しめる作品でした。 ただ、気になったのは、この作品を書いた作者の目的。文学的に新しい彼の世界を作り上げること、芸術というと聞こえはいいのですが、なんと言うのか読者に訴えかけてくるものが少なかったように感じました。 政治的、精神的なテーマが多かったこともあり、それが物語のためのただの「小道具」として使われすぎてて、作者の意図は何だったんだろうとすごく気になりました。 感情の描写が希薄だったのかなあ。 | ||||
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「魔王」のパートはストーリーも構成も中途半端。「呼吸」に入ってから会話の面白さは出てきたが、超能力のことなど、習作として書いてみたという程度にしか思えません。結果としては星3つでしょう。 | ||||
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閉塞感の漂う日本社会に訪れるファシズム支配の予兆。情報の洪水の中で自ら考えることを放棄し、雰囲気に流されやすい日本人の国民性。自らの保身や利益の確保を優先し、必要なことが分かってもできない政治家たち。そうした中に、強い決意と覚悟をもった独裁者が現れたら・・・僕たち日本人はなすすべなく飲み込まれてしまうかもしれない。 圧倒的な力をもった独裁者が作る未来。飲み込まれるのか、無駄と知りつつも抵抗し、自らの考えを貫くのか、それとも自らが、決意と力を持った「魔王」として君臨するのか。非常に重いテーマを投げかけてくる。 かといって、村上龍のような、激烈な文体の作品ではない。伊坂作品の軽やかさ、ウィットに富んだ会話の数々、センスのよさが本書でも遺憾なく発揮されている。とにかく伏線が見事。何気なく語られるセリフが要所要所で生きてくる。読んでいてうなることしきり。もちろん恒例の他作品登場人物のfeaturingもあり、ファンサービスも満点だ。 特に今回はタイトルが秀逸。シューベルトの『魔王』のおどろおどろしい旋律が、読書中ずっと頭の中で鳴り響いていた。 僕たち一人一人に、圧倒的な力の前に立つ覚悟を問う作品。おすすめ。 | ||||
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2章で構成されているうち、後半の「呼吸」の語り手が意外だった。前半の「魔王」は予測ができる内容だと感じた。「呼吸」は伊坂幸太郎の独自の世界が展開されていて著者の思惑通りになったんじゃないかなと思います。でも「呼吸」の語り手があの人とはねー。 | ||||
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互いにリンクしあいながら構成されていく世界。 それが伊坂作品の大きな魅力の一つだ。 この作品の中でもあの別の作品に登場していた「調査員」が登場している。 それだけで「伊坂ワールド」に親しんできた人には、あの時点で、 兄の行く末が想像される。 こんなふうにこれからもあの「調査員」が出てきたら、 ああ、そうか、と私たち読者は納得するのだ。 そういえば、最近文庫になった「重力ピエロ」の中でも、 泥棒で私立探偵の彼だけでなく、 あのペットショップや額縁を販売している「彼」も登場している。 別の作品で不幸だった誰かも別の作品で幸福に暮らしている姿を見ることができるかもしれない。 そんなふうに想像できる。それは幸せなことだ。 そして、モーツアルトの歌曲「魔王」。 題名にも使われているだけあって、特に前半の「呼吸」では大きな意味を持つ。 子供にしか姿の見えない、そして説明のしようのない恐怖におびえ、 その思いを話しても話しても恐怖の見せる幻影としか理解されない子供の恐怖は、 まさに兄の恐怖と同じものであろう。 そういう点で、作品間のリンクというよりも、題名とのリンクを強く感じた作品であった。 | ||||
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憲法改正やファシズムといった政治問題に煙にまかれているうち、 肝心の主人公たちの不思議な力は何だったのか、よくわからないまま 終わってしまう感じ。 消化不良ですね。 脈絡があるような、ないような、こういう感じが好きな読者にはたまらないのかもしれません。 わたしは中途半端なまま投げ出された気分です。 | ||||
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恥ずかしいことに伊坂さんのことをよく知らなかった私は,この本の帯文句を誤解して,伊坂さんが政治家なのだと思っていました。そして、政治家にしては理想論だなぁ、と勝手に呆れていました。馬鹿です。しかし例えば靖国問題について中国にきっぱり謝罪をすれば他の諸問題についても追及されますし、アメリカときっぱり縁を切れば食糧問題で日本は壊滅しますし、そんなことをした首相が若者を扇動できるとは思えないのですが…。エンターテイメント文学というのをよく理解していないので、伊坂さんなりの暗諭だとしたら読み込みが甘くて申し訳ないです。それしにても本作品,論文並にメッセージ性が強く,日本への固定観念を植え付けられているようで恐ろしかったです。 | ||||
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自分の思ったことを他人に話させる「腹話術」の能力を体得した主人公は、その能力の使い道を、独裁政権の阻止に求める。彼の言い分はしごくまともだ。しかし、伊坂幸太郎の小説において、エキセントリックな人物とまともな言動は対になることが多い。『陽気なギャング〜』の響野は行動が伴わないだけで、発言は筋が通っている。『チルドレン』の武藤も然りだ。民衆が個をなくして指導者にただ従うことを恐れ、なんとかしたいと思う主人公は正しい。が、彼がいるのは、正しいことも、正しさを保つために思考することも“異端”となる社会だった。シューベルトの「魔王」のダイナミックな旋律の裏に子どもの繊細な恐怖をみて、宮沢賢治のピュアな詩に血の匂いをかぐ。物事の真意に気づいてしまう主人公は、次第に現実に耐えられなくなる。正気を失う主人公と入れ替わるようにして、実は彼と最も似通った人物、犬飼が、淡々と独裁者としての存在感を増していく様が不気味だ。 | ||||
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先日の、自民党が大勝した衆院選で、 負けた民主党の若手の議員が、面白いことを言っていました。 「やり方は分かった」と。 つまり、自民党以外でも、カリスマのあるトップが一人いれば、 今の日本なら、政権は取れる可能性があるということです。 そしてカリスマ性は、戦術さえ確かなら容易に身に付けれる。 (10年前は、小泉さんは橋にも棒にも掛からない変人でしたからね) これは、怖い。 今までなら、党内でプロが選んだ人がトップになれたが、 これからは、国民が選ぶ可能性があるということです。 そして作者は、私たちに疑問をぶつけます。 「本当に、大衆は正しいのだろうか?」と。 閑話休題。 作品自体は、キング・クローネンバーグのコピーなので、 高い評価は出来ませんが、読んで損無しです。 蛇足として、この本で作者はある罠をしかけています。 つまり、この本に影響されて、宮沢賢治を読むかどうか?という罠です。 私は読んでしまいました。 →小泉ブームにも、私は乗ってしまいました。 今度は自分自身で、ちゃんと考えてみようと思います。 | ||||
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宮沢賢治の詩が物語とあいまって胸につきささりました。 生計をたて生活していくという、目の前のことで手いっぱいな毎日を送っているので、政治とか世の中とかそれなりには考えているつもりでもどこか別世界な感じがしていたので、登場する人物たちが身近でした。 主人公たちのいっぷう変わった制限つきの能力は笑えましたが、それを生かす道にはなるほどって思いました。どこにいようと、どんな状況でも素敵な人と思えるようにいたいですね。 | ||||
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