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魔王
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魔王の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全208件 101~120 6/11ページ
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「馬鹿でかい規模の洪水が起きたとき、おれはそれでも水に流されないで立ち尽くす一本の木になりたいんだよ」 世間がろくに考えもせず雰囲気になんとなく流されて行動することを危惧し、異なる特殊な能力を持つ兄弟がそれぞれ別の時代に異なるアプローチで立ち向かう姿を描く。 大きな流れから少し離れて客観的に見つめなおすことの大切さを改めて気付かせてくれた。 | ||||
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今の世の中、流れに乗れるか乗れないか、それが全てである。人々が流されて国全体が一方向へ向かっていく中、その流れを止めようとする主人公。「腹話術」という他人に言わせたいことを言わせることができる能力を身に着けた主人公は、かつての独裁者のような政治家を失脚させることができるのか。 さすがの伊坂節で読みやすく、面白い。印象に残る言葉も多く、遊びごころも忘れていない。「魔王」とはシューベルトの曲から。日本語の歌詞で歌っているのを聞くと「おとーさん、おとーさん」とか言うので笑ってしまいますが、内容は怖い曲。 「消灯ですよー。」もなんかいい。 ノーバディ・グッドマンの話は、ひょっとして読者への挑戦状なのか、はたまた、単なる遊び心をもった実験なのか。どちらにしても、自分が思ったこの作品のテーマ、自分で考え判断する、ということへのきっかけになるものかもしれない。考えろ、考えろマクガイバー。 この話が、都市伝説的に広まったら面白いので使うけど。 | ||||
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個人的に好きな作品です理由はこの兄弟と自分がリンクする部分があるから兄弟姉妹以外に、親子、友人、師弟でもこの感情があるのかも知れない私はこの作品を私の遺書として読んで貰いたい兄弟に最後に残すメッセージとして麗しい兄弟愛の世界と社会の歪みを反映した作品に見えます一部の人間にしか理解できない一部の見方としての意見です。そしてどんな形であれこういう感情を共有できる相手がいることが私の唯一の幸せなのかもしれない | ||||
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ぐいぐいと一気に読めて結末を楽しみにしていたのに、いろいろ放り投げられっぱなし。残念であります。 | ||||
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比較的短いストーリーの『魔王』、そしてその後日談的な『呼吸』、どちらも不完全燃焼的な終わり方に読者は絶対に『モダンタイムズ』を読もう!と決断するだろう。 なにか事件の起きる前のエピローグでしかないような気がしてならない。 これからドでかい事件が起きるような前触れを感じる2編だ。 紙の真実には驚かされた!思わず計算機をたたいてみた人も沢山いるだろう。 | ||||
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伊坂さんはきっと筒井康隆さんのファンなのだろう。 SFの命は現実との接点にある。と,ぼくは信ずる。 伊坂さんはこの作品で、素晴らしい着想に恵まれた。 「自分の思い通りに,他人に発言させる」 と言う能力だ。 この能力が現実で使えるとしたら,そこに現実が絡んでくるわけだが、 その接点に弱さがある。現実のディティールにリアリティが 欠けるととたんに白ける。 さらに、伊坂さんは「自分の思い通りに,他人に発言させる」 と言うアイディアに,もっとこだわるべきだった。 これじゃあ,名探偵コナンの能力と大して代わりないと自信がなかったのだろうか、 登場人物にこれ以上,予知やテレパスと言った能力をもたせるのは、 ミステリに偶然を増やすようなもので,安易すぎると評価されることになるのではないか。 超能力は元々存在しないものなのだから,偶然という手法を使うのと同等なのである。 着想は大胆に、そしてその着想については禁欲的であるべきではないのか。 | ||||
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会社員の主人公と弟は特殊な能力を持ち、世界を変えるために行動を起こす。氏の小説では珍しく政治色の強い内容となっており、社会を形成する集団、そして集団を形成する個人についての考察も描かれています。 「でたらめでもいいから、自分の考えを信じて、対決していけば、そうすりゃ、世界が変わる」 | ||||
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だめだった。 伊坂幸太郎さんの世界観も文章も大好きなのだが、これはまったくだめ。 兄弟ものといえば重力ピエロが思い浮かぶのだけど、 兄弟同士の交流も影響も、お互いのリエゾンする部分も単にちょっと気持ち悪かった。 あたしが弟の嫁だったら、気持ち悪い。 なんかしらと5年も前に死んだ兄のことばかり口にする弟なんてやだ。 なんてそんな風に現実としてとらえたらイケナイ話だったのかもしれないけど、 全く話に入り込めずに非現実感に取り残されて、もう本当にだめだめだった。 うーん。 最近の伊坂作品がだめになったのかな? あたしの気持ちが変わってきているんだろうか? 今度久しぶりに、初期作品を読み直してカクニンしてみようかな。 | ||||
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2つの中編から構成されている作品。 ある特殊な能力を持った兄弟の話。 前編の『魔王』は兄の話で、 後編の『呼吸』は弟の話。 伊坂作品の兄弟は、 絆の固い場合が多い。 これもご多分にもれず、 2人の絆は固い。 兄は、 思慮深く、その性格のせいで、 慎重になりすぎるきらいがある。 そんな彼が得た能力は、 “他人に自分の好きな言葉を言わせること。” 時代は、政治不信が高じ、 ムッソリーニの再来のような、 押しの強い政治家席巻しようとしていた。 あまりの熱狂ぶりに危機感を感じた彼は、 限られた自分の能力で“世界を変えよう”としていた。 弟は、 温和で、懐が深く、 我が道を行くような、強さを持っていた。 そんな彼が得た能力は、 勝負に勝つ能力。 じゃんけんには負けることがなく、 競馬でも、ある条件さえ満たせば、 負けることはない。 彼もまた、その能力を駆使して、 時代を変えようとしていた。 世間から外れたような恋人との暮らしを送りながら、 兄同様の思いで、 世界に向かおうとしていた。 伊坂作品にしては、 仕掛けられた前ふりが、刈り取られていない印象。 結末を書かないことで、 読者に判断をゆだねているのだが、 ちょっと物足りない気がします。 せめてもう少し、未来を感じ取れるところまで、 書いてほしかったな。 登場人物のキャラ設定が、 リアルではないけど、 おもしろかった。 | ||||
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設定は面白いと思ったけどいまいちひきつけられなかった。タイトルがあまりあってない?とも感じました。 | ||||
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伊坂 幸太郎の作品は常にスタイッリシュで言葉を引用したくなるものが多い。 魔王も作品としては、間違いなくかっこいい。 ただ、他の作品と比べて何かが欠けている。 重力ピエロではバラバラだったシナプスが少しづつ繋がっていき、最終的にすべての脳が活性化される喜びがある。 私の理解力、想像力が足りないのかもしれないが、最後まで、この作品の伏線が伏線のまま放置されている。従い伏線になっていない。 テーマであるファシズムを語る衝動は村上 龍の作品には遠く及ばない。 それはファシズムという歴史を語るには、あまりに伊坂の文章が美しいからかもしれない。 ましてや、政治的論議がメインテーマで無いのであれば、伊坂さん自身のファシズムを書く上での覚悟が足りないと私は思う。それほどにファシズムとは重いテーマだと私は思っている。 メディアの怖さを知りたいのであれば、森 達也の「世界が完全に思考停止する前に」を ファシズムの熱狂をしりたいのであれば、村上龍の「愛と幻想のファシズム」を 伊坂の良さを味わうのであれば別の作品をお勧めしたい。 | ||||
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解説が斎藤美奈子ということもあり、手に取りました。 台詞のキャッチーさ、格好良さは流石です。 しかし、読了するのが少し辛かった。 途中で失速しました。 何よりも、女性の描写が生理的に、私には受け付けなかった。 それでも好きですけどね、伊坂幸太郎。 初期の作品化から、何か筋が一本通っていて、ぶれていない所が好きです。 エンターテイメントに留まらず、上昇していって欲しい作家です。(エンターテイメントを否定しているわけではありません) そんな期待も込めて、今回はこの評価で。 | ||||
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何も知らず先に「モダンタイムス」を読んでいたので、そのせいもあってか一気に読めました。 順序としては逆なのでしょうが、十分楽しめました。 今の鳩山さんよりも小泉さんを彷彿させる政治家が登場し、超能力を持った小市民がその能力に気付いて自分なりに闘いを挑むところなど、10代の頃に夢中になった筒井康隆や眉村卓を思い出し何となく懐かしいSF小説を読んでいるような気分になりました。 今までの伊坂作品とは少し違っていて、個人的に伊坂ワールドを一つのエンターテイメントと捉えている分には、それも悪くないと思いました。 | ||||
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匠だ。匠である。ユーモアと読みやすい文体で体が伊坂ワールドへどんどん吸い込まされていく。身体の内側が重なるように。話自体は何気ないのだが、作者自身が日頃感じている何かを小説という形で物事を解説しているようだ。確かにそうだと思うことがある。アメリカはイラクは核はないというのに攻撃し持っていると明言している北朝鮮には攻撃しない。これはおかしな話だ!勝手に戦争をおこし後始末に巻き込むアメリカについてもさりげなく痛烈に批判している。だれがどこかに利益があることによって国民はだまされ誘導されているのか('д`)超能力物かなと思わせつつユーモアと匠の筆さばきで描かれたさりげない傑作です。 | ||||
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2005年に出た単行本の文庫化。続編に『モダンタイムス』(2008年)があり、合わせて読むべきだろう。 本書は「魔王」と「呼吸」という2本の中篇からなる。非常に政治的な内容で、全体主義への警鐘を鳴らすような作品だ(著者は政治的な意図はないと言うものの)。そこに超能力がからみ、一種の寓話とでもいうべきものに仕上がっている。物語としての魅力も十分だし、いい本であった。 それにしても、初期の作品とくらべると、伊坂氏も随分と読みやすい小説を書くようになったものだ。 | ||||
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作者自らが良く分からない世界だから想像で書いたとか言っちゃってるように、作品全体に漂う「浅さ」感は否めない。 ライトノベルかよっ!ってくらい軽く読める(数時間程度)ので、普段読書をしない人には評価が高いのかも知れない。 | ||||
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もとから社会的メッセージを含ませるのが作風だったが、今回はついにメインテーマとして政治を扱っている。 とはいっても作風は変わっていない。重々しい感じではない。 いつものように軽快な会話が繰り広げられている。 超能力という堅苦しさとは正反対の要素を入れることで、うまくバランスをとっているように感じた。 実際はそうでもないのだが、むしろ超能力の話の中に、政治が紛れ込んでいるようなそんな印象。 珍しく、著者の考え方が表面化しているセリフが多い。 だが、その主張を得意の圧倒的に楽しい会話の中に含ませているので読みやすい。 あまり深く考えずに読むもよし、きちんと政治のことも考えながら読むもよし。 とくに「呼吸」での憲法改定にまつわる台詞には考えさせられました。 けっこう鋭いことを書いていると思いました。 「ってことはさ、逆に言えば、世界とか環境とか大きいことを悩んだり、憂慮する人ってのは、よっぽど暇で余裕のある人なのかもしれない。小説家とか、学者とか、みんなさ、余裕があるから、偉そうなことことを考えるんだって」 「この国の人間はさ、怒り続けたり、反対し続けることが苦手なんだ」 この2つはけっこうお気に入りです。 個人的には、潤也が超能力で遊ぶ件が好きです。 なんだかわくわくしました。 「おまえ達のやっていることは検索で、思索ではない」これはモダンタイムスへのつながりを感じます。 この作品は文庫になっています。 魔王 (講談社文庫) | ||||
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政治的なメッセージがとても直截的に語られているという印象を持ちました。この半年くらいに伊坂作品を立て続けに読みました。「オーデュポンの祈り」「重力ピエロ」「ラッシュライフ」「ゴールデンスランバー」。どれもメッセージ性はあると思いますが、「魔王」ほど直截的ではなく、何かしらある種幻想的な設定でシュガーコーティングするところがこの作家の持ち味で、魅力だと思うのですが・・・・・。あとがきで本人は否定していますが、ぼくはこの作品から作者の怒りにも似た日本の現状を憂える気持ちが伝わってきました。その点で小説としてあまり楽しめませんでしたので、評価はやや低めです。 | ||||
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伊坂さんの魅力は投げっぱなしなところです。メインのストーリーは一応の完結はみるけど、あとは投げっぱなしです。だから、他の作品とリンクしてくるんだけど。漫画家に喩えると石川賢です。なので伊坂作品を最初によむのはこれです。間違っても「重力ピエロ」は読まないように。あっ駄作があったっていいでしょ。天才のうんこですよ。 | ||||
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伊坂さんの作品には毎回影響されてるけど、この作品ほど自分に変化を与えた作品はないと思う。 個人的に一番好きな作品。 情報って、メディアを通じて自分の耳や目に入ってくるわけだけど、メディアっていうフィルターを介すことで、どっかの偉いやつらに操作されてる感じがする。そんな情報を鵜呑みにしてる人達がたくさんいる。我々はある方向に束ねられている。お偉い様のご都合主義で。 ボーっとしてたら時代に流されてしまう。俺達は考えなければいけない。常に考えなければいけない。自分の力で。インターネットが生まれて、検索が容易になったことで俺たちはなんでも調べるようになってしまった。考える力の欠如だ。また、時代に流されないためには、情報を遮断するというのも一つの手だ。お偉い様たちの情報操作の魔の手の範疇の外にいればいい。でも俺は職業柄、時代を誰よりも知る必要があるから後者の方法は選べない。でも時代に流されたくない。とにかく時代に流されたくない。自分の信念を貫き通したい。その結果、貧乏になろうともかまわない。人生にとって一番大事なことは自分を見失わない、ということだと俺は思う。 | ||||
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