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アメリカ最後の実験



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【この小説が収録されている参考書籍】
アメリカ最後の実験

アメリカ最後の実験の評価: 3.73/5点 レビュー 11件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.73pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(4pt)

音楽学校の入試の話です

非常に面白くすぐに読了したが、他のレビューを読むと、タイトルから音楽学校がテーマであることが分からないのと、ややマニアックな音楽理論の記述が読み手を選ぶのかなと思った。
自分は趣味で音楽をかじってたレベルだが、専門的過ぎることはないと思ったが。
基本、アメリカの学生の青春モノにちょっとした社会問題とサスペンスが絡み、そこそこの読み物になってるが、軽すぎず難解すぎず、登場人物も悪意がなくウィットもあるので読後感は悪くない。
重厚なミステリーを求める人にはお勧めしないが、音楽に興味がある人ならお勧めできると思う。
アメリカ最後の実験Amazon書評・レビュー:アメリカ最後の実験より
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No.7:
(5pt)

先住民への迫害と言う骨太なテーマに「音楽」でアプローチを試みた作者の意気込みを買う。

私は音楽に関する造詣は皆無であるが、実験国家としてのアメリカの、先住民への迫害と言う問題意識に、いかにもこの作者らしさを感じた。迫害と言っても単純な目に見えるものでなく、「音楽」を奪ってしまう、と言うのが斬新な視点。殺人を辞さず。マイノリティーの集会に、銃を持ち込んだ危険人物に対して、「音楽」を取り戻した人々が歌い始めた場面に、前向きな未来へのメッセージが感じられ、感動的だった。
  この作品はミステリーとしては、必ずしも綺麗に収束しているわけでなく、父と息子の関係も未整理な印象がある。が、それ以上に、骨太なテーマに全く新しいアプローチを試みた、作者の意気込みを高く評価したい。これぞ宮内悠介で、私にとっては心の琴線に触れる作家である。
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No.6:
(4pt)

ハードSFでも純文学でもなく、音楽小説。

バークリー音楽大学を思わせる架空の名門ジャズ音大の試験に挑む若者達を描いたエンタメ小説です。

宮内さん自身が楽器経験者なのか、音楽用語が頻出しますが、多少音楽が好きな人なら特に気にならない程度だと思います。(平均律、純正律、ラグタイムなど)

読む前はタイトルから勝手に、アメリカ政府による最後の核実験を扱うハードSFかと思っていましたが、じっさいはミステリー寄りの音楽小説で、独自のプログラムを実装したシンセサイザーが登場する以外、あまりSF要素はないので読みやすいと思います。

もっとも2作目の作品で傑作の『ヨハネスブルグの天使たち』のような、SFと純文学を横断するタイプの作品が好きな方は物足りないかもしれないですね。

音楽好きなら楽しめると思いますよ。
アメリカ最後の実験Amazon書評・レビュー:アメリカ最後の実験より
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No.5:
(4pt)

音楽を取り巻く3人を中心にしたミステリー

著者の作品を読むのは今回が初めてです。単純にタイトルと表紙を見て読んでみました。
音楽が題材になっていること、そして3人を中心に物語が進んでいくであろうことは表紙からも想像はつきました。そこは期待通りだったのですが「アメリカ最後の実験」というタイトルにたどり着いたのが、半分以上読み進めてからでした。大げさに見えるタイトルも、音楽を文章で表現する巧みさ、カッコつけたような言葉表現も、演奏家たちの物語らしくて、面白いミステリーに仕上げてくれていました。
私は素人なので音楽に詳しい人にはもっと違う感じ方もあるのかもしれませんが、カッコいいです。そのぶん、独特の世界観が作り出されていて良かったですよ。そして昔のアメリカのロードムービーのような懐かしい雰囲気もあっておもむきを感じました。
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No.4:
(4pt)

非凡な材料が生煮え

この作者の文芸誌に載った短編の印象が良かったので、この作品を手に取りました。読後の感想としては、魅力的なモチーフが生かされていない、生煮えのスープ。ただし素材の魅力や非凡さは否定できない、というものです。参考文献に見られるように、音楽がらみの尖った材料が次々とカッコ良く登場する一方で、キャラクターや物語の流れ、伏線の置き方などがどうにも練られておらず、作品世界に入り込めない感じです。材料5点、調理法3点、結果は(甘めにつけて)4点。
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No.3:
(5pt)

great experiment!

宮内悠介は良くも悪くも取り上げた題材に入れ込みすぎてしまう性分がある。
それが悪い形で発露したのが「エクソダス症候群」――心理学的な「症例」の紹介であり、
そしていい形で顕れたのがこの「アメリカ最後の実験」における「音楽」だろうと思う。

父親の失踪、難関スクールへの受験、仲間との友情、そして謎めいた楽器「パンドラ」……とここだけ並べるとまるで週刊少年ジャンプから飛び出してきたようなプロットだ。バー、裏路地、砂漠、カジノ……いくつも変わるロケーション、ライバルが現れ、裏切りがあり……と抜群のドライブ感で物語は進んでいく。
さながら前述の物語のお約束(≒コード進行)の元、ジャズの即興の熱を秘め、しかし現代音楽の紙一重の美しさも併せ持つ、そう意味で言えば間違いない「音楽」小説だ。

もし瑕疵があるならば、SFを期待したファンが肩透かしを食らったことぐらいだろうが、エンタメ小説としては抜群に面白い。更にジャズや現代音楽をちょっと齧った人なら1.5倍ぐらいは面白いと思う。彼らの「maiden voyage」は元の場所に無事に戻れるのだろうか? 是非とも読んでほしい1冊だ。
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No.2:
(4pt)

言葉が尖っている。音楽に言葉の刃で刻み付けようとしてるようだ

言葉が尖っている。
それもそのはず、音楽しかも最新鋭のジャズ+コンテンポラリーの作曲や演奏知識を一切を音ではなくて文字で表現しようとしているのだから言葉の刃筋が水でも切れるように研がれるのも納得です。

西海岸の謎多き音楽学院、名声と影響力に比する様にそこへの入学試験は超難関、且つミステリアス。
試験も場末の酒場での得たいの知れぬ調律を施されたピアノ演奏、二者で競いあいどちらかが必ず落ちるアドリブピアノ合戦、最終試験は豪華カジノのコロッセニウムで。
と、これだけでドキドキものですが、ここに演奏を独特のアウトプットに変換できるパンドラの箱のようなシンセサイザーが登場してきます。
ピアノ演奏をブルーノートや純正律で転調する⚫⚫なんてのは響きさえ難しくて僕には想像もできませんが、言葉の刃であれば文字に刻み付けることも可能ということなんですね。

⊄ 人の聴覚の限界は約50分の1秒、
  だがピアニストはその倍の精度を聞き分ける。 
   認識を越えた世界での格闘。
℘ 客のテンションが高まる。 
   野犬の群れに囲まれているようだ。
    暗い万能感が指先から立ち上る。
∮ 惨めさや絶望の本質は快楽だ。
  苦しみは人に許された最後の愉悦だ。
   心が千切られることの味わいは百年前は
    さぞ最高の美酒だったろうよ!
∬ 音楽は突きつめれば人間に対するハッキングだ。

プレイ中の精神性や魔性のマシンがSFらしささえ濃く漂わせますが紛れもない音楽小説です。
普段は読書中の音楽も必需品でしたがこの本については静寂こそが最も相応しいBGMです。
アメリカ最後の実験Amazon書評・レビュー:アメリカ最後の実験より
4103398116
No.1:
(5pt)

音楽の破壊と再生の物語

アメリカ西海岸を舞台に三人の男が音楽に翻弄され、向き合い、音楽の意味を知る物語。 随所に挟む音楽の薀蓄も、少しキザに感じる台詞回しも音楽家という雰囲気にマッチしており、秀逸な出来となっている。
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