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アメリカ最後の実験
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アメリカ最後の実験の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.73pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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どうやら宮内悠介は、読者を「置いてけぼり」にする傾向にあるようだ。 しかもそれが無意識によるものというより、意識的なものであるような気がするから、なおさらたちが悪い。 私は宮内氏の著書をすべて読んだわけではないが、少なくとも読んだ範囲ではそのような印象がある。 本作については、まず設定は良いものが揃っていると言えよう。 アメリカにおける音楽院の入試と連続殺人事件の交錯が、幼少をアメリカで過ごした筆者の経験もあってか、リアルな空気感の中で描かれる。 序盤から中盤にかけては、先の展開が気になるほど物語に引き込まれた。 しかし終盤に差し掛かってくると、専門的な音楽理論やアメリカの「実験」について詳細な説明がなされないことに「置いてけぼり」を感じるようになる。 最終盤においても、物語の顚末や事件の本質はあっさりと語られる。 したがって、最初の設定が適切に処理されずに唐突に終わる感じ、すなわち「風呂敷の広げすぎ」の印象が否めないだろう。 本作の全体的な雰囲気が好きだっただけに、この点は非常にもったいないと感じた。 種明かしのされないミステリのように、「ヒントは散りばめたから、あとはよろしく!」と言われているようである。 宮内氏の本意は分からないが、凡庸な読み手に「納得」されないことには、高い人気を得ることはできないだろう。 | ||||
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