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アメリカ最後の実験
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アメリカ最後の実験の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.73pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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非常に面白くすぐに読了したが、他のレビューを読むと、タイトルから音楽学校がテーマであることが分からないのと、ややマニアックな音楽理論の記述が読み手を選ぶのかなと思った。 自分は趣味で音楽をかじってたレベルだが、専門的過ぎることはないと思ったが。 基本、アメリカの学生の青春モノにちょっとした社会問題とサスペンスが絡み、そこそこの読み物になってるが、軽すぎず難解すぎず、登場人物も悪意がなくウィットもあるので読後感は悪くない。 重厚なミステリーを求める人にはお勧めしないが、音楽に興味がある人ならお勧めできると思う。 | ||||
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私は音楽に関する造詣は皆無であるが、実験国家としてのアメリカの、先住民への迫害と言う問題意識に、いかにもこの作者らしさを感じた。迫害と言っても単純な目に見えるものでなく、「音楽」を奪ってしまう、と言うのが斬新な視点。殺人を辞さず。マイノリティーの集会に、銃を持ち込んだ危険人物に対して、「音楽」を取り戻した人々が歌い始めた場面に、前向きな未来へのメッセージが感じられ、感動的だった。 この作品はミステリーとしては、必ずしも綺麗に収束しているわけでなく、父と息子の関係も未整理な印象がある。が、それ以上に、骨太なテーマに全く新しいアプローチを試みた、作者の意気込みを高く評価したい。これぞ宮内悠介で、私にとっては心の琴線に触れる作家である。 | ||||
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バークリー音楽大学を思わせる架空の名門ジャズ音大の試験に挑む若者達を描いたエンタメ小説です。 宮内さん自身が楽器経験者なのか、音楽用語が頻出しますが、多少音楽が好きな人なら特に気にならない程度だと思います。(平均律、純正律、ラグタイムなど) 読む前はタイトルから勝手に、アメリカ政府による最後の核実験を扱うハードSFかと思っていましたが、じっさいはミステリー寄りの音楽小説で、独自のプログラムを実装したシンセサイザーが登場する以外、あまりSF要素はないので読みやすいと思います。 もっとも2作目の作品で傑作の『ヨハネスブルグの天使たち』のような、SFと純文学を横断するタイプの作品が好きな方は物足りないかもしれないですね。 音楽好きなら楽しめると思いますよ。 | ||||
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どうやら宮内悠介は、読者を「置いてけぼり」にする傾向にあるようだ。 しかもそれが無意識によるものというより、意識的なものであるような気がするから、なおさらたちが悪い。 私は宮内氏の著書をすべて読んだわけではないが、少なくとも読んだ範囲ではそのような印象がある。 本作については、まず設定は良いものが揃っていると言えよう。 アメリカにおける音楽院の入試と連続殺人事件の交錯が、幼少をアメリカで過ごした筆者の経験もあってか、リアルな空気感の中で描かれる。 序盤から中盤にかけては、先の展開が気になるほど物語に引き込まれた。 しかし終盤に差し掛かってくると、専門的な音楽理論やアメリカの「実験」について詳細な説明がなされないことに「置いてけぼり」を感じるようになる。 最終盤においても、物語の顚末や事件の本質はあっさりと語られる。 したがって、最初の設定が適切に処理されずに唐突に終わる感じ、すなわち「風呂敷の広げすぎ」の印象が否めないだろう。 本作の全体的な雰囲気が好きだっただけに、この点は非常にもったいないと感じた。 種明かしのされないミステリのように、「ヒントは散りばめたから、あとはよろしく!」と言われているようである。 宮内氏の本意は分からないが、凡庸な読み手に「納得」されないことには、高い人気を得ることはできないだろう。 | ||||
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音楽用語をはじめとし,それらの説明やまつわるやり取りなどにほとんどついていけず, 見えない壁に阻まれているような,最後まで中には入れてもらえなかったという印象です. また,父を捜してはるばる…という主人公や,そこから導かれる不思議なシンセサイザ, 追って動き出し,合間合間に挟まれている謎多き連鎖殺人に,その事件名の由来でもあり, タイトルにもある『最後の事件』と財団あたりの中盤までは,惹かれる要素もありましたが, 終盤になって都合のいい繋がりや,ありがちな動機や場面が目立つなどで一気にトーンダウン. また,待ち望んだはずの再会もわずかであっさり,その後は何もわからないまま曖昧で, ほかにも多くの疑問が残されはしますが,,こちらもやはりはっきりせずに消化不良です. 一方,失われたものを取り戻すという,わかりやすいテーマも多くある内の一つと思われ, 入り口で躓いて,表面しか見えなかった自分には,恥ずかしながら理解が及びませんでした. | ||||
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著者の作品を読むのは今回が初めてです。単純にタイトルと表紙を見て読んでみました。 音楽が題材になっていること、そして3人を中心に物語が進んでいくであろうことは表紙からも想像はつきました。そこは期待通りだったのですが「アメリカ最後の実験」というタイトルにたどり着いたのが、半分以上読み進めてからでした。大げさに見えるタイトルも、音楽を文章で表現する巧みさ、カッコつけたような言葉表現も、演奏家たちの物語らしくて、面白いミステリーに仕上げてくれていました。 私は素人なので音楽に詳しい人にはもっと違う感じ方もあるのかもしれませんが、カッコいいです。そのぶん、独特の世界観が作り出されていて良かったですよ。そして昔のアメリカのロードムービーのような懐かしい雰囲気もあっておもむきを感じました。 | ||||
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全く面白くない兎に角つまらない興味ない期待外れ。めんどくさい | ||||
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この作者の文芸誌に載った短編の印象が良かったので、この作品を手に取りました。読後の感想としては、魅力的なモチーフが生かされていない、生煮えのスープ。ただし素材の魅力や非凡さは否定できない、というものです。参考文献に見られるように、音楽がらみの尖った材料が次々とカッコ良く登場する一方で、キャラクターや物語の流れ、伏線の置き方などがどうにも練られておらず、作品世界に入り込めない感じです。材料5点、調理法3点、結果は(甘めにつけて)4点。 | ||||
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宮内悠介は良くも悪くも取り上げた題材に入れ込みすぎてしまう性分がある。 それが悪い形で発露したのが「エクソダス症候群」――心理学的な「症例」の紹介であり、 そしていい形で顕れたのがこの「アメリカ最後の実験」における「音楽」だろうと思う。 父親の失踪、難関スクールへの受験、仲間との友情、そして謎めいた楽器「パンドラ」……とここだけ並べるとまるで週刊少年ジャンプから飛び出してきたようなプロットだ。バー、裏路地、砂漠、カジノ……いくつも変わるロケーション、ライバルが現れ、裏切りがあり……と抜群のドライブ感で物語は進んでいく。 さながら前述の物語のお約束(≒コード進行)の元、ジャズの即興の熱を秘め、しかし現代音楽の紙一重の美しさも併せ持つ、そう意味で言えば間違いない「音楽」小説だ。 もし瑕疵があるならば、SFを期待したファンが肩透かしを食らったことぐらいだろうが、エンタメ小説としては抜群に面白い。更にジャズや現代音楽をちょっと齧った人なら1.5倍ぐらいは面白いと思う。彼らの「maiden voyage」は元の場所に無事に戻れるのだろうか? 是非とも読んでほしい1冊だ。 | ||||
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言葉が尖っている。 それもそのはず、音楽しかも最新鋭のジャズ+コンテンポラリーの作曲や演奏知識を一切を音ではなくて文字で表現しようとしているのだから言葉の刃筋が水でも切れるように研がれるのも納得です。 西海岸の謎多き音楽学院、名声と影響力に比する様にそこへの入学試験は超難関、且つミステリアス。 試験も場末の酒場での得たいの知れぬ調律を施されたピアノ演奏、二者で競いあいどちらかが必ず落ちるアドリブピアノ合戦、最終試験は豪華カジノのコロッセニウムで。 と、これだけでドキドキものですが、ここに演奏を独特のアウトプットに変換できるパンドラの箱のようなシンセサイザーが登場してきます。 ピアノ演奏をブルーノートや純正律で転調する⚫⚫なんてのは響きさえ難しくて僕には想像もできませんが、言葉の刃であれば文字に刻み付けることも可能ということなんですね。 ⊄ 人の聴覚の限界は約50分の1秒、 だがピアニストはその倍の精度を聞き分ける。 認識を越えた世界での格闘。 ℘ 客のテンションが高まる。 野犬の群れに囲まれているようだ。 暗い万能感が指先から立ち上る。 ∮ 惨めさや絶望の本質は快楽だ。 苦しみは人に許された最後の愉悦だ。 心が千切られることの味わいは百年前は さぞ最高の美酒だったろうよ! ∬ 音楽は突きつめれば人間に対するハッキングだ。 プレイ中の精神性や魔性のマシンがSFらしささえ濃く漂わせますが紛れもない音楽小説です。 普段は読書中の音楽も必需品でしたがこの本については静寂こそが最も相応しいBGMです。 | ||||
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アメリカ西海岸を舞台に三人の男が音楽に翻弄され、向き合い、音楽の意味を知る物語。 随所に挟む音楽の薀蓄も、少しキザに感じる台詞回しも音楽家という雰囲気にマッチしており、秀逸な出来となっている。 | ||||
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