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バラカ
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バラカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 1~20 1/3ページ
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桐野さん、また好きになりました。この作品は本当に読んで良かったです。 これは小説、つまりフィクションですが、ときにフィクションでなければ語れない「真実」があると思います。この本に書かれているのは、まさにそれ。 福島原発事故前後の日本とその後が舞台ですが、もちろんそれだけでなく、人身売買問題や外国人労働者問題などいろいろあります。登場人物がこれでもかこれでもかというほど嫌な奴が登場し、かなりげんなりもしますが、後半には救いもあります。 わたしにとって衝撃度ナンバーワンは『グロテスク』だけれど、好きな作品としてはこれが一番。ぜひ多くの方に読んでほしい。 | ||||
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あったかもしれない日本の未来。 慄きながら、目まぐるしく展開する物語に夢中になりました。 こんなストーリーがどうやって紡ぎ出せるのだろうかと驚愕しながらも、あったかもしれない日本の未来に、ただただ恐ろしくなりました。 読み終えた後は呆然としながらも、愛する家族と送れる日常が心から愛おしく、泣けてくるような、切なくも恐ろしいような、そんな気持ちでいっぱいです。 | ||||
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衝撃の展開に鳥肌が立ちました。 川島という男がひたすらに恐ろしいです。 読み始めはダラダラと時間をかけましたが、中盤過ぎから夢中になり、一気に読み進めています。 この物語が今後どう展開していくのか、気が気じゃありません。 | ||||
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およそ1人の人間の頭の中で作られたとは思えないおぞましい世界。東日本大震災と福島原発を元に、私たちの知ってるこの世界より広範囲に放射熱汚染された日本を舞台にし、幼児人身売買およびその背景とある幸福になり得ない女性達。痛ましさの奥に、通奏低音のように物語を通じて静かに響く人の黒い快楽は、あたかも暗い穴の中で蠢く蟲達の過剰な官能を見させられるかのようである。底知れぬ人の悪意に対する過度な視力。物語を通じて作者のこの過度な視力を追い続ける。 他の読者の方はどうだったのでしょうか。私は自分の中にもこの悪意の片鱗を見てしまい、自身と作者を恨んでしまいそうな程です。けど、読んで良かった。作中の牧師の言葉が読後の脳裏にこびりついてしまいました。 作者の更なる傑作に期待する意味で星4つです。これから読まれる方は心して読むことを。 | ||||
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ドバイ、スイス、福島、ブラジル、と世界中を舞台にして、一人の女の子バラカの運命を描いています。もう、彼女がどうなるのか、知りたくて、どっぷり小説に浸かりました。福島原発の事故についても、それが、第1、第2,第3の原子炉がすべてメルトダウンしたという想定で、東京からも、西に向かって避難しなければ、生きていけないという状況。現代の安全神話に大きな警鐘ともなっています。社会の問題も取り上げ、その中で健気に生きていく少女の生きざまを描いていて、構成も筋書きも素晴らしいです。 | ||||
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桐野夏生さんの本です。面白かったですねー。 主人公はミカという、日系ブラジル人の赤ちゃん。 ひょんなことから、ドバイの子供を売るところに流れ着き、売られる。 そこで「バカラ」という名前に。 買いとった女は、子供が欲しい日本人女性のキャリアウーマン。 しかし、そのキャリアウーマンは、子育てにすぐに飽きてしまい、バラカを放置。 そのうち、バラカはキャリアウーマンの友だちに引き取られるものの、やはりバラカは放り出される。 そこに、3・11。 ちなみに、この物語での3・11は、福島第一原発が爆発し、チェルノブイリクラスの大惨事となります。 東京は避難勧告地域となり、皆、一斉に西に。 そんななか、バカラは反原発の人に拾われる。 反原発の人たちは、小さなコミュニティを形成していて、そこでは自然を中心にした生活を目指している。 やがて、バラカは「奇跡をおこす子供」として、ネット世界で有名になる…。 バラカの存在を快く思わない人も多い。 はたして、バラカの運命は…? 福島原発が大いに弾けた場合の「もう一つの日本」という感じの本でもありました。 大阪に遷都し、企業は関西、九州に移転。外国企業は国外に。 東京は外国人労働者が住む土地になっている。 日本は「反原発」に対して過敏になっていて、バラカは原発推進に利用されたりする。 バラカは、いろいろと流転するので、そこでさまざまな人々がいて、その人たちを描く、という感じで、群集劇っぽいところもあります。 何より、日本という国家権力が、疲弊しつくしていて、もうダメになっていて、 それがなんとか取り繕おうとする、という姿が、 現在の日本と重なるんですよね。 この小説の描いている日本って、どうしようもない国で、 また登場人物たちも、ろくでもない連中ばかりで、 でも、それが「現実」なんだよなぁ、と感じさせるんですね。 バラカの住む日本は、未来は少しだけ民主的になっている、ということだけど、はたして、私たちの未来は民主的になっているのかなぁ、と暗々たる気分になりました。 3・11の福島第一原発が「最悪」となったら、おそらく、こういう日本になっていたのだろうな、と感じさせてくれます。 | ||||
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物語の展開にハラハラどきどきさせられ、この著者ならではの力作に久しぶりに出会った気がする! ボランティア数人が2011年3月、福島第一原発事故後(第1~4号基すべてが核爆発を起こした設定)の東北に、取残されたペットたちを助けに入る。人の消えた村の納屋で犬たちに囲まれた、自分の名前なのか不明だが「バラカ」としか言わない1歳半位の女児を発見・救出する。 原発周囲80㎞の住民が疎開させられ東京も壊滅的となり、首都が大阪に移った、そして「2020大阪オリンピック」直前2019年を主な舞台として話が繰り広げられる。 「ブラジルもオリンピックやったけど、国はその後もっと壊滅的になった。ダメな国ほど、オリンピックをしたがる。本当に救わなければならない人たちを置き去りにして」(←表現は正確ではありませんが)という台詞が一番心に残りました。 ただ装丁と帯がしっくり来ません(そのせいで買って数年、読まずに置いていました)。 | ||||
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壮大なスケールで描く、桐野夏生、エンターテーメント、小説、かなりの分量で、読ませる。中盤少し、だらけたが、読み終えた。 | ||||
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この作者の主人公の中盤からの疾走感が好きです。この作品も楽しみです。 とても綺麗な状態で届きました。 ありがとうございました。 | ||||
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この作者の主人公の中盤からの疾走感が好きです。読むのが楽しみです。 とても綺麗な状態で届きました。 ありがとうございました。 | ||||
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3.11直後、福島第一原発が、水素爆発ではなく原子炉爆発を起こしたという、あり得たかもしれない世界を描く。 東京からも政府は避難し、首都は大阪である。 2020年には大阪オリンピックが開かれようとしている。 そうした状況を背景に、日本で生まれた日系ブラジル人の子どもでありながら、ドバイの赤ちゃんマーケットで日本女性に買われた少女をめぐる物語である。 『暗い谷を行く』の感想で、ノンフィクションではなく小説だからこそ迫れる時代の本質というものがあると書いた。 桐野夏生で言えば、『グロテスク』や本作がそうであるように思う。 『暗い谷を行く』には、そうは感じなかったのだが。 本作は桐野夏生の本領発揮というか、展開のダイナミックさは彼女ならでは。 バラカの義理の父となる悪の権化のような人物の描写も凄まじい(嫌悪感を引き起こすという意味で)が、ストーリーの疾走感にも圧倒される。 | ||||
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男なんてイラネ!全員死ねばいいのに!!と思ってるキャリアウーマン二人組と、彼女達と大学時代に付き合っていたが、ホモに目覚めて、女なんてイラネ!全員死ねばいいのに!!と思ってる男の養女になった日系ブラジル人の少女バラカの過酷な人生を描く、21世紀の新しい東日本大震災SFホラーハードボイルド。 史実より原発被害が酷い世界が舞台である。 関東から東は住めなくなって、首都も大阪に移転する未来世界である。 被災者が地震のどさくさ紛れに殺人するのは東野圭吾にもあったが、毒ある桐野なので、被災者(反原発主義者)も原発推進者もとんでもない人物が目立つ。 こんな本書いて、原発推進者に桐野は暗殺されないかと心配になる。 安易な感情の共感を許さない桐野の気持ち悪い世界に酔いしれろ! | ||||
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ストーリーの深掘りや、メタファー的な表現が面白かった。登場人物も個性的で、一人ひとりが魅力的でした。シーンの展開後に、フェイドアウト的に出てこない人物や伏線があるのが残念でしたが。もっと長編でもいいから深く長く読みたい世界観でした。 | ||||
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遅れ馳せながら読みました。大変面白かったです。個人的にはOUTより下に来ますが、グロテスクより上です。前半で拡散し尽くした話しが大震災直後の幻想で終わり、後半怒涛のように収束している様は感服しました。言葉にならない災害がようやく言葉になった感があり、それだけでも価値のある小説です。不謹慎との声もあるようですが、桐野夏生が書くのであれば、これ以外の形ではありえないでしょう。山崎豊子じゃないんですから。 | ||||
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冒頭から引きこまれました。 しばらくぶりに桐野さん作品を読みましたが、 やっぱり面白い。 特に前半は人物の細かい描写と展開がワクワクさせ、一人一人に入り込めます。 人身売買というショッキングな出来事から東日本大震災への展開は、わかっていながらも意外性のある流れでより夢中にさせました。 後半になっても先が気になりどんどん読み進めましたが、前半に比べてなんだか薄っぺらい。一人一人に入り込んで読む深みのある前半とは違い、後半は着地に困りながらストーリー展開してるように感じてしまった。 なので後半は、桐野さんの表現力にうっとりするところがなかったのが残念。 中途半端に感じる部分もあるまま終わり、 読後はモヤモヤが少し残ります。 それでも充分楽しませて貰いましたし、 なにより夢中になって読めますよ! | ||||
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私はこれかなりの高評価です。 確かに内容的には義父の死など意味不明なくだりも多いし、赤ちゃん売買・震災・宗教などあれこれもりこみすぎてごちゃごちゃなところは否定できない。それでもこの作品には桐野夏生らしいものすごいぞーっとする恐怖感が作品全体にいきわたりとにかくとりつかれたように興奮状態でページをすすめずにはいられません。これは初めて読んだ作品でもあり、また彼女の最高傑作でもある「OUT」をよんだときを思い出しました。 その不気味さはヒロインのバラカすらそう。悪の義父がつぶやく「子供でもなめてはいけない。大人よりも危険な存在なときもある」という言葉にも思わずはっとさせられるほどの迫力。 こういう高揚感をもって作品よませてくれる作家ってやはりいないなと思います。 | ||||
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多作なので、たまに惜しい作品もある著者ですが、 こちらは読み応えがありました。 震災と福島について、いろいろな角度から問題提起しているし 人物像も興味をひかれました。総合的に大作です | ||||
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東日本大震災の後で小説を書くとはどういうことか。誠実な小説家であれば誰もが向き合わざるをえない問いに、桐野夏生は5年の歳月をかけて格闘し、意表を突く答えを提示してみせた。悪意によって失われかけた希望が、聖火のように人から人へと受け渡される、その波乱の道行を追ううちに、いつしか僕たちは、オリバー・トウィストが、あるいはリトル・ドリットが、近未来のディストピアに忽然と現れたことに気づいて驚愕する。どこを見回しても絶望しか見つからないこの時代にあって、桐野はあえてディケンズの持つ野太い物語に一縷の希望をを託した。そして長い年月の果てに、部厚い雲間から一条の光を差し込ませることについに成功した。紛れもなくこの小説家の代表作であり、多和田葉子の『献灯使』や吉村萬壱の『ポラード病』とともに、東日本大震災後に書かれたもっとも優れた小説の一つである。 | ||||
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もしかして起こったかもしれない、バラカの物語です。 自然の脅威と人間の醜さに翻弄されながら、逞しく生きる少女。 一番怖いのは”人間”で、一番やさしいのも”人間”だと思う、一冊です。 | ||||
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すごい、この世界をこのように描いて、さすが桐野夏生という感じです。 物語は、311のあの危機を乗り越えた世界だけど、現実とはちょっと違っている。 福島の原発は4基とも爆発し、東日本には住めなくなっている。 主人公はバラカとよばれる少女、日本で生まれ、誘拐され、ドバイの市場で売られ、福島の放射能汚染地区で発見される。 原発事故後、反原発派は現商業資本主義に抵抗しているが、原発推進派により、アンダーグラウンドの中で抹殺されていく。 もしかして、現状もこうなのではとも思ってしまう。どこまでがフィクションで、どこまでが本当なのか。 | ||||
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