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バラカ
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バラカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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桐野先生の本が好きで、ほとんど読んでいます。 前半は、いつものようにわくわく読み進められ、パウロはいつどうやってバラカに会えるのか。。?!沙羅と優子の顛末は。。?!と思っていました。 しかし後半になってびっくり。沙羅も優子もわけもわからずいきなり死んで、パウロは結局バカラに会えずじまいとか。。最後まで読んで、川島も牧師も一体何だったのか。。。。という感じです。いやむしろバラカ自体も一体なんだったのかと。。 結局何が伝えたかったのかわからない。後半を書き直して欲しいです。 | ||||
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バラカの行く末が気になって、一気に読ませる力量は素晴らしいと思いましたが、読後の満足感はあまり得られませんでした。 登場人物が多く、それぞれのエピソードも若干とっ散らかって、いずれも無駄に死を迎えるという、シュールでありながら、小説としてもう少し読み応えのある展開に進めなかったものか、少々残念な読後感です。 | ||||
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後半のあまりにもおおざっぱで投げやりな締め方にがっかりした。 「顔に降りかかる雨」以来の読者だが、今回は残念。 | ||||
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トッ散らかってまとまりに欠ける印象がぬぐえなかった。 何がテーマで、どこに向かっている物語なのか焦点が今一つ定まらず、伏線と 言うより、まとまりの無いまま各エピソードが続いていく。 ただ、それもこれも読後に読んだ著者のインタヴューで合点がいった。 元々は父親が娘を探す物語だったが、執筆中に実際に起きた東日本大震災を 後づけで盛り込んだらしい。 また著者は現実と小説世界を行き来しながら、小説世界を太らせていく作業 だったと語っており、まとまりの無さも後づけで継ぎ足したものだとすると 腑に落ちる。 それから気になったのが、もちろん描かれてはいるのだが、震災後の ディテールが淡泊過ぎ。 帯や装丁から本書を手に取りプロローグをサラッと読むと、原発4基が爆発 したあとの、終末的な世界を匂わせる。 少なくとも当方はそれで購入を決めた。 しかし実際はその辺りの描写が淡泊な上に、分量的にも多くは触れられて いない。 反原発派と推進派が戦っている事、外国人が増えた事、それから各人の 「震災履歴」くらいしか描かれていないのだ。 政治の迷走、経済の破綻、国際的な立ち位置の失墜、日本の弱体化を機に 色めき立つ周辺諸国、風評、賠償問題、健康問題、そして最大の難題である 放射能を垂れ流す原発をどうやって処理していくのか。 すべては無理としても舞台設定としてその辺り、もっと緻密に描き込んで あると思っていたのだが。 そういった話だと思って読むと、完全な肩透かし。 あと、カワシマが木下母子を垂らし込む下りは強引過ぎ。 片方ならまだしも、母と娘それぞれを個別に同時期に手なずけるなんて。 他にもカワシマの特別な悪魔的能力で片づけられている下りが散見されるが、 なんとも雑な印象。 そんなに毎度毎度、悪魔の都合のいいように事は運ばないでしょう。 序盤と中盤で2回くらい途中で放り出そうと思ったので、本来なら星2つ。 ただ聞いたような話ではなく、どれとも似ていないオリジナルなところに 敬意を表して星3つ。 人に勧めるかどうかで言うと「時間があったらどうぞ」とも言えず、 「よほど時間があって、且つオリジナルな話がいいのならどうぞ」かな。 | ||||
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気になる小説ではあった。 震災前の第一部は、現代女性の恋愛、結婚願望などが、赤ちゃん売買市場(ベビー・スーク)などというセンセーショナルな 仕掛けで、それなりに読ませる。3.11との遭遇は、これらの虚構をリアルたらしめるアンカー(碇)として、それなりの効果を 醸成している。 第二部の震災8年後の世界は、もうひとつのありえたかもしれない日本の近未来を描くが、登場人部の描き方や社会情勢 の変化が、紋切り型で、なんかいまいち乗ってこない。 もちろん、その場その場では、読ませるものはあるが、読後感は、あまりカタルシスには結びつかない。 ざっくりとした印象にすぎないが、少女バラカの生きざまは、かつて一世を風靡した映画「ターミネーター」に登場するサラ・コナーズを 連想させる。 余談ですが、表紙のマネキンのような少女は、私の想像力をむしろ制約する方向に作用しています。 中表紙の、原発廃墟?の白黒シルエットのほうがいいなあ。 二度読み返すかといわれると、ビミョーです。 | ||||
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あり得る現実――この作家に、構想する力は衰えていない。 群馬県で働く日系ブラジル人夫婦は、夫の飲酒癖で夫婦仲に亀裂が入る。飲酒をやめるためには、いっそイスラム教国に。乳飲み子を連れた夫婦はドバイに渡る。一方、東京で暮らす男性不信の30代の編集者は、子どもを切に欲する。友人のテレビウーマンに「ドバイには赤ちゃん販売店」があると誘われ、旅した。買った子どもの名前は「バラカ」で連れ帰るが、なつかない。編集者は妊娠し、結婚する。夫の仕事の都合で仙台にいったときに、震災が発生。福島原発は爆発し、関東地方も避難勧告。首都は大阪に移転。愛されないバカラは、被災地をさまよう。甲状腺癌にかかった美少女バカラは、原発反対派・推進派双方が利用しようとつけねらう。10歳のバラカの冒険は――。 ドバイのショッピングモールの暗い一角に、貧しさから売られた赤ん坊を陳列する店。現代世界で欲望の極点の都市のひとつドバイでは、あっても不思議ではない。桐野は読者をそう思わせる。実際よりひどい原発事故となり、東京にも一時避難勧告が出て、多くの住民は西へ避難。閑散とした東京は、出稼ぎの外国人労働者がすみつく街となった。5年前、事故処理を少し誤れば、いや、運がもうちょっとだけ悪ければ、実際になっていた事態だ。こうした「あり得る現実」を説得的に描くのが、桐野はあきれるほどうまい。「優しいおとな」では、代々木公園に子どもホームレスが棲息している実態を描いた。信じてしまう。子どもを欲する30代女性の欲望のいやらしさ、醜さを描く彼女の筆力は、これまでの作品同様、冴えわたる。 こうした背景の「あり得さ」やリアリティーに対し、主人公の少女の冒険譚には現実味がほとんどない。したがって物語としては失格。しかし、読む意義は大きい。5年前の原発事故と、それによっていまも苦しむ人々が膨大にいることをすぐ忘れてしまう私たち。この忘却と、おのれの怠惰に気づかざるをえない。その意味で、読むべし。日頃から、フクシマを考えている人は読む必要がない。 | ||||
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傑作と凡作の差が激しい著者だが、今回は凡庸。前作「抱く女」は間違い無く凡作だったが、少しはマシな程度。 普通、不審死は1件だけで、1冊の本になると思うのだが、どんどん、周囲が死んでいく。それも「奴らの陰謀か」程度で、終わり。 さらには「見えない敵」(原発推進派の手先、ということになっている)が、余りにも見えなさ過ぎ。 結末もまあ、あんまりなところ。 考え得るに、その「敵側」から見た本をもう1冊書かれれば、何となく見えて来るのかもしれない。 | ||||
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プロローグ 第一部 大震災前 第二部 大震災 第三部 大震災八年後 エピローグ 大震災により人生がまったく違うものになった人たち 大震災によりむき出しになった人間の暗部 ということなのでしょうが・・・ 大人の身勝手な都合に翻弄される 大震災の象徴のバラカ バラカは「自らの責任ではないことに翻弄される弱きもの」の象徴なのでしょうか? 弱きものは数限りなくいるから 特殊化するためにはドバイで売られていた子供という設定が不可欠だったのでしょうか? 大震災で人生が変わらざることを得なかった 「ごく普通の多くの人たち」 その象徴がバラカというのはちょっと無理があると思う 大震災うんぬんよりも人間が生まれ生きて死んでいくことの切なさと 人間は←あえて子供はとは言いません いつどこに生まれたかという運に いかに翻弄されるものかということ それを運命と言ってしまえばそれまでなんだろうけど・・・ もう一度読み直せばまた違う何かが見えるのかな・・・ | ||||
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『バラカ』の前に『ナニカアル』を読んだせいなのか、文学的な視点では少々雑な感じがします。 「桐野文学の最高到達点」というのはどうでしょうか。 『グロテスク』『アウト』等の文体の極みを求めて読むとがっかりするかも知れません。 カワシマユウスケに代表される男同士の同性愛が女性蔑視ひいては虐待に繋がっていると示唆されている。 この点が同書のメインストリームのひとつにもなっています。 バラカの実父はダメ男ですが、もっとずっと人間的。彼の行き着くところに無念さが残ります。 バラカも沙羅も優子も彼らの悪意や弱さに飲み込まれていきますが、 バラカには生まれ持った不思議な霊性が・・・ まるでダーク・ファンタジーのように物語は目まぐるしく展開していきますが 父親の娘探しと東日本大震災を絡めたために焦点がぼやけてしまった感があります。 ですが、桐野さんのストーリーテリングには今回も驚かされました。 | ||||
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途中までテンポよく読み進むが、多数の人物が入り乱れるように出てきて、最後まで読む気をなくさせる、いつもの 中だるみ感。ここ数年、今回は、今回は!と期待しているが、もうこれからは図書館で、と思わせてくれた最後の一冊 | ||||
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福島の四基の原発がすべて爆発した、もうひとつの日本が舞台だ。 作者らしい暗黒絵巻が展開する。だが、何故か心に刺さらない。人物とエピソードが多すぎて、テーマがぼやけている。 四十代独身女性の悩み・幼児売買の闇・在日ブラジル人たちの日常・人格に問題のある男の鬼畜ぶり、そして大震災と政府の対応。 これらはすべて独立したテーマとなりうる。一作に詰め込んだために、散らかって支離滅裂だ。 タイトルロールのバラカを描くなら、直接関係のないエピソードは削ったほうがいい。 社会派テーマを追うなら、主要人物のあまりに奇矯な行動や異様な性癖は、かえって邪魔だ。 登場人物が馴染む間もなく死んでいくのも、いただけない。それほど人命が軽くなった世界を表現したのだろうか。 作者の都合で整理されたような印象を受ける。 前半は社会派女性小説として、後半は残酷な政治的サスペンス小説として読むこともできる。 スピーディーな文体や捻りの効いたプロットは健在だ。好意的に言えば一冊で二冊分楽しめる、と言えなくもない。 次回はひとつの題材をじっくり掘り下げた作品を期待します。 | ||||
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