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ユートピア
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ユートピアの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 1~20 1/2ページ
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湊さんはイヤミスという作風ということで有名です。 ところが今まで、そのイヤーな気分はどこから来るのか、というのが何となく表現できずにいました。もどかしく気持ち悪い、何なんだろ、みたいな。 ・・・ で、本作のあとがき・解説の原田ひ香さん。 最近名前をよく聞きますね。 彼女がこれまた的確にイヤミスの原因やその理由を表現しています。少し長くなりますが引用します。 「湊さんの作品の特徴で私が一番好きなところは、登場人物たちの強烈は「主観」だ。 人称が一人称であれ、三人称であれ、細やかで少し神経質で、でも、誰にも流されない自我を持った人たちが登場する。そして、その複数の「主観」や「自我」が絡み合いながら物語らが構築され、進んでいく。 私はこれを「主観と主観の殴り合い」と呼びたい。普通なら、すれ違い、くらいの言葉を使うのだろうが、湊さんの作品にはそれではちょっと弱いと思うのだ。 一体彼らがなんのために殴り合うのか、戦うか、と言えば、「おのれの正しさ」を勝ち取るため、自分の正当性を主張するためだ。」(P.352) ・・・ そうそう、まさにこれです。これがイヤーな気分にさせるのです。 今回でいうと、久美香、光稀、すみれ、と立場の違う女性たちが登場します(実際はもう少しいろいろ出てきます)。さらに陰口や嫌みなどが飛び交う中、概ねこの三人は自分の正当性・正しさを疑わない。その頑固さというか、視野の狭さ?は怖いくらい。 あとは典型的な帰納の誤謬というか、一般化をやらかし、「田舎の人って」「地元の人って」「よそから来た人って」、と相手と正面から向き合わず、憶測で判断する。 ・・・ 私は、「普通は」「常識じゃあ」とかいう言葉は、もはや受験での「必ず」「絶対」という形容詞と同じくらい疑わしい、と感じています。 それくらい価値観や見方の変化が著しいなかで、自らを省みず(敢えての演出的にではありましょうが)に相手を悪しざまに言う。この強烈な主観がイヤーな気分にさせる気がします。 皆さんはどう感じるのでしょうか。 ・・・ ということで、4カ月ぶりの湊作品でした。 基本的に女性たちのすれ違い(マウンティング?)のストーリでありました。 一つ思い出しました。 名古屋に住んでいるとき、家内は、とあるママ友にえらく嫌われたのか「〇〇(家内の出身。今の居所)って電気通ってるの? てかみんな木の上に住んでいるんでしょ?」と揶揄されたことを思い出しました。 今はすぐキれる家内ですが、その時はよく耐えたと思います。子どもがいる手前、というのもありますが。 移動の自由があってよかったと心底思います。 ということで本作、女性の泥沼な口撃が好きな方、田舎暮らしを考えている方、転勤族の妻等々は楽しめる作品だと思います。 | ||||
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地方都市を舞台に、三人の女性が織りなすミステリ作品。 大企業の工場が誘致されている他は、美しい景観だけが特徴的な、閉塞感漂う町。 主役は、結婚しUターンした主婦、夫の転勤に伴ってきた主婦、立ち上がった芸術村へ移住してきた陶芸家の三人だ。 地元民、転勤者、移住者らのどろどろとした軋轢が、心の呟きとしてつづられる。ちょっとしたことに悪意のアンテナが反応してしまう様に、読んでいてイライラが募る。 ミステリ要素は、クライマックスまで待たなければならないので、彼女たちの日常にお付き合いできるかで、好き嫌いは分かれるかもしれない。 過去の殺人事件の顛末を上手く結びつけているものの、何か説明し切れていないようにも思える。気にしなければ楽しめるだろう。 | ||||
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構成はわかりやすく、伏線回収的なおもしろみはあったが、最後のオチに対しての深さに対して満足できなかった | ||||
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本屋で探す楽しみがなくなったけど、やむ無しですね。 | ||||
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美しい景観の港町鼻崎町。ここに昔から暮らす菜々子の一人娘は事故に合い、車椅子生活を 余儀なくされている。その町に引っ越して来た自称芸術家たち。その中の一人陶芸家の すみれは、パートナーの健吾とここで新たな生活を送っている。そして、その町の最大の企業で 日本でも有数の食品加工会社に勤める夫とこの町に引っ越してきた光稀。この3人の女性の主観で 物語は進む。3人とも決して悪人ではない。完全な善人などいないという前提でいけば、 3人とも善人でさえある。だが、それぞれの関係や他の人間たちの関係で、邪気が出てくる。 町そのものも、決してユートピアではない。悪意のこもった噂があっという間に広がるし、人を 傷つけることも何とも思わない。そんな中で物語は進むが、事件らしい事件も起きず、ただ、 いくつかのちっちゃな悪意が物語の今後の展開を「いやな感じ」に予想させる。正直、読んでいて 些かまどろっこしい。後半になって事件が起き始め、また過去の事件の落とし前も展開するので、 やっとページを捲る手が早くなる。だが、決してその「いやな感じ」は結論として払拭されない。 湊かなえの作品らしいと言えばその通りだ。物語の結論も推理小説という範疇を気にしてか、 やや作り物っぽい感じがある。期待して読み始めたが、前半の退屈さが最後まで尾を引いた 作品になった。少なくとも私には。 | ||||
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ドロドロとした人間関係というよりは、 とてもリアルな人間関係を読ませていただきました。 私自身、夫の転勤で地方にいますが、 分かる分かる…というところがたくさんありました。 あと、反省もしました。 地元の人の気持ちにも触れた気がしました。 湊かなえさんらしいラストではありましたが、 最後、3人でどういう会話がされたかが気になりますね。 インタビュー記事が差し込まれるのは途中まで、 というところも、ミステリーの複線ではなかったのかと、物足りなさを感じました。 | ||||
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湊かなえ先生の作品は全体的に好きなんですが、正直この作品がミステリーに分類されるかと言うと疑問符がつきます。 ストーリーが緩急なく淡々と進み、盛り上がることなく「え?もう終わり?」って感じで終わります。 内容は一言で言えば狭いコミュニティ内で起きた人間関係のゴタゴタです。 事件は最後に申し訳程度におきますがトラブルってほどのことは起きません。 終始主人公格3人の誰かが愚痴ってるだけです。 ミステリーというより、『渡る世間は鬼ばかり』みたいなホームドラマに分類されると思います。 好きな人は好きなんでしょうが、他の作品みたいなのを期待して読むと期待はずれかも。 心理描写とかは港かなえ先生っぽいんですけどね。 | ||||
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山本周五郎賞受賞作ということで、確かに意外性があり面白い作品だ。ただ、残念ながら、田舎町へ不満を持つ女性が主なので、終始雰囲気が暗くて読後感はよくない。周りの人に対し不満ばかり持ってしまう、他人を心で馬鹿にしてしまうというのは、誰しもあることではないだろうか。その心の動きを著者はよく捉え書いていると思う。こんなにしたたかな子供いるのかな。もっとあどけないと思うけど。 | ||||
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私にとってのイヤミスは、作中人物が一心不乱にモチーフ編みをする行為に似ている。 だから、難解な設定や説明じみた無駄な表現の無い湊かなえは、確かに一気読みするには丁度よい。 しかし、あえてイヤミスを選ぶ最大の理由は、実社会のドロドロした人間関係を忘れ『私の方がまだマシ』と思いたいという、言わば『毒をもって毒を制す』という目的からで、そういう個人的観点からすると非常に『弱い』。 どの人物もいたって普通の人で、普通にありがちな事しか考えておらず、これではリアル社会で私の周りにいる連中の方がよっぽど毒々しい。 よって、毒を制すには全く物足りず、全然スッキリしなかった。 今時ネット上での誹謗中傷なんて当たり前の事過ぎて、同情の余地など全く感じないし、ミステリーとしても中途半端。 むしろ無くてもいい程度。 『イヤ』でも『ミス』でも無い、非常に中途半端な内容だった。 | ||||
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登場人物の誰も彼もが、不愉快な人ばかり。このなんとも表現しづらい、もやぁ〜とした後味が、著者の持ち味なのだろうなぁ。 でも、ついつい読み進めてしまうこの感じ、何かに似てるなぁと思ってたら、Yahoo!知恵袋の人生相談を、『馬鹿じゃないのー』と思いつつ読んでしまうのに似てるかも、と感じました。 | ||||
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地方都市に芸術家の工房ができた。工房では車椅子の少女を広告塔に、チャリティ目的のブランドを立ち上げる。 善意に包まれた良い話のはずだったが、システムが軋みはじめる。 同年代の女性が三人登場する。地元の主婦と東京から来たエリートの妻、それに芸術村のメンバーだ。 それぞれが視点人物になったときに、立場の違いから微細な齟齬が生じていることがわかる。 なかなかユニークな構成だ。意欲的なプロットではあるが、前半がやや退屈だ。 実は平穏な日常の背後に重大な犯罪が隠れているのだが、この事件はいらなかったのではないか。 それよりも善人の集まりが地獄と化す展開のほうが盛り上がっただろう。 | ||||
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私は、山本周五郎賞のファンで、毎年、受賞作を楽しみに読んでいる。 当初は、本当に面白く、意欲的な作品が受賞していた。 近年は、え~と思う受賞作も、多々ある気がする。 残念ながら、本作品も、個人的には、この作品で??と思ってしまう。 地元の人間と都会から来た人間の確執、ネットでの中傷、 少しずつずれてゆく善意と誤解、などが描かれている。 最後、どんでん返しを狙っての子供たちの自白文で終わる。 如何せん、これが、しっくりこない。 健吾側からの視点が全く描かれてないので、なぜ?という 疑問があまりにも多く残るからだと思う。 当然、ユートピアでもないし、ユートピアの悲劇でもなく、 極めて中途半端な感じだ。 タイトルも含めて、不発です! | ||||
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ミステリー性はありません。登場人物の女性たちの名前が覚えにくくて、誰が誰かわからなくなってしまいました。 田舎町での面倒臭い人間関係を描いたようにしか思えない。最後のオチもありふれたものでした。 | ||||
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ネタバレ 陶芸家のすみれさんの性格がイタ過ぎて、たとえ自業自得としてもその顛末がイタ過ぎてやりきれない気持ちになりました。 かつて彼女がライバル視し、妬んでいた女性に結果的に助けられたわけですが、 本人は助けられたとは思わず、自分の前進だと前向きに考えているところが、もう空寒いとさえ感じます。 《善意は悪意より怖い》という書評はズレていると思います。 静かな田舎に、都会から勘違い女性がやって来て、仮に悪意はなかったとしても、結果的に自己実現のためにその田舎の人達を利用したのだから、善意ではなく偽善と思えます。 もう一人の主人公は、都会人の毒にあたってはじめて自分の住む田舎町の「ユートピア」に気がつく、というなんとも皮肉な内容でした。 ミステリー要素もあるにはありますが、おまけくらいです。 ミステリーが読みたい!という方にはお薦めしません。 | ||||
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様々な嫌な人が出てきますが、るり子が一番リアルでした。他人を誘導して自分の嫌いな人の悪口を言わそうとしたり、嫌いな相手でも自分より絶対的に立場が弱いってわかった瞬間気持ち悪いくらい優しくしたり、包み隠しきれてない嫌味を言ってきたり、一番人間関係を引っ掻き回すタイプですね。 どこにでもいますよね。 このように、嫌な人たちがそれぞれ足を引っ張り合うお話しで、ミステリーというと?でした。 特に最後の方は急ぎ足で、ラストのページでの謎のネタばらしが白けます。 | ||||
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帯に惹かれて読んでみた。そう、善意も悪意も怖いんですよ。 前半から半ば過ぎまで、雑誌のインタビュー記事とストーリーが交互に出てくるなど、独特の記述が見事にハマった感じです。素晴らしい着想でした。 ただ、後半になるとそれがかえって仇に。ひとつの事件が起こるのですが、あそこは自然な流れで良かったのでは? スピード感を削いでしまいました。 ラストも何だか尻すぼみ・・・。余りに呆気なくて。余韻が残る、という言い方も可能でしょうが、私は少しスッキリしませんでした。 ただ、最後のページ、2段階目のオチは面白い。そこは買います。結果、総合評価としては星3つと4つの中間くらいかな。 | ||||
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ストーリーは面白くないです。 でも女性目線の考え方が参考になり楽しめました! | ||||
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女性同士の嫉妬、優越感、劣等感、腹の探り合いなどがリアルに描かれており 読んでいて少々疲れました・・ 日常の生活でこれでもかと味わうものを小説でまで突きつけられると 気が沈んできます。殺人事件の方は最後にサラッと描かれるので 主題は女性同士のリアルな心理描写ということでしょうか 犯人の男性は金を目当てに家を建てるためにローンを組むとは 思い切ったことをするものだなと。 どういうことだろう?となんとなく気になって読み進めてしまうので ミステリー?部分は楽しめたかと思います | ||||
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田舎に住む主婦2人と同世代の女性の計3人が主役のお話。 田舎の人ならではの劣等感、田舎モノを見下す都会人の心境、 障害者に対する偏見やいじめ、主人の会社の地位に基づく妻のヒエラルキー、 大金を目の前にしたときの人間の卑しさなど、 人の内面に宿る悪意をこれでもかと描いている。 もう少し爽快感があるとよかったかも。 | ||||
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女性の細かい心理描写は非常にうまいと思う。作品としては色んな要素を詰め込み過ぎ。もう少しストーリー展開をうまく繋ぐことが出来れば、出色のサスペンスフィクションになっただろうに、ちょっと残念。湊作品独特のいわゆるイヤミス感を薄めることが出来れば、直木賞受賞間違いなしと思うのだが・・・。 | ||||
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