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スクラップ・アンド・ビルド
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スクラップ・アンド・ビルドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全118件 21~40 2/6ページ
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主人公28歳の健斗は、退職してからなかなか再就職が決まらず、家で88歳の祖父の介護をしている。現代医療の矛盾、介護の矛盾に切り込み、財政の将来世代への先送りによる不満をも口にする。 ただ、彼が辿り着いた一つの結論は年老いて苦しみながら「死にたい」と口にする老人を早く死なせてあげるためには、致せり尽くせりで、何も自分のことをせず、何も考えなくさせることだということで、彼はそれを実践する。一方自分では、その反対の精神的にも自分を追い込みながら厳しい肉体のトレーニングをする。ここで、スクラップ・アンド・ビルドは祖父の肉体をスクラップし、自分の肉体をビルドするように思える。この辺りでは、命の選別を家族が行っているという怖さが感じられた。 そして、彼は「死にたい」といつも口にしている祖父の本心は「生きたい」ということだったと知り愕然とする。そんな中で、再就職が決まる。それは、精神と肉体を再構築するべくトレーニングを重ねた結果だと彼は思う。ここにきて、スクラップしたのは過去の自分でビルドしたのはトレーニングによって生まれ変わった自分だということが、分かる。また自分より弱い祖父が守られるだけの存在ではなく、自分を支えていたことも悟る。 | ||||
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この小説は、すでに死期が近いほぼ寝たきりの老人と、その同居家族が織りなす日常生活を描いた作品である。心身ともに弱った老人をスクラップ、主人公の健斗のように精力に満ちた若者をビルドと称し、それが小説のタイトルになっている。 老人がしばしば漏らす「死にたい」という言葉が本心なのか、それとも周囲からの関心や同情を買うための策略なのかについては確かに分かりにくい。この小説では、それは後者であるとの見解だが、私も同感である。老人介護は、本人の意志と関係なく延命が最優先であり、必要以上の介助と薬漬け医療が往々にして老人たちを不幸にし、加えて介護医療に携わる人たちの負担を増やし、あまつさえ国家財政の医療費増大にも結び付く。この小説は、高齢化社会が進む日本の介護医療のあり方について問題提起したものとも読みとれる。 主人公の介護老人への冷めた目線や、主人公の性生活についての大胆な記述を読んで、著者は恥ずかしいことや、言いづらいことも厭わずに書くことができる作家なのだと思った。 また、文章が上手いと感じる箇所がある一方、この書き方はどうかと思う箇所もあり、著者の文章力の高低はよく分からなかった。 全体としておもしろい小説であった。 | ||||
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今の若者から見た日本の社会・死生観がよく表現された本であると感じた。祖父を弱い存在であると見下していた主人公であったが、自らが旅立つ際には自分の弱さを感じてしまう。人間は弱い存在で,思い通りにならないことも多い世界で,それぞれの方法で戦い続けるしかないのである。社会を生き抜く不安と若者の感情を的確に表現している。 | ||||
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老人と若者の体調の差 | ||||
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ラジオとyoutubeで著者を知り、 とても面白い人だと思ったので、 本書を購入しました。 芥川賞だから面白くはないかも? と思いつつ読みはじめたのですが、 とても面白くあっという間に 読み終わりました。 主人公、祖父それぞれの心の中と、 外側現れる行動の違いが 低体温に書かれていて良い ホントそんなもんだと思う みんなが思ったおり全部を 言葉にしていたら、行動していたら 共同生活って成り立たないよ こういうのをブラックユーモアというのでしょうか? | ||||
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介護する若者から見た祖父への介護の物語。 自分自身、祖父の側に近い立場です。 最後まで、祖父が弱っているのか、弱っている振りをしているだけなのか、分からないのがいいと思いました。 どっちなんでしょうか? 自分自身が、そのような歳になったら、どうなるんでしょうか? 色々想像させる作品だと思いました。 | ||||
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死にたいと言うが死のうとしない祖父を見ていると、あれこれやりたいと頭に浮かべるが一切行動しようとしない自分と重なり、このままではこの祖父のように口だけで、自分には何もできないと焦りを感じた。 行動を起こして少しずつ自信をつけていく主人公を見ると、何もしていない自分がひどく惨めな存在のように思えた。 この本は自分がだらけきっていることを自覚させ、変わらなければと決意を持たせてくれた本だ。 介護に焦点を当てていたり、主人公と祖父のバトルにも見える展開は面白かったが、主人公と祖父を通して自分の将来を考えられたのが、一番の収穫だった。 | ||||
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読了後のさらっとした感覚はエンタメ小説とは違う清々しさがあった。面白かったかどうかと問われれば首を傾げるけれど。 少し長い新聞の読者投稿のような作品。 いかにも芥川賞。 | ||||
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自分の環境と主人公の家庭が同じような環境で、 主人公の気持ちや介護者の苛立ち、祖父の行動あるあるに共感しました。 主人公の「早く死なせてあげるための介護」という考えが斬新で、 考えてみると確かに合理的な考えだなーと思ってしまいました。 でも、母のようにイライラしながらも 「できることは自分でさせてあげる」介護も家族としてとても理解できる行動です。 日々心の片隅でモヤっと感じていることをズバッと言葉にしてくれて、読んでてすっきりしました。 あと、主人公の筋トレ描写を見てると無性に筋トレしたくなります。 介護していて負の感情に苛まれたとき 日々出来なくなることが増える祖父を見て悲しくなった時 この小説の文章をふと思い出します。 介護をテーマにした小説で こんなドライな視点で描かれた物語を初めて読んだので 忘れ難い読書体験となりました。 | ||||
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ある目的をもって祖父を介護する主人公と母。 主人公は、目的のためには優しくしてはいけない、と心で唱えて、祖父に辛く当たる。 それを「ニヒリストの母に似て」と自己分析するところがあるが、この祖父は母の父なのだということを忘れてはならない。 つまり、この祖父と母は、ある目的のために結託している、としたらどう読み解けるだろう? その目的が、無職で就職活動も上手くいってない、治験に参加して金を稼いで体も壊し始めている28歳の主人公をリビルドすること、だとしたら。 その視点で読むと、祖父と母という二人のニヒリストの試みは成功したといえる。 主人公が徹底して行ったニヒルな介護活動など、祖父の手の平で踊っていたに過ぎないとすら思えてくる。 若手ニヒリスト v.s. 老獪なニヒリスト、という視点でも読んでみてほしい。 | ||||
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深いテーマみたいなのは、正直わかりませんでしたが(タイトルのスクラップ・アンド・ビルドが全てかもしれませんが…)とにかく読みやすくて、筋トレしたくなる内容でした! | ||||
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主人公の祖父と彼女の卑屈さにどきっとさせられました。身に覚えがあります。 | ||||
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介護の問題を視点を変えた見方から、軽いタッチで書かれていて、読みやすく、けれど、これまで誰もハッキリ言わなかった真実を、さらりと表現していて、小気味良い作品でした。手厚い介護が、ある面、寝たきり薬浸けの老人を増加させていると、反面では解っていても、では、現実に老いていく人、親、自分自身をどうすれば良いのか? 最善の方法は、直面する者が其々に考え、思い、切り抜けて行くより他になく、それは正に、破壊と再構築の日々で、結局、生きていくことは、介護だけではなく、どんな人の毎日もその繰り返しなのだ。 | ||||
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芥川賞ということで、小難しいかもと思い敬遠していましたが、読んでみるとものすごく面白かったです。 長崎弁で「死にたか」と訴え続ける祖父と、祖父の言葉を「真実」と受け止めて安楽死させようとする孝行孫。 主人公である孫は祖父に入れ込むあまり、自分の彼女や自分自身、そしてクリントイーストウッドまで祖父と比較してそれらの価値を測ろうとします。 そして、死につつある祖父と自分を比較する中で、主人公の肉体改造がエスカレートしていく。。。 物語は3人称で語られますが、主人公の視点に非常に近いところから語るため、世界全体が歪んだように見えます。 そして、その中で、主人公が思い込んでいる祖父の「真実」と、実際の祖父とのズレ(祖父の狡さ?)が、妙にコミカルな感じで浮かび上がってきます。標準語で祖父を罵倒する主人公の母と、弱々しくふるまう祖父のやり取りなど、本当に面白かった。 スクラップアンドビルドという題名は、もしかしたらマルクスの創造的破壊かな、とも思ったのですが、どうなのでしょう。 主人公が自分自身を破壊し、作り直し、就活をする、という流れと、死に向かいつつある祖父、という対比は、ある種の資本主義の寓話かな、とも思ったのですが。。 ま、そんなことは関係なく、、この歪んだ視点から語られるコメディ、秀逸だと思います。 | ||||
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ひたすら低俗でニヒルな感じです。またそれが重くなく、サラッとしてて心地がよいです。 終盤、ハッとさせられます。 泥臭い生命力というものを感じました。 あー、おもしろかった。 | ||||
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老人の描写が見事で面白いです。 「こんなお年寄り、いるいる」と思いながら読み進めました。 若い主人公のやりきれなさも、よく伝わってきます。 読みやすい、楽しみながら読める一冊です。 | ||||
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芥川賞受賞で作者を知り、手に取る。祖父と孫の「生きる」ということへの感覚の違い。現代の先進医療で「生かされる」ということ。不自由な老人に安易に手を課すことは、逆に苦しみながら死ぬことに近づけているということ。この事実は少し考えれば想像はつくが、活字にして読んでみると改めて考えさせられる。何でもかんでもバリアフリーではいけないということだ。そして生きていくものは筋繊維を壊して繋げるのだ。 | ||||
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最初の数ページの入り込めなさと 最後のもっと読みたい、ずっと読みたい この気持ちの差たるや。 この落差は人を好きになるときに似てます。 とにかく、観察したものを的確に文字にする 表現力の秀逸さ。 好きになったら止まりませんでした。 祖父との日常、それを横目で観察してる主人公の 心の言葉と外側の行動の違い。 本当に久しぶりに「生活」小説で楽しい、終わって 欲しくないと思う1冊でした。 | ||||
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面白おかしく書かれてはいないのに、あるあるすぎて、笑ってしまいました。 この本を通して我が家の介護も客観的に見れた気がします。なんだかスッキリ。 本を読まない母にも読ませたら、やっぱりクスクス笑ってました(*≧艸≦) 比較的軽めの、だからこそイライラする介護のど真ん中にある今、読んで良かった本です。 | ||||
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テーマがいまいち分からん この類いの作品にテーマが必要なのかどうかも分からないですけど | ||||
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