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数の風景
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数の風景の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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平成に入るころの作品で、昭和のカラーとは雰囲気が違っていた。書かれている視点が変わる不思議はありますが、人物に感情移入より、新聞記事を物語として思い描いているような趣きがあります。誰もが曲者な人物に見えて、現実には確かにそんな感じもしてきて、たくさんの名も無き個性的な人々の活躍?で締めくくられ背景は濃いです。 | ||||
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人物相関図は、石見銀山跡を地元の有志から観光地化したいと要望された設計士の板垣貞夫、守屋豊一郎、学者の梅井規久子、和田、夏井武二豪華なラインナップだ。最初は佐渡銀山のように観光地化するアイディアから始まるが、過密な予算オーバーで立ち消えとなってしまう。画家と名乗っていた矢部、本名谷原泰夫は測量図をもとに、高圧電線下の土地を全て買い取り、ゴルフ場、スキー場建設を目論む。この辺りから、話が急展開し、面白くなってくるのだが、そこから日本海運輸社長の元妻殺しへと殺人事件へと展開してゆく。しかし、芳子は守屋の妹だが、縁戚関係なわけだ。終局、守屋の腹心の部下、和田によって殺されていたことが判明するわけだが、動機があまり明らかでない気がする。愛人のバーのマダムとくらしたかったから、と言われればそれまでだが。それに、実の妹を、守屋が殺せるかということもある。すっきりしない点があった。 | ||||
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松本清張らしい臨場感ある描写力に乗せられて、ぐいぐいと引き込まれました。風景とか状況が読み手の頭の中にスッと広がっていき、自分がその場にいるような感じ、最後まで楽しめた展開。 | ||||
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主人公が最初は測量技師だったが、途中から借金に追われる不動産業者に変わるユニークな書き方。後半犯人が暴かれていく過程はさすが清張と感じさせられる。気楽に読める。 | ||||
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主人公は設計士と思いきや、自称画家。実は破産して債権者から逃れるために山陰の鄙びた温泉宿に身を隠した男、谷原泰夫だった。彼はなかなかの悪党で、電力会社の高圧送電線にケチをつけて弱みに付け込み多額の金をせしめる。これに味を占めて妻を殺害して愛人と再婚した大企業の社長をゆする。しかし、これは失敗し、逆に殺される。 この主人公の後を継いで元部下が謎解きを行い、主人公らの殺害の経緯を暴く。 数の風景というのは、移築された寺院の五輪塔の数が52から53にひとつ増え、そのひとつが時代の異なるものであったため、これはおかしいということで調べたら主人公の遺体がでてきたというもの。計算マニアの女性の機転が解決に寄与した。 そして最初の犯行も遺体を埋めた場所が注目を集めるようになったため、犯人たちが遺体を掘り起こし別の場所に移動させようとした現場を取り押さえられたもの。 確かに、まどろっこしいという批判もあるが、清張先生独特のモチーフで良くまとめられている。主人公が悪事の果てに死ぬのは、「黒革の手帳」(正確には殺されるだろうなという暗示で終わっている。)、「告訴せず」(身投げして溺死。)と同じで因果応報という概念が生きて来る。まあ、その分、清張作品もマンネリかなあと思われるので、星をひとつ減らした。 | ||||
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松本清張は 巨匠である。様々な知識を駆使する。 数の名前のある地域。なぜ その名前に 数がついたのか。 数マニア。キク女は すらりとして プロポーションもよく 俳句か短歌を詠ずる人かと思われたが。 ウィーンの学会にも出る という 大学の先生だった。彼女が 解き明かしたことで、事件が発覚するのだった。 矢部は 雪深い 断魚荘で、自殺することを考えていた。 矢部は 様々な事業を企て 不動産で失敗し多額の負債を抱えていた。 矢部は 画家だといって、断魚荘に泊まっていた。 設計士の板垣は 石見銀山の観光開発のための地元の人から呼ばれていた。 同じ宿に泊まり、キク女もおなじように 泊まったのだった。 石見銀山を開発理由はどこにあるのか? 矢部は、推理することで、新しい事業を進める後ろ盾を見つけることとなった。 新しい事業とは 電線の下の土地で 電力会社に揺さぶりをかけることだった。 以前の部下だった 夏井が 知恵を貸すことで多額のお金を得たのだが。 矢部の勘は あたっていたのだが。 仮説の中で物語をつむいでいく という松本清張の手法は 何とも言えず。八双飛びのように展開していく。 | ||||
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大変面白かった。作品紹介は次のとおり。負債をかかえて逃避行をする谷原は、同宿の、設計技師と“計算狂”の美女との雑談から、大金儲けのヒントを得る。それは、石見銀山坑内発掘と高圧線下の細長い土地の利権にかかわるからくりであった。が、まんまと、電力会社から一億二千万の補償金を獲て、さらに勝負に出ようとした矢先、行方不明になってしまう。往年の殺人疑惑が谷原殺しを引き起こし、その接点には「数字のある風景」があった…。山陰とウィーンを飛び交う大胆な構想と緻密な計算が行き届いた、巨匠の傑作長編推理。 一般文学通算274作品目の読書完。1988/03/14 | ||||
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オーストリアの作曲家であるブルックナーの身の回りにある物の数を数えなければ気が済まないという、特異な性癖を題材とした長編推理小説。松本清張氏は心底ブルックナーが好きで、その作品を聴きながら小説を書いていた。そう思わせる小説です。是非生前に、ブルックナーの音楽に関する評論も書いて欲しかったと思います。 | ||||
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