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生還者
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生還者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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初めての作家さんでしたが、レビューがおおむね好評なので期待して読みました。 が。 あまりにも物語の構成が鼻につき、私には合わなかった…。 内容的には引き込まれる部分があるので最後まで読みましたが、謎についても新たな視点から見たら誰かが気付いても良さそうな事ばかり。 ダウンジャケットが変わってることとか、奥さん見たら分かるでしょう? しかも、後出しじゃんけんみたいに後から新情報が追加されていくやり方はミステリーとして卑怯です。 高瀬が東の自宅に行くのだって、誰か見張ってない?記者のひとりやふたりさぁ…。 最後、3人でカンチに登るときの恵里奈の身勝手な妄想(証拠隠滅のため)が暴走するくだりでは、あまりにもソレを強調するから逆に「絶対高瀬じゃないな、これは…」と興ざめでした。 とにかくキャラが立っていないので、読んでいて違和感がすごいです。 たぶん、料理の仕方が違えばもっと面白いできばえになっていたのではないかと思うのでなんだか残念です。 | ||||
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出だしだけかな、よかったのは。 もうご都合主義のオンパレード。まったく人の心が描かれていないのがつらい。 ストーリーに沿って人を動かしているのでどんな熱のある台詞を書かれてもまったく響いてこない | ||||
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広義のトラウマものである。本書の場合はサバイバーズ・ギルトとして語られてはいるけども。作中人物たちはおかしな行動をとるのだが、それはこの「生存者の罪意識」により精神的に正確な判断ができないせいだからで、おかしいと思っても読者のみなさんツッコまないでくださいねと、トラウマという精神のブラックボックスに不都合を押し込めている。 それにしても、カンチの遭難の件については殆ど部外者ともいうべき高瀬の依怙地さや女記者の執念深さったらないね。特に高瀬は主要人物なのに本筋とは全く関係ないところでサバイバーズ・ギルトを抱えていて、それが行動原理となっているせいで話を徒らにややこしくしている。というより、その「徒ら」な部分が本書の主題になっちゃってる。 文章は紋切型だし小説というより要約を読んでいるよう。地の文は説明的なのに会話はナマっぽい。山に対する崇高な気持ちが繰り返されるが、陳腐な言葉の羅列にゲンナリ。この人が8回も乱歩賞を落ちたのは、文章も一因じゃないかな。 人物造形は特に女性がひどくて、主人公の恋人はかわい子ぶったアニメキャラみたいだし、憧れの女性もやたら理想化されている。いかにも男性作家が書いた、男性目線で類型化された女性って感じ。初対面なのに、名前で呼んでいいわよ、はない。新たに現れた女性に失くした女性の再来を見るというお決まりのパターンもある。 山岳小説もこんな強引なパズルみたいなものになっちゃったんだね。もっとこう極限状態での心理的なかけひきみたいなもの(下界では計り知れない)を期待していたんだけど、そういう方面での重さはない。雪に閉ざされた寒さや凍傷の痛さや滑落する恐怖というのは伝わってこない。 タイトルといい第二の折原一を目指しているのか。 | ||||
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前半は久しぶりに面白い本が見つかったと嬉しかった。山の部分もミステリーの部分もわくわくして読んで、どういうふうに展開していくのか楽しみだった。 でも後半に急ブレーキがかかり、かなりがっかりしながら読むことになった。 最初は「高瀬がカンチに証拠隠滅のために戻る」と恵利奈が決めつけたこと。証拠隠滅をして保身に走る人(我が身が大切)が「エヴェレストの4倍の死亡者を出す危険な山」にソロで行く(我が身を捨てている)の違和感。いくらデスゾーンではない高度と行っても、やはり危険で(現に増田は転落して危なかった。ソロなら死んでいたかも)自分が死んでも隠さなければならない秘密でもあればまだしも、そんなものはない。 また自分が殺して埋めたとか、よっぽど遺体の場所がわかっているならともかく、実際は雪崩のときは別の場所にいてビーコンのこと(大がかりな捜索隊だってビーコンの信号を探したけどみつからなかった)以外ヒントもない。結局増田の転落という偶然がなければ見つけることもできなかった。 そんな簡単に隠滅のために見つかるとはとうてい考えられず、ますますそんなことで行くだろうかと疑問に思った。あのあたり永久に見つからない遺体も多いというし、放っておいても見つからない可能性の方が大きいし。 大体証拠隠滅ってどうするのか?例えば装備が奪われたことをごまかすために遺体に奪った服を着せるの?(死後硬直して無理?)それとも遺体を焼くとか?全然イメージがわかない。 まあ高瀬があんなに無理してカンチへ戻った理由自体最後まで読んでもわからなかった。ビーコンの信号が消える前に遺体を発見して奥さんに届けるために? でも上述したように見つかるのは奇跡に近いし、ソロだったら遺体を下ろすのはほとんど無理だったのでは? それよりがっくり来たのは、増田が富士山で初めて「高瀬を追ってカンチに行く計画」を聞いて(何日いたのかはっきりしないけど)下山してすぐに高瀬が出発したこと聞き、追ってカンチへ行ったこと。高瀬を見失わないようにすぐ出発したのだから、準備はそれこそ2,3日?こんないい加減な準備で、このレベルの山に行くか?増田はともかく恵利奈は実力・経験とも不足していると思われるし。 そして意表をつくどんでん返しではあるけど、「女たちがガイドを見捨てた」という増田説(あれでは見捨てたというより食い扶持を減らすための計画的殺害に近いのでは?)はそれまで書いてあった美月の魅力や人間性と矛盾していて大変後味が悪い。「事前に話し合ってガイドを殺すことを決め、様子を見に行かせるために倒れ込む芝居までして説得して、それから場所を移動してガイドが戻って来られないようにする。」いくら命がかかっていてもここまで悪質なことを山を愛する5人が誰一人異議を唱えないってありですか?提案どころか、同意して協力するだけでアウトでは?だいたい救助隊だって近づいているかもしれないのにビーコンを切るのはあまりに愚かだし。増田は美月をそんな女だと思っていたのか?それはないでしょう。 | ||||
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