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ミステリー・アリーナ
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ミステリー・アリーナの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 21~31 2/2ページ
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2015年のミステリーベストテンに選ばれてます。エンタメですから、何も難しく考えずに読めば楽しい本です。 私が一番楽しかったのは、読者を喜ばせるための色んな仕掛けでした。閉ざされた山荘での殺人、クイズ番組、さらに・・・。 これ以上言うとネタバレですね。最後にもうひとつ「意外性」が隠されてるんだろうと確信してましたが、現実はその期待を上回りました。 それ以上に、ミステリー作家というのは、こんなにも言葉遣いや表現に気をつけて書いてるんだと気付かされ、とても関心しました。 | ||||
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よくありがちな館での殺人事件の謎を、テレビの出演者が次々に解いていくお話。 もちろんそれだけではなくて、そもそもこのテレビ番組とは何か、という事もその後の展開なのですが、とても斬新で面白いと思いました。 ありきたりのミステリに飽きてしまった人は面白く読めるのではないでしょうか。 | ||||
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ミステリーって終盤まで読まないと面白さがわからないので 時々こういうのに引っかかります。マジメなミステリー本と そうでないミステリー本は分けて紹介してほしいです切実に。 メフィスト作家は合わないのが本当に多い。 事件の内容そのものは対した特徴もないので特別評価する ものではないです。アリーナ側の設定は途中までは刺激的で 結構面白かったのと、メインの推理合戦も4人目ぐらいまでは 目新しくて楽しめました。 しかし中盤からの推理はどれもひどいです。最初の事件の文章と 矛盾した推理が多すぎ。前半から続くギャグ目的のトンデモ推理も これだけ続くと全く面白くなくなります。中盤に差し掛かると終盤 までこの調子。なんですか並Xって。 XX解決ですか。この部分は発想は面白かったですが、これは完璧な 推理を積み重ねていった結果でないと成立しないネタなのでやっぱり 駄目です。完璧な頭脳が、完璧なロジックを持ってして何度挑戦しても 何故か正解にたどり着かないという前提がないと最後の種明かしで ユーモアにも皮肉にもならないんです。実際は推理ではなく推測や こじ付けばかり。ミステリー本として紹介されているのにみんなが馬鹿を やっているだけの薄っぺらいお笑いで終わってしまう。 ゲスいキャラと物語の設定はよく出来ていて、文章も下品ながら 結構読ませるので、推理は絡めないほうが面白いの書いてくれそう。 | ||||
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逢えて言うなら、ギャグミステリーでしょうか? この馬鹿司会者のキャラクタの責で、オチは最初からわかってしまいます、謎も何もありません。 何時シリアスになるのか、其れだけを待っておりましたが、結局最期までミステリーの欠片も無いギャグでした。 | ||||
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多重解決ものを早押しクイズ形式でやってしまうという仰天の趣向。 連続殺人の第一の死体が現れた瞬間に最初のボタンが押されるという ワクワクものの序盤から、実に十五通りものの解決が開陳される。 後半どんどんギャグが増えてきて、それと並行するかのように ブラックな外枠部分が露わになっていく。参りましたというほかない。 あからさますぎるタクシーの件が中盤までお預けになる不自然さも、 最終解決がいちばん苦しいのも、ある程度承知のうえなのだろう。 ただ、賞金がめちゃくちゃに安すぎる点も同様なのだろうが 実はここに大きな陥穽があったと思う。 (以下一部ネタバレ) 「反駁することができませんでした」の一言で片づけられているが 政府が無辜の人間の命を奪うことが合法化された近未来というのは 完全な暗黒社会であるはずで、そこで謎解きだ正義だ不正義だとか 大して意味はないだろう。こうした社会の警察はこのラストシーンとは 逆の方向へ銃を向けるのがごく自然だし。 純粋な賞金目当ての設定にすればブラックな味は失われたろうが 要は社会批判の視点がぶれてしまっているのだと思う。 | ||||
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評判となった「最後のトリック」(構想に無理があったと思う)より遥かに楽しめた。「最後のトリック」を読んだ際にも感じた事だが、本格ミステリに賭ける作者の情熱がヒシヒシと伝わって来ると同時に、本格ミステリにおけるアイデアの枯渇に対する作者の危機感・諦観も伝わって来た。本作は「最後のトリック」同様、その危機感を打破しようとの試みだが、巧みに仕上がっているという印象を受けた。 思うに、作者は従来の本格ミステリが扱って来たアイデアの否定とその改変に次々とチャレンジしているのだろう。本作はバークリー「毒入りチョコレート事件」のパスティーシュ風の"多重解決"ものだが、 (1) 元となる推理劇 (2) それをテキストで読んで早い者勝ちの推理合戦を繰り広げる回答者達 (3) (1)と(2)を取り持って放映するTV局 という三者を用意する事によって、見掛けは戯れ、中身は真剣勝負という意欲的な工夫を凝らしている。特に、(1)を"小出し"にしている所がミソで、「何故、本格ミステリの"長編"が存在するのか?」という根源的問い掛けを前面に出している点にまず感心した。本格ミステリには風景描写等の余計なものはいらず、推理に必要なエッセンスだけがあれば充分との主張である(ちなみに、ポーのミステリは全て短編)。この小出しの(1)と(2)の小刻みな対比(作者の苦労が窺える)によって従来の本格ミステリのアイデアを次々と否定して行く様が笑いを誘う。一方、それで読者を満足させるためには周到に計算した描写が必要なのは言うまでもなく、作中の「伏線だらけ」という言葉が示す通り、一言一句見落とせない緊密な描写となっている。また、随所で作者の薀蓄が披露されるが、これが単なる衒学趣味ではなく、それ自身が伏線になっている点にも感心した。この小出しによって(3)の意図が早い段階で分かってしまうのが難点だが、それを補って余りある全体構成と描写力である。 従来の本格ミステリのアイデアを否定しながらも、エンターテイメント性に溢れたミステリを読者に提供するという至難の技を達成した快作で、作者には今後もこのレベルの作品の発表を期待したい。 | ||||
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"ミステリベスト10"一位の惹句が踊る帯を眺め「凄そうな本やなぁ」と思ったものの、 実際読んだらまったく違った手応え。 シリアスな状況の”アリーナ”なのかと思えば、推理を競うTVのバラエティ番組というテイ。 解答の中には、「それが正解だったらバカミスだろうが」ってのもいくつかあり ”なんだかなぁ”という気持ちにさせられるのですが、最後の最後に待っていたのは 最低レベルの叙述トリックでした。おい、ふざけんなやw。 帯情報含めた評判(?)や、私が手にしてたのは既に2刷なのにも関わらず レビューが少なめなのも、中身に寄るとこが大きい気がします。 「凄い」とは言っても、単に”手数”が多いだけ・・・みたいなね。 ちなみに、回答者が次々殺されていってることを思わせる展開に これは”ミステリーヲタ”に恨みを持つ作家連合(もしくは作者単独)の復讐劇? とか思ったのですが、全く違うことは途中で明かされます。 そもそも多重解決というのは、物語に深みや読み応えを増すための手法なのに 「とことん多重解決出来るようにしようぜ」という姿勢のせいで 逆に薄っぺらくなっている感は否めないのです。 作中現実の最後の方でも「君そうゆう立ち位置だったの?」などんでん返しがあるのですが いきなり過ぎて苦笑いしか浮かびません。 ある意味、”使いたいトリックがあるから殺ってみた”の集大成であるとともに ミステリーというジャンル全体像に渡る、セルフパロディのオムニバスでもある。 こうまでしないと、今やミステリーは書けないのか……という複雑な思いにもかられます。 ただ、恐ろしくテンポが良くスイスイ読めてしまうとこは◎でしょうか。 あまり堅苦しく考えず、ちょっとした暇つぶしには最良の友かも知れません。 鞠子宿や、ダイイングメッセージは積分記号(?)のとこは素直に感心出来ましたし…。 | ||||
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本作品の著者は、「ウルチモ・トルッコ」(2007年発表:2014年に「最後のトリック」と改題)で、「読者が犯人」という命題に果敢に挑戦する意欲作でメフィスト賞を受賞し、デビュー。 その後、音楽や歌劇を題材とした芸術探偵シリーズで、「芸術+本格ミステリ」という独自の境地を拓きました。 私は、そんな著者の大ファンであり、2000年代に入ってから活動を始めた本格ミステリ作家としては、一番の注目作家です。 そんな著者が遂に、デビュー作以来、久々にミステリでの重要な命題に挑戦したのが、本作品です。 その命題とは、「多重解決ミステリ」。 その起源は、本作品の中でも紹介されていますが、「毒入りチョコレート事件」(アントニー・バークリー著、1929年)です。 要は、探偵役が複数現れ、それぞれ独自の推理で犯人を指摘する──つまり、何重にも解決編が示されるという独得のジャンルです。 いくつもの解決編が示されるということは、それだけ多くの伏線を張る必要があり、実作者の苦労が偲ばれる分野と言えます。 本作品は、この「毒入りチョコレート事件」の6つの解決編の倍以上の解決編が示されることからして、意欲的ですが、その中身も、凝りに凝ったもので、よくこれだけのバリエーションが描けるものだと、感心し、かつ驚いています。 さらに、物語全体を覆う大きな仕掛けまで用意されていて、一気読み必至の傑作です。 ただし、一点だけ注意があります。 それは、ミステリ初心者にはオススメできないということ。 いくつもの解決編は、当然、過去のミステリ作品を踏まえており、具体的な題名は示されてはいないのですが、これまで傑作や佳作と呼ばれてきた作品のネタやエッセンスが含まれているからです。 このため、まだミステリを読み始めの方は、著名なミステリをある程度読んでから本作品に挑む方が、賢明かと思われます。 著者にはまだまだ多くの引き出しがあるように思われ、今後の活躍に、大きな期待を抱いています。 | ||||
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メフィスト賞でデビューしその後もコンスタントに質の高い本格ミステリーを発表しづけている深水氏のミステリーリーグからの長編。 以前の本格ミステリーのお約束をギャグにした大癋見(おおべしみ)警部の事件簿 の路線を受け継いだ長編作であり、ネタにされるのは叙述トリック。 最初普通のミステリーかのように進行して行き、突如、それがクイズという趣向になり、解答者達が、物語の各進行地点で次々トリックと犯人を推理していくが、それらは・・・というバカバカしいまでのしつこく細かい叙述トリックと各解答から枝分かれしていくバカバカしいまでの多重解決が繰り広げられる。 本格推理ファンなら昨今の流行りの叙述トリックの代表パターンが次々ギャグとして処理されている過程は叙述トリックそのものへの自己批判ともなり、非常読んでいて興味深いものである。 この本格ミステリーファンのためだけに書かれたと言ってもいいコアなネタで一歩間違うと本格推理ファン以外が読むと単なる楽屋落ちと取られてしまいかねない設定だが、単なるお遊びで終わるだけでなく、、きっちり全体の話としても落ちを付けているのが凄いところ。 今年の本格ミステリー系のランキングでは上位に来るのは間違いないだろう。 本格ミステリーファンは必読だ。 | ||||
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20世紀中葉の「ミステリー・アリーナ《推理闘技場》」なるTV番組にて、 問題が提出され、会場の客がひらめいた順に次々と解答する、変化球ミステリー。 ひとつの設問に15もの多重解決をみせ、A.バークリーを想起させる。 深水さんは、15にとどまらず、収束のしかたは無限にあると主張している。 どうやら、その無限解決のなかからひとつだけを択びだすことが、推理作家の仕事とみているようでもある。 めちゃくちゃなのは、設問における叙述トリックである。これでは解答者たちが激怒して然るべきだろう。 しかし、そこに著者の本意が含まれていると思われる。つまり、わざとめちゃくちゃに書いているのだ。 いうなれば、この描写は、古今東西弄されてきた叙述トリック批判であり、 もう、そんなのは飽きたよ、という嘆きとも取れる。 開き直って、叙述トリックそのものを破壊しにかかっているのであろう。 筒井康隆をほうふつとさせる近未来予想図がじつにおもしろく、どす黒いユーモアを ぞんぶんにふりまき、まったくもって読みごたえのある一冊であった。 | ||||
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ひとつ起こった出来事に対して何重もの仮説を構築するのが本格ミステリの大きな喜びのひとつなら、これはもう垂涎ものです。具体的な数は明かせませんが、とにかく事件パートのテキストが進むたびに解釈・推理・仮説の出てくること出てくること!七つ目の仮説あたりから、目眩を起こしそうになりました。しかもどの仮説も論理的整合性は十分保っています。この筆の熱さ、遊び心…執念というか、鬼気迫る情熱が本からあふれて止まりません。私も「『たま』は猫だよな、いや…もしかして…でもこの章の描写は…?」と、推理合戦に参加しそうになりましたが、とてもじゃないですが作中の仮説に迫れるほどのロジックは構成できませんでした。お見事! もし…この文を読んでいるあなたがミステリ・マニアなら、この作品の更にあなたなりのもう一つの矛盾しない『仮説』を生み出してみてはいかがでしょうか。ミステリ・マニアならなんだってできます!できるはずさ! …私は最初の一人称人物が冒頭で雨に濡れて着替える際の描写で、「着替える際にこのやりとりがあるということは、この人、女性なんじゃないか?」と思ったりしました。 | ||||
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