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霧の旗
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【この小説が収録されている参考書籍】
霧の旗の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 21~40 2/3ページ
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これ以上の悪女がいるだろうか? しかも、偶然の出来事を利用してとことんまで相手を追いつめる。 数多く映像化された作品だが、小説の中の桐子は、美しいが、心の内ががほとんど見えず、暗い熱情を奥底に秘めた、恐ろしく不気味な存在として描かれている。 清張の小説に出てくる悪女たちは、欲望や野望を持ち、そのために緻密な計算をして男たちを操り、更なる高みへと上り詰めていこうとする。 そんな女たちは怖いけれどもその心情は理解できる。 欲望は誰にもあるから。 だが、桐子は、何の利益も、見返りも求めない。 復讐のためにだけしか、行動しない。 しかもその復讐も、ほとんど、理不尽としか言いようのないものである。 お金のためとか、欲望のために人をだます人の方が、よっぽど人間的に思えてくる。 失うものを持たず、復讐を遂げようとする、桐子のような女が私は一番怖い。 | ||||
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先に若い時の山田洋二監督による同作映画をビデオで見ました。原作をかなり忠実に映画化していたので、読みながら映画のシーンがよみがえってきました。 松本清張のミステリーの名作中の名作の一つですね。若い主人公の女性の執念が怖いです。読みながら背筋がぞっとしました。 | ||||
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山田洋次が監督を務めた松竹のモノクロ映画(1965年)の印象が強すぎて,原作の味わいはどうだろうかと思いましたが,松本清張の文章力に引っ張られて北陸に向かう列車の中で一気に味読できました.ミステリー作品のプロトタイプとなる原作です.ストーリーに多少の無理はあっても,裁判記録の詳細や司法解剖の記録を織り交ぜて臨場感たっぷりの仕上げです.読者の推理力や想像力を喚起し,読後に余韻を残す古典的作品だと思います. 物語の舞台は昭和35年前後の銀座,丸の内,新宿であり,当時の雰囲気がよく反映されています.小倉での高利貸しの老女の殺害に関して無実の罪で起訴され,一審で死刑判決を受けたまま獄死した兄の無念を晴らすため,柳田桐子は兄の弁護を無碍に断った弁護士大塚欽三への復讐に執念を燃やします.柳田桐子の私怨に発して,大塚弁護士の愛人河野径子にかけられた殺人の嫌疑をネタに大塚を追い詰めて行きます.最後は桐子の私怨が偏執的愛憎に昇華してく過程が描かれ,その心理が巧みに描写されています.愛人河野径子に対する大塚弁護士の必死の献身に,桐子はある種の嫉妬を覚えたのかもしれません. 柳田桐子の顔が,最後まで映画の主役を演じていた倍賞千恵子の表情と重なってしまいました. | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算34作品目の読書完。1973/09/01 | ||||
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内容は敢てクドクド書きません。いつの時代でも、法と裁判制度の持つ矛盾点、問題点とゆうか、不条理はいつの時代でも語り告がれています。清張氏は、この点を小説の名の元に問いただしたかったと思います。社会派の原点がここにあります、じっくりと読んで見てください。 | ||||
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これは無実の罪で獄死した兄を持つ女性が、その弁護依頼を金銭の理由で断った敏腕弁護士に対する復讐劇である。 しかし作者がこの物語で言いたかったのは単なる復讐のお話ではない。 そんな陳腐なやりとりを描きたいのではない。 では作者は何を言いたかったのか?この作品のテーマは? それは貧富の差で弁護の優劣が決まる司法制度の限界と矛盾である。 つまり一見、完璧に見える日本の憲法そのものに対する批判ではないだろうか。 誰人たりとも生存する権利と言論の自由は憲法で保障されている。 しかし、その実態は経済力の大小に委ねられている。 貧しい人間は、その基本的な権利すら獲得できないのである−それが作者の言いたかったことではないだろうか。 そしてもう一つは因果応報である。 本来悩める庶民、無実であろう人間を法の下で救うのが弁護士の使命のはずである。 それを依頼者が貧しい、あるいは女遊びで忙しいという理由で依頼者を断るある高名な弁護士。 それがこの弁護士の「罪」であるなら、その後の主人公桐子から復讐される様は「罰」ではなかろうか。 つまり作者は、桐子を復讐に燃えるキャラクターに設定することで 盛者必衰の理を説いたのではないだろうか。 | ||||
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前半は、柳田正夫が犯人とされた事件の解明に費やされ、大塚欽三弁護士の面目躍如が描かれる。中盤では、突然桐子が九州から銀座のとあるバーで働くことになって、そこで雑誌記者の阿部と再開する。また、とあるバーのマダムの弟が大塚弁護士の愛人が経営するレストランで働いている設定などが巧みに配される。これら清張一流の偶然の配置は、ストーリが面白いゆえ、読者の関心は偶然性の批判には向かない。さて、後半では、同じバーの同僚にちょっとした頼まれごとをされた桐子が、大塚弁護士を貶める願ってもないチャンスを得ることになる。 桐子のたくらむ筋書きが、背筋がぞっとするほどに極端なものであることは、最後に明らかにされるが、私は、この作品の主眼は、正にこの異常性にあるのであって、法と裁判制度に対する問いかけといったものはサブテーマにすぎないと考える。 大塚が河野径子の冤罪をはらそうと躍起になればなるほど、桐子は大塚に憎悪を募らせる。兄が死んでしまった以上、どこまで行っても生きている大塚を抹殺するしかない。この感情は最初からもっていたものではなく徐々に増幅していったのではないか。 「でも、掌の暖かい方は、心は冷たいというわね」 「でも、そのためにいろいろと犠牲者が出るわ。ご自分ばかりでなしに。・・・」 「・・・普通に生きることさえできないで、短く終った人もいるんですから」 桐子の大塚の会話はどんどんエスカレートしてゆくのである。 恨みを買うというが、それが相手方の思い込みであった場合、自分でコントロールすることは不可能である。異常な感情が、径子と大塚の二つの冤罪を闇に葬った。これほど怖い凶器は、人間社会において存在しないのである。 | ||||
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前半は、柳田正夫が犯人とされた事件の解明に費やされ、大塚欽三弁護士の面目躍如が描かれる。中盤では、突然桐子が九州から銀座のとあるバーで働くことになって、そこで雑誌記者の阿部と再開する。また、とあるバーのマダムの弟が大塚弁護士の愛人が経営するレストランで働いている設定などが巧みに配される。これら清張一流の偶然の配置は、ストーリが面白いゆえ、読者の関心は偶然性の批判には向かない。さて、後半では、同じバーの同僚にちょっとした頼まれごとをされた桐子が、大塚弁護士を貶める願ってもないチャンスを得ることになる。 桐子のたくらむ筋書きが、背筋がぞっとするほどに極端なものであることは、最後に明らかにされるが、私は、この作品の主眼は、正にこの異常性にあるのであって、法と裁判制度に対する問いかけといったものはサブテーマにすぎないと考える。 大塚が河野径子の冤罪をはらそうと躍起になればなるほど、桐子は大塚に憎悪を募らせる。兄が死んでしまった以上、どこまで行っても生きている大塚を抹殺するしかない。この感情は最初からもっていたものではなく徐々に増幅していったのではないか。 「でも、掌の暖かい方は、心は冷たいというわね」 「でも、そのためにいろいろと犠牲者が出るわ。ご自分ばかりでなしに。・・・」 「・・・普通に生きることさえできないで、短く終った人もいるんですから」 桐子と大塚の会話はどんどんエスカレートしてゆくのである。 恨みを買うというが、それが相手方の思い込みであった場合、自分でコントロールすることは不可能である。異常な感情が、径子と大塚の二つの冤罪を闇に葬った。これほど怖い凶器は、人間社会において存在しないのである。 | ||||
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松本清張の作品は確かに面白いが…いつも余り読後感が良いとは言えない。 社会は常に不平等であり、人の善悪も100パーセントではないからだ。勿論現実における勧善懲悪などもない。 この作品でも正直、大塚弁護士が桐子にここまで恨まれる筋合いはない。弁護士にも仕事を選ぶ権利がある。桐子の恨みは所謂逆恨みでしかない。 この作品は冤罪の恐ろしさと共に、普通に生きていても、いつどこでどんな恨みをかうかも知れない怖さを考えさせられる。 作者の作品には常に社会の不平等感や不条理が多く描かれているが、それでも人は真摯に生きてゆくしかないのだと私は思う。作者の作品に余り救いがなく、読後感がスッキリしないのは、登場人物たちがどちらかというと次第に闇に染まってゆく姿が多く描かれてゆく部分にあるのだろう。 | ||||
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松本清張の作品は確かに面白いが…いつも余り読後感が良いとは言えない。社会は常に不平等であり、人の善悪も100パーセントではないからだ。勿論現実における勧善懲悪などもない。この作品でも正直、大塚弁護士が桐子にここまで恨まれる筋合いはない。弁護士にも仕事を選ぶ権利がある。桐子の恨みは所謂逆恨みでしかない。この作品は冤罪の恐ろしさと共に、普通に生きていても、いつどこでどんな恨みをかうかも知れない怖さを考えさせられる。作者の作品には常に社会の不平等感や不条理が多く描かれているが、それでも人は真摯に生きてゆくしかないのだと私は思う。作者の作品に余り救いがなく、読後感がスッキリしないのは、登場人物たちがどちらかというと次第に闇に染まってゆく姿が多く描かれてゆく部分にあるのだろう。 | ||||
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柳田桐子は死刑判決を受けた兄の無罪を信じて、高名な弁護士大塚に弁護を懇願するが、高額の弁護料を払えない彼女は全く取り合ってもらえなかった。兄は殺人犯の汚名を来たまま獄中で死に、桐子は大塚への復讐を始める。それは極めて周到な準備の元に実行されていく。 実は大塚弁護士は決して非情でもないし、現代の司法制度の中では良心的な方だと言っても良いのである。 むしろ桐子の執念が恐ろしくなり、異常なものに見え、桐子が一種のストーカーのように思える。 しかし良く考えてみると、桐子から見れば、もし大塚弁護士が弁護していたら、兄が助かっていた可能性は極めて高いのである。だから、復讐は極めて正当なのだ。 では一体誰が悪いのかという問題が出て来る。そこで松本清張のテーマである社会の矛盾が出て来る。 日本では多くの文芸作家にとって社会の矛盾は大きなテーマになり得なかった。いろんな理由があるだろうが、彼らが社会の下層の生活と無縁だったことも大きな要素であると思う。貧しいが故にかなえられない願い、助からない命。それを実体験として知っているという点で松本清張は数少ない文芸作家と言えるだろう。 桐子の恨みは大塚個人へと向けられているが、松本清張の中にははっきりと社会の不平等への怒りがあると思う。 しかし松本清張の作品らしく、精密な状況描写があり、真犯人を求めるときの証拠の分析などは彼の能力が最大限に活かされている。読者を楽しませる娯楽小説とシリアスな社会派小説の見事な合体である。 | ||||
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柳田桐子は死刑判決を受けた兄の無罪を信じて、高名な弁護士大塚に弁護を懇願するが、高額の弁護料を払えない彼女は全く取り合ってもらえなかった。兄は殺人犯の汚名を来たまま獄中で死に、桐子は大塚への復讐を始める。それは極めて周到な準備の元に実行されていく。 実は大塚弁護士は決して非情でもないし、現代の司法制度の中では良心的な方だと言っても良いのである。 むしろ桐子の執念が恐ろしくなり、異常なものに見え、桐子が一種のストーカーのように思える。 しかし良く考えてみると、桐子から見れば、もし大塚弁護士が弁護していたら、兄が助かっていた可能性は極めて高いのである。だから、復讐は極めて正当なのだ。 では一体誰が悪いのかという問題が出て来る。そこで松本清張のテーマである社会の矛盾が出て来る。 日本では多くの文芸作家にとって社会の矛盾は大きなテーマになり得なかった。いろんな理由があるだろうが、彼らが社会の下層の生活と無縁だったことも大きな要素であると思う。貧しいが故にかなえられない願い、助からない命。それを実体験として知っているという点で松本清張は数少ない文芸作家と言えるだろう。 桐子の恨みは大塚個人へと向けられているが、松本清張の中にははっきりと社会の不平等への怒りがあると思う。 しかし松本清張の作品らしく、精密な状況描写があり、真犯人を求めるときの証拠の分析などは彼の能力が最大限に活かされている。読者を楽しませる娯楽小説とシリアスな社会派小説の見事な合体である。 | ||||
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かくも恐ろしい歳若い女性の復讐劇である。 法曹界に君臨する賢いと思われている男たちを、 これでもかと思うくらいじわじわと追い詰めてゆく。 この女性を演じるとなれば誰がよいだろうかなどと考えながら、 清張作品に登場する女性像の妙に感動するばかりだ。 ミステリの新境地を開拓した本書に影響された作家も多いはず。 本書は清張作品の中でも一二を争う秀逸な出来で、 ストーリー展開や心理描写、 また供述書や鑑識発表を冷静に読み解いてゆく痛快さもある。 ぜひ一読しなければならない作品だ。 | ||||
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かくも恐ろしい歳若い女性の復讐劇である。 法曹界に君臨する賢いと思われている男たちを、 これでもかと思うくらいじわじわと追い詰めてゆく。 この女性を演じるとなれば誰がよいだろうかなどと考えながら、 清張作品に登場する女性像の妙に感動するばかりだ。 ミステリの新境地を開拓した本書に影響された作家も多いはず。 本書は清張作品の中でも一二を争う秀逸な出来で、 ストーリー展開や心理描写、 また供述書や鑑識発表を冷静に読み解いてゆく痛快さもある。 ぜひ一読しなければならない作品だ。 | ||||
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弁護を断られたために、無実の罪を負って兄が獄死したと信じる女が、弁護の依頼を断った高名な弁護士に復讐するサスペンス小説。 情に流されず、毅然として復讐していく柳田桐子(きりこ)の姿が、鮮やかに瞼に焼きつきました。暗い影を帯びた魅力的な女性が登場する作者の小説のなかでも、柳田桐子は、強い印象を残す女性ですね。芯の強い性格。きっぱりとした物言い。兄の無念を晴らす復讐の女を描いた清張の人物造型力が見事。 後味は決してよくありませんが、ラスト一行の切れ味のよさには唸りました。 1959年(昭和34年)から1960年にかけて、『婦人公論』誌に連載された作品。脂の乗り切った当時の清張作品では、『黒い画集』『影の地帯』『砂の器』といった小説、『日本の黒い霧』のノンフィクションとともに忘れられません。 | ||||
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弁護を断られたために、無実の罪を負って兄が獄死したと信じる女が、弁護の依頼を断った高名な弁護士に復讐するサスペンス小説。 情に流されず、毅然として復讐していく柳田桐子(きりこ)の姿が、鮮やかに瞼に焼きつきました。暗い影を帯びた魅力的な女性が登場する作者の小説のなかでも、柳田桐子は、強い印象を残す女性ですね。芯の強い性格。きっぱりとした物言い。兄の無念を晴らす復讐の女を描いた清張の人物造型力が見事。 後味は決してよくありませんが、ラスト一行の切れ味のよさには唸りました。 1959年(昭和34年)から1960年にかけて、『婦人公論』誌に連載された作品。脂の乗り切った当時の清張作品では、『黒い画集』『影の地帯』『砂の器』といった小説、『日本の黒い霧』のノンフィクションとともに忘れられません。 | ||||
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人間のもつ「怨念」の強さ、そして、ふとした事から地獄に堕ちてしまう人生の恐ろしさを、見事に描ききっています。その点では、秀作といえるでしょう。しかし!本当に残念なことに、トリックが破綻しています。作品末の殺人事件に関して、桐子が大塚弁護士をハメていることを示す決定的な証拠があるのですが、筆者はそれを完全に見逃しています。(作品後の「解説」でも、この破綻は指摘されていません。)その証拠が何であるか、皆さんも読みながら考えてみて下さい。注意して読めば、わかると思いますよ。こういう読み方も面白いかも?! | ||||
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人間のもつ「怨念」の強さ、そして、 ふとした事から地獄に堕ちてしまう人生の恐ろしさを、 見事に描ききっています。 その点では、秀作といえるでしょう。 しかし! 本当に残念なことに、トリックが破綻しています。 作品末の殺人事件に関して、桐子が大塚弁護士をハメている ことを示す決定的な証拠があるのですが、 筆者はそれを完全に見逃しています。 (作品後の「解説」でも、この破綻は指摘されていません。) その証拠が何であるか、皆さんも読みながら考えてみて下さい。 注意して読めば、わかると思いますよ。 こういう読み方も面白いかも?! | ||||
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ストーリーは他のレビュワーの方が書いている通りで、兄の弁護を引き受けて貰えなかった桐子という女性が、弁護士に復讐するという話。桐子の復讐を受ける大塚弁護士は、最初は悪役(カネの亡者)のように描かれています。ところが、後半になるにつれて彼の人間味が描かれ、読者は彼が普通の人間であることを知ることになります。このことによって作者は、普通の人間が普通に暮らしていても誰かの恨みを買ってしまうことがあることの怖さを見事に描いています。 | ||||
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ストーリーは他のレビュワーの方が書いている通りで、兄の弁護を引き受けて貰えなかった桐子という女性が、弁護士に復讐するという話。桐子の復讐を受ける大塚弁護士は、最初は悪役(カネの亡者)のように描かれています。ところが、後半になるにつれて彼の人間味が描かれ、読者は彼が普通の人間であることを知ることになります。このことによって作者は、普通の人間が普通に暮らしていても誰かの恨みを買ってしまうことがあることの怖さを見事に描いています。 | ||||
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