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首都消失
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【この小説が収録されている参考書籍】
首都消失の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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いつの時代にも通用するストーリー | ||||
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いつの時代にも通用するストーリー。 | ||||
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うーんSF大賞、左京さんに出すとしたらこの作品で出さないともうタイミングが合わなさそうだから出したんでしょうが、小説としての出来栄えでは、左京さんの長編の中でもあまり高くはないというか、特に後半がかなりガタガタというか……ご本人もどこかで触れていましたが、本にする前にちゃんと書き直して欲しかったですね。 この作品に限りませんが、左京さんの長編SFは初期短編が元ネタになっている作品が多くて、これだと「物体O」がそれなんでしょうが、うーん一定いまでも通用する部分はあったにしても、やはりこの作品とかももっと執筆に全力を傾注して欲しかった一冊ですね。左京さんが色々と手を広げていたのはある意味、しょうがないんでしょうが、これに限らずいちファンとしては残念な作品が多いのは事実ですね。 | ||||
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小松作品は「果てしなき~」「復活の日」を読みました SFは門外漢の自分でも次の展開が気になり、両作品ともに瞬く間に読み終えました しかし本作はなんと表現すればいいのか、緊張感が薄いです 首都が雲に包まれている異常事態を前にして、淹れてもらったコーヒーを愉しんだり、隠していたとっておきのウイスキーを呑んでみたり、雑誌の配送を気にかけていたり、拘束の危険が待ち受けている大使館への帰還を試みたり、首都の危機はないがしろにされ続けます 雲の話はどこに行ったのよ? あー、上巻で力尽きました | ||||
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映画化でもおなじみの小松氏の80年代後期に書かれたパニックSF巨編の上巻。 突如東京近郊が謎の雲に覆われて、シャットダウンされるという壮大な幕開けは興味をひかせる。 中盤辺りからは政治色の強い駆け引きが主体となり、ソ連の動きが怪しい!となったところでこの上巻は終わる。 下巻への期待を抱かせて終わる。 | ||||
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上巻でソ連の動きが怪しくなってからの下巻である。 下巻では主に首都機能を失った日本の政治的経済的中心地をどこにするかの駆け引きや、日本アメリカソ連の国際的軍事駆け引きがほぼ占めており、殆どSFパニック色はなく、経済シュミレーション小説みたいになっている。 パニックに襲われた事件の内部を描くのではなく、パニックを逃れた事件外部から事件を描くという趣向だが、やはりこれではいまいちパニックものとしては緊張感や娯楽色に欠けているのは否めない。 幕切れも収拾がつかなくなって、尻切れトンボで終わっている。 ここからの物語が一番興味が沸くのに・・・・。 | ||||
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「首都消失」という刺激的なタイトルから、また首都圏が正体不明の巨大な雲に覆われ隔離されるというおぞましい出だしから、「日本沈没」のようなパニック小説を連想しがちになりますが、実際は、機能不全に陥った中枢機構の代わりを担う行政の在り方や海外との政治的かけ引きを中心に描く大人向けシュミレーション小説でした。 敢えて(?)「復活の日」や「日本沈没」のようなパニックてんこ盛りの二番煎じを避け、該博な知識を総動員してこのような政治色の強い落ち着いたSF小説に仕上げた小松氏の才腕には驚嘆せずにいられません。これを読めば、この人がSFや科学だけに留まらぬ、政治・軍事・歴史にも精通した優れた知識人でもあったことが察せられます。 全体的な印象は、首都機能移転問題や外交的なやり取り及び巨大雲に対する科学者たちの研究過程・・・これらの妙味を各々堪能するのが主眼の作品、といったところ。裏を返せば、一大長編として俯瞰すると各部分にこだわりすぎ、且つそれらの連関性にもやや乏しい散漫な作品、つまり部分部分、細部に到るまでの描写は秀逸なんですが、それらが徐々に絡み合い雪だるま式に面白味が増していくといった類いの長編ではない、ということ。 ・・・上記のような作品なので、当然好みが分かれるというか異色作というか、他の主要作のような、ページをめくる間ももどかしくなるようなスリリングな展開は乏しく、首都消失後も時は悠然と流れ、政府要人同士の会合では上等酒を交えての優雅な政治談議など、ある意味シュールとさえいえる場面まで登場し、緊迫感は殆ど感じられません(もっとも、この先どうなるのか全く分からないのだから焦っても仕方ないといえば仕方ないのですが・・・)。 そのうち業を煮やした某国が暗躍し、徐々に緊迫の度を増して一気に怒涛のクライマックスが訪れる・・・かと思いましたが ・・・確かに怒涛は訪れました・・・ | ||||
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『日本沈没』は非常に面白かったのですが、それに比べると全く期待ハズレでした。 本当に同じ作家かと思うくらいです。 リアリティがないこと、物語に起伏がないこと、登場人物に魅力がないこと、結末がひどいこと…等々、挙げればキリがないくらいです。 以下、各論です。ネタバレ含みます。 (1)雲が出現した後、なかにいるはずの市民たちを救出しようという着想を、なぜか誰も持たないことが不自然。朝倉など、妻子の安否を心配する様子が欠片もない。雲出現から1日、2日しか経っていないのに、閉じ込められた市民の救出より先に、臨時政府がどうのとか、米ソの動きがどうのとか、給料の振込がどうのとか、そちらばっかりに話題が集まることが実に不自然で、リアリティがあまりにも無く、物語に入っていけない。 (2)政府要人や防衛庁の重要人物が、雲発生当時に全て東京にいたということが、むしろ不自然。大臣クラスであっても、全員が東京にそろっているなんてことのほうが珍しいはず。海外にいることだって多いはず。したがって、この設定も極めて不自然で、リアリティに欠ける。 (3)物語が平坦で、起伏が全くない。上巻の冒頭で雲が出現した後、最後の最後まで、雲は動かないし、謎が少しずつ解けるわけでもない。ただ、科学者や米ソ軍がちょこまか動く様子が描かれるだけ。ドンパチが起こるわけでもなく、ソ連の空母やら巡洋艦やらの配備が云々というのが延々と続く。苦難を乗り越えて立ち上がっていくという様子が全く描かれないので、ワクワク感もなく感情移入もできない。唯一の不安要因であるソ連軍の動きも、偶然起きた大地震であっけなく収束…。 (4)軸となる主人公がいないので、読みにくい。それぞれの登場人物にも、特に人間としての魅力がなく、感情移入できない。朝倉など、この危機にホテルで不倫している。国難を乗り切るリーダーシップを発揮する人物が、本当にひとりも登場しない。 (5)雲の謎が、少しも解けないまま終わる。しかも、誰かが頑張って何かをしたからではなく、突然に雲が自然消滅してしまう。これはひどい。雲の正体がひとつも科学的に解き明かされないし、説明もされないので、本作はSFとは呼んではいけないと思う。ただのパニック小説である。 …要するに、「東京が急になくなった場合の政治や米ソの動き」を描いてみたい、という考えありきで書き始めてしまった結果、リアリティがなくSFとしても体をなさなくなってしまった、残念な作品に思います。 | ||||
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上巻ではややnegativeな印象を強調するようなレビューになってしまったが、 作品の中に素晴らしい部分がいくつも存在し、あと一歩で小松氏の後期の代表作で、 歴史に残る傑作になっていた予感がするだけに、ほんとうに残念で仕方がない。 ただ、作品の読後感は20数年前よりはるかにいい。 一つには今回google mapとgoogle画像、wikipediaをリンクさせながら本書を読んだせいで、作品がより深く理解できた点があると思う。 また、作品が出版されたのも、まさにバブルが始まろうとする時期で、日本社会が楽観主義に押し流されていき、 真剣に明治時代からの「日本の宿題」を考えていこうという気持ちを急速に失った時期に相当した事も大きかったのではないだろうか。 地名一つをとっても、小松氏の作品は膨大な量の情報を扱っており、自衛隊の仕組みや、 米国の政治の仕組み、様々な潜水艦や空母の写真や情報等を、同時にリンクさせながら本書を読み解いていくと、 本当に作品の背景にある情報量とその処理能力に、圧倒されてしまう。 本書を読むヒトが、そのあたりをどのように処理しながら本書を読み込んでいっているのかが 実は気になるところだが、私は、以前読んだ時に、このあたりを完全に読み飛ばしていた。 そうすると、作品の面白さが全く見えなくなってしまうだろう。 当時、この作品の後に、虚無回廊がSFアドベンチャーで連載開始になった時も、この作品への反動から、 もう小松の時代でもないなと、冷たい反応をしてしまったことを思い出す。 作品のdetailとは別に第一章、第九章”雲”と嵐のあたりはSFファンの心をぐっと掴む部分があり、 下巻406Pの最後の文章は、作品の最後として、ほっとさせられる文章で、すごくイイね。 小松氏の作品は一般的に、とにかく情報量が膨大で、今後、電子出版が主流になり、検索エンジンを、労せずして、 自由に駆使しながら読書をする時代が訪れる事になると、 もっともっと、多くの読者を驚かせることになるのではないだろうか。 作品のテーマも、その大量の情報に基づいたdetailも十分な大変な労作で、 もちろん、20年立った今でも、色褪せない作品に仕上がっている。 | ||||
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1985年の日本SF大賞の受賞作。 3.11の震災以降、この作品の描く首都消失というテーマは1980年代の出版当初より、 かえって重要性・現実味を持つようになったのではないだろうか。 今回,20数年ぶりに本書を読み返してみて、まさにおやじの言葉だなと思った。 すなわち、生きているときには、何気なく聞き流していた言葉が人生の重要な時々で深く心に染み入ってきて、 その重要性に驚かされる、そんな感じである。 小松先生、あなたは日本の問題を非常に大きな視点で真剣に心配していたのですね。 作品は、多くの人がそのあらすじを知っているように、日本の首都・東京を中心とする半径約30km圏が正体不明の「雲」に覆われ、 「雲」の外部との連絡が途絶してしまう。突然の首都機能消失のために混乱する日本の社会が 国内政治、経済、media、日米関係、日露関係様々な視点から描かれていく。 作品に対する評価は3.5であるが切り上げて4とした。 小松左京氏は、首都一極集中の現状のいびつさ、平和憲法の問題点、地方自治と国政のあり方等々、 日本が明治維新からか抱えている問題を、正体不明の「雲」というトリックを用いて描いていく。 一般的にシュミレーション小説という言葉が、この作品にはついてまわるのだが、 これは、やはり、コアとなる主人公が存在しない点、 東京に妻子や家族を残した登場人物が、何が東京に起きたのかという点に、 興味を持たない点の不自然さによるのだろう。 事件が起きた最初の発端を描くのが、朝倉という技術開発部長の視点を通じて語られるのは、 非常にrealityのある書き方だと思ったが、彼らがmediaの報道に極端なまでに無関心なのが極めて不自然で、 mediaや交通の大混乱の全体像が描き出されるのが、第6章230Pを過ぎたあたりというのもいただけない。 また、外務省関係者と、米軍関係者との出会いで、ゆっくりと酒を飲み交わすのも、この緊急事態を考えると、 なんとも間が抜けている。 作品の終わりまで、同様の構成なのだが、各章ごとに、media編、政治編、外交編、 雲謎調査編、日米露緊張編というようにそれぞれの話と、その章の中心となる人物が散在していて、 それぞれの話がばらばらで、有機的に絡んで行かない点が、なんとも緊張感のない構成に成っている。 グランド・ホテルスタイルと云うのか、様々な要素が並列して、絡みながら話が進行していけば どれだけの傑作になっていたかと考えると非常に残念で、さらに登場人物が東京で何があったのか自問したり、 家族の状態を心配する部分があればより、迫真の作品になり、シュミレーション小説との言われ方はしなかったと 思う。 素晴らしい素材と、描写力を持ちながら、歴史的な傑作にこの作品は、あと一歩で成りきれていない。 連載終了後に、編集者が頑張って構成を練り直していたら、歴史的傑作に成ったのにと考えるとつくづく残念である。 | ||||
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昔の本だと思って期待していなかったのですが、案外面白かったです。 トリックやアリバイ等の謎解きがあるわけではないので、 途中で色々考えたりせず、ひたすら最後まで読めました。 私は読み終わるまでの間、現実と重なってしまうぐらい、はまりました。 これの現代バージョンがあったら、それもまた読んでみたいです。 | ||||
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高度に諸要素が集積された結果、快適な環境を実現している現代社会。 ましてや、首都東京にその中枢機能が集中している状況で、その中枢部分が問答無用に消失したら、我々の生活は大変貌をとげるに違いないことは予想に難くない。 本作では、首都が人も物も全てを中に封じ込めたまま外界との接触を絶ってしまった日本における、人々の様子を赤裸々に描き出している。 科学者は英知をかかげ解明と打開の道をさぐり、政治家は国家の独立を保つべく対外折衝および暫定組織の早期実現に奔走する。 私は常々、著者の作品に描かれた人間の狼狽ぶりと困難を打破する敢闘心に注目しているが、 場面が日本ということもあり、いつも以上に熱中してしまった。 | ||||
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