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首都消失
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【この小説が収録されている参考書籍】
首都消失の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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いつの時代にも通用するストーリー | ||||
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いつの時代にも通用するストーリー。 | ||||
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映画化でもおなじみの小松氏の80年代後期に書かれたパニックSF巨編の上巻。 突如東京近郊が謎の雲に覆われて、シャットダウンされるという壮大な幕開けは興味をひかせる。 中盤辺りからは政治色の強い駆け引きが主体となり、ソ連の動きが怪しい!となったところでこの上巻は終わる。 下巻への期待を抱かせて終わる。 | ||||
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上巻ではややnegativeな印象を強調するようなレビューになってしまったが、 作品の中に素晴らしい部分がいくつも存在し、あと一歩で小松氏の後期の代表作で、 歴史に残る傑作になっていた予感がするだけに、ほんとうに残念で仕方がない。 ただ、作品の読後感は20数年前よりはるかにいい。 一つには今回google mapとgoogle画像、wikipediaをリンクさせながら本書を読んだせいで、作品がより深く理解できた点があると思う。 また、作品が出版されたのも、まさにバブルが始まろうとする時期で、日本社会が楽観主義に押し流されていき、 真剣に明治時代からの「日本の宿題」を考えていこうという気持ちを急速に失った時期に相当した事も大きかったのではないだろうか。 地名一つをとっても、小松氏の作品は膨大な量の情報を扱っており、自衛隊の仕組みや、 米国の政治の仕組み、様々な潜水艦や空母の写真や情報等を、同時にリンクさせながら本書を読み解いていくと、 本当に作品の背景にある情報量とその処理能力に、圧倒されてしまう。 本書を読むヒトが、そのあたりをどのように処理しながら本書を読み込んでいっているのかが 実は気になるところだが、私は、以前読んだ時に、このあたりを完全に読み飛ばしていた。 そうすると、作品の面白さが全く見えなくなってしまうだろう。 当時、この作品の後に、虚無回廊がSFアドベンチャーで連載開始になった時も、この作品への反動から、 もう小松の時代でもないなと、冷たい反応をしてしまったことを思い出す。 作品のdetailとは別に第一章、第九章”雲”と嵐のあたりはSFファンの心をぐっと掴む部分があり、 下巻406Pの最後の文章は、作品の最後として、ほっとさせられる文章で、すごくイイね。 小松氏の作品は一般的に、とにかく情報量が膨大で、今後、電子出版が主流になり、検索エンジンを、労せずして、 自由に駆使しながら読書をする時代が訪れる事になると、 もっともっと、多くの読者を驚かせることになるのではないだろうか。 作品のテーマも、その大量の情報に基づいたdetailも十分な大変な労作で、 もちろん、20年立った今でも、色褪せない作品に仕上がっている。 | ||||
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1985年の日本SF大賞の受賞作。 3.11の震災以降、この作品の描く首都消失というテーマは1980年代の出版当初より、 かえって重要性・現実味を持つようになったのではないだろうか。 今回,20数年ぶりに本書を読み返してみて、まさにおやじの言葉だなと思った。 すなわち、生きているときには、何気なく聞き流していた言葉が人生の重要な時々で深く心に染み入ってきて、 その重要性に驚かされる、そんな感じである。 小松先生、あなたは日本の問題を非常に大きな視点で真剣に心配していたのですね。 作品は、多くの人がそのあらすじを知っているように、日本の首都・東京を中心とする半径約30km圏が正体不明の「雲」に覆われ、 「雲」の外部との連絡が途絶してしまう。突然の首都機能消失のために混乱する日本の社会が 国内政治、経済、media、日米関係、日露関係様々な視点から描かれていく。 作品に対する評価は3.5であるが切り上げて4とした。 小松左京氏は、首都一極集中の現状のいびつさ、平和憲法の問題点、地方自治と国政のあり方等々、 日本が明治維新からか抱えている問題を、正体不明の「雲」というトリックを用いて描いていく。 一般的にシュミレーション小説という言葉が、この作品にはついてまわるのだが、 これは、やはり、コアとなる主人公が存在しない点、 東京に妻子や家族を残した登場人物が、何が東京に起きたのかという点に、 興味を持たない点の不自然さによるのだろう。 事件が起きた最初の発端を描くのが、朝倉という技術開発部長の視点を通じて語られるのは、 非常にrealityのある書き方だと思ったが、彼らがmediaの報道に極端なまでに無関心なのが極めて不自然で、 mediaや交通の大混乱の全体像が描き出されるのが、第6章230Pを過ぎたあたりというのもいただけない。 また、外務省関係者と、米軍関係者との出会いで、ゆっくりと酒を飲み交わすのも、この緊急事態を考えると、 なんとも間が抜けている。 作品の終わりまで、同様の構成なのだが、各章ごとに、media編、政治編、外交編、 雲謎調査編、日米露緊張編というようにそれぞれの話と、その章の中心となる人物が散在していて、 それぞれの話がばらばらで、有機的に絡んで行かない点が、なんとも緊張感のない構成に成っている。 グランド・ホテルスタイルと云うのか、様々な要素が並列して、絡みながら話が進行していけば どれだけの傑作になっていたかと考えると非常に残念で、さらに登場人物が東京で何があったのか自問したり、 家族の状態を心配する部分があればより、迫真の作品になり、シュミレーション小説との言われ方はしなかったと 思う。 素晴らしい素材と、描写力を持ちながら、歴史的な傑作にこの作品は、あと一歩で成りきれていない。 連載終了後に、編集者が頑張って構成を練り直していたら、歴史的傑作に成ったのにと考えるとつくづく残念である。 | ||||
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昔の本だと思って期待していなかったのですが、案外面白かったです。 トリックやアリバイ等の謎解きがあるわけではないので、 途中で色々考えたりせず、ひたすら最後まで読めました。 私は読み終わるまでの間、現実と重なってしまうぐらい、はまりました。 これの現代バージョンがあったら、それもまた読んでみたいです。 | ||||
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高度に諸要素が集積された結果、快適な環境を実現している現代社会。 ましてや、首都東京にその中枢機能が集中している状況で、その中枢部分が問答無用に消失したら、我々の生活は大変貌をとげるに違いないことは予想に難くない。 本作では、首都が人も物も全てを中に封じ込めたまま外界との接触を絶ってしまった日本における、人々の様子を赤裸々に描き出している。 科学者は英知をかかげ解明と打開の道をさぐり、政治家は国家の独立を保つべく対外折衝および暫定組織の早期実現に奔走する。 私は常々、著者の作品に描かれた人間の狼狽ぶりと困難を打破する敢闘心に注目しているが、 場面が日本ということもあり、いつも以上に熱中してしまった。 | ||||
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