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首都消失
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【この小説が収録されている参考書籍】
首都消失の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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上巻でソ連の動きが怪しくなってからの下巻である。 下巻では主に首都機能を失った日本の政治的経済的中心地をどこにするかの駆け引きや、日本アメリカソ連の国際的軍事駆け引きがほぼ占めており、殆どSFパニック色はなく、経済シュミレーション小説みたいになっている。 パニックに襲われた事件の内部を描くのではなく、パニックを逃れた事件外部から事件を描くという趣向だが、やはりこれではいまいちパニックものとしては緊張感や娯楽色に欠けているのは否めない。 幕切れも収拾がつかなくなって、尻切れトンボで終わっている。 ここからの物語が一番興味が沸くのに・・・・。 | ||||
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「首都消失」という刺激的なタイトルから、また首都圏が正体不明の巨大な雲に覆われ隔離されるというおぞましい出だしから、「日本沈没」のようなパニック小説を連想しがちになりますが、実際は、機能不全に陥った中枢機構の代わりを担う行政の在り方や海外との政治的かけ引きを中心に描く大人向けシュミレーション小説でした。 敢えて(?)「復活の日」や「日本沈没」のようなパニックてんこ盛りの二番煎じを避け、該博な知識を総動員してこのような政治色の強い落ち着いたSF小説に仕上げた小松氏の才腕には驚嘆せずにいられません。これを読めば、この人がSFや科学だけに留まらぬ、政治・軍事・歴史にも精通した優れた知識人でもあったことが察せられます。 全体的な印象は、首都機能移転問題や外交的なやり取り及び巨大雲に対する科学者たちの研究過程・・・これらの妙味を各々堪能するのが主眼の作品、といったところ。裏を返せば、一大長編として俯瞰すると各部分にこだわりすぎ、且つそれらの連関性にもやや乏しい散漫な作品、つまり部分部分、細部に到るまでの描写は秀逸なんですが、それらが徐々に絡み合い雪だるま式に面白味が増していくといった類いの長編ではない、ということ。 ・・・上記のような作品なので、当然好みが分かれるというか異色作というか、他の主要作のような、ページをめくる間ももどかしくなるようなスリリングな展開は乏しく、首都消失後も時は悠然と流れ、政府要人同士の会合では上等酒を交えての優雅な政治談議など、ある意味シュールとさえいえる場面まで登場し、緊迫感は殆ど感じられません(もっとも、この先どうなるのか全く分からないのだから焦っても仕方ないといえば仕方ないのですが・・・)。 そのうち業を煮やした某国が暗躍し、徐々に緊迫の度を増して一気に怒涛のクライマックスが訪れる・・・かと思いましたが ・・・確かに怒涛は訪れました・・・ | ||||
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