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東京帝大叡古教授
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東京帝大叡古教授の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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熊本から東京帝大の叡古教授を訪ねるために上京した高校生、19歳の「私」は、長旅の後宿で教授からの、「翌朝大学の図書館で会おう」旨の手紙を受け取る。ところが翌日、図書館で教授らしい人を見つけ声をかけたところ、その人はすでに亡くなっていて、叡古教授と対立している教授だった。駆け付けた叡古教授と対面した「私」は、その場で阿蘇藤太と名付けられ、彼とともに事件の解決を試みる。 数々の事件を解決しながら、当時の日本を震撼させる出来事も絡ませていく政治ミステリー。素晴らしい頭脳の持ち主でありながら、ユーモアと温かさを備えた教授と、発展途上ではありながら明晰さと素直さを併せ持つ藤太との掛け合いが楽しい。 一つ一つの事件がホームズやコナンのように着々と解決されていきながら、またそこから別の大きな事柄への糸が見つけられていき、飽きさせない。 教授や藤太、さくら子や蘇峰、天民という知識階級の人たちだけでなく、おはつやおちかという庶民も存在感があって、物語に厚みを与えている。 最後に「私」が、あの重光葵だと明らかにされるが、国歌斉唱中だから爆弾が投げ込まれた時に逃げなかったというエピソードも、この物語を読むと納得できたりする。 何のために勉強するのか?と思っている子どもたちには、ぜひ読んでもらいたい。 | ||||
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登場人物と構成の素晴らしさ、何よりユーモアと知識の宝庫。それでいて恋愛あり。最高の一冊。 | ||||
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博学な教授が殺人事件を解明していく話ですが、主人公の男子学生にもう少し魅力が欲しいと思いました。 | ||||
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以前ドラマを観た時に興味がわいたので購入しました。ドラマのイメージとかなり違っていたもののかなり満足する内容でした。 特に時代物の小説に関わらず時代背景などが割と正確で非常に読み取りやすく、平易な文章で書かれているためにサクサク読み進められました。 想像した以上に厚い本なので読み応えがあります。オススメです。 | ||||
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様々な薀蓄、ポーツマス条約締結時の世情、桂太郎と西園寺の関係、七博士等、好奇心を刺激される要素に富んでいるのだが、ただ。 小説としてはあまり面白くないと感じた。上記した様に当時の世情を繊細に描写しながら肝心の教授があまりに「現代的」であり、リアリティに乏しい、従って魅力も感じられない人物になってしまっている。コンピュータの発明の予言とかおふざけにしか感じられず、なおかつ面白くない。あるいは教え子の教育のために無理矢理天皇陛下に合わせるとか、当時のふつうの感覚を持った人間にはあり得ない。 他の方が作者の知識、薀蓄を絶賛されていて、確かにそれは認めるんだけど、小説として面白いかどうかは別問題。 | ||||
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う~ん。 時代背景とか雰囲気とか良いと思ったのですが、なんとなく物足りない感じがしました。 全体に読みやすく気軽に読む物としては良かったと思います。 | ||||
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題名が堅いので難しい本かと思いきや、そうではなかった。明治という自分から見たら堅苦しい時代の話ながら、ちょっとコミカルな感じで話が展開する。テンポもいいのでとても読みやすい。 ジャンルとしては犯人捜しをする推理小説なのだと思うが、あまり謎解きの部分は重要視されていないようにも感じる。いきなり殺人が発生し、たいした捜査や推理もないまま犯人が明らかにされるのには驚いたが、それも事件の黒幕が背後にいることを示唆する伏線である。ある意味小さな時間がいくつか発生し、小さな犯人があっけなく捕まるのだが、だんだんと黒幕に近づくにつれて面白くなってくる。 本格ミステリーを期待して読むとがっかりするだろう。読み方としては、明治時代の日本が置かれている立場を踏まえながら、当時の人の考え方や文化・風俗を楽しみ、さらに面白くするスパイスとしてのミステリーを楽しめばいいと思う。普通小説として読むのがいいのかもしれない。 | ||||
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単行本デビュー作『天才たちの値段』以来のこの作家のファンで、『東京帝大叡古教授』も読了しました。 著者のこれまでの作品の集大成のようで、期待以上の出来映えでした。 そしてこの度、本作が直木賞候補に選出され(発表は7月16日)、嬉しさのあまり、久々に検索してみたら・・・・。 あれ? レビュー得点がとっても低い。 皆さんご不満をお持ちのようです。 自分の好きな作家が批判されているのをみると、暗い気分になります。 しかもそれらのレビューと私の感想は全く異なりました。 そこで理由を一晩考えたのですが、おそらくこういうことではないかと推察します。 本作に低い得点をつけたレビュアーの多くは、書評や書店員の推薦文を頼りにこの作品を購入したが、推薦されるほど「面白い作品」とは思わなかった、と書いています。 つまり著者や作品の傾向をあらかじめ知って読み始めたのではなかったわけです。 そこで考えたのですが、この作家・門井慶喜は、読者を選ぶのではないでしょうか? (むろんあらゆる作家がそうなのかもしれませんが、特にその傾向が強いのかと。) けっしてレビュアーさんたちを批判するわけではありませんが、プロの物書き(評論家や作家)や書店員には評価が高く、amazonレビュアーには評価が低い。 謎の鍵はここにある気がします。 門井作品は大きく分けて次の傾向に分類できます。 (下記の他に、著者のウンチクをそのまま披露する万城目学との対談本『ぼくらの近代建築デラックス!』等もありますが、今回は小説に限ります。) 1)美術や図書や建築を題材とする知的探求ミステリ(『天才たちの値段』『おさがしの本は』『若桜鉄道うぐいす駅 』『人形の部屋』など) 2)歴史活劇物(『かまさん』『シュンスケ!』など) 私はどちらかというと1)のファンで門井慶喜の真骨頂はここにあると思いますが、2)にも共通する門井作品全般の特徴があり、そこが評価の分かれ目になるのではないかと思うのです。 第一の特徴は「知への愛(=フィロソフィー)」です。 門井作品の多くは(美術作品にしても建築物にしても)「歴史」が鍵になっています。 それは人類が積み重ねてきた「知の営為」そのものでもあります。 作品の中で描かれる大学や図書館、美術館などはいずれも非常に魅力的で、知的好奇心をくすぐります。 図書館のレファレンス係が探偵役となって不明書誌の謎解きをする『おさがしの本は』には、全国の書店員さんたちの強烈プッシュがあったようですが、本に関わる仕事をしていれば、著者の書物への偏愛に共感しないはずがありません。 同じく『天才たちの値段(美術探偵・神永美有)』シリーズは美術が、本作では大学が、愛好の対象となっています。 作中の謎やウンチクに、自分の知らない世界を感じて「萌え」ることができるかどうか。 著者のスノビズムを共有できるかどうかが、評価を分けると思います。 (私は本作を読みながら、「旧制五高から東京帝大に進学し、その後名をなした人って誰だっけ?」と気になって仕方なくなり、スマホで検索かけながら読みました。結局わからず、最後に主人公の本名を知った時に、思わす声を上げました。) 門井作品のもう一つの特徴は、登場人物に「邪気」や「業」がないことです。 憎まれ役を含めて、門井作品に本当の意味での悪人は登場しません。 描かれる人物は皆どこかほのぼのしていて、「実際にこんな人たちがいたらいい(けど、いないだろう)なあ」と思わせる人たちばかりです。 これを人物描写の弱さととらえる批評があっても不思議ではありませんが、デビュー間もない頃の著者は「人が死なないミステリを書きたい」と言っていましたので、意図的にそのように書いているのではないかと思います。(あるいは著者の人が良すぎるのか?) そこを受け入れられるか否かが、評価のもう一つの分かれ目です。 その意味でも読者や読む時期を選ぶかもしれませんし、私も、ダークな気分になりたい時は、他の作家を読みます。 (門井作品でも『血統』はやや陰鬱としており他作品と異なりますが。) そして本作、『東京帝大叡古教授』は、知的スノビズムと、悪人のいない世界観はそのままに、1)知の探求ミステリと2)歴史活劇の要素を兼ね備えた傑作です! これまでの門井作品の「いいところ取り」のようで、しかも著者がはじめて「連続殺人事件」を題材とした意欲作です。 ぜひ直木賞を取って欲しい! と、一人のファンとして思います。 さて、長々と書いてきましたが、要するに…… 知的な雰囲気を味わいつつ、ほのぼのとした気分になりたい。 私たちの生は人類の英知とつながっていて、世の中には本当の悪人はいないはずだ(それが理想に過ぎないとしても)。 そんな気分になりたい時、ぜひ門井作品をお読み下さい。 低い得点をつけたレビュアーの皆さんには、ぜひ『天才たちの値段』か『おさがしの本は』を読んで頂ければと思います。 (それも読者を選ぶかもしれませんが……。) と、こんな長文レビューを書くような人間がこの作家のファンなのだ、という事実からしても、読者の傾向もおわかりになるのではないでしょうか。 そしてこの長いレビューをここまで読んで下さったあなたには、門井ファンになる素質が十分にあると思います。 ぜひご一読下さい。 (『天才たちの値段』からが入りやすいかと思います。) | ||||
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作者の作品としては「注文の多い実術館」に次いで本作を読んだ。主人公の教授の名前が「叡古」なのは、勿論、本作がウンベルト・エーコ「薔薇の名前」のパスティーシュを目論んでいるからである。「三四郎」を初めとする漱石の諸作品のパスティーシュも目論んだらしい(作中に、漱石が容疑者(!)として登場する)。 その内容だが、「注文の多い実術館」と同様に、一応、事件らしいものは起こるものの、ミステリ的興趣は微細な程に乏しく、単に、歴史及び美術に関する作者の薀蓄を垂れ流しただけというお粗末なシロモノ。同じく漱石の「猫」を題材にして「『吾輩は猫である』殺人事件」という壮大なメタ・フィクションを構築した奥泉光氏とは手腕に雲泥の差がある。「叡古」の弟子で本作の一人称の語り手(「三四郎」のモデルの積り)の意外な素性が最後に明かされる点が唯一の取り柄か。薀蓄を披歴する事自体が悪い訳ではないが、読者を楽しませるために、如何にしてその薀蓄を活用するかという視点が全く欠けている様に感じた。もっと全体構成や謎の解明過程等に工夫を凝らせば、一段上の作品が書ける作家だと思うので、非常に惜しい。 漱石以外にも、徳富蘇峰や西園寺公望等が実名で登場し、日露戦争を主体とした明治の世相が描かれているので、明治時代に興味のある方にはそれなりに楽しめるかも知れない。だが、個人的には、何とも中途半端な作品を読んでしまったと後悔した。 | ||||
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日本の近代史は嫌いではありませんが、内容の薄さやストーリー展開の唐突さ、悲惨なキャラ造形のせいか、全く楽しめませんでした。個人的には、本の帯にある書店員さんのコメントって、本当にあてにならんなぁと再認識した次第です。(苦笑) | ||||
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良い状態で届き感謝。連休中にもかかわらずスピーディーに入手できました。 | ||||
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いろいろな書評で激賞されているので買いましたが、がっかりです。 登場人物はペラッペラで誰ひとり共感できないし、伝書鳩から万年筆まで小物のリアリティが全くなく、砂を噛むような味気なさ。 こむつかしい言葉を仕込む前に、当たり前のものを読者に当たり前に感じさせる表現力を磨かれたらいかがかと思いました。 | ||||
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内容としては推理小説というよりは歴史小説という感じです。実在した人物が多数出ており、日本史好きな自身としては、次にどんな人物・事件が出てくるのか楽しく読み進めることができました。主人公「阿蘇藤太」の本名はなんなのか…結局私は最後までわかりませんでしたが、色々思索に耽らせてくれる一冊でした。 | ||||
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