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(短編集)
せどり男爵数奇譚
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せどり男爵数奇譚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.26pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 21~40 2/3ページ
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古書業界のことが垣間見える一冊。物語としてももちろん面白い。 神保町の古書店のあたりを知っている人にはよりリアルに感じられ 無表情に店番している店主に色々と妄想したくなるかも。 | ||||
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米澤穂信氏のブログで公開されている、古典部シリーズ(角川文庫)の登場人物、 折木奉太郎の本棚(txtファイル)と、ビブリア古書堂の事件手帖(メディアワークス文庫)で 取り上げられていたのをきっかけに手に取った一冊。 現在において、「せどり」とは、XXXK OFFなどといった、独自のマニュアルで 値付けをしている新古書店で安く売られている本をネットで売り抜いて 利鞘を稼ぐことを意味するようだが、本来はこういう意味だったのかと教えられると同時に、 『古本』と『古書』あるいは『和本』と『和書』の違いをこの歳になって初めて知った。 ビブリオマニアの老人との出会いから和本の魅力に憑りつかれ、 同じくビブリオマニアの道をたどり、オークションで古書を入手するためだけに 横浜の古書店を買い取ったせどり男爵こと笠井菊哉の半生を、 作者が一冊の本にしたという体で、日常の謎にも似た六編の物語が進行する。 また、『○○全集』みたいな本は一巻でも欠けると価値が半減し、 全巻揃って初めて高い価値を持つという話のくだりに、昔ラジオで伊集院光氏が、 東京中の古書店でワゴンセールになっている野球漫画を少しずつ買い集め、 全巻揃ったところで高値で売って利益を得たというエピソードを思い出すと同時に、 今で言うなら『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』のジャンプコミックス初版本を 蒐集する感覚に近いのかもしれない。 | ||||
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本当に面白かった。本音は桃源社の初版で読みたかったが、テレビの影響で入手叶わず文庫で我慢。夜半、布団に入り読破。久し振りの読書三昧を堪能。梶山秀之、恐るべしストーリーテーラーであった。 | ||||
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この本、昔実家にありました。懐かしい!!! ビブリア古書店ブームのおかげでしょうか、再注目されだしたようで 嬉しい限りです。 作者はエロありの社会派、そして超のつく速筆で知られた 梶山季之氏。 氏にしては珍しいテイストの作品です。 あれほど膨大な作品を生み出し、かつ読んだ氏でなくては書けない作品です。 | ||||
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本好きにはたまらない小説 十分楽しめます。続編、漫画編など新しく出てほしいです。 | ||||
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今話題の「ビブリア古書堂〜」も元ネタともいえる作品ということで、以前から気になっていた本書を読んでみた。 古書好きには実に面白い、というか、ある意味では恐ろしいともいえる。 「書痴」、というかビブリオマニアを扱ったミステリというと、紀田純一郎「古本屋探偵〜」などの一連の作品がある。 「魔術的な急斜面」なども、古書好きにとってはなかなかにスリリングな作品たった。 さて、本書である。 古書をめぐる犯罪がおきる。 殺人まである、というのは、古書好きでもまだ常識人の範疇にいる私には信じられないが、現実にこういうこともあるとは聞いたことがある。 著者はいわゆる「トップ屋」をしていたことがあり、その古書に関する情報量も半端ではなかっただろう。 ある程度の脚色はあっても、けっこう実話に近いものがあるのではないか。 まさに、因果なものである、ということだ。 古書や古物の価値、というのは、分かる人にしか分からない。 これが、収集家にとっては悩みの種なのである。 本書を読んでいて、ああ俺もだ、と同感する場面にたびたび出会ってしまったことが、幸せなのかどうか。 少々えぐい話もあるが、古書好きと「ビブリア〜」ファンは、一度は読んでおいても良い。 | ||||
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文章が難しかったけど読み応えがあった。 今まで読んだことが無いタイプの本だったので、 新鮮だった。 本を読み慣れている人にお勧めです。 | ||||
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完全にビブリア古書堂の影響で読んだ本。 ビブリア古書堂はこの本のオマージュ作品なんじゃないかと思わせる本でした。 特に、ビブリアの中でも笠井が出てくる章は同じような展開でしたからね。 ビブリアで興味を持ってこの本を読むと、一冊丸々笠井の章って感じですかね。 内容はまぁまぁだったんだけど、ビブリアを読んでからこの本を読むと、そんなに読んだ達成感を感じられなかった。 | ||||
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久しぶりに夢中になって読めた本です。本に興味が沸く一冊です。古書ですが、状態の良い品物でした。 | ||||
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こてんのなかにもうもれてしまってよまれなくなっためいさくがある | ||||
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本好き愛書家ってより、古書収集に憑かれた狂人たちの奇行を綴ったような短編集。 作者は、写真週刊誌の特ダネをスクープするトップ屋、企業小説の先駆者としてかつて有名だった くらいは知ってましたが、 古本をテーマにしたこの作品でも、女と酒と金が話によく絡みます。 稀覯本は一冊でも欠けると値打ちがグッと落ちることから、全巻揃える必要があるのを、麻雀の役に準えたタイトルをつけてます。 がこの発想も、これもまた大衆週刊誌オヤジ臭が漂うこと漂うこと。 最終話のグロさ下品さはひどいです。・・・今の知名度からすると、語り手の作者の本なんて、あんな装丁する値打ち無いですって(笑) 古書の薀蓄は面白いし、古書をネタにした変わった小説として一読の価値はあるかと思いますが、 本好きな人がなんか小馬鹿にされてる気がしますね・・・。 | ||||
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ビブリオマニアの本。 本好きや何か熱中するものがある人には頷ける所が多い。 ただし、最終章「水無月十三・・・」の章は、少しグロテスクでもあるので、できれば読まない方がいいだろう。 この章を読む読まないで、評価は変るだろうし、人によっては吐き気がするかもしれない。 読む場合には「そういった人種もいるのか」と納得するか、自己責任ということで。 とはいえ、この最終章こそが世にいるマニアという人種の感覚を余すことなく伝えうるものであると思う。 ちなみに、新判の帯の「ミステリーの傑作」という広告は、この本を知らない出版編集者の誤りだと思う。 | ||||
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書籍好き、古本屋好きは、この本を読むべし!! せどりとは、古本屋を廻って、並べられている安い本を購入し、全巻セットにするなどの付加価値をつけて高く売ることで、この小説の主人公が、せどりを上手にやる元華族なので、せどり男爵と呼ばれているのだ。 彼がせどりをやっていくうちに起こったいろいろな出来事が推理小説風に展開していく。その中に古本関連のうんちくをまじえていて面白い。 少しのエロとグロがまざって、読み手を飽きさせない。 もう一度言う。書籍好き、古本屋好きは、この本を読むべし!! | ||||
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古書にまつわるうんちくが散りばめられ、 その手のお話好きには楽しめる一冊ですが、 小説としては、やまも落ちもない感じです。 謎解きらしい謎解きもなく、 帯に書かれた「ミステリーの傑作」というのは、完全な誇大広告なので、 その辺りを期待される方は手を出さない方が無難だと思います。 | ||||
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本好きな方なら共感するであろう、せどり男爵と呼ばれる笠井菊哉、 彼は本の魅力に取り憑かれてから53歳迄童貞で稀少本の為なら海外迄出向く程の熱意の持ち主。 そんな彼も凄いのだが彼を取り巻く本に魅了された人達も一癖、二癖もある人間ばかり。 笠井氏を本の虜にさせた南順之介老人との出会いや 蔵書票を剥がした後に書かれたメッセージを解き明かしたり、韓国へ稀少本を探しに出かけたり、 本の為に人殺し迄してしまった者や装丁に人間の皮膚を使う職人の話迄、 端からみればただの本に何そんなに本気になっちゃってるの?と思うかもしれない。 でも本1冊1冊に思いがけない衝撃が詰まっている事は本好きの人間なら解る筈です。 正に本の虫である方に読んでいただきたいです。 | ||||
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169頁に「人の牛蒡で法事をする」という例えがでてくるが、これには頭をひねった。 著者は昭和5年(1930)に生れ、45歳で亡くなってしまう、駆け足人生の作家。 広島育ちなので、ひょっとしたら被爆者なのかとおもったがちょっとはっきりしない。 スチュアーデス(そのままの表記です)殺しや、私立大学の教授による教え子殺人並びに その死、など。実際に起きた事件をアレンジし、非常に面白い読み物に仕立て上げている 著者の手腕に感激する。 また、笠井氏すなわち「男爵」の本業である古書屋のスケールの大きな、世界をまたにかけたハナシ。 スケールが大きすぎて、作り話半分、創作半分とかんがえても、まさに小説より奇なり、 といったところ。 また目次がマージャンの上がり手6種、一例 色模様一気通貫 になっていて、へぇ〜の世界である。 著者自らが主人公となっていて、土木技師だったお父上の、伊豆の土地を見立てる話、 父急逝後、その手による庭の獅子おどしの「哀しい」音を聴くのが嫌で、伊豆をやめて京都に同行した 話など、ワタクシごともまぜあわせた、なかなか情趣深い、それでいて、ホントウに 読みやすい文章で、今は彼に相当する人はいないな〜と感じ入った次第。 もしご存命なら80歳になられる。 あ〜あ、時の経つのは早い。 | ||||
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作家である「私」がひょんなことから知り合ったのは古書店を経営する“せどり男爵”こと笠井菊哉。男爵が語る、古書をめぐる数奇な6つの物語を収めた連作短編集です。 最近はその意味を知る人も徐々に増え始めた「せどり」という言葉が題名に付されていますが、この短編集が書かれたのは昭和49年。インターネットの登場の遥か前のお話です。 古書を求める主人公の道程は断然アナログでなんとも懐かしい、足を棒にしての渉猟の旅です。 この短編集の妙は第一に、本を偏愛する人々の奇妙奇天烈ぶりにあります。書物を愛でるというよりも、目当ての書物を手に入れるためには魂すら売りかねない彼らの行動は時に常軌を逸し、人倫にもとる行為や性的にも妖しい所業へと足を踏み外していきます。 第6話の、本の装丁をめぐるお話は大変猟奇に満ちていて、「家畜人ヤプー (角川文庫 (2981))」的な読後感を味わうことになるでしょう。 私も本好きを自認する口ですが、書物への愛情はこの短編集に出てくる人々の足元にも及ばないなという劣等感を抱きつつも、同時にまた、彼らほどの“愛情”を持っていない自分に安堵の心持を覚えたのです。 そしてこの短編集の第二の魅了は、古書をめぐる知的な数々のトリビアの面白さにあります。 自分の持っている希覯本の価値を高めるために同じ本を見つけた場合その本を破損するビブリオクラスト(書物破壊症)と呼ばれる人がいる。 愛書家であるがゆえに、入手困難な本をついつい盗んでしまうビブリオクレプト(盗書狂)の存在。 印刷ミスのために「汝、姦淫せよ」となってしまった17世紀のバイブル、「姦淫聖書」がある。 こんな話が短編の中に散りばめられ、同時にそれが物語の核となる事件の重要なカギになっているのです。 めったにお目にかかれない珍しいお話を読ませてもらった。そんな思いが残る一冊でした。 | ||||
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本を蒐集する魔にとり憑かれた人間の面白くてぞっとする話を、笠井菊哉氏こと、せどり男爵が語っていく形式の短篇が六つ。幻の女ならぬ幻の本を求めて執念の鬼と化した人たちの話の数々。久しぶりに再読したのですが、実にスリリングでぞくぞくさせられる恐さがあって、これはやっぱり面白いなあと堪能させられた次第。話のいくつかは雰囲気のある推理小説の趣があり、「本」という魔物に憑かれた人間を描いた連作短篇ミステリーと言ってもいいでしょうか。 単なる愛書家というよりも、一線を越えた領域に足を踏み入れてしまった桁外れの蒐集狂たち。彼らの鬼気迫る執念のもの凄さに魅了されました。いや、これがフィクションということは承知して読んでいたはずなんですけどね。読み進めていくうちに、牧逸馬が書いた「世界怪奇実話」でも読んでいるみたいな、事実は小説よりも奇なりとでもいったリアルな感触を覚えて、妙な気分になりました。 六つの話のなかでは、本の装丁に魅入られた男のことを記した第六話が最も凄かった。初読の時もぞわぞわと鳥肌が立つような恐さを感じましたが、今回も、封印されていたパンドラの箱が開かれていくみたいな恐怖を覚えましたね。「ここより先 怪物領域」の札を、第六話の扉のところにぺたりと貼っておきたくなりました(笑) | ||||
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僕が読んだのは単行本であった。装丁がよかったのか?居並ぶ本の中で何故かこの本が僕を魅了した。読んでくださいと語りかけてきた。手にとって最初の数行を読んだとき、この本の面白さを直感した。古書に取り付かれた男の物語6編だが、摩訶不思議な雰囲気を醸し出している。40年ほど前の作品だと知って驚いた。この作者のことはまったく知らなかったが、すごい作家が居たんだなと認識させられた。近年再出版されているわけだが、なるほどそれだけの価値のある作品である。内容が古書の話だけに本のつくりにもこだわったのか。それが僕の目を惹いた原因であったのであろう。 | ||||
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~古書に限らず、マニアックなものには様々数奇な人生譚がつきまとう。 面白可笑しく、時には歯がゆく物悲しい。 古書蒐集や、その周辺に関わる仕事が止められなくなるのは、そういうものを 引っ括めて魅力となってるからなのかもしれない。 そしてそれがあまりにも過ぎると、犯罪の方に片足(もしくは腰までズブズブと) 浸かってしまう事もあるのだろ~~うが、心の底から憎むことができないのは、「気持ちは分からんでもない」という心理がどこかであるからなんだろう。 この『せどり男爵数奇譚』はそんなことを考えながら読んでしまう本である。 古書が関わってくるストーリーだからといって、話題が古書の蘊蓄だけに終始してる と思うなかれ。 「古書なんてわかんないし、そういうマニアな世界はとんと~~理解出来ない」という方にも読んで欲しいと思う一冊。 久々にドラマティックに脳を働かせる読書をいたしました。~ | ||||
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