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ブルース



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【この小説が収録されている参考書籍】
ブルース
ブルース (文春文庫 さ)

ブルースの評価: 3.81/5点 レビュー 31件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.81pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全31件 21~31 2/2ページ
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No.11:
(5pt)

wildcarrot

魂をゆすぶられる作品でした。自分の心の奥深いところに封印していた感情があふれ出ました。私は桜木紫乃さんと同年代、そして同じく道東の港町で生を受け、10歳直前まで育った者です。この町特有の日本の他のどことも違う空気感、人間模様が痛いほど共有できます。ここに書かれてあることは大げさなフィクションではありません。この町の人々の生活は生と性が密接に絡み合っているのです。細かい心理描写は必要ありません。だって実際の人間は自分をいちいち分析しません。現実をただ生きるだけです。その様をこの作品は見事に語っています。ずっと私は自分の親や周りにいた大人たちが異常で特異な人種だと考え、そこから自分を抹殺して逃れることばかり考えていました。その暗黒の部分をこの物語は見事な文芸作品にまで押し上げてくれました。最終章を読んで、私は唖然としました。なぜなら、私も過去を断ち切るために猛勉強し、行きついた先がロンドンだったからです。おこがましいですが、桜木さんが私のために書いてくれた作品ではないかと錯覚するほどです。
ブルースAmazon書評・レビュー:ブルースより
4163901795
No.10:
(4pt)

影山博人に興味ある。

桜木柴乃さんの作品は殆ど読んでいますが、あまりエロスがきつい部分は
好みではありません。

影山博人に興味があります。
釧路には行った事はありませんが情景が目に浮かびます。

最近のオール読物に過去の影山博人の若い頃が描かれていて
とてもうれしかったです。

パートナーのまち子を選んだ訳も良く分からないので、まち子の側から見た
影山博人も知りたいです。
ブルースAmazon書評・レビュー:ブルースより
4163901795
No.9:
(4pt)

この作品好きだなー

桜木柴乃さんの作品は殆ど読んでます。この作家の世界が好きです。
この作品も、特に釧路の匂いがまとわりつく特異な世界が描かれている。
得体の知れない一匹狼の影山博人に魅かれる女性たちの綱渡りのような生き様に、
博人が冷たい視線で見守り、或いは切り捨てる。
最期に選んだパートナーのまち子は、やっと命を託せ、信頼できる相手であることが会話の節々によく描かれている。
一番欲しかった家庭を手に入れて、52才で死ぬ。
ブルースの曲に伴奏される物語が終わって、影山博人の魅力だけが何時までも残る。
ブルースAmazon書評・レビュー:ブルースより
4163901795
No.8:
(5pt)

内容

一話ずつにブルースの音楽が関連づけされていて面白かった。これ以上書くことなし
ブルースAmazon書評・レビュー:ブルースより
4163901795
No.7:
(2pt)

ひたすら救われない…。

桜木さんが『ホテル ローヤル』で直木賞をとってから、
著作はほとんど手にとりました。『ラブレス』も『ガラスの葦』も『無垢の領域』も
長編ですが、とにかく読む手が止まらず、時間を忘れました。
本当に素晴らしい小説家で、とりわけ釧路という具体的な地名のもとに
貧しい境遇にいながらも淡々を人生を生き抜く
主人公を書かせたら、右に出るひとはいないです。
もちろん短編集も素晴らしいです。

連作の短編集で主人公の人生を過去に遡って描く手法は
桜木さんが得意にする描き方ですが、
それにしても最後までなんとかたどりついた感じでした。
一番の原因は、6本指をもつ博人と彼をめぐる女性達が
心に響くような魅力さをはなっていなかったからかしら。
いつものような読後観がなく、暗い気持ちになって終わりました。

桜木さんの本を読んでみたいという方には、
是非、他の著作をおすすめしたいです。
また次回作、期待しております。
ブルースAmazon書評・レビュー:ブルースより
4163901795
No.6:
(5pt)

意外な成長と、とりまく関係

桜木さん素晴らしいです。寒い情景と温かいけど、寒い人間模様が胸に沁み込み気持ち良いです。
ブルースAmazon書評・レビュー:ブルースより
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No.5:
(1pt)

官能小説?

「ホテル~」「星々たち」と続けて読みました、やはり好きになること出来ない作家さんです。
「ブルース」は官能小説的な内容でした、桜木さんの作品はこれで止めにします。
ブルースAmazon書評・レビュー:ブルースより
4163901795
No.4:
(5pt)

6本目の指は、ありあまる才能の証。

ダンプに撥ねられそうになった子どもを危ういところで助けたのを
見かけ、牧子は同級生の博人とつき合い始めた。
博人の指は6本ある。
牧子は寒そうな博人にミトン型の手袋を編んだ。(恋人形)
オーナーに逃げられたバーの女、亭主が重体の妻など、博人と
出会い、情を交わす8人の女たちの目で、得体のしれない、
不思議な男の真の姿が描き出されてゆく。

道東を舞台に無一物から次第にのし上がってゆき、交わった女に
忘れられない強烈な印象を残す影山博人が、何ともハードボイルド。
これ一冊だけで終わらせては、勿体ない!
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4163901795
No.3:
(3pt)

影山くんの訃報から

予備情報を、入れておかないで、読み進めていった方が、面白いヨ。影山君って,姓だけでも、影感ありあり。
読んだ感 あるけれど、後味が湿って暗いね。これが桜木さんの 美味で苦味なとこ。
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No.2:
(2pt)

筆力落ちた

デビュー作から全部読んでいる。
今回は正直、がっくり来てしまった。
作品を準備する時間が足りなかったのか。
身の回りにあるもので、ざざっとまとめたという雰囲気である。

ヒロトを巡る女性たちが、まち子以外特徴がわからず、なんだか個性がはっきりせずすべて同じ女性たちに思えてしまう。
人間性が伝わってこない。
ヒロトは育った環境が過酷で、6本指を持つ男、クールな美貌で、彼の暗い影やセックスが上手いということで、女性たちを惹きつけるということはよーくわかったが、彼自身の内面が伝わってこないので物語に感情移入がしづらかった。
彼がとことん追い込まれている女性たちを色んな意味で「救う」姿は、ある意味彼の内面なのかもしれないが、彼の弱さや葛藤みたいなものが伝わってこない。
薄っぺらいな・・・せめてなぜまち子選んだのか、そこだけでも彼の内側がわかるようにしてほしかった。
穴埋めのように繰り返される性描写もあんまりきれいじゃないので、だんだん気持ちが悪くなり、食欲も失せる。
「ラブレス」とか、「硝子の葦」あたりの息をのむようなお話はもう書けないのかな・・・
登場人物にもっと命を吹き込んでほしい。

次回作、読むかどうか分からないけど、もう少し時間をかけてよいものを書いてほしいと願う。
ブルースAmazon書評・レビュー:ブルースより
4163901795
No.1:
(5pt)

女たちを導く指

苛烈な少年時代を生きてきた六本指の男が
裏社会で成り上がっていく中で
彼に関わっていく八人の女たちの
それぞれのストーリー。

「崖の下」その場所で、ただ生活しているだけで
受ける差別や偏見、貧しさが生む現実、母親の闇の相手
それに加えられた肉体の歪さ。
影山博人の背負っている背景や境遇が余りにも
過酷で胸が痛みます。

博人は全うな体になろうと自ら指を削ぎ落とし
地獄のような日々から這い上がっていく。
寡黙で、どこか謎めいた博人に危うさを感じながらも
惹かれていく女たち。

博人の六本指に導かれ初めて男を知った牧子。

別れた夫とは何度繋がっても得られなかった快楽を
博人の指で知った敏江。

お金だけで繋がれた夫との生活に居場所を見つけられず
いつの間にか博人に溺れていく美樹。

置かれている境遇は様々で、そんな時に出会ってしまった
博人に身体を許してしまう女たちの心理が
丁寧に描かれています。
恋という感情など一欠片も持たない博人の
その裏腹な快楽へと導く指の優しさに
身体の繋がりだけではなく心の繋がりをも求めてしまう
女たちの行き場を失った紛れもない恋心が切ないです。

決して多くを語らない、感情が何処にあるのかさえ
分からない博人を女たちは彼の指でしか
彼を知ることが出来ない。
博人にとっては人生を狂わされた忌まわしい
肉体の一部でしかないのに自ら削ぎ落とした
傷痕さえも、読み進めていくうちに
不思議と博人という人物を、より引き立たせる為の
ひとつの飾りのようにも思えてくるのです。
それが共感と言えるものなら、私も女たちと同じように
博人に惹かれた一人なのだと思います。

削ぎ落とされて捨てられていった、その指にも
きっと何かしらの意味があって
生まれ、存在していたのではないのかと
思えてなりませんでした。
ブルースAmazon書評・レビュー:ブルースより
4163901795

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