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裁くのは俺だ



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裁くのは俺だの評価: 3.33/5点 レビュー 9件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(3pt)

兎に角頭が悪いがそれが良し

ミッキー・スピレインの名声を日本で高めたのが本作。
と、言うか日本ではミッキー・スピレインの作品はこれくらいしか知られていないのではないだろうか?
ハードボイルド小説と言うと今日では中々馴染みが薄いので、コアな人しか読まないかもしれないが、本書はライトな人にも是非読んで欲しい。

と、言うのも書かれた時代、それと訳者が非常に良い仕事をしている。
物語冒頭で主人公マイク・ハマーと事件の犠牲者の軽い紹介がマイクの一人称で語られるのだが、その犠牲者。
「日本兵の畜生に左腕を切り落とされた」と書いてある。

日 本 兵 の 畜 生 

これ、今日ではちょっと許されない訳だろうが、私はこの過激な訳に一発で参ってしまった。
他には物語には全く関係ないのにマイクの車のエンジンが紹介がされていたりと所々で挿入される、ちょっとズレた文章がたまらない。
私は本書が(一応)推理モノは初めてだったのだが、あちこちで拳銃をぶっ放し、新聞に挑戦状を叩きつけたり、ホモのマフィアが意味もなく唐突に出てきたりと、これが推理モノ…?と思ったのは事実だが、トリックは自分の就いている仕事なら確かに可能だと目から鱗が落ちた。

現実にこんな探偵がいてたまるかと思うが、空想の世界だったらこんな無茶苦茶があってもいいだろう。
リアリティの欠片とかそんな物は関係ない、頭の悪さが本書の魅力なのだ。
裁くのは俺だ (ハヤカワ・ミステリ文庫 26-1)Amazon書評・レビュー:裁くのは俺だ (ハヤカワ・ミステリ文庫 26-1)より
4150714517
No.3:
(3pt)

記念的大衆娯楽作品

戦後、世界中にハードボイルド・ブームを起こしただけでなく、様々な作家に多大なる影響を与えた巨匠、スピレインの処女作。
 私立探偵、マイク・ハマーが戦友の仇討のため、コルト45片手に法律の盲点を突いた犯罪者に戦いを挑む。

 今の目から見ると、ウリにしていた暴力・性描写は大したことはなく、話の展開も先が読めてしまう。
 しかし、ハードボイルド作品の敷居を読者のために広くするとともに、ハードボイルド作品=暴力作品という誤った見識を広めてしまった事実は大きく、あらゆる意味で記念的であることに変わりはない。

 スピレインが作品を造る際、ラストシーンから構想を練るというだけあって、ラストシーンは実に強烈。発表から60年以上たった今でも語り草となっている。
 しかし、ハマーが犯人に対して事件の真相を10P以上も長々と話しているのは不自然だと思う。民法の安っぽい2時間ドラマじゃないのだから。

裁くのは俺だ (ハヤカワ・ミステリ文庫 26-1)Amazon書評・レビュー:裁くのは俺だ (ハヤカワ・ミステリ文庫 26-1)より
4150714517
No.2:
(3pt)

ライト・ハードボイルドには訳がある

レイモンド・チャンドラーやダシール・ハメット、ロス・マクドナルドと読み継いでいく
うちに気になっていた作家が、ミッキー・スピレイン。
このような事からハードボイルド作品の比較対象として本作は興味深い。
「軽いハードボイルド」小説であることは否めませんが、当時アメリカの読者の傾向や
指向を反映していたのでしょう。
裁くのは俺だ (ハヤカワ・ミステリ文庫 26-1)Amazon書評・レビュー:裁くのは俺だ (ハヤカワ・ミステリ文庫 26-1)より
4150714517
No.1:
(3pt)

訳者のコメントまでハードボイルド(笑)

ハードボイルド小説ってそもそも、
という好奇心から初期の代表作として読んでみた。

「ハードボイルド小説とは男性用のハーレクインロマンス」
という齋藤美奈子評があまりにその通りで、
読みながら笑ってしまった。
困難も上手く立ち回れる俺と酒といい女。
男性が妄想したい自分像そのまんま(笑)。
楽しい(笑)。

1920年代から始まる初期のハードボイルド作品で、
現在も購入出来るのは近年死んだこの作者のものあたりしか
ないらしいので、今読むとシンプルすぎるが、
ハードボイルドの条件が
きちんと入っている基本作品として読めて良かった。

お話自体は良く出来た青年漫画の読後感と同じで、
おもしろかったです。可もなく不可もなく。以上。
芸術でなはいし文学でもない。よく出来た大衆娯楽。
売れたのが分かる。
あらためて、硬派なヘミングウェイ派と読み比べてみたい。

訳者の中田耕治がこの作品に対して、
「この作家には、極めて低俗だけれど何かがある、と思った」
と一言だけしか書いていない所が面白い。
普通もうちょっと褒めるだろ(笑)。
裁くのは俺だ (ハヤカワ・ミステリ文庫 26-1)Amazon書評・レビュー:裁くのは俺だ (ハヤカワ・ミステリ文庫 26-1)より
4150714517

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