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裁くのは俺だ
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裁くのは俺だの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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スリリングなストーリー展開は、エンターテイメント小説の手本であり、当時流行した理由が分かる。アクションシーンの鮮やかさは、ハードボイルド小説の引き金となっただけある。この点、プロの作家としての力量から、星2つ分の値打ちがある。 しかし、当時は斬新だったかもしれない表現やストーリーも、現在では似たような小説が氾濫して、今では珍しくもなく、読者を感動させるものがない。 主人公は正義を主張するが、町の不良には容赦のない暴力を振るう。キリスト教国家では、片方の頬を打たれれば、もう片方の頬を打たれる寛容性が正義である。日本においても能ある鷹は爪を隠すという姿勢が正義とされる。日本人にも受け入れられない正義感である。 自分の言うことを聞かない人間に暴言を吐き、いい女には見境なく手を出す。この登場人物の正義とはいったいなんなのか、はっきりとしない。なによりも愛し合い結婚まで考えた人物に、「友情が絶対正義だ」として、あのような処置を行うことには疑問だ。友情よりも女との情愛を優先することは私たちの社会で多い。「正義」を主張しておきながら、その正義が独善的なものならば、辟易してしまう。この点で、星二つ減とする。 結局、人物描写が浅く、小説全体を貫く美学が欠けている。そのため、流行に乗れても、時代と共に風化してしまう。レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』には、主人公に信念があり、美学があった。ストーリーに深みがあり、情景描写も鮮明であった。その点、この小説は不朽の名作にはなりえない。 さらに、ストーリー上、次の点も重大な欠点がある。次はネタバレになるので未読の方は気をつけていただきたい。 この小説の最大の欠点は、真犯人であるシャーロット・マニングの最後の行動と、それに対する主人公の振る舞いである。 プレイボーイの主人公を心底惚れさせるのだから、シャーロットの魅力と愛は相当なものであったはずだ。ところが、主人公は真犯人が分かった時に、嬉々としており、婚約者が犯人であったことの失望感がまったくない。そして、躊躇なく射殺する。普通ならば、自らの手で殺めるのは忍びないために、警察官に引き渡す。また、頭脳明晰で大胆不敵なシャーロットが、最後に追い詰められた時、全裸になりお色気で命を守ろうとする点は、バカバカしい。主人公が惚れたのは、その真逆な性格ゆえである。主人公との駆け引きこそが最後の見どころであったはずだ。 本作はミステリーではないために、トリックや巧妙な犯罪はないが、それにしても、知能犯のシャーロットがテニスの試合中に、偶発的に主人公が離れた時に、抜け出して殺人を行うというのは知能犯のすることではない。主人公が戻ってくる時間や殺人を行うための条件も偶然性が高すぎるからだ。また、警察官と対立しているわけでもないのに(むしろ極めて友好的)、警察官が逮捕するよりも先に自分が犯人を射殺することに執念を燃やすことが、独善たる「正義」以外なにものでもない。この点、当時の時代であろうとやはり減点となる。星一つ減だ。 よって、評価は星2つとしたい。 | ||||
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ハードボイルドな口調が滑稽な気もしますが、 そこらへんは割り切るべきなんでしょう。 けっきょく途中で退屈して放り出しました。 | ||||
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