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ナオミとカナコ
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ナオミとカナコの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全160件 121~140 7/8ページ
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お互い北陸地方出身で大学の同級生、OLナオミと主婦カナコ。親友のふたりは卒業後も東京で暮らしている。 構成は前編後編に分かれ、前半はナオミ、後半はカナコを物語の中心にして時系列で進む。 前半、カナコのDV夫からの虐待発覚から、責任感の強いナオミは解決策として殺人を思いつく。 一流デパート(伊勢丹がモデルか)の外商にいるエリートだけあって、仕事を利用した完全犯罪を計画し実行する。 後半はカナコが夫を殺した後、どうやって逃げおおせるかにふたりが全力を尽くすハラハラドキドキのストーリー。 それぞれの家族環境がなぜこういう事件を起こしたかという説得材料になり、 また脇役もキャラが際立っていて存在感がある。中国人女社長とナオミが出会うきっかけや 社長が語る中国人の価値観は実にありありと情景が浮かぶ。この社長は本当にいそうだ。 また気の強いナオミが社長と馬が合って、さらにしたたかになっていくのも痛快だ。 前半に夫に暴力を振るわれ続けながら長年誰にも相談できていなかったようなカナコが 後半、これまたナオミや社長に感化され、たぶんもともとあった北陸の雪国育ちののしぶとさみたいなものと 母性みたいなものでナオミが薄く思えるほど強烈になっていくのもおもしろかった。 執拗に追いかけるゾンビみたいな夫の妹の凄みもいい。 まあ、監視カメラとか殺し方の選択の甘さは逆に殺されかけてたわけで 窮地にあって見落としてたという解釈で。 「噂の女」もおもしろかったけど、この長編はこの小説家の作品中一番好きですね。 ナオミ、カナコ、女社長、夫の妹、夫の母。 主要人物が女だらけ、追われるのも追うのも女。 ふたりの絆、女社長の一度懐に入ったら家族のように情深くなる度量、 女子が読めば、ミステリーとかエンタ小説というより友情物語って思うと思う。 | ||||
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いやあ、面白かった。 よく小説などの批評で"最後の最後まで気が抜けない"という文言があるが、まさにそれで、 ラストの逃避行の緊迫感は凄まじく、本当に最後まで気が抜けず、イッキ読みしてしまった。 450ページ近くもある分厚い本なのに、これはすごい。 あえて欠点をあげるなら、殺した夫と同じ顔の男が出てきたり、スマフォをハッキングされたり、 認知症の老人が出てきたり、まあこの辺りがストーリーを無理矢理動かす為のご都合主義なことと、 ナオミ編が冗長なことくらい。ナオミ編はあと30ページは削れたかな。 そのほうがハイテンポになり、きっと良くなった(ナオミが美術関係の仕事に就きたがっているネタとか、カナコ編には一切関係ないし…)。 個人的に、中国ネタ、アジアカルチャーの要素がかなり高い事がおもしろかった。 中国人あるあるを見事に小説に落とし込んでいる。 カナコの義理の妹と父親は、ナオミとカナコの視点から見ると苦手意識のある人物だったが、 きっとこの小説で一番の真人間だったのだろうな、と思う。妹は頭も良いし、実は努力家だし。 そしてナオミとカナコはというと、夢破れた時点で、徐々に狂っていってたのだろうな。 ラスト一行の開放感は物凄く、正直本を読んでいて、まるで自分がカナコであるかのような、安堵感と、脱力感にも見舞われた。 結果的に犯罪者サイドの勝利で終わった事も、カタルシスがあり、実に良い。 傑作!!! | ||||
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DV夫を妻とその友人で殺害し、完全犯罪を目論む。 これだけだと、重たい作品に感じるが、女性が主人公の為か 作者が清潔感のある作品に仕上げています。 ラストの疾走感は手に汗握り、完全にナオミとカナコに巻き込まれました。 そして共犯者となった私(読者)に待っている最後の一行がたまりません。 (必ず最後に読む事) | ||||
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職場で張り合いのない毎日を送る直美。夫の暴力に耐え続ける加奈子。直美は、親友加奈子を夫の暴力から救うため、究極の選択をする。ふたりは、加奈子の夫を”排除”することにした・・・。 「加奈子の夫をこの世から排除する。」 直美は加奈子と協力して、細心の注意を払い周到に計画を練り上げる。一部の隙もない完璧な計画に思えたが、事を終えた後にさまざまなところから綻びが生じる。どんなに取り繕おうとしても、事態は最悪な方向に転がり落ちていく・・・。 完璧な計画だと思っていても、100%完璧なものはない。当人たちが気づかぬところから、築き上げた計画は崩れ始める。良かれと思ってやったことも、裏目に出てしまう。一度崩れ始めたら、もう誰にも止められないのだ。先が気になり、ページをめくる手が止まらない。しだいに追い詰められていく直美と加奈子はどうなるのか?ラストまで心臓がドキドキし続けたままだった。これからの人生、ふたりにとって少しでも幸せを感じるものであってほしいと願う。 「都合のいい展開だ。」と思う部分も何ヶ所かあったが、読み応えのある面白い作品だった。 | ||||
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奥田英朗さんの作品は良く読みます。久々の長編で楽しく読みました。取り上げているのは殺人ですが、 どこかにユーモアも漂い面白かったです。 | ||||
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ハラハラドキドキしながら読みました。ページをめくるのももどかしく感じたのは久しぶりです。 二人に幸せな未来がありますように。 | ||||
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久しぶりに「奥田先生」の作品を読みましたが、最初から引き付けられました。先が読みたいのですが、もったいなくてページを読み進める事を躊躇いました。読むたびに数ページ戻ってから読んでいきました。完璧だと思われた「クリアランスプラン?」も段々と糸がほどけていきます。結局、最後は・・・と思っていましたが。あとは読んでからのお楽しみにして下さい。人間なんでも最後まで諦めないことが大切なんだと思い知らされました。 | ||||
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素人が完全犯罪を犯そうとしたらどうなるか。 エンタメだけあって実際にはありえない偶然も重なりますが、 それが逆に、いい意味でドラマチックでした。 全編3人称で書かれてはいますが、視点主人公の二人の感情が とてもリアルに伝わってくるため、まさに「手に汗握る」という 表現がぴったりの読書体験。 人を殺すという倫理的には許されないことをしている二人が 主人公なのに、なぜか青春小説のような、妙に清々しい気持ちを 抱いてしまうのだから不思議です。 | ||||
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登場するのは、ふつうの女性。殺人に至る過程も殺人を犯した後の出来事も、あまりにふつうの女性の心理で描かれています。サスペンスでもなければ、推理ものでもありません。穴が見え隠れしていますが、それが最後への伏線になっていきます。心理の移ろいと描写を楽しむ小説ですよ。 | ||||
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私にとっては、とても面白い本でした。感情移入できましたし、もっと先が読みたいという気持ちになりました。彼女達はこの先、どうなるんだろう。。ちょっと稚拙なところもありますが、総じて面白い。読みごたえあります。 | ||||
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とてもテンポが良くものすごく面白く、読みやすかった。今の世相も反映されていてとても良かった。 | ||||
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まさしく「一気読み」の代表作。一旦奥田ワールドに足を踏み入れたら、巻末まで絶対に逃れられない。何があっても、蟻地獄にはまったようなものだ。この本を読もうとする際には、それなりの時間を確保しておくことと、身辺整理をしておく必要がある。 ところで、著者の奥田英朗氏は、どこでどのように構想のネタを絞り出すのだろうか。日常的で庶民的な心のひだを織り混ぜながら、現代的な状況を背景に据え、ジェットコースターのようなスリリングな展開で話が進んでいく。著者の奥田氏の著作は多彩なので、奥田ワールドの最高峰とは言わないが、代表作となることは間違いないと思う。奥田ファンにとって、必読の書である。 | ||||
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仲良し同級生だった直美(百貨店外商部勤務)と加奈子(専業主婦)が共謀して、DV夫である加奈子の夫を殺害し完全犯罪を目論むが、徐々に綻びが生じ、追い詰められていくストーリーで、奥田英朗氏の最も得意とするタイプのクライム小説だと思います。 警察に追及されることなく完璧と思われた殺人計画が、被害者の親族の執拗な調査によりじわりじわりと包囲されていく様は、なかなかスリリングです。加奈子視点で描かれている後半で、加奈子が完全犯罪の破綻のプレッシャーに耐え、強圧な追及を逃れていくシーンは圧巻です。 前半は直美視点で殺害を決断し計画を立て実行するまでが書かれていますが、前後半が実にうまく描き分けられており、共犯者という言葉の重みが尚一層際立っていると思います。 | ||||
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最後の1行までハラハラドキドキしました。面白かった。ぜひ読んでください。 | ||||
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他の皆さんも書いているとうり、 ハラハラドキドキで一気読み(といっても仕事もあるので3日かけましたが)でした! 最後が少し物足りない気もしますが、(変に逮捕されたりとかより)読後感はよかったです。 リアリテイーや完全犯罪を書いたのでなく、二人の心理状態を表現しているので、 それほど細部は気になりませんでした。 169頁最後の行で「加奈子は思い込みを反省した」は「直美は・・」間違いで校正もれと思われます。 | ||||
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舞台が地方都市ならともかく、いまどき東京の真ん中で暮らしていながら、監視カメラの存在に気がつかないという設定は不自然すぎる。読み終わってしらけてしまった。監視カメラの存在をよくわかっていて、それをうまくクリアして犯罪を成功させたのなら文句なしの星五つなのだが。 奥田ファンとしては残念だ。 | ||||
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一見、緻密で完全にうまくゆくと思われた犯行が、あまりにも脆く破綻してゆく。 そのドキドキ感が、この小説の面白さ。 続編も期待できるラストですね。 個人的には、「オリンピックの身代金」より、遥かに面白かったです! | ||||
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楽しみにしていたのでじっくり読むつもりが、思わず一気読みしてしまいました。相変わらず読ませる作家です。 特に後半、追い詰められて行くカナコがふてぶてしく強くなっていく過程には爽快感を感じました。 主人公の二人は勿論、李社長のキャラも奥深く、女性がいきいきと描かれています。 陽子も結構好きです。 以前読んだ奥田作品に男に殺される女と女に殺される男、どちらが多いか? 殺される女が多いに決まっている、というフレーズがあったのを思いだしました。 この作家の弱い者に向ける視線に共感を感じます。 | ||||
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ストリーテラーの面目躍如の一冊。DVへの報復殺人を軸に、主人公の二人のチャーミングな女、ナオミとカナコの一人称で前後編を構成する。 この構成も見事。後半のスリルとサスペンスにはハラハラドキドキで、あっという間の終末に向かうこと請け合い。 ただ一つ残念なのは、ナオミとカナコの北陸旅行の訪問先の一つ富山県高岡市の瑞龍寺は、重要文化財ではなく、平成9年にすでに国宝指定(富山県で初&現在もただ一つの)されているので、老婆心ながら指摘させていただく。たぶん古い取材をもとに構成したのかな? とは言えお勧めの一冊。 | ||||
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数々の作品で「このミス」等にも何度も上位入選している奥田英朗だが、 一般的にミステリ作家として認識されているかというとそうはいえないのではないだろうか。 その理由として、一般的にミステリとして認識されている作者の作品でも、 ちょっとずつではあるが意識的に正統なミステリからずらした作風にもあると思う。 それはさておき、本作は我が国の倒叙ミステリ史でも特異な位置を占める傑作として評価できると思う。 一般的な倒叙ミステリでは「天才的な犯人」が仕組んだ完全犯罪を警察・探偵側が如何に突き崩していくかに焦点が置かれるケースが多い(容疑者Xしかり、扉しかり、コロンボシリーズしかりである)が、本作品の犯人像は全くの一般女性であり、その点も第2部でのヒリヒリするような「あるある感」と直結している。 また、こういった展開は「最悪」「邪魔」「無理」などの群像劇ミステリとも共通するが、本作ではそれらの作品で採用されているカットバック形式ではなく、犯人となる二人の心理を前半後半に分けてそれぞれ事細かに表記するスタイルが取られている分、主人公たちを取り巻く状況・心の動きがよりリアルに表現され、前述の「あるある感」も相まって凄まじいほどの緊張感で伝わってくる。 新しいタイプの「倒叙ミステリ」として本作を高く評価したい。 | ||||
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