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みずは無間
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みずは無間の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21~22 2/2ページ
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第一回ハヤカワSFコンテスト受賞作。 宇宙を背景にドーナツをほおばるみずはが描かれた甘い表紙とは裏腹に、内容は容赦のない本格思弁的宇宙SFに仕上がっている。 探査機のAIに転写された雨野透の一人称の語りを通じて物語は展開する。 広大無辺の宇宙を漂う合間合間に、人間だった頃のかつての恋人みずはとの記憶が再生され、徐々に彼女の人間性が浮かび上がってくる。 彼女との記憶から逃避するため、雨野がとった行動とは……。 今のSFを代表するとも言われるグレッグ・イーガンと、小林泰三を掛け合わせたような読み応えで、一度読者を引き込んだら最後まで離さない迫力ある描写が魅力的。 アクションシーンのような表面的に派手な描写はあまりないため、ハード・ソフトウェアの改造や情報知性体の創出、自己複製にポストヒューマンなどの次々提示されるSF的アイデアの奔流に反応する方のほうが楽しめるかもしれない。 また、グロテスクとタイトルにつけたが、勿論、血肉が飛び散ったりするようなシーンが登場するわけではない。 宇宙、探査機、情報知性体といった本来無機的なものが、人間の情念に絡め取られていくのをグロテスクと呼ばずにいられようか。他にも、あのシーン、このシーンと挙げたいが興を削ぐことになるので自重。 みずはという情報がもたらした無間には戦慄を覚える。 と、ここまでは作品内容についてのレビュー。 以下は、Kindle版について。 紙の書籍には収録されている選評が電子書籍版には収録されていない。 なぜ本書が受賞作に選定されたのか、選考委員の見方を知り、自分の意見と重ね合わせて本書を再考するという選評の楽しさを味わうことができないのは非常に残念。 電子書籍にあとがきが収録されていないのは身をもって知っていたが、まさか選評までとは……。 愚痴になってしまうが、どのような事情があるにせよ、このような行為は一定のニーズを縮小させてしまうだけだと思うんだがなぁ。 作品自体は文句なしに面白かったので星5つ。 | ||||
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大傑作である。 日本長編SF小説の最高傑作だと思われる。 対抗できるのは「脱走と追跡のサンバ」くらいだろう。 「セルフリファレンスエンジン」と比較して読んでいたが、 作中で、四通りの人生の解釈が提示され、それをもとに物語は輪郭をはっきりさせていく。 ちなみに、めちゃくちゃ読みやすい文章なので、難解だと敬遠している人でも大丈夫。 途中、涙を流して泣いてしまった。 第一回ハヤカワSFコンテストの受賞作がこれほどの傑作なら、 ぼくは世界を許そうと思う。 「こころ」「人間失格」にとって代わる最先端の思弁小説であり、新しい古典たりえる作品。 | ||||
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