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しだれ桜恋心中
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しだれ桜恋心中の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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ネタバレになりますが、 人形が人間のように口をきき、振る舞う、 それがファンタジーとしても受け入れられない書き方でした。 人形が心を持ってしまって、物語が動くって話はアリなんですが、 この作品にはまだそこまでの強引さが感じらません。 視点もブレブレ、時間の経過もわかりにくい。 二度読みはないですが、結末が気になる程度には楽しめました。 | ||||
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第4回アガサクリスティー賞受賞作なのだから、当然、ミステリー(推理小説)だと思って 買う人がいるだろう。だが、そういう人は裏切られることになる。正直な話、私自身も、これ が受賞作で良いのかと疑問を持つ。アガサクリスティー賞は、第3回の「致死量未満の殺人」 でやや本格ミステリーとしての方向性を取り戻したかに見えた。が、これまでの傾向を見ると、 どうも方向性が定まっていないように思える。第1回「黒猫の遊歩あるいは美学講義」は、 タレーランやビブリアにも共通する、ゆるい謎解きの連作短編+α。第2回「カンパニュラの 銀翼」は、ホラー風味の強い外国時代ファンタジー。 この「しだれ桜」は、カンパニュラに通じるものがある、というよりも、完全にオカルト ホラーファンタジーであり、「推理小説」とは決して言えない。とまあ、ここまでは主催社 に対する「小言」、「苦言」である。 それを抜きにして、単体の小説として読んだ場合、この作品はけっこう楽しめた。レビュー の数字が極端に悪い(星5個も二人いるが、その二人はこの作品しか評していないので当てに ならないし、作者あるいは出版社の回し者ではないかとさえ思えた(笑)。それ以外のレビュ ーはさんざん)。なので、私もこの作品を読むことは躊躇っていた。 だが、ミステリーではないと割りきって読んでみると、これがけっこう面白いのだ。文楽人 形が話し出す、その話を聴けるのはごく一部の恵まれた才能の人に限られる、という設定、ま た、人形と人間とが織りなす「呪い」による殺人など、普通のミステリーではあり得ない設定 がふんだんに盛り込まれている(但し、この設定は他のマンガなどに先例があるらしいが)。 またその他にも、近親相姦など性的なシーンも登場する。それを嫌悪する人もいるだろうが、 全体的にはきれいにまとまっていて、そのことが決して欠点になっていない。 感想をひと言にまとめたのが、レビューのタイトルということになる。ミステリーと期待 してはいけないが、一つの娯楽作品としては悪くないと思う。 ただ、賞の主催社である早川書房は、もう少し明確な方向性を決めるべきだろう。「カンパ ニュラ」や「しだれ桜」のような作品を受賞作にするのは、名を冠したアガサクリスティーに 対する侮辱になりはしないだろうか。 | ||||
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新人賞は、選考委員が専門家ばかりであるせいか、「今までにない」、要するに「非既視感」を最重要視する嫌いがある。つまり、ワンアイデア。小説を成り立たせる技術、面白さのテクニックは、計り知れないほど多い。それらが全くできていなくても、ワンアイデアで受賞してしまうことがある。本作はまさにそれ。おそらく、他の応募作が、既視感だらけだったのだろう。しかし、そのワンアイデアも、読む前から想像がつく。駄作が受賞した後、その新人賞は、傑作が受賞する傾向がある。次回のクリスティー賞は期待できるぞ。 | ||||
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☆一つは装丁(カバーイラストの綺麗さ)への評価です。他にほめる所がありません。 文章は陳腐、登場人物はぺらっぺらの薄っぺら、題材(文楽および人形)についての愛も感じられませんし、 それより何より、書いた人がこの本で「何を書きたかったか」が全く伝わってきません。 本当に、何がしたかったんでしょうか? 正直、これが「アガサ・クリスティー賞受賞作」というのは、クリスティー本人に対して、またクリスティー財団に対して、 非常に失礼な気がしますし、早川書房のこの「賞」についての価値を下げる事になるのでは?という危惧すら抱いてしまいます。 今年度は受賞作なし、ではいけなかったのでしょうか。(他の年度の受賞作を読んではいませんが) この題材でしたら、本作よりもずっと上手く描かれた作品がコミックにありますので、 興味のある方は読み比べてみてください。 池田悦子(原作)・あしべゆうほ(絵)『悪魔(デイモス)の花嫁』第7巻に所収の 「人形(ひとがた)心中」(1978年コミックス初版発行)です。電子書籍も発行されています。 30年以上前の作品ですし、少女マンガですので絵の好き嫌いはあると思いますが、 結末の秀逸さを含めて、物語そのものの出来は段違いだと思いますよ。 | ||||
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たとえどんなにお粗末で荒唐無稽な小説(もどき)でも、それなりの愛なりこだわりなりが感じられれば その点だけでも『許したろ』と思えるものですが、この作品には何にもありません。 クリスティー関係者に日本語を解する人がいませんようにと祈るばかりです。 他の方も書かれていますが、往年の少女漫画「デイモスの花嫁」に同じネタがあります。 勝負にもなにもなっていませんが。 早川書房、大丈夫ですか? | ||||
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文楽が舞台という事で入りにくい印象があったが、本のジャケットがオシャレであった事、アガサクリスティー賞受賞という事で読んでみました。 読みやすいのに、登場人物の複雑な人間関係、人間模様があり、最後まで飽きさせない内容でした。 途中から一気読みした形です。 少しだけファンタジーな部分がある事も結果的には良かったと思います。 文楽に少し興味を持つきっかけにもなりました。 | ||||
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本の表紙を飾る女性は『しだれ桜恋心中』という演目の主人公、桔梗さん。 うっとり見入ってしまう美しさです。 か細い声まで聞こえてきそうですね。 一読した感想を端的に述べると、 読んでる時は「面白い」、 読み終わった時は「清々しい」です。 あっという間に読破しました。 巻末にある選評の中で「無謀とも言える語りのパワー」という迫力のある言葉で称賛されていますが、まさにそれです。 グイグイ世界に引き込まれます。 そして、とにかく読みやすい。 一つ一つの場面の景色、一人一人の姿と声が、鮮明に美しく頭の中に現れて、流れていきました。殺人現場さえも美しく感じるから驚きです! さて、内容。 選評の中でも指摘されていますが、 「ミステリーに超常現象を持ち出していいの?」と違和感を覚える方がいるのではと思い、その点について私の感想を。 遠い昔の日本文学を思い返すと、怨まれて呪われて「生霊」に殺されちゃうなんて、よくある話でした。例えば『源氏物語』。恋愛小説です。 今では、生霊を認識している方なんて、なかなか見つからないでしょうが、当時は一般的だったのでしょう。 でも、今だって、実はあり得るのかも。 心静かに世界を眺めてみると、目には見えない不思議な力が働いてるような気がすること、ありませんか? 私はそんなタイプの人間なので、この物語をそんな視点で読んでいたようです。 文楽という俗世間から離れた世界を舞台に、人形という媒体を使うことで、とても自然に、通常は見えない不思議な力を「見える化」しているように感じたのです。 本の読み方は、十人十色だと思います。 この作品には、色々な思想や視点を持った人が、それぞれの感性で楽しむことのできる、懐の深さがあるのかもしれません。 時間をあけて、改めて読んでみたいと思います。感じ方が変わるかも。 ミステリーには珍しく、読み返して楽しめるところも魅力的です。 | ||||
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岡山と広島の県境にある山寺の境内。3年に1度咲くという珍しいしだれ桜が満開になったその下で発見された若き人形遣い達也の惨殺死体。彼の延ばした手の先には、美しい花魁とみえる文楽人形。人形の胸にも刀傷があり、まるで心中のように見えた。いったい彼らに何が起きたのか? 第4回アガサ・クリスティー賞受賞の「ホラー・ミステリー」ということで、期待したのだが・・・。 ホラー?ミステリー?どちらにしても、中途半端というか、簡単にいうと面白くなかった。 まず、最初に主人公と思われる青年達也の死体が見つかるところから始まり、話は過去にさかのぼって展開する、というスタイルなのだが、これが良かったとは全く思えなかった。なにせ、達也という青年の描き方が雑な上に、彼が「死ぬ」ことがわかっているせいか、夢を抱く青年が悩んでも、苦しんでも全然感情移入できなかった。 文楽の世界は魅力的なはずなのだし、登場人物はみな、それぞれかなりドラマチックで悲しい過去を背負っている。しかし、人間描写もセリフ回しもストーリー展開も、全てにおいて、ずいぶん乱暴で雑な描き方で、風情も何も感じられない。結局のところ、かなり「マンガチック」だ。 読み終わって、「チャイルドプレイ」を思い出しました。チャッキー。 そもそも、犯人探しに無理がある本作が「アガサ・クリスティー賞受賞」って良いのでしょうか?非常に疑問です。 | ||||
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