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しだれ桜恋心中
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しだれ桜恋心中の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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第4回アガサクリスティー賞受賞作なのだから、当然、ミステリー(推理小説)だと思って 買う人がいるだろう。だが、そういう人は裏切られることになる。正直な話、私自身も、これ が受賞作で良いのかと疑問を持つ。アガサクリスティー賞は、第3回の「致死量未満の殺人」 でやや本格ミステリーとしての方向性を取り戻したかに見えた。が、これまでの傾向を見ると、 どうも方向性が定まっていないように思える。第1回「黒猫の遊歩あるいは美学講義」は、 タレーランやビブリアにも共通する、ゆるい謎解きの連作短編+α。第2回「カンパニュラの 銀翼」は、ホラー風味の強い外国時代ファンタジー。 この「しだれ桜」は、カンパニュラに通じるものがある、というよりも、完全にオカルト ホラーファンタジーであり、「推理小説」とは決して言えない。とまあ、ここまでは主催社 に対する「小言」、「苦言」である。 それを抜きにして、単体の小説として読んだ場合、この作品はけっこう楽しめた。レビュー の数字が極端に悪い(星5個も二人いるが、その二人はこの作品しか評していないので当てに ならないし、作者あるいは出版社の回し者ではないかとさえ思えた(笑)。それ以外のレビュ ーはさんざん)。なので、私もこの作品を読むことは躊躇っていた。 だが、ミステリーではないと割りきって読んでみると、これがけっこう面白いのだ。文楽人 形が話し出す、その話を聴けるのはごく一部の恵まれた才能の人に限られる、という設定、ま た、人形と人間とが織りなす「呪い」による殺人など、普通のミステリーではあり得ない設定 がふんだんに盛り込まれている(但し、この設定は他のマンガなどに先例があるらしいが)。 またその他にも、近親相姦など性的なシーンも登場する。それを嫌悪する人もいるだろうが、 全体的にはきれいにまとまっていて、そのことが決して欠点になっていない。 感想をひと言にまとめたのが、レビューのタイトルということになる。ミステリーと期待 してはいけないが、一つの娯楽作品としては悪くないと思う。 ただ、賞の主催社である早川書房は、もう少し明確な方向性を決めるべきだろう。「カンパ ニュラ」や「しだれ桜」のような作品を受賞作にするのは、名を冠したアガサクリスティーに 対する侮辱になりはしないだろうか。 | ||||
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文楽が舞台という事で入りにくい印象があったが、本のジャケットがオシャレであった事、アガサクリスティー賞受賞という事で読んでみました。 読みやすいのに、登場人物の複雑な人間関係、人間模様があり、最後まで飽きさせない内容でした。 途中から一気読みした形です。 少しだけファンタジーな部分がある事も結果的には良かったと思います。 文楽に少し興味を持つきっかけにもなりました。 | ||||
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本の表紙を飾る女性は『しだれ桜恋心中』という演目の主人公、桔梗さん。 うっとり見入ってしまう美しさです。 か細い声まで聞こえてきそうですね。 一読した感想を端的に述べると、 読んでる時は「面白い」、 読み終わった時は「清々しい」です。 あっという間に読破しました。 巻末にある選評の中で「無謀とも言える語りのパワー」という迫力のある言葉で称賛されていますが、まさにそれです。 グイグイ世界に引き込まれます。 そして、とにかく読みやすい。 一つ一つの場面の景色、一人一人の姿と声が、鮮明に美しく頭の中に現れて、流れていきました。殺人現場さえも美しく感じるから驚きです! さて、内容。 選評の中でも指摘されていますが、 「ミステリーに超常現象を持ち出していいの?」と違和感を覚える方がいるのではと思い、その点について私の感想を。 遠い昔の日本文学を思い返すと、怨まれて呪われて「生霊」に殺されちゃうなんて、よくある話でした。例えば『源氏物語』。恋愛小説です。 今では、生霊を認識している方なんて、なかなか見つからないでしょうが、当時は一般的だったのでしょう。 でも、今だって、実はあり得るのかも。 心静かに世界を眺めてみると、目には見えない不思議な力が働いてるような気がすること、ありませんか? 私はそんなタイプの人間なので、この物語をそんな視点で読んでいたようです。 文楽という俗世間から離れた世界を舞台に、人形という媒体を使うことで、とても自然に、通常は見えない不思議な力を「見える化」しているように感じたのです。 本の読み方は、十人十色だと思います。 この作品には、色々な思想や視点を持った人が、それぞれの感性で楽しむことのできる、懐の深さがあるのかもしれません。 時間をあけて、改めて読んでみたいと思います。感じ方が変わるかも。 ミステリーには珍しく、読み返して楽しめるところも魅力的です。 | ||||
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