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黒冷水
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黒冷水の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全85件 41~60 3/5ページ
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激しく憎悪する兄弟。もはや憎悪は理屈を超えて、無理解な親を余所に陰湿な対立は深まる。互いに滑稽かつ冷酷な罠を仕掛け合い、ついに行き着くところまで行き着く事に・・・ 小生は弟と中が悪い。暴力の応酬もなければ、互いの部屋に罠を仕掛け合う事も無い。相互無視だけなのだが、少なくとも兄貴の心情はここに書かれている事に近い。それだけに面白いのだが、イタイ。それがいいのだ。 中盤から出てくる麻薬の売人学生はいかにも情報詰め込んだだけの、現実味に乏しい存在なのは残念。ただ、グロテスクさはあるので、喪黒福造やヒキタクニオ作品の「消し屋」位のキャラクターに成長してもよかっただろう。 ラストの兄貴の心情には思わず苦笑い。やっぱ、コイツ才能あるわ。 | ||||
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『黒冷水』です。 たとえば、コメディーが笑えるもので、ホラーが怖いもので、アダルトが性的に興奮させるものだとすれば、本作は「不快な」作品です。エスカレートした兄弟喧嘩の様子がこれでもかというくらいに細かく書かれています。カッターの刃が大活躍します。 どんでん返しもありますし、黒幕みたいなキャラもいるしで、エンターテインメントとしても楽しめるようになっていますが……その部分はあまり評価は良くないようです。確かに「不快さ」を読者に抱かせる描写が売りの作品なので、蛇足といえばそうなのかもしれません。 兄弟喧嘩なんて、現実には血で血を洗うものに発展しちゃうものです。本作はほどほどの寸止め具合の中で「不快さ」を味わうものです。 | ||||
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発売された当時からなんとなく気になっていた本でしたが、最近になって読みました。 ちょっと個人的には…どうだろう?という感じです。文章が下手なのか分かりませんが、前半部分の兄弟のいざこざが読んでて飽きます。それからこれはもう根本的な部分なのですが、お互いが(特に兄が弟を)何故そこまで憎み合うのかが理解出来なかった。嫌う要素があるのは十分分かるけれど、それが「イコール殺意」になってしまうのが理解に苦しむところ。総合的には、本の宣伝文句程の謎はなく、深みは感じられませんでした。うーん…納得いく、いかないは置いておいて。まぁ、取り合えず図書館で借りておいたのが賢明でした(^_^;) | ||||
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とにかく文章がうまい。 当時17歳で、デビューがこれなんて、将来楽しみです。 ものすごく引き込まれて、一気に読ませてしまう力があります。 今回の作品は、世界が兄弟だけの間で繰り広げられてて、 そこもまた特徴となって、独特の世界観を作っています。 オチも割とあたし好み。 がっかりするようなものではなかったですね。 次回作が楽しみー。 | ||||
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序盤が随分と退屈でした。止めようと思ったけど一応最後まで読んだ。 17歳の老成作家ならもっと他にもいたと思うんで(日日日とか)文章云々は本を出す程の人にしてはいてもおかしくないレベルかと。 感想は、何となく読んでいて恥ずかしくなる作品。作者も後に赤面したでしょう。エンターテイメント性を重視しているらしく、共感性には長けていません。ここまで執拗な兄弟喧嘩はあまりに異常だし、そこに執着する人も少ないと思う。そして過剰な閉塞感、歪んだ自己完結。 最終的に作者は何が言いたかったかっていうと、これは楽しめればよいんだって言ってるような気がする。 この人はシニカルなギャグセンスがあると思う。随所でクスクスと妙な笑いが込み上げてくる。 | ||||
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なんとなく黒い背表紙に惹かれ、この本を手に取りました。 まだ子供っぽい弟と、まともぶってる兄貴 二人の憎みあいが黒く書いてある話です。 弟の行動が自分とかぶり、少し共感を持ちました。 途中までどうなるかと思いましたが、状況が色々変わり目をはなせないです。 最後まで一気に読め、楽しめました。 | ||||
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綿矢りさの『蹴りたい背中』や、三並夏の『平成マシンガンズ』に関しては「大人の作品に比較すると甘いな」とは思っていたが、この『黒冷水』に関しては例外であった。 僕は「17歳なのに凄い!」だとか「若いのに」という、そういう表現が嫌いだ。作品にしてしまった以上、年齢など関係ないのだから。 だから、若手作家の作品は「若くて凄くても、大人の作品に比べると威力はない」というものが多かった。 改めて言うが、この黒冷水は違った。文章量がかなり豊富で、読むのに結構気がいるだろうな、とは思ったが、実際読んでみて文章量の多さなど全く感じさせられなかった。なぜなら、ストーリーが勢いよくガンガンと展開して、気づかないうちに、次へ次へとページを捲ってしまうほどの、やみつきになるスリルがあるからだ。 掴み所はかなりおいしかった。弟の覗き、兄の裁き、麻薬、兄弟愛と人々が注目してしまうものを、めまぐるしいほどの展開でストーリーは進行する。会話文も一つ一つ印象に残るものばかりだった。文体は軽くて、かなり読みやすい(若手らしい)。そこがまた美味しくなって、スリルにスリルが重なり、さらにスリルな展開へ。アトラクションジェットコースターのようだった。この作品を最後まで読んで、「つまらない」と思うことはまずありえない。面白さを満喫するか、スリルの凄みを実感して驚愕するか、そのどちらかだ。 そう、この作品はスリルが全てだ。 かなり面白い作品だと思う。 | ||||
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(;'Д`)ハァハァ 兄の部屋に侵入して、兄の私物を観察し 兄が読んでいるエロ雑誌でオナニーする『異常』な弟に 真面目で実直、成績優秀な兄貴が報復する話である。 こんな兄弟間の『争い』を描いている。 高校生でありながら、こいつはちゃんとしたものを描く才能がある。 小説をつくるのには年齢は関係ないが、まだ人生経験が甘い。 ラストの『意外性』はよくある手だし、それに、こじつけたかのやうな弟の行動は『無理』がある。 心理描写に齟齬があり、生きている人間を見ている感じがしないのも 悪いところだ。 成績優秀っても・・・明治付属かよ・・。 | ||||
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はじめから息を呑むような展開だった。 兄弟の攻防・・・弟の荒らしに兄の逆襲。 目が離せなかった。学校で授業中にもこっそり読んだ。 一気に読み上げてしまいたくなるスリリングな展開がよかったと思う。 気になったのは後半が少し・・・あれ?と感じる部分があった。 前半の兄弟の攻防から、後半突如新たな人物の出現による急展開。 ちょっとついていけなくなってしまった。 でも、最後のオチ予想していなかった。さすが・・・ 17歳でこんな話が書けるなんて私の中ではすごいの1コトにつきます。 次作にも期待・・・ | ||||
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高校生が書いたとは思えないような文章だったと思う。その点では、かなり作品に引き込まれた。しかし、薬物のくだりは必要なかった気が。それと、最後の演出は、少々下らなかったので、無かった方がよかったかも。 | ||||
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率直に面白いと感じました。17歳という年齢にして、作品全体に、いい意味で老成感を感じます。しかし、やはりと言うか、狙っている感もありますが、文の構成が雑に感じられたり、背伸びをしつつ、それを周到に隠す試みも完璧とは行かず、所々に綻びが見えます。が、その脇の甘さが、作品に絶妙なズレをもたらし、妙な笑いを誘うのも事実です。こういったストーリーでここまで突っ込むと、安易な和解や、未来への展望が見えて終わりという、至極つまらないラストを迎えざるを得ないと思うので、やはり、このオチは必然だと思います。計算か本能かは判りかねますが、その必然を選び取ったのは、やはり才能だと思います。次回作にも期待です。 | ||||
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ある意味飛び過ぎとも感じられた兄の部屋をめぐる可愛くない攻防戦。 青野が出てきた時点で納得。 1つ言うならラストの部分で正気がすぐ激高しすぎなような。 でも、そこは若さがなせる業か。 兄弟って怖い。弟には優しくしましょう。 | ||||
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文藝賞の若手作家は何でこんなに面白いんだろう。兄弟の確執を兄、弟両面から執拗までに書いている。 弟を異常だと言い、自分の異常性を認識できない兄。自分をより高く見せることだけに夢中になり、周り(特に兄)に異様なまでの敵対心を抱く弟。うーん、異常だ。 兄弟でいじめあっているだけの話だが、書き方に悪意と異常性が溢れていて引き込まれる。 ただ、オチが残念。何がしたかったのか意味不明。 | ||||
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年下の書いたもの、というのは敬遠しがちだったが、ついに読んでしまった「黒冷水」。兄弟げんか、兄弟の確執、葛藤のみを主題に据えた作品というのを読んだことがなかったので、なかなか新鮮だった。 しかし主題、と言っても、この兄弟はやはり一線を越えてしまうほどの異常性を持っていて、著者が「こんな可能性だってあるんだよ」というような警鐘を鳴らすために書いたとも思えず、こんな気持ちを分かってくれ、という目的で書いたようにも感じられない。やはり、「こんなふうになってしまったら怖いよね」というホラーサスペンス的なものの匂いがぷんぷんしている。最後の読者をなめたひっくり返し方やまとめ方なんかはまさにエンターテインメントとして色気を出した感が漂っていて、そこに著者の未成熟さが出ているような気もするが、それでもやはり一気に読みきってしまう魅力があった。 だいたい、兄の部屋をあさる弟の描写で、読者も部屋あさりの魅力を味わえ、兄の復讐方を弟が体験するシーンも、どんなことになるのかドキドキ、そしてワクワクを感じてしまう。文章の語彙や言い回しに時々背伸びをしてるような印象を覚えることもあったが、主人公のキャラそのままだと考えると、逆にリアリティが増しているようにも思う。 とりあえず次回作も楽しみにしています。 | ||||
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言われてるほど気分は悪くならない。 兄弟のいる人ならわかると思うけど、机の中とかあさったり( いろんな目的を持って・・・)したくなるよね。そういうところ をもっとディープに掘り下げてるのがなんか真に迫るものがあっ て「あっ、こいつ絶対、兄弟いるぞ!!」って思った。 結末の展開はいかがなものかと思うけど、それまでは読ませてく れる。そういう意味では筆力はあると思うけど・・・。 結果論に聞こえるかもしれないけれど、同じ17歳で文藝賞を受 賞した綿矢りさと比べると、力不足の感は否めないと思う。事実 や心の動きの描写は確かにうまいけど、読者の側に行間や雰囲気 を読ませるのりしろが少ない。 そういう意味では純文学系の文藝賞でデビューしたけど、サスペ ンスとかそういう話の展開で読者を引っ張るものを書かせたら、 結構いい味出すと思う。 | ||||
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17歳が書いた、という点や作品に対する評価が高いという点から 読んでみるに至りました。 文章力の巧みさや発想力には脱帽しました。ただ、発想力と言っても、 終盤に作中作とわかると、作者は何か作品と関連する経験をしたから こんな話が生まれたのかなとも思いましたけど。 作中作というのも珍しいわけではないので、言われている程意外性は 感じませんでした。作中作の主人公が脚色され理想化されたもの、 というのも面白いけど、個人的には正気自身の異常さをもっと 浮き彫りにして、それが作中作の中で、ラストに決定的な形で 意外性を持って頭角を表していた方が面白かったとも思う。 青野の台詞を伏線にして。 実は弟よりもっと狡猾に人の領域を侵していた、とか。 兄が頭脳明晰なだけによりその怖さも増すと思う。 作中でもその感はあったかもしれないけど、少し物足りなかった。 でもそこまで期待するのは筋違いかな。 作者にはこの結末でなければならなかったのかもしれないし。 感性の豊かさは乏しい印象を受ける反面、ただひたすら大人びて 冷めた文体自体がまるで黒冷水の様に感じます。 日常の小さな世界をこれだけ注目出来るのは若さゆえかもしれないし、 そういう視点を大人になっても失くして欲しくないけれど、 同時にこれから様々な経験をしていく上で、もっと視野の広がった 鋭い作品を期待しています。 | ||||
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兄の部屋に侵入して、兄の私物を観察し 兄が読んでいるエロ雑誌でオナニーする『異常』な弟に 真面目で実直、成績優秀な兄貴が報復する話である。 こんな兄弟間の『争い』を描いている。 高校生でありながら、こいつはちゃんとしたものを描く才能がある。 小説をつくるのには年齢は関係ないが、まだ人生経験が甘い。 ラストの『意外性』はよくある手だし、それに、こじつけたかのやうな弟の行動は『無理』がある。 心理描写に齟齬があり、生きている人間を見ている感じがしないのも 悪いところだ。 | ||||
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最初に持った感想、「気持ち悪い」。 でも、その気持ち悪さは、決して嫌ではない。むしろ、癖になる気持ち悪さだ。 ホラー映画とは違う、この小説の持つグロさに初めはついていけなかった。 だが、読み進めるうちに、この小説の雰囲気になじんでいくうちに、初め感じた「気持ち悪い」は、「面白さ」へと変わっていった。 そして、誰もが考えもつかなかったラスト20pの展開。 もうそれには「驚き」としか言う事が無い。 そして、もう1つ驚くべきこと。この小説の著者、羽田圭介さんは17歳だということ。 その事を知ったとき「え!私の3つ上!?」とただただ驚いてしまいました。 17歳になっても私にはできない、あんなに素晴らしい表現、文章力。 才能があるんだなあ。。。 これからの活躍がとても楽しみです。 | ||||
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なんと著者がこの作品を書いたのは17歳の時というから驚く。多少雑な文面は有りますが、それを差し引いてもなかなかの筆力だと驚嘆します(自身の筆力の無さがちと悲しくなります。涙)。 その若さゆえの観察力と発想力で、これでもかというくらいに陰惨な兄弟の確執が描かれており、よくそんな事を思いつくものだと言うくらいに、陰惨で残酷です。ニュートラルな人が読むと少々ショックが大きいかもしれません。 ただ主人公の思考がやや一貫性をかくところがあり、それが少し引っかかるところでした。 最後のオチはこんなものかなと思うところも有りますが、最後の1行は著者の若さから出てくるのであろう思考に、最後の最後で冷水を浴びせられたかのように心が冷えてしまいました。まさにこの台詞が「黒冷水」。冷えます。 | ||||
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兄弟間の確執の原因が単純で、それによって一層二人の異質ぶりが浮き彫りにされているようにも思うが、あまりにも幼すぎて心に響いてこなかった。ラストも安直。「文芸賞受賞作」であり、期待して読んだのだが、奇をてらった作品としか受け取れなかった。 唯一、青野のキャラクター設定は良かった。真の主人公であろう。 作品としては、こちらを主人公とした方がおもしろいか。 | ||||
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