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(短編集)
ずっとあなたが好きでした
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ずっとあなたが好きでしたの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.54pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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いやぁ、これは。 読み出して半分近くの時点では、 「連作短編でもないし、独立した話ひとつひとつがオチがあるようなないような微妙な話を読まされてるだけであまり楽しめないなぁ、歌野晶午の作品というだけで読み始めたけど、これはちょっと外れかもしれない…」と思いながら読み進め、途中で読み飛ばす話もあったりするほどでした。 ところが、終盤2つの話を読むにつけ、ある事実が判明し、おおー?こ、これは!なるほどそういうことか!となりました。 それは、ともすれば荒唐無稽なだけで終わりそうな仕掛けであり、実際人によってはなんだそういうことか、で終わってもおかしくないんですが、僕にとってはそこはさすがの歌野晶午と思わされました。巧いし、ただの仕掛け重視ではなく、仕掛けが分かった後に読むとそれなりの深みがあります。唸りました。ネタバレできないのがもどかしい。 とにかくイチから再読したくなり、たいして興味なく読み飛ばした話も、吟味して読み直したくなりました。 星5つでも良いくらいなのですが、まだ全体像をはっきりとらえきれていない部分があるので、今の時点ではちょっと抑えめにしました。 | ||||
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また晶午にやられた! まさかただの短編だと思っていた。 数話はオチが最後まで読む前にわかったり わからないのは驚かされたりで 全体的には「幻の女」が一番面白かったかなぁ なんて気楽な思いで読み進めていた自分が滑稽になった。 | ||||
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ラブストーリーの短編集。 かなり面白かった。 本書に関しては、ネタバレすると全然面白くないので、是非手に取って体験して欲しい。最後までたどり着いた人だけが、全てが一つにつながるカタストロフィーを得られる。 短編は、それぞれあっさり目だが、性質が違う話が色々あり面白い。似たような話も多いのだが、理由がある。 全部読んでから、もう一度読みなおす必要があるので、一粒で二度美味しい。 おすすめ。 | ||||
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本書は少なくても571ページまで連続して読まないとほぼ意味がない。571ページだけ読んでも意味はない。後ろから読んだら台無し。 だから途中で読み止めた低評価レビューに惑わされず、望外の驚きを信じて短編集を読み進めてほしい。途中の会話パートでダラダラしてきても、登場人物を把握しておけばスッとばしも可。 ファンを信頼して筆をすすめた著者、と著者を信頼して読み進めた読者、だけが味わえる壮大な企み。読者好きの宝。 | ||||
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「それ」に気づいた時の「あっ」の声色は、『葉桜の季節に君を想うということ』の時のものとよく似ていた。「声のカラー」が同系色だったのだ。声そのものの大きさは『葉桜~』の方が上だが、そのアイディア、タクラミの深さは本作に軍配が上かる。この個性豊かな登場人物たちが織り成す「一大恋愛絵巻」を完成させるに至った作者の根気と努力には脱帽だ。 全部読むと結構長い。一つ読んではしばらく休憩ということも何度かあった(一気読みさせられていたら☆マーク5)。まあ、人それぞれ感覚は千差万別で文体の好みもあるだろうが、長い道のり、あきらめなければそれだけの対価が支払われる可能性は大だと思う。 個人的に特に好きな作品は、淡い夢のような郷愁感に包まれる『遠い初恋』、潜在的イメージを巧みに利用したオチに吹き出してしまう『舞姫』、そして、「書き下ろし」だということに意義深さを感じる『錦の袋はタイムカプセル』あたりか。『錦の袋はタイムカプセル』は、もし実写化されたら誰が演じるのが「相応しい」のか? 歌野作品は映像困難なものが多いだろうが(安易にしてほしくない)、このお話ではそんな想像を膨らませてしまった。 ちなみに私のイメージとしては、文庫本の表紙よりも自分が手に取って読んだ単行本の少年の表紙のイメージがシックリくる・・・かな。読後から時間が経ったので、もう一度読み返してみたい。 さて、「あっ」という間に(?)舞い散ったそれぞれの花びらたちは、一体どこに流れ着くのだろうか? | ||||
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結構長い小説だったが、挫けることなく読み終えることができた。それには、帯にある〈三度読み推奨〉のミステリという謳い文句が引っかかっていたせいもある。しかも13編が適度な頁数で飽きさせない。各編が、サスペンスあり、ロマンスあり、はたまた初恋あり、還暦の恋あり、また国際的な恋ありと幅広く、バラエティに富んでいる。うーん、さすがは歌野晶午。ここまでで最初の満足感は得られる。 しかし、「錦の袋はタイムカプセル」でこの物語は1人の男の大河物語であることが判明する。快い騙され感である。これで二番目の満足感。しかして三番目は、以下の如く時系列順に読み直すことによってわかる。ネタバレもほどほどにではないが、ここまで記しても真の意味でネタバレにはならないところが歌野晶午の真骨頂か。 三番目の満足感が得られなかった方へのお節介として、文庫版解説より引用する。是非ともおためしあれ。それにしても文庫版のカバーイラストは、まったくの人寄せパンダ? では、96頁をお開き下さい。以下は番号順にて。 ①「遠い初恋」 小学5年生、小樽 ②「ずっとあなたが好きでした」 中学3年生、神戸 ③「マドンナと王子のキューピッド 高校2年生、広島 ④「別れの刃」 大学1年生、東京 ⑤「まどろみ」 大学4年生、東京 ⑥「女!」 大学4年生、東京 ⑦「舞姫」 就職1年目、パリ ⑧「匿名で恋をして」 30歳過ぎ、東京 ⑨「ドレスと留袖」 40代、名古屋 ⑩「黄泉路より」 50代、東京 ⑪「幻の女」 50代、熊本 ⑫「錦の袋はタイムカプセル」 60歳、小樽 ⑬「散る花、咲く花」 60〜61歳、小樽 此処までの長駄文の読了に感謝致します。 | ||||
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作者はトリッキーな作品も一流だが、人物造形も元来一流。 「女王様-」「葉桜-」「密室殺人ゲーム-」「舞田ひとみ-」然り。 「時代性を取り入れたい」と作者が言っている通りの、 いわば最先端の、血の通ったかなり特徴的なキャラクターの造形が非常に巧い。 ミステリ作家で情緒面に目配せが効いてる作家の代表格と言えば東野圭吾だが、 作者と比較されることもある。 「ジェシカの-」と「鳥人計画」とか「さらわれたい女」と「ゲームの名は誘拐」(歌野晶午の方が発表が早い)とか。 東野圭吾が事件に絡めて情緒面を描くのが巧みなのに対して、 歌野晶午はまた別のアプローチでテーマや人物像自体を浮かび上がらせることが非常に巧い。 歌野晶午が恋愛小説!?と初めは思ったが、考えてみればむしろ自家薬籠中のものであった。 ミステリ作家らしい捻りの効いた短編を通して、多種多様な恋模様(や事件)が描かれている。 読了した時、なんとも余韻の残る一冊。 これまでのファンは当然として、ミステリファンでなくともこれは広く読んでもらいたい小説。 | ||||
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好きがテーマの短編集。 歌野さんのことだから、普通のお話では終わらない、とは思っていましたが、やっぱり!という感じです。 期待通りの作品。 裏切りませんね。 | ||||
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歌野 晶午氏の本は好きでよく読みますが 恋愛の短編集は珍しいなと思いながら読んでいき、 短編としてもひとつひとつ面白くて、 このまま読み終わると思いました。 しかしそこは歌野 晶午、すんなり終わるわけがなかったー! 短編集だと思って ランダムに読んではいけません。 順番に読んでください。 | ||||
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普通の恋愛小説としても十分楽しめましたが、このような仕掛けがあったとは!! 最後のほうで気が付くのですが、途中で分かる人はほとんどいないと思いますよ。 最初のお話から順番に読んでください。 | ||||
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歌野氏の非ミステリー系の恋愛短編小説集・・・・と謳っているが、ここは新本格界でも屈指のトリックメイカーの歌野氏であるので、これを鵜呑みにしてはいけない。 何だ今回はミステリーじゃないのか・・・じゃあ読まなくていいな・・・と思われる人も少なからずおられると思われるので、これは敢えて言っておいたほうがいいだろう。 歌野氏の葉桜の季節に君を・・・やジェシカが駆け抜けた・・系の劇中の世界では全く当たり前だが、読み手だけが最後に仕掛けれていたギミックに気づくという王道の歌野ミステリーであるのだ。 何となく乾くるみ氏のイニシエーションラブを意識して書かれた歌野流イニシエーションラブという感じである。 狭義のミステリーではないが、本作も大きなくくりで定義すれば完全なミステリー作品なので、歌野氏の愛読者は躊躇なく読んでもらいたい。 | ||||
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表題作ほか全13編の30~70頁程の短編集。全体で600頁弱となかなかのボリュームですが、長さを感じさせずさらりと読めます。 いずれも恋愛に絡んでますが、コントのオチのような話やミステリー色満載の話、ドロドロした不倫から微笑ましい恋愛話等、本当に年代もバラバラで趣向も違います。しかし歌野晶午氏の作品だけに、特にミステリー分野のものは、短編ながらも捻りが利いて流石と思います。 タイトルと本書のラストが今一結びつきませんでしたが、読み終えた時には、作者の仕掛けに驚き思わず笑ってしまい、良く考えられてうまいなと思います。 | ||||
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ミステリ作品が多い著者が描く、恋愛短編集。 最初は、ん?と思ったが、さすがミステリの名手と思わせる恋愛小説でよく考えられていた。 黄泉路や舞姫といったミステリの要素が含まれたものもあれば、外国人との恋愛や、小学生の初恋、不倫や匿名での恋愛など、様々な状況の男女の恋愛が描かれており楽しめた。 588ページと大作だが、著者の別の作品を読んだことがある読者は、ぜひ最後まで読んでほしい。 | ||||
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『ずっとあなたが好きでした』は、歌野晶午が2014年に発表した恋愛小説短編集だ。 2013年〜2014年に『別册文藝春秋』と『別册文藝春秋電子増刊 つんどく!』で発表した11編に、書き下ろしを2編加えた13短編を収録している。588頁は歌野晶午史上(おそらく)最厚だ。 ミステリ要素のある恋愛小説なら読んでもいいけれど、トリックも意外な結末もない純粋な恋愛小説だったら読まなくてもいいかな……、そう思っているミステリ読者もいるのではないか。実際私がそんなひとりであった。しかし、読了して確信した。本作はミステリ作家にしか書けない恋愛小説集の傑作である。考えてみれば、歌野晶午が何の捻りもない恋愛小説を書くはずがなかった。 小学生の恋から老いらくの恋まで様々な年代の恋愛を描いている。殺人を扱ったものや、密室を扱ったものなどミステリ色の強いものもあれば、そういった要素のまったくない純粋な恋愛小説もある。 しかし本作はそれだけではなく、短編集を通してある「趣向」が凝らされている。それが何であるかは実際に読んで確かめて欲しい。(私のものを含め)ネットのレビューを読んでしまうと、「趣向」が何か薄々感づいてしまう可能性も高いので、愉しみたい人はできるだけレビューを読まないことをおすすめする。 そして読了後、タイトルと表紙絵を見れば深い余韻にひたれるだろう。 ※コメント欄にネタバレレビューを書いているので、読了後の人はこちらもどうぞ。未読の人はお気をつけて。 | ||||
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