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ハケンアニメ!



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【この小説が収録されている参考書籍】
ハケンアニメ!

ハケンアニメ!の評価: 4.20/5点 レビュー 132件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.20pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全132件 61~80 4/7ページ
No.72:
(3pt)

アニメ世界は興味深い♪

9年ぶりに、天才と呼ばれるアニメ監督・王子千晴の作品が製作されることになった。話題の「運命戦線リデルライト」は、王子を口説き落としたプロデューサー・有科香屋子の努力のたまものだった。だが、突然王子が姿を消した!一方、期待の新人監督・斎藤瞳の作品も同じクルーでオンエアされることが決まる。果たして、アニメ界を制するのは・・・!?

完成されたアニメからは想像もできない壮絶ともいえる製作現場・・・。実にたくさんの人が素晴らしい作品にすべく昼夜を問わず働いている。現場での悩み、苦しみ、葛藤の日々、そして他社との熾烈なハケン争い。頂点を極めるアニメはただひとつなのだ。食うか食われるか?まさに弱肉強食の世界だ。ドタバタ感やできすぎだと思うストーリー展開は少々気になったが、自分が知らない業界を垣間見ることができてとても興味深かった。多くの人たちの努力によってひとつのものを作り上げるというのは、本当に感動的だ。これから、アニメを見る目が少しは変わってくるような気がする。
最後に・・・。表紙カバー裏に特別収録された短編もなかなかよかった。ちょっと得した気分♪
ハケンアニメ!Amazon書評・レビュー:ハケンアニメ!より
4838726902
No.71:
(5pt)

こんなに面白いなんてズルい! 辻村さんの作品じゃないみたい

ズルい。こんなに面白いなんてズルい

ついこの間、大崎梢さんの「クローバー・レイン」が、今年読んだ小説の中で一番て書いたのに、前言撤回します。「ハケンアニメ!」ダントツで今年読んだ作品で一番です。本当にズルいです。

昨年の8月に刊行されたこの作品。大好きな辻村深月さんの作品だったので、当然手には取ったのですが……表紙画はCLAMPだわ、an・anで連載してたと言うわ、タイトルもなんだか狙いすぎでなんか妙な嫌悪感を抱いてしまって、初期の「凍りのくじら」「ぼくのメジャースプーン」「スロウハイツの神様」あたりの作品が大好きなウチは「図書館で借りるか」と思いっきりスルーしてしまいました。

アニメ業界を題材にアニメ監督とプロデューサー、そのライバル企画、二つの作品にかかわる原画アニメーターと作品を基盤に地域活性化を図る公務員と3編のそれぞれ違った視点から見た世界を連作中編で繋ぐ構成の作品。
わがまま放題の天才肌のアニメ監督、要領が良くてお金の匂いに敏感なプロデューサー、傷つきやすいアニメーター、登場人物それぞれの「キャラ立ち」がしっかりとしていて、なんというか……途中で、著者が違うんじゃないか、これ有川浩さんが書いたんじゃない? と思うくらい、物語の展開が予想出来るほどにベタなのにそれが心地良くて爽快です。

題材はアニメなんですが、帯に書かれた「“いい仕事”がしたい! やる気がみなぎる、お仕事小説誕生。」というのが本当に的を射てます。映画化された「ツナグ」とは違う意味で、誰にでも、

これは読め

とお薦め出来る面白い作品だと思います。

個人的にツボだったのは、やっぱり第3章の「軍隊アリと公務員」の観光に携わる公務員の下り。ウチは観光行政に携わったこともなければ、勤めている自治体も大都市ですが、そのエッセンスは十分共感できます。
特に、アニメと連動したご当地グッズを販売場所に納品するときに、
「こんなの市役所の本来の仕事じゃないですよ。運送屋さんのしごとです」と言ったアニメーターに「いや、業務ですよ」「僕の仕事です」という公務員の言葉が、それやよな、ウチらの仕事はそれやよとついつい力が入っちゃいました。

作中でわがままなアニメ監督・王子千晴が「リアルが充実してなくたって、多くの人は、そう不幸じゃないはずでしょ? 恋人がいなくても、現実がつらくても、心の中に大事に思ってるものがあれば、それがアニメでも、アイドルでも、溺れそうな時にしがみつけるものを持つ人は幸せなはずだ。」なんて言葉を吐く(個人的にはその先の「リア充どもが、現実に彼氏彼女とのデートとセックスに励んでいる横で~」の方がウチには刺さるんですが)あたりが、辻村深月さんの作品らしくて大好きです。

本棚のスペースを開けて置くスペースを作るので、この本を買いに行こうと思います。
ハケンアニメ!Amazon書評・レビュー:ハケンアニメ!より
4838726902
No.70:
(5pt)

仕事とは何かを教えてくれます

仕事に向き合うとはどういうことか。情熱を注ぐとはどういうことかを教えてくれました。
登場人物がみんな熱い!仕事に貴賎なんてないと、個性を活かしあって仕事は成り立つんだと感じられます。アニメ界のお話ですが、別業種でも働く人には思い当たる事が多々あると思います。
自分の仕事振りなんて、全然甘いと思い知らされました。非リア充だと卑屈になりがちな横面を張られる様な、爽快なお話です。
アニメがより一層、誇りを持って好きになりました。
ハケンアニメ!Amazon書評・レビュー:ハケンアニメ!より
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No.69:
(5pt)

アニメ業界で働く人の心理描写が巧みだと思います

ある業界を徹底的に取材し分かり易く説明、リアリティを持たせ、その仕事に情熱を傾ける人々を書いた小説は良書が多いと思いますが、本作もその典型的な作品かと思います。
内容紹介にある、次から次へと謎を呼び新たな事件を起こす、というのは辻村深月氏の作品だけに期待が高まりますが、それが正しいのかやや疑問が残ります。ミステリー色は一切なく、純度100%のお仕事小説家と思います。

プロデューサー、新人監督、アニメーターの3人の女性の視点から、それぞれが悩みながらも信念を貫いたり、或いは人に影響を受けながら自分が変わったりする姿が語られ、最後はやや出来過ぎ感はありますが、3つの物語が交錯し爽快で感動的なラストに繋がります。

ハケンという重要なテーマに、本作も答えを出しています。それに十分納得するのは、そんなことも些末な事と思えるぐらい、登場人物たちのアニメに対する情熱や想いが読み手に伝わってくるからだと思います。
ハケンアニメ!Amazon書評・レビュー:ハケンアニメ!より
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No.68:
(4pt)

やはり面白いです

本屋大賞の第3位なのでやはり面白いです。雑誌ananにclampさんのイラストで好評連載されてたらしく、美男美女達がそれぞれの自分の持つアニメをそのクールでの一番のアニメ作品「覇権アニメ」を取ることに一生懸命になるオシゴト小説です。
アニメ製作という仕事の大変さ、プレッシャー、裏黒さ、そして夢を仕事にしているということに対してのクリエイターの夢と熱さのあるセリフの数々。とてもちゃんと書けていて、東京モード学園の指定教科書にしても良いくらい良く出来てます。アニメ好きの方、その方面に進みたいと志している方は、読んでみると勇気付けられると思います。
ただ、惜しいかな、本屋大賞3位の地位が表すがごとく優勝「鹿の王」に比べての深み、哀しみといったものが足りません。
なぜかと考えるとキャラクターが確かに活き活きと書かれているのですが、彼等彼女等がそこまで惚れ込んでいる肝心のアニメ作品の像がどうにも上手くフォーカスされてこないのであります。
見るだけで一気に引き込まれ、人生を変え、苦しさを支える支柱になっているというアニメ作品達について、メインの筋書と内包するアニメ作品自体が二重構造のように構成され、お互いが共鳴しあってラストになだれ込んでゆくようなつくりにはできないもんだろうか?とかなわぬ望みを持ってしまいました。ガラスの仮面とか・・・良く出来てましたよね。
でも、そうしたら上下巻になってしまいますな。
辻村さん、続編書くときは参考にしてください
ハケンアニメ!Amazon書評・レビュー:ハケンアニメ!より
4838726902
No.67:
(3pt)

「書く動機」と劇中作のよく見えない中途半端なアニメ業界小説

一見して細部までよく取材され、根気よく書かれた「アニメ業界人の作品愛」や自分自身の仕事への
情熱やプライドがそこここにあふれた魂のこもった良作、のように見える。しかし、むしろ自分は
なぜこの作家がまずこういった作品を書くに至ったかの経緯の方が気になった。なぜアニメ、
アニメ業界なのか。某サイトでの本人インタビューを読む限りでは、彼女が高校時代、リアル
タイムで見ていたアニメ作品のことが挙げられており、まさしくその作品が(『少女革命ウテナ』)
本作の劇中作の伝説のアニメとして語られる一本のモデルとしてあり、そしてその冒頭話では、
その監督本人(幾原邦彦氏)をイメージして書かれているのは、いわずもがな、なのだが。

舞台はアニメ業界だけあって一般的にはいわば特殊業界の専門用語が飛び交う話が全3話形式で
続き進められていく。だが(内輪のスタッフ間にだけ通じるような会話や裏事情など)あまりに専門
分野に特化しすぎる世界のため、やはりその説明、解説的なものに枚数を取られている印象が強い。
(しかし、それは話の構成いかんでどうとでもなる)各々プロデューサーや監督アニメーターなど、
それぞれの話の主人公の心情を丁寧に追ってはいるのだが、そして無論、作品全体の着地点として、
冒頭に書いたようなアニメに関わる人たちの''愛'’そのものをきちんと描いていながら、結果的に
「その世界」や「その世界に生きる人々の現状」を事細かに披露することに終始している印象が。

そしてその一見感動を呼ぶような話が、どことなく薄っぺらいものにしか思えない。それは、
なぜか――。肝心の劇中作である、幾つかのタイトルのアニメそのものに、欠片も魅力を感じ取る
ことができないからだ。作中の登場人物たちである、プロデューサー女性や女性監督が心底
それぞれの作品に対して思う、その''すごい''という、その言葉の真実が、読者に実感として直に
伝わってこない。物語の話の流れでは、作品の言葉の上では、そういうこと(この上なく面白く
惹き付けられる)になっているけれど、その劇中作である「アニメ」そのもののよさがほとんど
感じ取れない。これはアニメ業界そのものを詳細に語ることよりも、ずっと致命的ではないか。
(細かいことを言えば、最初の話の目玉である王子監督が失踪する理由付けも、どことなく弱い――)

なぜこの作品がヒットし人気を博しているのか、という当たり前のリアリティがことごとく欠落して
おり、この作家なら後に別書籍やもしくは実際のアニメ化作の原案的に劇中作をノベライズしそう
ではあるが、それとこれとは全くの別問題なので、できればそういう補足はして欲しくない。とにかく
今現在のリアルなアニメの業界そのものについては非常に饒舌に語られてはいるが、ファンであり
業界人である彼女らの中心軸に位置しているはずの「アニメ」そのものの姿がよく見えてこないのだ。

その意味で本作テーマの要であるはずの「アニメ愛」そのものが、どこか上滑りしたような借り物の
ものに見えてしまう。一つの特殊な業界小説としては、ああなるほど。と思いはしても、結果として
ただそれだけ、という作品になりかねない。作者自身がモデルとしている魔法少女もののアニメ
作品が実際に存在しているだけに、その作品のめくるめく斬新なイメージに引っ張られないよう、
あえてぼかしたのか、それとも。どちらにしてもそのため、一つの業界小説としても、その世界の
クリエイター魂を描いたものとしても(リアルに書きすぎている割には)どこか中途半端さが拭えない。

三者三様に女性が主人公なのも、当時連載していた女性誌(an・an)読者を意識してか、CLAMP
装丁イラスト含め、確かに若い読み手にも取っ付きやすいように、ということを考慮してのこととは
思うが、そこもどことなく引っかかる。すべてが予定調和、アニメ礼賛。作者自身のアニメ体験が
若干若いせいか、そして自身が心底オタクと言えるほどではないからなのか、どこかアニメそのもの
に対する掘り下げが浅く見える。ああ、これは取材したそのままを書いたんだな、というのが見え見えで
何とはなしのあざとさまで、垣間見えるよう。事実『ハケンアニメ!』というタイトルも、どこかの
パッケージ会社の放った言葉が元とかで、いかにも売上げを見込んだ覇者を制することを至上命題
のようにする言葉のようで(作中では見る人の愛を持ち出して綺麗に美化してはいるものの)結局は
「そこ」だろ!という一つの小説作品としても、哀しいかな商業アニメ的な商魂がまるだしなのだ。

萌えオタや腐女子のアニメ的に旬なフレーズ(そろそろ死語だが)こそ出なかったが、聖地巡礼
などに具体的に触れるよりも、せめて直木賞作家が書くなら今現在の、特にTVシリーズアニメの
現状が抱えるシビアな問題や将来的な人材不足など''世界に誇る日本のアニメ'’の危うさなど
負の側面についても言及して欲しかったが...(宮崎駿が引退したのは何も歳のせいだけではない
ようなのだ)こんな小説まで持ち出して、今さらのようにアニメ、アニメと言うけれど、その
アニメにできることはもうそんなにない、もしかしたら既にそんな時代に入って来ているの
かもしれないと何となく思う、宮崎監督子息と同世代の個人的戯言なのでした...

(因みにエヴァよりウテナの'90年代後半なら個人的に無限のリヴ○イアス(ガ○ラキ)→コード○アス
の流れで谷口悟朗監督をモデルにした腐もしくは厨二御用達のピカレスクものアニメ話が読みたかった笑)

ハケンアニメ!Amazon書評・レビュー:ハケンアニメ!より
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No.66:
(5pt)

お仕事小説として秀逸

タイトルの意味を勘違いしていて、手に取るのを躊躇していた自分を反省しています。
これは素晴らしいお仕事小説。
アニメ制作の業界で働くひとたちにスポットをあて、オムニパス形式で進みます。
それぞれ違う立場の三人の女性が、きつい仕事の現場で困難を乗り越えて一つ一つ階段を上っていく。
いっけんイヤな奴にみえる人が実は仕事ができて、当たり障りのない人がイヤな人だったりする。
そういうリアルが面白かったです。
ほんのちょっとラブ要素もあり、そういう意味でも読みやすいです。

個人的に王子がお気に入り。
ぜひ続編を。
ハケンアニメ!Amazon書評・レビュー:ハケンアニメ!より
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No.65:
(5pt)

とても堪能できた

雑誌連載小説だったためか
最初からアクセル全開で物語が展開され
一気に物語の世界に惹き込まれました。

第1章は、中堅アニメ制作会社のプロデューサー有科香屋子を主人公にし
監督の王子千晴のわがままに翻弄される日々が描かれる。

第2章は、大手アニメ制作会社の若手監督 斎藤瞳を主人公にし
同じクールに放映されるライバルの側から描かれる。

第3章は、王子作品と斎藤作品の両方のアニメーターをしている
並澤和奈が主人公になる。
斎藤作品の舞台のモデルとなった土地で聖地巡礼が盛んになるように
公務員の宗森周平と一緒に奮闘する。

第4章は、それぞれの後日談が描かれている。

登場人物はみな仕事に一生懸命で、
私もそれに感化され、仕事を頑張りたい気持ちになった。
更に、打ち込みたい仕事につけている自分は幸せだと再認識した。

名言も随所にあった。
例えば、422ページ。
「人生には、大事な何かを失っても、それでも何かを成し遂げたい時がある」

46ページの王子の発言。
「かわいいけど、現実のかわいさなんてどうがんばったって二次元には敵わないじゃない」
「だったら誰だって同じだよ。見た目や、容姿なんて」

主人公が思った順に書かれているため、
読み慣れない文体に最初は戸惑ったが、
すぐに慣れた。
慣れた後は、主人公の心情がストレートに伝わってくるようになり
スピード感を持って主人公の心情を追体験できた。

全体を通じて、この小説にはとても堪能できた。
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4838726902
No.64:
(4pt)

アニメが好きな人も、アニメに興味が無い人も、是非一度読んでみてください。

ハケンアニメ=覇権アニメの座を巡る、アニメの製作現場で働く人たちのお話です。
ジャンル的には、ドキュメンタリー+恋愛って感じで、純粋にエンターテイメントとしても、十分楽しめます。
アニメが好きだとか、アニメに関しては誰よりも詳しいと思ってる人は勿論、普段はアニメを観ない。アニメは子どもや、オタクが観るものだとと、考えている人に読んで貰いたいです。
普段何気無くテレビに流れているアニメを、どんな人達が、どんな思いで作っているかを、知る事が出来ます。
所々専門用語も出てきますが、その都度丁寧に解説がいるので大丈夫です。
とにかく一度読んでみてください。この本を読む前と後では、アニメと言うものへの考えや、思いが多少なりとも変わるはずです。
それと出来れば、将来アニメ業界への就職を夢見てる学生の人には、是非読んで貰いたいです。
普段アニメを観ているだけじゃ解らない、仕事としてのアニメの楽しさや、苦しさ、そして、社会に出て働くというのは、どう言う事なのかが、この本を読めば解るかもしれません。
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4838726902
No.63:
(5pt)

アニメオタクもそうじゃなくてもおもしろい

私はアニオタなので、タイトルからしてかなり興味深かったのですが、
読んでみたら本当にめちゃめちゃおもしろかったです!!
アニメ業界や声優業界の内側が少し垣間見れることや、
個性的でなおかつ魅力的なキャラクターと心理描写がおもしろくて止まらなくなり一気に読みました。
私も似た業界なので共感できることもあるのですが、とにかくこういう業界の人って
確かに作品に愛があります。
人付き合いが不得手でも、他にとりえがなくても、これだけはってモノに情熱を注いでる姿に、
読んでる方も熱くなるものがありました。

本当に続編を望むほど個人的に大好きなのですが、
難点を言うなら、章ごとに主人公が変わるため、1話1話が少々不完全燃焼でした。
1章目の王子監督と有科さんの話が好きだったので、ほぼ「サバク」の方がメインで
(そっちもものすごくおもしろかったのですが)その点は物足りなかったです。
また、anan連載時にあった挿絵が載ってなくて、これまたものすごく残念でした…。

ananを読んでいなかったので、メインキャラ6人のビジュアルしか分からず、
折角のCLAMP先生の絵を見たかったなと思います。

最後に、作中に出てきたタナカ・コーキ先生の「V.T.R」という作品。
同名の小説を辻村先生が書かれているという遊び?があり、次はこちらを読んでみたいと思います。
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4838726902
No.62:
(4pt)

業界あるある。

辻村さんがミステリーを封印してくると、作風が似ているからか、どうしても有川浩と比較してしまう。そして有川さんなら、『派遣』も絡めて、ダブルミーニングにしてくるところだろうな、と。

さて、本編。元々興味のある世界だったから、「このエピソードはもしや、あれか?」と感じるシーンは多々あったが、巻末の取材先一覧を見て、「あぁ、やっぱりなw」と。
面白かったのは、一章と二章での、行城さんのキャラ対比。ただのハイスペックも、立場が変われば鼻持ちならないやつと思われるのは、現実世界でも良くある話。うまく盛り込んで来たな、と思った。
そして第三章。これからアニメで町おこししようと考えている自治体は、この章と、有川浩の『県庁おもてなし課』を併せて読めば、大分勉強になると思う。
小説としては、★★★くらいの評価なんだけど、描かれるアニメがいちいち面白そう。辻村さん、こういう才能もあるのね…と感心したので、★追加。どっちも見たいけど、結末の好みで言えば『サバク』の方かな。
最後に、表紙について。どうせCLAMPつかうなら、題材と絡めてもっとアニメのセル画っぽく…と思わなくもないけど、描かれているのは実際に働いている【人間】だから、これはこれでいいのか。
ただし、裏表紙の左端!テメエは駄目だ!まさに「誰おまwww」状態。おそらく行城さんだと仮定して、スタイリッシュさとか、なんかもう色々、どこに捨ててきたの!と(悲)。CLAMPは、こういう設定無視をたまにやらかすよな。
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No.61:
(3pt)

普通に面白かった

前評判を目にし過ぎて、「期待が過大」になっていた。
普通に面白い。楽しんで読んだ。「色々悩みながらもそれぞれがそれぞれのスタイルで、一所懸命お仕事やってる」話だから、特に「そら違うだろ」的突っ込みドコロも特にない。(アニメや声優さんに特に詳しくもないので、お仕事ディティール的には突っ込みドコロがあったとしても、私は分からないです。その部分は「へえ。そうなんだ」って理解です。)
が、あちこちで「絶賛」されてる程の面白さや吸引力は感じなかった。
軽快で、後味も悪くない、楽しい本でした。
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4838726902
No.60:
(4pt)

へー!

アニメ業界の中の3主人公による3つのお話。
いずれも尊敬・情熱・信頼といったテーマを感じさせながら
最後に集約されてゆく・・・熱量を感じる良いドラマです。
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No.59:
(2pt)

アニメが題材じゃなくても成立する

登場人物が全員イケメンか美女。そして登場した時の容姿や服装の描写が過剰。
具体的に、スカートのどの部分がどうで、アクセサリーが・・・とか描写してるけど、
話の本筋に関係ない。もっと抽象的で短い描写でかまわない。
読者をなめてるのか?と思う。抽象的な描写から読者の想像力で補うということも
小説を読む楽しみだと思うのだが。文章で描写しようとしても
映像にはかなわないのだから、必要最小限でいい。
そして、主人公から見た容姿の評価が一々入るのが鬱陶しい。
ストーリーは、前半こそアニメ業界の世界に誘われた感があってそれなりにワクワクしたが
世界観が定着した中盤以降は、著者得意の人間関係のストーリーが中心になって、
すでに登場した人物がうまく絡まり合ってストーリーが組み合わされ、
ああそりゃよく出来ましたね、よござんしたねッて感じなのである。
要は話がつくり話っぽくてご都合主義。リアリティがない。
だからアニメ業界じゃなくてもこういう人間ドラマは展開できそうだし、
別にアニメを題材にする必然性はないんじゃない?って思う。
それから、第3章での「リア充」という言葉の意味をめぐる公務員の勘違いは、実に不自然。
公務員ともあろうものがそんないい加減な言葉の使い方はしないだろう。
無理に揉めてるシーンを登場させたくて作りあげた感満載だ。
最後に、タイトルになった「覇権アニメ」という言葉は、2010年の中盤から流行り始めて
2012年ぐらいまでは使われたが2013年になるともうすっかり死語と化していた言葉だ。
著者はもともとアニメ業界に不案内なのだが、取材した当時たまたま流行っていた言葉を
使ってしまったのが運の尽きで、言葉の寿命とともに作品名の寿命もすっかり死語化してしまっていたのである。
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No.58:
(4pt)

読みやすい

さすがClampです、描画が丁寧でとっつきやすい感じに描かれていました。
また、ストーリーも一応すべてつながってはいるのですが、簡潔で無駄なく、
それぞれ独立しているので、スイスイ読みやすかったです。
それでいて、内容もしっかりしており、子供から大人まで楽しく読めるのではないかと思います。

続編が出ればぜひ読みたくなりました。

欲を言えば読み応えがもう少しあってもいいかなという感じでしたので、
総合して星4つとさせていただきました。
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No.57:
(4pt)

先入観無しで読まれることをオススメします

"各人の思惑が、次から次へと謎を呼び新たな事件を起こす-"
という紹介文が適切なのかどうか

煽るほどの「謎」や、「事件」は特に無いように思えましたが-

3編+後日談が入っています

主役の女性ら3人は、
それぞれが別の立場で、同クールにオンエアするアニメ製作に携わっています
(第一章:プロデューサー、 第二章:監督、 第三章:アニメーター)

物語が進むにつれ、既出の人物も次章以降にぽつぽつ
と登場してきます

名の通り仕事小説
プライベート・恋愛要素はほんのり(敢えて深く掘り下げてはいないのでしょう)

怒涛の展開があるというわけでもなく、全体をみれば穏やかな
時間を忘れて一気読みしてしまうことは、第3章に入るまで特に無く、
約30日かけて少しずつ読み進め、読了しました

興味のある業種のお話でしたので、退屈することなく読めましたが、

第一章の主役の感情のストレートさに引いたこと、文章の書き方[時系列ほか]、モブキャラが多く頭に入り難かったこと[挿絵・相関図無し]、
実際の会社名等[又はそれをにおわせるもの]が登場すること、ルビは一度出たら出てこない、聖地巡礼、など個人的に引っかかった点が多く、
もしこれが他のテーマで書かれた作品であったとしたら、最後まで読んではいなかったかもしれないと思えました

デスクワークを中心とした、静かな、業界の濃い物語を期待していたので、
第三章のアニメーターさんが、仕事場から舞台を移し動画用紙ではないところに描画することになっていった展開には
驚かされました

仕事人間さんや、負けず嫌いな方が出てきます
仕事命で、アクティブな「リア充(作中から言葉を拝借)」な方は全体的に共感出来るのかもしれません

こうなって欲しいといった結末にはなっておらず、
読み終わった後に多幸感を得られる、といったこともありませんでしたが
422頁1~5行を読んで、腑に落ちました
この作者はこういった物語を書きたかった、普段こういう書き方をされる方なのであろう、と

ドラマ化したらそれなりにウケのよさそうな作品とも感じました
アニメ製作工程において知識のある方よりも「無」の方の方が素直に楽しめるのかもしれません

高校生以上なら読めると思います
1頁に19行、値段良し・読み応え十分

謝辞はあれど、あとがきが無いことは非常に残念でした
紐のしおりが付いていたことは、想定外で嬉しかったです
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No.56:
(4pt)

新ジャンルにも才気煥発。

ライトノヴェル風の表紙とタイトルに怯み、「電車読み」のためにカバーをかけた。とはいえ一読してこれは真っ当な小説作品である。なにより、文体のそこかしこに瑞々しく宿る感性が素晴らしい。雑誌の連載向けに敢えて親しみやすいテーマを選んだようだが、この作家の才能はやはり並のものではない。

ストーリーはわりあいに単純。作家の初期作品に比べて、随分肩の力を抜いて書いたように思える。といっても業界の内幕はよく描けており、取材も充分に時間をかけたようだ。また作中の人物やエピソードから、モデルが透けて見えるところが面白い。その方面に知識のある方なら「ひと粒で二度楽しめる」小説だろう。

読みやすく、完成度が高く、そして(この作者の特徴として)読後感がたいへん良い。なので充分に面白く読んだのだが、これまでの作品のように再読するかといえば、それはないと思う。やはりこの作者には主流小説を期待したい。
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No.55:
(5pt)

アニメはよく観る、でも業界については知らないという方、アニメはあまり観ないという方でも

本書は、アニメはよく観る、でも業界については知らない・あまり興味が無い という方も
ページを読み進めていくうちにグイグイ惹かれていく そのような物語になっています。
社会人として実際に働いている方、そうでない学生の方でも
社会の中、会社や学校などでは人が集まり人との関わりは少なからずあるものですから
違和感なく物語の世界に没頭できると思います。

本書は女性誌ananに連載されていた小説ということで、
物語の主役となる三名はいずれも女性です。
ananとアニメ、あまり結びつかないようなイメージですが、
「働く女性が中心となって、アニメ製作という舞台で奮闘する物語」
このように見るとananに掲載されていたのも頷けます。
物語を読んでいるとアニメ業界、その業界に関わる者達の
仕事への向き合い方・取り組み方から、
働くこと・日々の生活を生きていくということの力を
得られるように感じました。

本書の“遊びゴコロ“が見られるのは、ブックカバーを外すと
表紙がトウケイ動画の絵コンテ(用紙右上にトウケイ〜の文字有り)
になっていることでしょうか。何も描いていない用紙の状態です。
欲を言えば、その用紙に『サウンドバック奏の石』のコンテが描かれていると
良かったなぁ と、思ってしまいました(トウケイ動画の絵コンテ用紙なので)。
“トウケイ動画”の用紙でなければ、スタジオえっじ製作・監督王子千晴の『運命戦線リデルライト』、
有科香屋子が業界に入ろうと思うきっかけとなった作品『光のヨスガ』の
いずれかの絵コンテならなぁ と思ってしまいました…本当に欲を言えば、ですが(笑)
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4838726902
No.54:
(5pt)

表紙の印象を覆すしっかりした内容の業界お仕事物語

ananとCLAMP画からもっとライトでチャラい(失礼)内容と思っていたら、
かなりしっかりした内容と描写で、しっかり最後まで楽しめました。
一つの世界を共有するアニメ業界の物語3部構成です。
メディアミックス当たり前になったアニメ業界で、
たくさんの人が集まって熱く作品に関わる様子を爽やかに読むことができます。
真偽はともかく、『悪い人がいない』業界と有科さんが言った言葉の通りに世界を描いているからですかね。
(実際は破綻したデスマの列に連なって、失敗前提で、終わらせることだけが希望の行軍を続ける現場もあるかもしれませんけど‥‥)

愛するものを仕事にしたり、仕事で出会うものを愛し、高いモチベーションで働く。
ここにすがすがしさを感じるのは日本人ならではの感覚なのでしょうか。
アニメは地上波で見るだけの人間ですが、作品作りの裏舞台を垣間見て面白かったです。
3部構成ながら各話共通のエピローグともなる最終章まで、気持ちよく読めると思います。
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No.53:
(5pt)

自分はリア充ではないと思っている人にこそ

まずは率直な感想から。
たいへん面白かったです!! この作品に出会うことが出来て本当によかった。
最初はCLAMPの表紙に惹かれて興味を持ったのですが、本編を読むにつれどんどん物語に引き込まれていき、
第一章を読み終える頃にはこの作品そのものに夢中になっていました。

439ページもあり読み応え抜群ですが、あっという間に完読。
テンポよく、クセがなく、小難しい言い回しもないとても読みやすい文章で好感が持てました。
全部で4章に分けられているためか(最終章はオマケのような短さですが)、区切りもわかりやすく読むのが苦じゃありません。
これがan・anで連載されていたと聞いてさらに驚き。メイン読者層はどのような感想を持ったのかが興味深いです(笑)。

私自身はサブカルも大いに楽しむ人間なので、作中で「この会社はあそこがモデルだな」とか「このアニメは▲▲を意識してるんだな」とか
わりと容易にイメージできてニヤリとする場面が多々ありました。(少ないですが実在のアニメキャラの名前が出るところもあります)
そのうえで、あまり知らなかったアニメ会社の内情などが垣間見られてたいへん勉強になりました。
著者さん自身も取材をたくさんされたそうですが、一部フィクションがあったとしても、
ここまで調べて詳細に描写できるその筆致には感嘆の一言です。

主人公らしい主人公が存在しない、いわゆる群像劇スタンスで描かれているのもよかった。
第一章ではいけ好かない人物として書かれているキャラの「嫌な部分」が、第二章ではその嫌な部分も見方を変えれば「長所」になったりと
キャラのいろんな面がバイアス無しに平等に書かれているのが素晴らしい。読んでいて素直に唸らされました。
ただ瞳と和奈がビジュアルも性格も少々かぶっている(厳密には違うのですが)ように感じたので、この二人がもうちょっと差別化されていれば尚良かったと思います。
第三章は他3編と比べると圧倒的に長く、これまでの展開の集大成の如く一つの流れに向かって皆が集うのはまさに「胸熱」でした。
キャラ達が、いろんな立場から、一つのものを目指して尽力する。とても気持ちいい展開です。

創作活動をしつつも今ひとつ充足感を得られない人、「自分は非リアだし…」と卑屈になったり引け目を感じたりしている人にこそ読んで欲しい一冊です。
(ちなみにリア充、非リアといった所謂ネット用語は作中頻繁に出てきます)
恋愛要素はほんのちょっぴり匂わせる程度で物語のメインではないので男性にもオススメできます。
帯の「やる気みなぎる、お仕事小説誕生」の文句は大袈裟ではありません。
「とにかくがむしゃらに頑張れ! 努力しろ!」と強く訴えかけてくるような無理やりな根性論ではなく、
「自らの”やりたい”という意志で、自分の担当に注力する」という背伸びしない登場人物らの描き方に好感が持てました。
ハケンアニメ!Amazon書評・レビュー:ハケンアニメ!より
4838726902

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