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ハケンアニメ!
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ハケンアニメ!の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全132件 121~132 7/7ページ
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雑誌「anan」に連載された作品の単行本化。プロデューサー、アニメ監督、アニメーターを軸に、ある1クール(3ヶ月13回)での覇権を取るためのアニメ制作のトラブルを描きつつ、派遣の様な過酷さでアニメに関わる人物の内面や、アニメに対する様々な形での愛情を描いた作品だ。 本作は下記の4章構成になっており、各話でちょいと顔を出した人物が次の章の主人公となる。 ■ 第一章「王子と猛獣使い」 「スタジオえっじ」プロデューサーの有科香屋子は、駆け出しの頃に観て衝撃を受けたアニメ「光のヨスガ」の監督をした王子千晴を口説き脅し、9年ぶりの新作「運命戦線リデルライト」の制作に入る。ところが、人気ラノベ作家のチヨダ・コーキまで引っ張り出して書いた脚本にも納得できず、3話までしか脚本が出来上がっていない状態で、姿を消してしまう。 社長からは監督交代を申し渡されるものの、企画に乗り気なフィギュア会社「ブルーオープントイ」企画部部長の逢里や人気造形師の鞠野カエデに失踪の事実を告げられず、また、王子監督との仕事を諦めきれない有科は、制作現場の原画マンである迫水との板挟みになりながらも、何とか時間を稼ごうとするのだが…。 ■ 第二章「王女と風見鶏」 幼少期はアニメや漫画と全く関わりなく過ごしながらも、有名大学在学中に観た野々崎努監督のアニメ「ミスター・ストーン・バタフライ」に自分の幼少期を肯定された斎藤瞳は、野々崎監督のいたトウケイ動画に入社する。そしてついに、「サウンドバック 奏の石」の監督を任されることになった。 プロデューサーの行城理と上手くかみ合わないながらも、「運命戦線リデルライト」に勝って覇権を取るために奮闘する斎藤。しかし、アイドル声優の美朱杏樹や群野碧ともめてしまい、落ち込んでしまう。そんな時、現場にアドバイスに現れたのは王子千晴だった。 ■ 第三章「軍隊アリと公務員」 地方都市のアニメ制作会社「ファインガーデン」の原画マンである並澤和奈は、社長命令で、地元を舞台としたアニメ「サウンドバック 奏の石」の聖地巡礼コース立ち上げに関し、市役所観光課の宗森周平に協力することになる。 当初は畑違いの仕事にモチベーションがわかず、アニメに全く興味がない宗森周平の言動にイラつく並澤和奈だったが、やがて宗森周平の熱意を知り、自分の仕事として取り組む決意をするのだった。そして、地元の祭りとのコラボレーション企画として、サバクのキャラクターをペイントした祭り用の船を制作することを思いつく。だがその実現には数々のハードルがあった。 ■ 最終章「この世はサーカス」 結末と後日談。 王子千晴で大々的に物語を立ち上げるものの、彼が活躍するシーンはあまりない。並澤和奈が一番で、斎藤瞳が二番というところだ。これはおそらく、連載媒体が「anan」だということが大きく影響していると思われる。格好良い系のキャラクターよりも、平凡そうに見える人がハッピーエンドに向かっていく方を上位に取っているのだろう。 大きく扱われた二人についても、ハッピーエンドの方向性がかなり違う。一人は仕事で成功して次のステップに進むし、もう一人は恋愛的に成功する。そして後者の方が大きく扱われているということは、読者がそちらの方に大きな興味を持っていると編集部が考えていると解釈すべきだろう。もしかすると連載中の反応を受けて、ストーリー構成の手直しが入っているかもしれない。 | ||||
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商品説明を読んでも意味解らないなとそのまま おもしろく一気読みしてしまいました 視点の違う話が3章ありその後なるまとめ章があります 全部時間軸が繋がっているので違和感なく 頭をリセットせずに読めるのはいい 個人的には3章目が驚きと被せがすごかったなと アニメ好きたけど製作サイドはこんなんなんだと 初めて知ることも多かったしこれからのアニメの 見方も変わったので読んで良かったです | ||||
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辻村深月さんは前に読んだことのある3冊ほどが、偶然なのか、どれも著者の故郷を舞台にしたらしき、じとっと暗い感じの作品だったので、これは全然違っていて、驚きました。文章そのものもこれまで読んだものとは違うシャープな印象で、王子なんて名前のイケメンのカリスマアニメ監督が出てきたりと、冒頭からワクワクして読みました。アニメをいろいろ見ていると、どうしても裏側の世界が気になってくるもので、そういう世界にリアルに触れられたような感覚があって、物語世界にのめり込めました。お仕事小説と分類されるものはいくつか読みましたが、私のなかではこれが一番興味が持てて、おもしろかったかも。 | ||||
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最初は派遣社員のアニメ?とか思いましたが、全然違いました(笑)アニメ制作の裏方を支える人達のお話でした。製作会社、プロデューサー、監督、原画絵師、声優などなど、あまり知られていない業界の裏側からみたアニメ制作について読みやすいフィクションとして描かれていて、読んでいてとても勉強になりました。アニメ業界を目指す学生さんとか読んでみると面白いと思います。普通に読み物としても楽しめましたw | ||||
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舞台設定をアニメ界にするというマーケティングバリバリの小説。 ターゲットを狙いすまして当たりを狙いに行く商魂 辻村深月恐るべし・ | ||||
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なんか、この作者の以前の「水底フェスタ」を読んだ印象が良かったので買っちゃいましたが、全体的に肌に合わずに読み切らずに置いちゃいました。 ライトノベル系はまったく読まないのでこういう文章やノリが一般的なのかどうかは知りませんが、 私の感覚だと有川浩の劣化版にしか感じませんでした。 文章も話しもなんか違う。 もうちょい、サブカル好き魂がくすぐられる文章を期待したのですが、なんか違う。 そういえば、この人の作品「〜マーダークラブ」みたいなタイトルの物も肌に合わずに途中で置いてました。 | ||||
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アニメ業界が舞台と聞いて、ちょっと引き気味だったんだけど、姪に奨められて読みはじめたら、ホントに一気読み。「いい仕事」を成し遂げるために、日夜頑張る主人公たちの奮闘ぶりに思わず引き込まれてしまうこと請け合いです。きちんと取材をしてかいているから臨場感もたっぷり。辻村さんの作品の中で一番胸躍る作品でした。 | ||||
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この話は、 『イケメンアニメ監督と美人プロデューサー』 『地味な女アニメ監督と外ヅラのいいやり手プロデューサー』 『オタクアニメータ女子と熱血公務員』 を四つの章で描いたアニメ業界を舞台にしたお話。 予想以上に面白くて、分厚いですが一気に読んでしまいました。 ananで連載しているのは知っていたけれど、CLAMPの挿絵とチラッと目に入った「声優」の文字ーー。 すぐさま、オタクっぽい話なのだと察知してその手のものをテーマにした作品はあまり好みではないので、雑誌は買っていてもこの作品は全く読んでいませんでした。 しかし、本屋さんの新刊で発見し、あの連載が本になってる!と何だか気になり購入。 イケメンアニメ監督とモデルのように美人なプロデューサーのお話から始まるのですが、アニメ業界の裏側…というよりももっとライトなお話。 著者が後書きに「私の願望も含まれている〜」と書いてあって、それがリアルだときっと過酷すぎる“アニメ業界”という舞台を華やかに魅せてくれています。 少し少女漫画っぽい雰囲気があって、きゅんとしたり、共感したり。 特に最後の『オタクアニメーター女子と熱血公務員』のお話は色々ジワリときました。 自分もオタクで、アニメやゲームが好きですが、このオタク女子の考え方や捻くれたものの見方に激しく共感。 そして反省…。 キャラクターの中で、彼女が一番成長していて、その姿がすごく素敵で清々しい。 ちょっとでも「自分と似てるかも」と思った人なら、きっとたくさんのギクッとする言葉があると思います。 全体的にテンポが良くて、退屈しませんでした。 ただ、これよくananで連載していたなと思いました(笑) 本の帯には「やる気みなぎるお仕事小説」とあるのですが、うーん、なんと言うか、これを読んで「仕事頑張ろう!」とは思えなかった。 それを期待して購入したのもあったのですが、アニメ業界の方ならそうなるのかもしれないけれど、多くのそうではない読者がそういう気持ちになるとは思えませんでした。 何より、登場人物が全員すでに仕事でそれなりの地位に就いていて、成功者なところがモヤッとしました。 苦労した時期が書かれていないので、地味でダメダメっぽいキャラも、世間的には雲の上の人というのが、キャラとのズレを感じました。 あと少なくともananを愛読するような女性は共感できないと思う。 それにしては“オタク”感が強すぎる作品です。 もちろん、アニメ業界を舞台にしながら、オタク度を低めに描写するよう意識しているのは伝わります。けれど 近来のアイドル声優事情や、プラモデルなど、ほんとに全くアニメなどに興味の無い方には分からなさそうだなと思いました。 あとは、何よりオタク女子の気持ちに共感できないのではと感じました。 随分オタクな話を連載していたのだなと。anan、なにがあった(笑) 一番勿体無いのが毎週の連載に一枚載っていたCLAMPの挿絵が全くないこと。 表紙と、扉絵だけで後はなし。 さすがに毎週分は無理だとしても、少しは入れて欲しかった…。 キャラクターがアニメっぽい分、絵を見たくなりました。 それとタイトル「ハケンアニメ!」は まんま「覇権アニメ!」の方が迫力があって良かった気がします。 キャラクターはこういう人いる〜っていうのと、これはいないよ(笑)っていうリアルとアニメのバランスが良いです。 アニメ監督の王子はアニメキャラすぎてちょっと引いてしまったけど、けれどラストの有科とのやり取りにはときめいた! やっぱりこういう俺様ドエスキャラって嫌でも心を掴まれてしまう(笑) 続きも読みたいと思える作品でした!面白かった! | ||||
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主人公となるのは、アニメ業界に関わる3人の女性たちである。 有科香屋子(ありしなかやこ)は、王子監督のアニメ『運命戦線リデルライト』のプロデューサーを務める女性だ。王子監督の作品『光のヨスガ』のファンで、それがきっかけでアニメに係る仕事をするようになったのだ。しかし、王子が失踪してしまい、右往左往することとなる。 2人めは、アニメ監督の斉藤瞳という女性で、王子監督の「リデルライト」と同時期に放映される『サウンドバック 奏の石』を作っている。彼女は人間づきあいが上手くなく、関係者とギクシャクしてしまう。 3人目は、注目されているアニメ原画スタジオ『ファインガーデン』で働いていて、神原画と呼ばれている、並澤和奈(なみさわかずな)だ。彼女の働くスタジオは新潟県選永市(架空?)にあり、『サバク』の聖地巡礼となっていく。彼女にとって、縁もゆかりもない地域でどんな行事があり、どんな人が住んでいるかに興味は全くなかったが、突然に聖地巡礼のための企画に参加することになる。 彼女ら三人の物語は別々のものだが、時間軸が重なる部分があり、各々が物語に干渉している。ただ、バラバラなんだけど、物語全体が一つにつながっている。時間軸はほとんど過去→未来であって、3人それぞれが、各時間を受け持っているようになっている。そのため、非常に読みやすい構成になっている。 アニメという特殊な題材を持ってきているので、アニメに対する社会から無理解だったり、ファンの反応や聖地巡礼という文化的な特殊性など、他の業種にはない部分も描かれる。しかし、本筋にあるのは、やはり仕事をする人そのものである。 どんな仕事でも、「いい仕事がしたい」、「どうすればいい仕事をしたって言えるのだろうか」という悩みがあると思う。それをアニメ作品を作る人々の様々な視点を取り入れることで、別に関係者でもないはずなんだが、より身近に感じることが出来る。そして、普遍的テーマ=「仕事」を、理解しやすい形になっているのだろうと思える。とてもいい作品だ。 ※ちなみに、この小説に出てくる、王子監督は、幾原邦彦監督がモデルと思われる。最後にスペシャルサンクスがあるので。 | ||||
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原画マンが背景を意識しないことなどありえない、とか、シリーズ中盤で納品週にMAするようなスケジュールは回復するわけない、とか、細かいツッコミどころはありますが、人間ドラマは王道な作りでそれなりに楽しく読めました。 ですが、劇中において「覇権」という言葉を概ねポジティブな意味として使っていることに大きな違和感を覚えました。 自分の感覚だと、「2chの売り上げスレとまとめサイト、及び特定の製作会社が作り上げた、円盤の売上のみに注視して同期に放送されるアニメ全てを揶揄する言葉」以外の意味は無いと思っていたので… 謝辞にアニプレックスが入っていて、あーなるほどね、って感じが… | ||||
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すばらしくおもしろかったです。 帯の煽り文句にもある「お仕事小説」に必要なすべてを備えている感じ。 同ジャンルの他作品に比べて突出しているな、と感じた部分は・・・・・・自分が作者の辻村氏と年代が近いからか「ぞくっとした」みたいな、アニメに対する直観的な感動の描写に共感できたところでしょうか。 辻村氏の従来のファンなら当然なのかもしれませんが。 実は『冷たい校舎の時は止まる』『ぼくのメジャースプーン』しか読んだことがありません。2作を読み終えて「他の作品も」と手を伸ばしたところ『凍りのくじら』『オーダーメイド殺人倶楽部』に当たり、どちらも途中で読むのをやめてしまった経験があります。 というのも、作中で登場する「とある実在する作品・作者」をモチーフとして扱いすぎだな、と感じたから。 「そういうことはしたらいけない!」 とは絶対言いませんが、京極夏彦作品にも通じる「過去の作品をとりあげることで読者の共感・好奇心を誘う」手法に反発を抱くタイプの読者を切り捨てる作風なんだな、と思っていました。 なので、当然この作品にも辻村氏の思い入れのある「実在するアニメ」が小道具として用いられるのだろうと思っていたのですが・・・・・、 そういうことはありません! 作中作は綿密な取材の上に練られた、独自のモチーフとして機能していると感じました。 『バクマン。』に登場するジャンプ作品のように、略称などを用意したり、複数のクリエイターによる行事のやり取りが描かれていたり、アニメ業界にかかわる多方面にアピールしたクールな作りです。 ・・・・・・ちょっと変則的な読み方をしても楽しいかな? 作中世界は、現行社会をそのまま描写しているわけではなく、なんとなく、現在のアニメ潮流の主流に、もう一本異次元的な流れがあるような気がしました。たぶん、ちがうかもしれませんが、90年代の夕方4時5時6時台、あるいはゴールデンタイムに放映していた、再放送や特撮を含む膨大な作品群『ライジンオー』や『赤ずきんちゃちゃ』とか『ポワトリン』とか、もちろん『エヴァ』のような「夕方枠」を待望しているオタク層が、根強く生き残っているような・・・・・・・そんな空気。 ・敏腕女性アニメプロデューサー ・新進気鋭の女性アニメ監督 ・地方在住の「神」作画評判のある女性アニメーター の三人を狂言回しに展開していくお仕事小説。 三人ともすでに評価が高くとも「個人の天才クリエイター」というわけではない部分を骨子に、クリアしていかなければならない問題の卑近さが浮き彫りになっていきます。 「アニメーターになりたいな!」 とちょっとでも思えたので(もうなれませんが)、直観的に名作だな、と感じました。 そしてたぶん、どこまでもオタクに優しい作りこみ。 以下は、個人的な話なので読み飛ばしていただきたい。 作中で唯一「天才」監督肌の王子監督はわかりやすすぎますが・・・・・・、 こう、瞳監督と声優陣を「某女子高生バンドアニメ」の女性監督と声優陣と妄想してもいいし、逆に「ロボットアニメを撮る女性監督」ってとこでキャラ読みしてギャップにもだえてもいいし、香屋子Pの苦労をル・グインと駿監督を引き合わせた時の鈴木Pとダブらせてもいいし、『サバク』は『サンバク』って呼ばれるだろうなあ、とか・・・・・・、 本当に個人的にオトクな作品でした。 映像化するならアニメとドラマ、両方やってほしいな。 「お仕事小説」は物語的に宿命的な欠陥を抱えていて、作者が「まったく畑違いの業界を取材して書いた」場合、必然としてあんまり貶めるようなことを書けない、というのがあると思います。宿命的にハッピーエンドが待っているような。 しかし、前述した良点が(とくに作中で流れている夕方枠アニメへの愛のようなマジックリアリスムのようなものが)これまでの職業モノにない効果を生んでいるのではないでしょうか。 | ||||
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章毎に主人公が変わります。 1章はアニメプロデューサーの女性、2章は監督の女性、3章はアニメーターの女性です。 それぞれの視点・立場で書かれているので、各章共通の登場人物がガラッと変わります。 各章の時間軸が同じなので、再読すると、ライバル同士の攻防など、より面白みが増します。 流行の聖地巡礼が取り上げられていて、苦労の様子が垣間見えます。 私の住んでいる市もアニメ化されたマンガの舞台で地味に聖地イベントをやっていたので、裏側はこんな感じだったのかな?と身近に感じながら読めました。 そこそこアニメが好きという方や、これからアニメ業界に入りたいという人向けかなと思いました。 | ||||
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