■スポンサードリンク
(短編集)
秋の牢獄
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
秋の牢獄の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全68件 21~40 2/4ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
恒川光太郎の独特の世界観が余すところなく表現されています。あまりにも異次元な世界観のはずなのにどこか私たちの現実世界と接続されている。読み終わると今いる世界のすぐ側に異次元があるんではないか、そういう読後感 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
こういう短編集好き。何度でも、読みたくなる。不思議な話の中に毒がある作風が好きです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
SFテイストの強いホラーといった感じの一冊です。 しかしながらどの作品も「牢獄」というテーマが感じられ、読み応えは十二分にあると思います。 どの作品もラストは丸く収まって終わりといった形ではなく、ずっと同じことが繰り返されていくといった感じの終わり方をしているので、そういう意味で言うとホラーなのかも。 ただお話によっては好き嫌いが分かれるかもしれませんね。三作目の「幻は夜成長する」はちょっと表現が苦手だったので星を落としました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
秋の牢獄を読むにつれて、ぞくぞくします。神家没落はサラと読んでいます。幻は夜に成長するは先がきになりどんどん読んでいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトル自体は本作に収録されている作品のひとつと同じものですが、この「牢獄」という単語、案外本書に収録されている三つの短編に共通したテーマなような気がします。 各話の主人公は三人ともなんらかのものに「閉じ込められている」状態で、ホラー小説というよりファンタジー小説に近い雰囲気ですが、どこか息苦しく閉塞感を感じる仕上がりになっています。 三者三様、どの短編もとても面白い。同作家の「夜市」がまったく肌に合わなかったので、本音を言うと本作も全然期待せずに読んだのですがあまりの面白さに一気読みでした。文章自体はやや簡素で好みからは外れるもののそれを補って余りある設定・展開の面白さは魅力的。 ホラー小説という面でややパワー不足の点は否めませんが、「こんな状況に自分が陥ったらどうしよう」と読み手の想像力に訴えかけるものがあり、ぞわぞわと恐ろしさを感じました。 特に短いページ数で展開が二転三転した移動する家に閉じ込められる男の話がお気に入り。他の作品も是非読みたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
神様の家が出現して後継者になったり、特別な力のせいで神様にまつりあげられたり、選ばれた人間の描写が上手いし好き。崇められる側もフツーと変わらないのかも、むしろ迷惑なのかもな。特別とされる側の孤独や哀愁がよく伝わってくる作品が多くて、ホラーで括るのはどうかと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
恒川さんの作品は夜市が初めてでした。 非現実的なのにどこか現実に存在しそうなふわふわとした不思議な世界観でファンになりました。 今回の秋の牢獄もとても深いお話ばかりです。 秋の牢獄は11月7日から抜け出せなくなったリプレイヤーと呼ばれる人たちのお話です。 時間を1日前に戻すことが出来たらどんなに便利だろうと。ですがもしそれが永遠に続くとしたら・・ このお話を読んで考えさせられたことは明日が来ることがどんなに素晴らしいと言うことです。 朝起きたら目が開いて一日が始まる。当たり前かもしれませんがそれが当たり前ではないかもしれません。 眠っている間に命を落としていたら・・起きたとしても事故で命を落としたら・・ そう考えてみると生きていることや明日が来ることは当たり前のことではなく本当に奇跡に近いんだなあと思いました。 表題作の他に「神家没落」、「幻は夜成長する」など幻想的でどこか哲学的なお話です。 言葉で表現するのが難しい。だからこそ興味のある方は一度読んでみてほしいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『夜市』、『秋の牢獄』と二冊で五編の作品を読ませていただきました。 恒川光太郎さんの文章はシンプルできれいにまとまっていてけっこう好きでした。 一方、話の内容の方は、毎回世界観はすごく好きなのですが、最終的な感想はイマイチぱっとしない感じで、おしいなーと思っていました。 しかし、本商品の3つめのお話である『幻は夜に成長する』だけはすごくおもしろかったです。すごくおすすめです。この作品が収録されているので星5です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
夜市/風の古道が大変面白かったので買いました。 こちらもなかなか良かった。 ことに文章に余計な装飾や気取った言い回しがなくて読みやすいのが良いです。 3編のうち2編は「世にも奇妙な物語」にそのまま使えそうな感じ。 ↓今まで読んだ恒川さんの作品のうち面白かった順 風の古道>夜市>神家没落>秋の牢獄>幻は夜に成長する | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
掲載されている三編とも、何かに「閉ざされる」ことを題材にしたお話です。 好みは分かれるかもしれませんが、個人的にはいずれも楽しめました! 恒川さんの独特の世界観や、読後の余韻がいい感じです。 気負った感じのないフラットな文章なのですが、 気が付くとすっと異界にさ迷いこんだような感覚にさせられるのは 流石だと思いました。 この方のファンタジー小説は今後も追っていきたいです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
単行本としては三作目、三つの中編が収められています。 自然や空気、都会の人の流れ、情景を描く筆の滑らかさにいつも感心します。 独特の幻想小説はこの筆調とセットだからこそ輝くのだと思います。 表題の「秋の牢獄」は正直、少し冗長かとも思いますが、 「幻は夜に成長する」が素晴らしかったです。 このドロドロとした情念や先の見えない恐怖、滅入る話の筈だのにとても魅力的です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
平易な文章で、これほど神秘的な世界を描けるのかと、驚きました。 三篇の内、特に最初の一遍、タイトルナンバー。 その最後の一行になぜ心が震えるのか、自分でも分かりませんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
恒川光太郎さんの本は文庫になっているのしか読んでいませんが僕はこれが一番好きです。 どの話も外れが無い。中でも表題作の秋の牢獄は素晴らしいの一言。 最後の一文を読んだときは鳥肌が立ちました。 別に大どんでん返しがあるとかそういう訳ではないんですが、余韻を残して本当に自然に物語がフェードアウトしていく。 いい意味で主人公のそれからを考えないですむ、本当に素晴らしい話だったと思います | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
以前読んだ恒川さんの「夜市」と似てますね。驚きの展開や泣ける人間描写はありませんが、洗練された文章や一風変わった設定には舌を巻きます。短編集なので気軽に読めるのも○。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
既に書かれている方がいるとおり、デジャヴュとしてはめずらしいものではない。 SF的に考えれば新スートレック118話「恐怖の宇宙時間連続体」の方が遥かにSFである。 したがって読んですぐにネタとしてはたいしたものではないと感じてしまったのだが、読むにつれて主人公を含む人間描写の引き込まれていった。 とはいえ他の作品に比べれば、甘いと言わざるをえない。 この作品は最後の一行、主人公の短い言葉が作品を最後の最後に上げる結果となった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
デビュー3作目となる07年作。透明感ある文体で綴られる、怖いようなどこか懐かしいような世界とそのリリシズムがやはり独特で、素晴らしい。 十一月七日、水曜日を何度も何度も繰り返すことになった女子大生の姿を描く表題作「秋の牢獄」。その日どれだけのものを積み上げ、あるいは失っても(たとえ事故を起こして死んでしまっても!)、朝になれば全てがリセットされまた同じ「十一月七日」が繰り返される、という世界。物語は、そんな世界において同様に「リプレイ」を体験している仲間たちとの出会い、そしてある日突然訪れる「終焉」を絡めながらどこか幻想的な儚さを感じさせるヴェールの中で展開する。 続く「神家没落」でもまた、現実と一本線を挟んで並存しているような異世界が描かれる。非常に限定された閉鎖的な空間、という意味で前編と共通しているが、こちらでは後半で生身の「悪人」が登場することで、先のノスタルジックな透明感とはまた違った、憎悪の色を孕んだドライヴ感が生まれている。 そしてラストの「幻は夜に成長する」はまた先の二編いずれとも異なるテイストで、しかし同様にあるものに「囚われている」女性の半生が描かれる。クライマックスに向け高まっていくその情念はホラーのようでいて、しかしその女性の持つ凛とした佇まいやそれを描写する美しい文体が、この作者にしか書けない異世界の磁場を生み出している。読中の昂揚感もさることながら、読後の余韻に素晴らしい深みを感じる三篇。絶品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「秋の牢獄」「神家没落」「幻は夜に成長する」の3編で構成。 「秋の牢獄」については読んでる途中、この発想の作品、映画はよくあるパターンと思ったりもした。 作中でこんなことが映画にあったと言われているのはビル・マーレー主演のコメディー「恋はデジャ・ブ」のこと? などと思いながら読み進めていた。 だが、北風伯爵が絡む中盤から後半の展開には引き込まれた。 この作家ならではの読み応えのある内容だ。 「神家没落」は「風の古道」に近い、現実世界に隣接する異世界に踏み込んだ人間の話。 悪人の登場で物語がラストに転がるという展開も「風の〜」に近い。 もちろん面白い。 「幻は夜に成長する」は異世界ものではなく、異能力をもつ女性のモノローグによる物語。 特別な能力をもつ女性をめぐりストーリーが展開する。 たとえば「クロスファイア」とかでおなじみの展開の 異能力者に対する周囲の人間たちの敵意、恐れが描かれているのだが 独自の幻想性があり引き込まれた。 この作品はこの作家にとって実質初のホラーとなりえるかも。 連作を是非希望する。→この後はこのテイストの作品は書いていません。 彼の著作はデビュー作から一気に三冊読んだので、 ちょっとほかの本を読んでから次作を読みことにしよう。 この人の本って読んでるときの味わいが格別なので大事にしたいので。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
舞台を整えるための装置、構成にかけては円熟味を増した老齢作家に 負けずとも劣らずといっては、褒めすぎでしょうか。 3作目では、落ち着きはらった文章がいっそう肌に馴染んで浸透します。 表題作の『秋の牢獄』 無限にくり返す時の流れ。 それは個人の意思に反し、あざ笑うかのように幾たびもあいまみえます。 あれほど恒川ワールドの代名詞でもあった幻想世界において、何故ループものなる 雑草のように、辺り一面に散らばったカテゴリに着目したのか不思議でしたが、ふと、思いました。 これは、紛れもなくホラーです。 序盤こそ、抗う姿が見受けられますが、誰しもが空間からの束縛に心が病み、諦観しています。 まだ若いはずであろう、主人公や隆一なども、解決策がないとはいえ、まるで亡霊のように 生気をなくしています。見るも無残な結末とはこのことだと思いました。 『神家没落』 自分は少し、穿った見方をしてみました。 物は使いようという言葉の恐ろしさとポテンシャルを痛感しました。 ただ、余生を恙無く過ごしたいなんて平和的な考え方の人間もいれば 犯行現場を見られず、また自分の足がつくことはないと楽観し、人道的行為に及ぶもの。 そんな、人の深層に潜む、人の本性をさらけ出すのが隠れたテーマだと自分は思います。 『幻は夜に成長する』 何度でも読み返したくなる妖しさを秘めています。 こちらの話は、肉体と精神の2重束縛といいますか、完全なる空間支配をうけるという意味では 前者2人を凌駕し、絶望すら感じられなくなっているところが恐ろしい。 宗教団体も登場しており、冷徹的なまでの悪役っぷりに徹しているのが不気味です。 でも、なぜか感じる消化不良。あまりに悪役が極端すぎたせいでしょうか。不満が残りました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
夜市でもその美しい物語と構成に感服しましたが、今度の作品も素晴らしいです。 小難しい表現の仕方や言い回しはまったくないのに、それでいてチャチくならない、本当に質の高い作品だと思います。 季節や色彩が活字を見た途端に浮かんできます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
明日が来ると信じて疑わなかった私に突き付けられた現実。それは11月7日、今日が繰り返されるということ。夜眠って朝になるとまた11月7日。何かを今日しても朝にはまたゼロから始めることになる。 ただ、記憶だけは消されずに毎日過ごしている。けれどある日、私以外にも11月7日でループしている人々がいることに気づく。そして彼らとの交流。私はいつまでここに居続けるのだろうか? 毎日何気なく過ごしているけれど、本当に私は明日へ行けるのだろうか?ちょっと怖くなってしまいました。 誰でも一度は「今日が続けばいいのに」って思うことがあると思うけれど、本当に続くと…。 夜市の透明感とはまた違う。全体的に冷めている。毎日を続けることにパニックになりそうなのに、主人公やループしている人々はなんとなく慣れて、だんだんとその状況を受け入れている。 先があるようなないような世界。閉塞感があるのに息苦しさはない。 とても心がざわざわする一冊でした。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!