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(短編集)
夜市
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夜市の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全265件 241~260 13/14ページ
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ホラーは読んだことがなかったのですが、本屋さんで見つけてタイトルと表紙に惹かれてしまい手に取りました。 『夜市』と『風の古道』の2作が収録されていますが、別々の作品でありながら、何処か通じるところがあるような気がします。 『夜市』の世界はとても幻想的で、すぐに引き込まれてしまいました。ラストの静かな終わり方には切なさが残りました。 『風の古道』は、描写が丁寧なせいか、風景が頭の中に浮かんできて、物語に入りやすかったです。 どちらの作品も一言で言い表すならば「不思議」な作品なのですが、色々な要素が盛り込まれていて、ちょっと考えさせられたりもする、想像していたより濃い内容でした。 | ||||
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失われしものを取り返しに行く、その着想に、驚きました。最近にない、新しい感覚を呼び起こさせる、ホラーだと思います。ホラー好きには、たまらない、ニュー・テイストを味わえます。 | ||||
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私はホラーは読まない。でも色々な方たちが絶賛していたので思わず買ってしまった。 この本は表題作の「夜市」と、「風の古道」が収録されている。どちらも綺麗な作品だ。風景描写がとても鮮やかだ。夜市の方は、後半の展開に驚かされた。まず、設定が凄いと思う。あんまり詳しく語ってはいけないのが辛いw 風の古道は、夜市から繋がる部分がある。どちらの作品も、現実社会から遠ざかった話で、ホラーというより、ファンタジーかも知れない。かといって、ただほんわかした妖精が出てくる話でもない。独特の雰囲気がある本だと思う。思わずその雰囲気にのめりこんでしまう。 恒川光太郎の本をもっと読んでみたいと思わせる作品だった。 | ||||
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ハードカバーにしては薄い本で、読み始めてもなんとなく字数がすくなく、あっさり読み終わるかもと思ったのですが、 これがなかなか中身の濃い本でした。 メインの登場人物であるいずみと裕司の関係が少々希薄で、夜市にいったいきさつもなんとなく?という感じがしたのですが、 それも伏線だったとは、少々オドロキでした。 いわゆる”こうなるだろうな”と言う予想を かなり大きく裏切るストーリー展開には脱帽でした。 とはいっても、わたしとしては書き下ろしの「風の古道」のほうが、より面白く読めました。 どちらの作品も根底にあるのは”だれでも迷い込む可能性のある不思議な場所”ですから、 ストーリーにB.G.M.をつけるとすると、 同じ曲になってしまうかもしれませんが、 「風の・・」はわたしが主人公になる可能性がある、 いや、なってみたいと感じるくらい、 興味をそそる世界でした。 | ||||
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眠れなくなるような恐怖感を味わってこそホラー小説だ、 なんて考えている人は肩透かしを受けると思いますが、 そういう定義は持っていない人、そういう事にこだわらない人ならば、 純粋に楽しむ事が出来る小説ではないでしょうか。 文章も読みやすく、世界観も構築されていると感じます。 朱川湊人さんの「都市伝説セピア」「花まんま」「かたみ歌」などの 作風が気に入っている人ならば、楽しめるだろうと思います。 逆に言えば、この「夜市」が気に入った方で、 朱川湊人さんの小説を未読な人は、朱川さんの小説 (「花まんま」など)も楽しめるのではないでしょうか。 表題作の「夜市」も悪くはないのですが、 個人的には「風の古道」の方が印象に残りました。 次作以降も期待したいです。 | ||||
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何でも売っている「夜市」。まさに現実ではない世界に入り込んだ男女のやりとりが、自分の身近な人が軽い話題を話しているような口調で描かれ、ありえない「夜市」がすぐ近くにあるようなじわっとした怖さが迫ってくる。ストーリー展開に引き込まれる。書き下ろしの「風の古道」もいい。切なさの残る読後感。 | ||||
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「市」という語からまず連想する活気だとか賑わいだとかは「夜」の一語で消え、見てはいけないものがあるような空恐ろしい何かが待っているようなそんな印象が残る。大学生のいずみは、男友だちの裕司に連れられて夜市を訪れる。ふたりを迎えるのは、「永久放浪者」や「一つ目ゴリラ」が開く店の数々。いちいち不気味な怪物たちだが、その描写はリリカルで懐かしい。市、人攫い、妖怪といったモチーフはすべて民俗学につながり、民話や昔話を思い起こさせるからだろうか。裕司には、子どものころ夜市に置き去りにした弟を買い戻すという目的があった。罪悪感と喪失感にさいなまれながら裕司が十年あまりを過ごした世界、夜市、そして夜市をはさんで向こうにあるパラレルな世界。そのからくりが一望できたとき、すべてが浄化されたような静かな爽快感がある。一見ホラーらしくない幕切れのすぐ側で、浄化を拒んだ存在によって残される悲哀が、日本の怪談らしい余韻を生む。 | ||||
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本のタイトル作品である「夜市」ももちろん良い作品なのですが、私は「風の古道」に読み応えを感じました。 たまたま舞台設定が自分が住んでいる小金井公園付近であると言うこともあるとは思いますが、ついついその古道を探してみたくなります。まあ、もしあったとしても入りたいとは思いませんが。 いずれの作品も文章はシンプルでありながら、深みのある世界がうまく描かれていて、余韻の残る作品になっていると思います。 「夜市」は日本ホラー小説大賞受賞作品とのことですが、いわゆる「ホラー」とは一線を画し、日本古来の伝承を小説としてよみがえらせた「ファンタジー」といった方が適切かもしれません。 すごく楽しみな作家がでてきたと思います。次回作が待ち遠しい。できれば長編でどっぷりと「恒川ファンタジー」の世界に浸りたい。 | ||||
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幼い頃、弟と引き換えに野球の才能を手に入れた話が、ずっと続くのかなぁ? と、思っていたら、あっさり本の途中で終わってしまってやや残念な感じ。短編だったのね。と、思った。 夜市の次に書かれていた作品が【風の古道】 小金井公園で迷子になった少年が歩いて、家に帰る事に。そこで、不思議な道を通り無事に家にたどり着く。12歳になって再びその不思議な道を通って友達と、小金井公園に行く事に・・・。 夜市ばかりに囚われていましたが、読んでみると【風の古道】の方が、味わいがあり、小説なのに絵本を読んでいるように、景色が頭に浮かぶ作品でした。 | ||||
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少年時代にむき出しの欲望で願望を買う。 それが現実の貨幣経済の世界にも通ずるリスクを背負う恐怖と重なるとき、この世も夜市かという不安がじわじわと拡がる。 夢のような話でたんたんと進む文章に恐怖など感じない。だけど、そのシーンを描いていくとかなり恐い絵になると思う。 主人公の少年と少女の恐れと老人のそれは違うようだ。読む人によっておなじことがいえるかも。 なかなか奥深い・・・かも?! おもしろい | ||||
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さらりと読め、後味も悪くないです。ちょっとの寒気と切なさと あたたかさと、という感じでしょうか。 夜市という響きに興味をかきたてられ購入したわけですが 大正解でした。 読まなくて損をするということはないですが、読めば誰かと語りたくなる、 読んで良かったと思える一冊です。 ホラーというよりファンタジー色が強いので子供でも楽しめると 思います。ラストはほろりとさえします・・・。 この夜市を映像として見てみたくなるのは私だけではないはずです。 | ||||
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日本ホラー小説大賞ということで読みました。 すごく幻想的で美しい世界観を持った小説だと思いました。 収録されている両方の作品にいえることは、私達の世界と、異界とが交差し、その異界を感じることが出来るものだけが異界に触れられると言うことです。この異界は、幻想的で誘惑的です。たぶん、ここに迷い込んできた者は、少なからずこの異界に魅せられているのではないでしょうか?また、誘惑的なのは登場人物に対してだけでなく、私も誘惑されてしまいました。読み終わった後に、たとえるなら、すごく美しい情景の夢を見た後に、もう一度見たい、その情景を忘れたくない、と思ったときの感覚に似ていました。それと同時に、懐古的な印象も受けました。 ◎夜市 主人公の裕司は、幼い頃、弟と夜市に行ったことがある。夜市は、いろいろな世界が交差している市で、そこでは異形の者たちが様々なものを売っています。ここで手に入らないものはありません。そして夜市にはルールがあります。買い物をしないと帰れないことです。裕司は、弟と引き換えに野球の才能を買います。そして裕司は大きくなり、再び弟を探すため、夜市に向かいます。 紹介文にあったように、奇跡のラストってほど大どんでん返しがあったわけじゃないけど、なるほど、といった感じです。老人の語りは新人っぽさを感じましたが、夜市の情景はよく描かれています。 また、裕司の苦悩もよく書けていると思いました。 ◎風の古道 7歳のときに迷子になったのがきっかけで見つけたお化けが出る(?)不思議な道。主人公の私は12歳になり、友達のカズキとその道(古道)に入り込む。 『風の古道』があることによって、恒川さんの世界が広がったような感じがしました。また、ストーリーについては、たんたんと進行していきますが、ラストは切なくて良かったと思います。 作者の次回作が楽しみです。 | ||||
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とても読み易い本です。 字数稼ぎのまわりくどい表現など全く無く、興味を惹く内容で一気に読み上げてしまいました。 どちらかと言うと童話・寓話といった感じで、ホラー作品といいながらも、背筋が凍りつくような恐怖感はありませんでした。 背筋がゾクゾクする程のホラー好きの方には物足りなさがあるかもしれません。 どこか懐かしさを感じる作品で最後の展開には胸が熱くなります。 | ||||
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デビュー作でこれだけのクオリティの作品をを提供出来るとは。 古今東西を見渡しても、殆ど発見出来ないのでは無いだろうか? とは言っても、短調なリズムの文章は読む人によっては飽きる事もあるだろう。 まあ、短編なので、気にならないまま、むしろ無駄の無さが際立つので、気付かないまま読み終える事も可能かも知れない。 表題作「夜市」 簡単に言えば、良くあるテーマを使っている。 純和風な雰囲気を崩さない所に好感が持てる。 ただ、説明的な部分が少ない所と、多い所にむらがある。 (まあ、それも味になっているので、気になる程では無い) 全体的に怖い→告白→真相→結末という進み具合で、起承転結がまとまっている。 結末は余りに自然に持っていかれるので気付かないのだが、実は仕掛けがある。 殆どの人が気付かずに、普通の終わり方だったのでは、と思っただろう。 が、それはこの著者の上手さにあると私は思う。 ヒントは世界観の広がりを意識できたか出来ないかである。 選考委員の一人高橋氏の評をじっくり読む事をお勧めする。 「風の古道」 簡単に言えば、迷い込んだ世界の道を歩きながら、元の世界への帰り道を目指すお話。 凄いと思ったのは、この道の使い方が上手い点である。 ネタバレになるので書かないが、「道」という言葉の意味は複数あるので、確認をしてみてください。 ラストの数行を導き出す為には、普通は長大な長編小説が必要です。 それをこれだけのページ数で、導き出した点は大評価できます。 正直に言うと、ラストの数行でジーンと感動しました。 それまでの展開が頭の中で繰り返されて…… 二作とも本当に素晴らしい出来です。 それにしても、デビュー作という事を忘れてしまう程の慣れた文章だった。 (直木賞取れるかな? このレビューを書いてる時点で、選考前日です。) | ||||
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第12回ホラー大賞受賞作品「夜市」と 書き下ろし作品「風の古道」 見事にこの人のジャンルが形成されていて驚きました。 完成度も高く、幻想的でありながら、視覚のみでない人間が持つ欲望からの 精神面から迫るホラーが見事です。 自分の望みが叶うものが必ず売っている市がもしあって 辿り着くが出来たなら・・・・ どんな物でも差し出して人間は手にしようとするかもしれない 人間が持つ弱さがあるから三度しか訪れることが出来ない悪魔との取引夜市 異形に足を踏み込む人間の儚さ、弱さが物哀しくこの本で輝く この人の本の面白さはラストに向かうオチにもある ネジを少しずらすように、オチでそれまで描かれていた世界も歪むのだ その歪みが絶妙で思わず唸る | ||||
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これほど静かな小説で大騒ぎってのも妙なものだ。一読、すらすらと読み進み、すっと終わってしまった。面白いが、騒ぐほどのことか?と思えば3日も経って妙にザワザワとした読後感になっている。不思議なものだ。表題作はあちこちにある「学校の花子さん」的な夜市伝説だが、「夜市」はおそらく五十嵐大介の漫画「お囃子が聞こえる日」からインスパイアされたものか、あるいは正面からパクったか?驚くほど似ているな。件の漫画を小説化しましたと言われたら信じるな、意訳として。並録の「風の古道」のほうが背筋にくる冷ややかさがあって印象的だ。子供の頃、夜はもっと暗かったことを思い出させてくれた2篇。何かが引っかかっているが、その引っかかりが五十嵐のパクりだから、というだけではなさそうなところがまた引っかかる。同じモチーフを変遷させながら大きな金脈を導く天才・伊坂幸太郎に続くことが出来るか、次を楽しみにしています。 | ||||
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「夜市」と「風の古道」が含まれた一冊。ふっと絵が浮かぶほどビジュアルで余韻を残す文章が実に印象的。しかも職人芸的に無駄がない。「風の古道」より「夜市」の方が完成度が高い気がするが、好みのレベルだろう。 | ||||
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百鬼夜行の世界に迷い込んだ様子が描かれる。しかし物語が進むにつれて、必ずしも迷い込んだのではなく、必然に導かれていたことが明らかになる。がっちり組まれた虚構性と、描きこまれた叙情的な風景とが確かな小説世界を形作っている。 「夜市」と「風の古道」とは、似たような世界(この世とあの世の間の世界)を描き、少し重なりを持つ。二つとも、この世の論理を超えても果たしたいと願う妄執の、悲しい帰結を形にしている。表題作よりもむしろ「風の古道」の方が、整合性と広がりを持っているように思う。 1月5日の今日、本書は18年上半期の直木賞候補となった。東野圭吾や恩田陸などの大人気作家と伍してのノミネートは、このデビュー作への出版界の評価の高さを物語っている。 | ||||
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「日本ホラー大賞」の選考委員たちが激賞し、各誌の書評も概ね好評と、恒川光太郎の「夜市」は、今、絶賛の嵐に包まれている。確かに、これがレビュー作とは思えぬ卓越して薫り高い文章力、抒情的で、郷愁を感じさせる雰囲気の中で描かれる"宿命"と"贖罪"の物語は、堂々たる出来映えだ。「夜市」でも「風の古道」でも、"理由"あって、放浪を続けざるを得ない者たちの哀しみと性は、胸が締め付けられるが、ただし、これはあくまで幻想小説、怖い話をお望みの方にはお薦めできません。それにしても、いかにも、高校や中学の現国の教材に使えそうな作品。 | ||||
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内容的には興味をそそる分野で、サクっと読めて面白かったです。 「小説」というカテゴリはニガテ・・という方でも 挑戦出来るものではないでしょうか? この方じゃなくても書けそうな内容ですけど、また読んでみたいとも思いました。 | ||||
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