■スポンサードリンク


光圀伝



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
光圀伝

光圀伝の評価: 4.29/5点 レビュー 68件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.29pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全68件 21~40 2/4ページ
No.48:
(5pt)

アニメ『シュヴァリエ』との類似が見られる歴史傑作

水戸光圀の生涯を描いた本作品。
歴史物だが一気呵成に読めるとっつきやすさと、
格式高い文体を兼ね備えたバランスの良いエンタメ。

読み進めている時、デジャヴュのように
ふと脳裏に浮かんだのはアニメ『シュヴァリエ』だ。

かつて冲方丁が原作・シリーズ構成を手がけたアニメ、
『シュヴァリエ』はルイ15世の治世のフランスを舞台に
「王権」というテーマについての陰謀劇だった。

場所と時代は全く違えど、
いわば本作も「王権」の正統性に翻弄される
人々を描いた作品とも言えるかもしれない。

劇中で光圀が語るように、
すべての人はやがて歴史の一員となる。

本作もまた『シュヴァリエ』という歴史の上に
生み出された作品に思えてならない。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.47:
(5pt)

光圀とその時代

あらすじ 小説家・冲方丁による、水戸光圀の一代記。激流の中を確固たる決意と類まれなる行動力で突き抜けた、
徳川家随一の天才の生涯を渾身の筆致で描いた超大作。

この作品は光圀が、長年にわたって徳川家に仕えてきた重臣を自らの手で殺める場面から始まります。
肺に穴を開け血で満たし生命を絶つという手法は、若き日の光圀が、剣豪・宮本武蔵から伝授されたものでした。
宮本武蔵と光圀とが相対する場面は、今でも鮮烈かつ克明に記憶しています。

バガボンド愛読者の私は、思わず後ずさりしてしまいました。そして後ずさりした後、ゆっくりと元いた場所に戻りました。
あくまでも「ゆっくりと」です。

光圀の生命の始まりからその終結まで、一気に読了しました。この作品を読んだ日は平日で、
当時大学生であった私は履修している授業もあったのですが、そんなものはなんら問題ではありませんでした。
気が付いたら10時間以上が経過していて、その圧倒的かつ高度のエンタテインメント性を備えたこの作品に出合うことが出来た幸せを噛みしめていました。
そして、授業をなんら痛痒を感じずにエスケープ出来たことを、誇らしく思いました。

天地明察しかり光圀伝しかり、冲方丁さんの歴史小説は読み手に歓喜を与え、その作品世界に引き込む夥しい魅力を感じさせます。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.46:
(5pt)

人生の儚さ、それでも生きていかなければならない孤独さ

700ページを超える大作。

因みに、私は「天地明察」は途中棄権をしました。

水戸光圀という、誰もが知っているけど、本当は知らない人物ということで、手に取りました。

乱世が終わり、平和が訪れ、人々がパラダイムシフトを迎えた時、水戸光圀の溢れる力量が行き場を探す。

本当に大切な人との別れを乗り越え。

儚さを噛みしめる物語。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.45:
(5pt)

大変面白かったです。

いろんな意味で大変面白く感じました。光國が力み返ってお茶碗を握りつぶしたり,
読耕斎とやり合ったり。嘘のようなホントのような,妙な明るさとおかしみを感じました。

 読み始めは,いきなり殺戮シーンだったり,人間の首を煮ちゃったりで,正直「この話,
どうなっちゃうの?」でした。でもとにかく出てくる人が皆,くっきりとした輪郭を持った
魅力あふれる人間で,みんな面白い。

 分厚い本で,大変かなあと思ったけど,最後は読み終わるのが惜しかった。光國の史書
編纂事業じゃないけど,人がちゃんと生きていて,ずっと繋がっていくんだって感じました。

 もしも光國が生きていて,幕末の大政奉還を見たらなんと言ったでしょうね。
興味あります。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.44:
(4pt)

上下巻に分冊されてなくて良かった!

ご存じ、天下の副将軍「徳川光圀」の一代記。
水戸光圀が諸国を漫遊しなかったのは常識ですが
ここまで博学で胆力も体力もある方だったとは!

以下、ネタバレあり。

巻頭、いきなり晩年の光圀が
家臣を殺害する場面から始まります。

その家臣は巻の途中に旗本の子どもとして登場します。
私が年のせいで、登場人物の名前をちゃんと覚えられないので
光圀がかわいがるこの子どもか巻頭で殺害される家老と
同一人物とは、しばらくわかりませんでした。

が、分厚いまま1冊の本なので
え???と気が付いて巻頭のシーンを
読み返すことができました。
上下巻に判れてなくて本当に良かった。。。

三男にもかかわらず世子となったことに
疑義を抱きながら
「義」をつらぬくために、兄の子を世子とし
水戸藩を継がせる。。。

その「大義」がなったときには
おもわず涙が出てきました。

そしてその兄は、光圀の侍女に生ませた男子を
世継ぎとする。。。

途中、「天地明察」の安井算哲も改暦のくだりで
登場するのも、冲方ファンとしては、とっても嬉しい!

黄門さまへのみかたが変わること間違いなしの1冊です。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.43:
(4pt)

そぎ落とすと言うこと

紛れもない傑作だろう。
非常に静かな筆致の中からあふれ出る情熱と言うよりも情恨がにじみ出ている作品のようにも思える。
文に生きた人間の姿勢をそぎ落とすだけそぎ落として描いた世界は紛れもなく、戦いの日々だったのだろう。
そこには生きた人間と死んでからの人間の営みが鮮やかに描かれているのだ。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.42:
(3pt)

派手なキャッチコピーに比して、全くの期待外れの生温い一代記に終わってしまっており、『天地明察』よりはっきりと落ちる

江戸時代の雑学書を読むと、若かりし頃の水戸光圀は、辻斬りをするようなかなりの問題児だったと書かれている。それに加えて、本書の「泰平の世を駆け抜けた熱き“虎”」という派手なキャッチコピーを見て、私は、さぞや血気に満ちた豪快な一代記が語られているのだろうと期待していたのだが、率直にいって、本書は、全くの期待外れの生温い一代記に終わってしまっていた。 

本書の全編を通して語られているテーマは、おおむね、光圀の世子問題、詩歌で天下を取ること、大日本史編纂の三つといっていいと思う。このうち、世子問題はまだしも、詩歌については、「詩歌で天下を取る」という気宇壮大な台詞が再三にわたって出てくる割には、「そんなことで天下を取ったことになるの?」と思ってしまうような、典型的な竜頭蛇尾の結末に終わってしまっているし、大日本史編纂についても、光圀はあくまで指揮役に過ぎず、しかも一代で完結するようなテーマでもないことから、『天地明察』の改暦事業のようには一向に盛り上がってこないのだ。また、光圀が当時としては異例の73歳という長命であったことから、やたらと光圀が親しい者の死を見送るシーンが出てくるのだが(その数30人以上)、ごく一部の例外を除いて、総じて筆致が淡々としており、情感に乏しいのだ。 

これは、『天地明察』でも感じたことだが、筆者は、基本的に、ページをめくる手が止まらなくなるような力強い筆致で、ぐいぐいと読者を引っ張っていくようなタイプの作家ではないと思う。正直いって、この内容、この筆致で、751ページにも及ぶ大長編に付き合わされると、私は、「まだこれだけか、まだこんなに残っているのか」と、その長さばかりが気になってしまった。 

本書には、本屋大賞受賞作である「『天地明察』を凌ぐ傑作時代小説!」というキャッチコピーも躍っているのだが、作品的には、『天地明察』よりはっきりと落ちると断言したい。2013年本屋大賞の最下位第11位というこの度の書店員さんの評価は至極妥当なところだと思うし、もっといえば、そもそも、本屋大賞にノミネートするほどの作品ではなかったと思う。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.41:
(2pt)

ちと難し。い。

内容は興味がありましたが文体が硬直してますね。これも作者の意図するとこかも知れませんが
個人的には好きではありません。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.40:
(1pt)

駄作だと思う

『天地明察』の算哲の描写に共感して購入したが、現代っ子の光国や周囲の人々を描いているに過ぎない。しかも、元禄時代に向かう流れのなかでは光国は偏屈な大名の一人に過ぎない。著者の思い入れの深さはわかるし、史実を元に現代の世相を風刺するという手法もわからないではないが、光国の生きた時代と現代はかけ離れており、空回りが目立つ。物語を語る力量は認めるだけに残念である。
なお、光国が世子となったのは戦国時代のならいで優秀な子どもに跡を継がせたにすぎないと思う。儒教が徳川家の家学となったことから、成人した光国が長幼の序に反した行いとして恥じ、兄の子を跡継ぎとしたことは考えられるが、若い頃から兄に負い目を持っていたというのは現代人の感覚である。『本朝史記』(のちの大日本史)が後の世に持つ意味についてもすっぽり抜け落ちており、そこも不満。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.39:
(5pt)

天地明察より少しとっつき辛いが主人公には共通したものがありますね!!

「天地明察」の渋川春海、「光圀伝」の徳川光圀。
かたやヒョロヒョロ、かたや暴れん坊とキャラは違えど、自らの出自に思い悩み、様々な出会いを通じ成長していくという点では共通しています。
華々しい成功の陰に様々な失敗、苦悩を繰り返す主人公の生き様を通じて、人としてどう生きるべきか、時に逆境にあってどうあるべきか、実にたくさんのことを読者に投げかけてくれる作品です。
著者からの、夢を持って生きる人全てに送る賛辞とも呼べる一冊だと思います。
「天地明察」で登場した魅力的な人物たちを随所に出してくれるのもうれしかったです♪
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.38:
(5pt)

頁を繰る手を止めざるを得ない

徳川御三家の二代目水戸光國(のちに光圀)の生涯を描いた作品である。

テレビドラマはさておいて、事跡として思い浮かぶのは、大日本史という歴史書の修史事業を開始したことではないだろうか。本作品では、武断政治から文治政治へのターニングポイントを歴史的背景として、光圀がどのように人間的な成長を遂げていったかに着目している。青春小説であり、成長小説でもあるのだが、儒教思想に触れることができる教養小説の側面もある。

物語は、光圀が、ある男を刺殺するシーンから始まる。このとき光圀齢67歳。冒頭から、”何故”という、謎が投げかけられるのだが、答えは物語の最後までわからない。そこから、7歳の光圀が生首を引きずって歩く、衝撃的なシーンに切り替わる。幼くして剛毅、苛烈な光圀の生涯の物語の幕開けだ。

幼少のころから光圀を抱いていたのは、父頼房、兄竹丸(後の頼重)への反骨精神である。兄を差し置いて、世子となった光圀は、父頼房から試させる日々を送る。「なんで、おれなんだ」と自問する光圀。兄への複雑な敵愾心に苛まれる。この、「なんで、おれなんだ」が本作品の通底音として流れており、光圀の儒教精神である大義をかたちづくっていくのだ。

粗暴な少年時代の光圀は、間違いを犯しては煩悶し、時には悔悟の念にかられる。その時々に、手を差し伸べてくれる人々のおかげで、光圀は人間としてのさらなる一歩を踏み出していくことになる。「がんばれ、子龍(光圀の幼名)」、「がんばれ、世子どの」。この励ましの言葉を目にするたびに、私は、胸を突かれてしまう。特に、兄頼重との心の触れ合いは、私にとっての泣き所をいたく刺激されてしまった。

青年光圀は、詩歌に目覚め、文事の世界で天下を取ろうと決意する。良き理解者である最愛の妻、頑固で偏屈な友、自分を導いてくれる師、不器用な愛情を注いてくれた父。様々な出会いと、突然の別れを通して、光圀はさらなる人間的な成長を遂げていく。歴史という変えられない事実を前にして、私は頁を繰る手を止めざるを得ない。魅力的な登場人物たちに、別れを告げることが辛くなってしまうのだ。

物語は、藩主となった光圀の事業、光圀の大義のあり方、そしてクライマックス 冒頭の謎へと進んでいく。

冲方丁さんのアツイ気持ちが伝わってくる本作品は、ボリュームがあっても決して飽きさせることがない。男として光圀の人生に羨望を感じる。折々に精読すると、自分を見つめ直すきっかけがつかめるのではないだろうか。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.37:
(5pt)

圧倒される熱い光圀の生き方

光圀伝 冲方 丁 (角川書店) オススメ度:★★★★★(5) 「天守閣が燃えている!」江戸城が炎に包まれる場面、江戸の町並みが赤く染まり、人々がうろたえさまよう場面でそれまで読み進めることで揺さぶられつづけた感情の高ぶり、グッと胸に迫るものが一点に集約され最高潮に。明暦の大火。教科書で文字だけ追いかけていた事柄が熱く胸に迫ってくる圧倒的なパワー。そんな江戸時代の臨場感とそこに生きる人々の熱い思いを常に感じながら読むことができる強烈な一 冊。同時に大火事以上に熱いのが光圀の生き方そのも のであることも揺るがしがたい事実。「義」に生きると同時に「愛」にも生きる。その葛藤が時として辛く苦しい人生の茨の道を連想させる。しかし光圀は圧倒的な底力で次々とそれらを乗り越え乗り越え成長を重ねていく。その生き様に現代を生きる上での示唆を見出すことも、勇気をもらうこともできる、そして背中を押してもらうこともできる。人生を強く生き抜くために、必ず読んでおいたほうがいいと思われ る一冊。間違いない。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.36:
(5pt)

「黒い季節」からのファン

処女作を読んだのが小学生の時でした。それからずっとこの作者の作品を読み続けて来ましたが、文句無しの一番素晴らしい作品です。 資料の読み込み、文章の緻密さは圧巻です。レビューをお書きの方の中には「如何に史実に正確か」で評価をしておられる方も居ますが、作者がここまで練り上げて光國という人物を表現したのだと感じたときには思わず鳥肌がたつような感動を覚えました。単なる人物伝としてでなく、多くの人に楽しんで頂きたいです。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.35:
(5pt)

すばらしい!

一気に読み終えました。天地明察に続き、素晴らしい内容でした。
まだお若いご著者ですが、徹底したご研究あってのものと感銘を受けております。
今後もまた楽しみにしております。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.34:
(5pt)

作者の筆力に感銘

755ページを一気に読ませてしまう作者の筆力のすごさ。昨年読んだ本のベストワンです。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.33:
(4pt)

光圀

光圀とはこんな人だったのか?
そういうことが幼少時から、考えさせられる物語でした。
前作とはまた違った切り口。
今後も沖方の作品に期待します。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.32:
(3pt)

惜しむらくは詩で天下を獲った光圀公の伝記であるだけに

もう少し言葉を大切にして欲しかった。

 たとえば「光國様」。
 貴人を諱で呼ばうことの不自然さ。
 ましてや「後水尾院様」。
 院の遺詔によりて御自ら決めたもうた遺諡をいかにして水戸公が院の生前に知り得たか。
 さらには「藩」。
 この呼び方がはじめて現れるのは幕末ではなかったか。
 そして最後に「願わくば」。
 冀くは(こひねがわくは)著者みずから過ちの正されんことを。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.31:
(5pt)

現代に求められる優れた指導者を育成するための教育書

これは伝記であるよりも教育書である。優れた指導者を育成するにはどのようにしたら良いかを記した指南書である。もとより光圀は偉人ではない。大火による災害への対処・復興を成し遂げ、近親者の弔いを果たし、文事を発展させ、家名を盤石とした優れた指導者である。そのような指導者をいかに育てるかは現代において最も望まれるものであり、それが伝記の形で記載されている。
現代は道徳教育は役に立たない教科としてないがしろにされているが、江戸時代においては道徳教育こそが教育の中心であった。そして歴史学は道徳を実例として理解するための学問であった。そのような時代において、青年達は必死で道徳を修養し、自らの精神的な基盤として培っていた。そして命がけで義を、徳を、仁を、実践しようとしていた。それが優れた指導者になるための基礎となったである。 光圀伝は、そのような江戸時代の厳しい教育現場を克明に描写したものであり、指導者とはいかにあるべきかを記したものである。現代教育の欠落したもの、現代の指導者に不足しているものが何であるかを痛切に批判している書と考えて良いだろう。
光圀の時代には戦国の世が終わり太平の時代が到来した。これは現代にも通じる。しかし民主主義の現代では政治家が幼少の頃から指導者としての十分な教育を受けることは期待できない。たいした素質も教育も受けていないものが指導者になっているから政治が荒むのだ。であるとすれば現代においてこそ道徳教育をいっそう充実させて、人民の精神性を高めることが教育の要となるだろう。その中で選ばれた逸材が指導者となれば良い。
「天地の狭間にあるもの、悉くが師だ」、「史書は命の記述であり、決して死者の名簿ではない」、「大義とは人の苦しみを知り、喜びを見いだすことである」など、多くの言葉が心に残った名著である。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.30:
(2pt)

期待して読んだが

光圀伝とのことで読みましたが非常な大作であることは評価しますが史実があまり取り入れられていなく中盤にちょこっと、そして終わりに取ってつけたように書き込んでいて個人的には期待はずれでした。
皆さんの評価は高い方がほとんどですが、徳川光圀伝ではなくあくまでも著者の光圀はこうだですので読まれるときにはちょっと注意した方が良いですね。
個人的には単に「読んだ」だけの感想しかなく他の方のような感動等は個人的には全くなく読み終えた後はかえって欲求不満がました作品でした。
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X
No.29:
(2pt)

虎よ虎よ。ぬばたまの森に燦々と燃えて。

山田風太郎賞ということで帯に『山田風太郎賞受賞』と書かれるまでは買うまいと思ったが、我慢できずに買った。

主人公光圀が情緒不安定である。やたらと心が動いている。熱情とか繊細とかではなく、感情の起伏が激しすぎてついていけなかった。これを『虎』と形容できるだろうか。友人や近しい人がどんどん亡くなっていく度に感傷的になっているが、物語の中で火事などでたくさんの人(庶民)が死んでいるので、庶民の命よりはそりゃまあ自分の周りの人の方が大事なんだろうけど、ちょっと不遜に映った。

大作のように見えるのはページ数が多いからで、特に優れた作品とは思えなかった。どのシーンでも一度も泣けなかった。山田風太郎の作品では200回くらい泣いたが。

時代考証、当時の描写の緻密さはいい。だが、いかんせん物語に魅力がないので、空回りしている感は否めない。途中に挿入される老光圀の筆による部分はいらなかったのではないだろうか。『泰平の世の虎』というキャッチフレーズだが、『泰平の世』が舞台ではダイナミックな人物を書くのは難しかったのだろう。山田風太郎は『泰平の世』江戸時代が舞台でも、とんでもない物語をきら星の如く書いているが。(山田風太郎を褒めてばっかりだ…)
光圀伝Amazon書評・レビュー:光圀伝より
404110274X

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!