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ドロレス・クレイボーン
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ドロレス・クレイボーンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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これだけ口汚く罵っても聡明さを感じられる。まるで音楽のように小気味よい文章。ちびっこピートのフレーズに和む。翻訳も良いのだろうな。そして主人公の生きた軌跡がちょっとだけ眩しかった。 | ||||
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読書には何ら差し支えのない状態で、概ね満足です。 販売時の説明文コピーが同封されていて、それを読みながら現物を確認できたのが良かったです。 | ||||
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覚えてない位に読み倒してる。 で、飽きる事がない。その時の自分の歳や状況によって思う所は違うけど、何より切ないのがドロレスがいうトコロの「女の仕事」部分。シーツを干すシーンなんか、「洗濯なんかやった事が無いって男全員読め!」と叫びたくなるwここまで過酷ではないけど、冬場なんか多かれ少なかれ、毎日当たり前の様に「お母さん」達はいまだにやってますから…。乾燥機?ありますよ。でも日常的には「電気代勿体なくて」使えません。ま、これは本筋には関係ないですが、この手の綿密な描写がドロレスの言葉に説得力を持たせます。で、ドロレスの選択は正しかったんだとすんなり思ってしまうんです。 彼女の言葉は洗練されていない。いないが故に、鮮明にそのシーンが目に見える様に浮かんでくるんだと思います。 ちなみに脳内映画化完了作品だったんで映画化された「黙秘」を観た時には心底がっかりしました。何で素直に作らんかったんだ!と。 | ||||
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キングの作品はこれを含めたら まだ2作品しか読んでいませんが、 それでもこの作品の巧妙さには驚かされる ばかりでした。 まず、一見すると介護する人と介護される人の 駆け引きの様に序盤は見えますが、 だんだんと過去へとさかのぼっていくと、 それぞれの人間の心の闇が見えてくること。 特にドロレスと娘のセリーナの闇は 本当にドス黒いものです。 特に娘の方。 そしてドロレスは大事なものを守るために、 鬼となります。 それを完全な悪とはいえないと思います。 最後に出てくる嘲笑。 でも、いつ自分に降りかかるかは分からないものです。 フィクションのホラーではなくて、 ありそうな感じのホラーというところが 恐さを増幅させます。 好きな作品です。 | ||||
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キングのマスターピースの一冊である。 この本はホラーではない。一人の女性が 人生の困難に立ち向かい 子供を守っていく感動的な話である。彼女が夫を殺害する場面だけが 一種のサスペンスだが それ以外は 老女が淡々と語る自分の人生だ。 キングはホラー作家であるわけだが その小説は時として 非常に感動的である。本書を含めて 幾つかの作品は読んでいて泣いてしまうこともある。その高い文学性こそが キングを読む魅力だ。キングは ホラーという舞台装置を借りながら 実際に語っているのは「人間」である。その意味で ホラーではない本作も 正しくキングの本流の一冊だ。 | ||||
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これは驚愕のミステリーだ。 読み進むうちにこんな悲惨な人生って・・と、ただ戦慄する。そして嫌な気持ちになる。でも、どうしても目が離せない。そのうちドロレスがいとおしくなり、下品な老婆なのにとても凛として美しいと感じ、終盤では全く違和感のないストーリー展開だと思えてくる。 これはホラーではない。人生の真実の物語だ。 人は多かれ少なかれ苦しみを背負っている。ドロレスの様な人生は特殊ではない。現実に多く存在するだろう。そして、困難に立ち向かうか、諦めるかの選択があり、多くの人々は諦めて表面上安易な道を選ぶ。 彼女が美しいのは立ち向かう勇気を持っているからだ。 キングの作品には非現実的な恐怖を扱ったものも多く、そちらも素晴らしい。しかし私は、この作品とか、世の中が「不正」という物で成り立っていると思い出させてくれる「刑務所のリタ・ヘイワース」などに、より心を揺さぶられる。 苦労人キングは教えてくれる。 人生いたるところに青山あり、は真実だが、逆もまた真なり、である。 うまくバランスをとって、自分が壊れないようにしていくしかないんだよ、と。 そういうわけで、「ドロレス」は私のベストオブキンズノベルズなのである。 | ||||
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文春の煽り文句は間違っている。 ドロレスは虐げられてなどいない。 戦っているだけ。 聴取のため、小部屋の中で語るドロレスの下品で美しい言葉が素晴らしい。 | ||||
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事情聴取のため、小部屋に通されたドロレス。 そこには彼女を含めた4人しかいません。・・・が、読んでいる私やあなた自身にも彼女は語りかけてきます。 老女特有の話し方でありながら退屈させることなく、淡々と自らの半生を。 彼女の口からは、「ドロレス・クレイボーン」という名を持つ少女、女性、妻、母親、使用人としての自分自身に何が起きたかが語られます。 ・・・と、ここまで読んで老女の半生の何がそんなにおもしろいんだい、とお思いになる方もいるはずです。 しかし、スティーブン・キングの手にかかればおもしろいのです。 私自身「スティーブン・キング、ばぁさんの話なんて書いてどうしちゃったの?」と半ば馬鹿にしながら手に取った本でしたが、読み終える頃には深く反省。 「やっぱり、スティーブン・キングはおもしろいや!」 笑いあり、涙ありで大満足できることをお約束します。 多少下品な記述もありますが、そこがまた人間くささを感じられていいんですよねぇ。 | ||||
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他のキング作品と同じように突然核心から物語は始まる。しかし細かい章割りがなく ただひたすらに話が進んでいくのはキングにしては珍しい作風。 ホラーやSFといった要素はほとんどありません。サイコホラーともちょっと違う。 夫を殺した妻と、子供そして仕事としての家政婦。それらがドロレスの口から溢れ出る。 それだけの話なのだけれど、キングワールドに引き込まれたら最後まで一気に行くこと間違いなし。 雰囲気に引き込まれるまで時間がかかったので星は4つです。 | ||||
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キング・オブ・モダンホラーの描く、ひとりの気高い女の半生を描いたヒューマンドラマ。富豪殺しの容疑を着せられた老女ドロレスの法廷での独り語りによってつづられる彼女の過去は、ごく普通の母親という生き物がどれほど凄い生き物なのかを強制的に理解させられる。とりわけドロレスが夫殺しの容疑で取調べを受ける一連のシーンではあまり涙腺のゆるくない僕が不覚にも涙ぐんでしまった。散々友人たち(主に女性)に勧めまくったが、読んだ女友達は皆「この作者は本当に男なのか?」と聞き返してきたほど女という生き物が深く描かれている。叔母は作品は絶賛したがキングを「マザコン」と斬って捨てた。 | ||||
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S.キングはこの小説でとんでもない無茶をやらかしている。長編といってもいい小説を一人称の語りで最後まで、一行の空けもなしに押し通してしまったのだ。そして、なんとそれが見事に成功している。 この小説を原作にした映画の「黙秘」も傑作だが、小説の底力にはかなわない気がする。 くれぐれも忠告しておきたい。この方法を真似て小説を書いてはいけない。絶対に失敗するだろう。キングの語り口は、マジックとしかいいようがない奇跡なのだ。しかも、作品の根底には、あふれんばかりの人間への愛が脈打っている。わたしは、この語り口小説を、キングのベストワンと言ってしまいたいのである。 | ||||
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主人公が1人。その主人公がずっと語り掛けてくる。表紙を開いてから最後まで。その主人公はいつしか会話を楽しみ始めて、読者の心の奥までずっしりと重い口調で、でも淡々と・・・その口調にのめり込むと抜け出るのが非常に困難で、きっと僕のように寝不足になる人が増えるでしょう。覚悟して読まれた方がいいですよ! | ||||
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Kingの本を読んだことのある人なら誰でもお分かりだと思うが、必ず少年や少女あるいわか弱い女性や、地位のある男性と必ず主人公がいる。Kingに関わらず他の書物でもそうであるように、主人公が物語りの中で「動いて」僕らを引き込んでくれる(引きずり込むと言った方が適切か?)。しかしこれは違う。表紙をめくった時からそれに気がつくと思うが、これはある犯罪を犯したと思われる「老人」が話を「進めていく」。僕らはその進行について行かされることになるのだが、その進行方向が時に過去へ、時に現実へと導き僕らを飽きさせることはない。そうして最後は・・・僕らの期待を裏切らないその進行する老婆は恐らくKing自身になぞらえることが出来るのであろう。その語り口調はまさに絶妙であ!る。きっと読み終えた後にその老婆があなたの耳元で再びこの物語を囁くように現れるに違いない。最後まで覚悟して読むべきKingの異色作と言える作品だ。 | ||||
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