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(短編集)
その日のまえに
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その日のまえにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.34pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全309件 261~280 14/16ページ
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言わずと知れた重松清最新刊なんですけど、これ1年近く別冊文芸春秋に連載していたものなんですね。 それで買ったときに巻きついてた帯には 涙! 涙!! 涙!!! 最も感動的な小説だ。 僕のベスト1に決めた! なんて書いていて「お前これがベスト1ってどんだけ読書歴浅いのよ」とか軽くツッコミながら読み始めました。 う〜ん……まあ確かに感動的な話であることには変わりないです。だけど泣けない。 これ、他の方のレビューなんかでもけっこー泣ける泣けると話題ですけど、でもねぇ……。 全体的にちょっとあざといんだな、これが。なんか「はいここで泣いて〜」って言われてる感じがちょっとあるんだよね〜。 だけど僕はそうじゃねぇだろう! と言いたいわけですよ。この小説は色々と考えるためにあるんじゃないですかね。全体のテーマに沿った形で各作品ごとにテーマがあって、読み終わってからしばらくそのテーマについて色々と考えてもらいたい、と顔が中村紀洋似の作者は思ったんじゃねえか、とね。 そういう意味でも冒頭の帯に書いてあった薄っぺらいキャッチコピーには心底腹が立ちましたとさ♪ | ||||
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本を閉じた後、 結婚している男の人は、奥さんの手を、 結婚している女の人は、旦那さんの手と子供の手を、 結婚していない人は、お父さんとお母さんの手を、 ぎゅっと握りたくなる。 そんな小説です。 これはずるいなあ、清。 そんなことも言いたくなる小説です。 | ||||
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若いから?私にはいまいち其処にある悲しみを感じることができたかった。文章も上手いが淡々としていて面白みはあまりない。 ただ結婚をして、子供ができて……という過程を経た後読み返してみたくなる本だと思う。 母は泣いてたし。 | ||||
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本を読んでて比較的泣きやすい体質ですが、 また泣いてしまいました。電車の中で読んで いたにもかかわらず、人目をはばからず泣いて しまいました。 不治の病を宣告され、それまでにどう生きるかを いろいろなパターンで読ませてくれて、またそれ ぞれがジーンとしてしまいました。 本のタイトルにもなっている「その日の前に」の エピソードは自分と重なって読んでしまったため、 かなりやばかったです。 病名などを明確にせず、心の模様を中心に話が 進むので感情移入しやすかったです。 最後死ぬのであれば、こういう風に死にたいなと 思いました。 基本、短編集ですが、それが最後のエピソード 一つにまとまるという流れにも驚かされました。 特に家族がいる方におすすめ | ||||
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誰にでも訪れる「その日」。あなたの大切な人が無くなると判っていたらあなたは、何をしますか?何もできないんでしょうね、実際には。 「死」という重いテーマを7つの短編で淡々と描いていて、重松さんならではという作品になっています。 泣けると話題になっていますが、泣ける泣けないで評価をするのはどうでしょうか?誰かの死を経験したことの無い人、同世代では無い人・・・、この本を読んだ、十、二十台の人、四十近くになって、あなたの側に大切な人がいたら、もう一度読んでみて下さい。 | ||||
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私の母が買ってきたこの本を母より先に私が読んでしまった。私はTVを見ている母の横でこの本を読んでいた。私はこの本をまだ全て読んだわけではない。この本の題にもなっている「その日のまえに」から読むことにした。2・3行読むごとに涙が溢れて止まらなかった。 余命を告げられたあの日から愛する妻が死ぬその日まで、そしてその日が過ぎ去った後の、夫である僕と妻(和美)そして日に日に大人へと近づいていく2人の息子達の愛と死を淡々と描いていく。死ぬということがこんなにも静かなことなのだということに私は驚いた。 妻、和美が残された僕にあてた手紙に書かれていたその一言がとても切なかった。 残された人間は死んだ人間を時の流れと共に忘れていく。でも、その人の存在が消えてしまうわけではない。残された人間は生きていかなければならない。 今を、一生懸命に生きたいと思った。 溢れていた涙はいつの間にか止まっていて、私はとても穏やかな気持 ちで本を読み終えていた。 | ||||
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書店では「泣ける」小説として平台に積まれているが、「流星ワゴン」のようには泣けなかった。しかし、そもそも泣ける小説などというのは書店や批評家が付けているもので、作家自身は泣けるように書こうなどとは思っていないだろう。たぶん重松清も日常の中にある「死」を淡々と書きたかったのではないかと思う。そういう意味で人生を充分に噛み締めることの出来る優れた小説である。私も三年前に突然死という形で父を亡くしたが、その当時よりも今の方がずっと悲しい。けれど、その悲しさは「泣ける」悲しさではなく、日常の中に埋没していながら時々顔を出す悲しさである。そんな事を改めて感じた次第。 | ||||
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本当の大人がきちんと死を描くと、こういう小説になる。安っぽくない、嘘っぽくない。淡々としていて、物語を過度に飾り立てないから良い。だから、ぐっときてしまう。短編集だが、これも最後につながりを見せる。あえてつなげなくてもと思う一方、つなぐことに著者の思いがあるのだなと感じる。 | ||||
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ものすごく期待して買っただけに案の定泣けるものではなかったが、やっぱり重松さんらしい、日常を丁寧に切り取って人の心の襞を繊細に描いた作品でした。「朝日の当たる家」は朝日が昇ってまたあの一日が始まる恐さという、私たちの身の回りにいつでもありえるような日常的な恐さを淡々とリアルに描いていただけに作品の奥深さを感じました。 私が重松さんの作品を好んで読むのは、リアルな日常の、あえて言葉では表せない思いをごくごく自然に描く作風が好きだからです。決してハッピーエンドに終わるわけでもなく、誰かがいつでも優しい手を差し伸べてくれるわけでもない。今回の後半の三部作では奇跡が起こって命が延びたりするわけでもなく逆に余命が縮まってしまう。でもそれこそが私(達)の日常であるからこそ共感し、同じ境遇に陥った主人公達を見てこんな風に思うのは私だけじゃないかもしれないと少しだけ安堵し、穏やかになれるのです。 重松さんの心の中には一体何人の人間が住んでいるのだろうかと思います。 | ||||
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ごめんなさい。巷であれだけ「泣ける本」として本年度1位と思われるくらい騒がれている本ですが、私は泣けません。冷血人間なのかもしれませんが、『流星ワゴン』の方が遥かに泣けました。この作品は少しあざとい感じで、誰しも愛する人や知り合いが「死」に直面しているとなれば心揺さぶられます。『世界の中心で愛を叫ぶ』もそうでしたが、「死」を真っ向から直球で書かれても案外泣けません。重松さんは『疾走』などもっと心の内奥をえぐるような作品が書ける作家です。人の痛みがもっと激しく誰にも書けない手法で書ける人です。あっさり読み流せないような作品を次回に期待します。 | ||||
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とても静かに人を描いている物語でした。私も重松さんと同年代なので共感する事が多く 出張の時は必ず重松さんの本を抱えて行きます。頑張ったら結果は必ず出る!とかじゃなくて、今は最悪やけど何とかなる!風な元気?をいただいてきたのですが、 今度もしてやられました。短編を紡ぎ合わす才能は本当に素晴らしいの一言です。 流星ワゴンや疾走を書くだけのパワーもあり、この人の才能は枯れる事は無いのでしょうか 只、帯を見て泣くぞ〜と気合いを入れて購入された方は肩すかしを食らうかもしれません 自然体で読むのが一番だと思います。書いている人が構えていないのですから でも人前で読まない方がいいでしょう。不覚にも声を出して泣いてしまいました。 出張に持って行かなくて良かった〜 | ||||
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私も本書の主人公たちと同じ、40代にさしかかっている。いつの間にか人生の最も鮮烈な夏は過ぎたという自覚はある。レースで言えばちょうど折り返しのパイロンを回ったところだ。しかし、ここまで走ってきたのと同じ長さの行程がまだ残っている。もう半分ではない。まだ半分だ。 だがそんなとき、思いも寄らない「死」の宣告が突きつけられる。「待ってくれ! 死なんて、そんなものはまだずっと先のはずじゃないか!」泣き言をあざ笑うかのように、カウントダウンは止まらない・・・・・・。妻、夫、子供たちを遺して、自分ひとり逝かなければならない。その思いに取り乱し、悲嘆し、絶望する。あがいてもがいて、やがて従容として受け入れらるようになる。そう、もう折り返しは過ぎたんだ・・・・・・と。 秋を奪われ、一挙に冬へと突き進む人生に彼らはどのように折り合いをつけ、どのように生き切ったか。 物語は淡々と進む。しかし、行間に見え隠れするそれぞれの人生に、涙が止まらない。「その瞬間」に向けて容赦なく時は進んでいく。しかし「その瞬間」は描かれない。なぜなら、これは死の物語ではなく、生の物語だからだ。 7つの短編からなる本書だが、そこにはささやかな仕掛けが隠されている。ぜひ冒頭の一篇から、順番通りに読んでいって欲しい。特に現在40代の皆さん、必ずや心に染みます。まさに今読むべき1冊です。 | ||||
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答えは白か黒かいつも割り切れるものばかりではない。 考えること自体が答えになっている、というようなくだりに共鳴しそれを絶妙な表現で描写している。深刻なものではないが、自分の日常たまにある気張った"その日"の当日は、 案外肩透かしを食らわされたように通り過ぎることがある。 その日よりもそれに備え何かをする過程の方が、実はずっと大切なのだろう。 またその日が過ぎたからといって、次の日から劇的に何かが変わるものでもない。 が、何かは変わる。少しずつ変わり続ける。最後の手紙のところは、想像を裏切られ、また考えさせられた。 私だったらここまで言い切れるだろうかと自分と照らし合せた。去る側の愛、残る側の愛が、心の琴線に触れる。人間の宿命、死というものをテーマに、そこに期せずして直面してしまった人々の心のうちを通し、読んだ後に身を引き締め生きていこうと思える代物だ。不謹慎かもしれないが、泣いて心の洗濯をしたい人にオススメしたい。 | ||||
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初めて読む重松作品です。 穏やかな文体でグッとくるものがありましたが号泣とまではいかず、また心に残りませんでした。 | ||||
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人の死を描いた作品は山ほどあるが,これほど人の死を単純に正面から描いた作品はめずらしい。号泣させようとか特別なドラマを設定したりとか意図的なものは何もなく,人が死ぬということは永遠に「いなくなる」ということに徹して描いている。 誰もがいつか「その日」が来ることは分かっていても,ある日突然「その日」が目の前に迫っていると分かったら人はどう過ごせばいいのか。いなくなる本人そして残された人々は。。 短編集と思わせながら,別々の物語がやがて最後に見事に連携し集結してくる構成は予想もしてなくて驚いた。見事と思う反面,ちょっと懲りすぎたかなと思う気持ちも。。 作品の中で描かれている去りゆく人,残される人。どの人もどこにでもいるごく普通の人々が描かれていることが,死を逆に身近なものとして描いているのだと思う。 死を迎える人たちにはこれまでに沢山の想い出があり,その想い出を紐解いていくことで作品を単純に仕上げている。そして愛する人を失うことを経験することによって成長していく残された人々を確くことで,死を絶望としていない。 こんな風に死を描く重松 清は,まちがいなくすごい。 | ||||
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告知を受け、末期がんで死にゆく中年男女の「その日」をめぐる短編集。「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」と続く三連作がクライマックス。そこに、前四篇が少しずつ絡んでくる。つながり探しをするのも楽しいかも。 人は死ぬ。早いか遅いかだけだ。死をやや大げさに取り上げすぎかもしれないが、身近な人の死は、やはりこたえる。 作者は意図していなかったかもしれないが、「ガンリュウ」「イリエム」「駅長君」など、絶妙のニックネームで呼ばれるキャラクターの存在感が大きい。小学生の頃って、確かにそんなあだ名を付け合ってたよな。昭和後期の懐かしさがにじみでている。 | ||||
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余命を知った時に人は何をするのか?その日を迎えること、その日の後に回りの人はどうするのか?一人の「死」と残された人の「生」それぞれの対比が鮮やかにかつ切なく重く心に残ります。人はひとりで生きているのではないのです。重松作品の中でも秀逸です。今年読んだなかでは一番よかったです。涙も種類があって塩狩峠とこれでまた違う涙を流せます。 | ||||
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まだまだ生きると思っていた年齢の人が告知を受ける。 永遠があるように錯覚していたのを気付かされる。 7つの短編集が繋がり、命について考えさせられる。 置いていかなければいけない大切な人を残し、高齢でもない人が先に逝ってしまう。 生きていること、「いる」ということがいかに大切かが、告知で余命を宣告されることで重石になる。 パソコンでデーターを消去するように消せない思い出。 大切な人が亡くなって日常に揉まれ忘れる日が増えても、思いではふいに甦る。 この本は弾ける感動ではなく、静かに心に染みる1冊。 大切な人を思う気持ちを1冊に充満させた逸品。 | ||||
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昨今の経済状況のせいか、経営者の成功談やポジティブシンキング的なものばかり書店に並ぶ傾向が強い中で、比較的若い世代の方々に読まれ、皆が感動しているということで、少し安心しました。死という題材を扱うと、つい後ろ向きだと思われがちですが、死を見つめてこそ、今の生を、どれだけ充実して生きてゆくかということに思いを馳せることができるのだと思います。若年層、そして、中年層の方に、特に読んでいただきたい本です。 | ||||
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私は泣けませんでした。でも、ぎりぎりのところだったので、あと何年かしたら泣けそうな気がする。年齢とか、家族構成とか、経験とか、その人の環境によって入り込み方が違うのでしょうけど。それはどの本を読んでも同じですね。 そうしたいろんな環境にある人の「命」の短編集です。さらっと読めたけど、その分自分の中でいろいろ考えられました。 自分が、身近な人が、余命わずかだと告げられたらどうしよう。何を考えてどんな行動をとるんだろう。そんなことには関係なく社会は忙しく動いていて、でも知らないところでどこかつながっている。それぞれの話を読み進めながら頭の中で「命」のことを考えられました。 「命の大切さ」とかいう言葉をよく聞きますが、核家族化が進んで身内の死に接することが少なくなった現代の若者たちに、それを考えるきっかけを与えてくれる本なのではないかと思いました。 | ||||
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