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(短編集)
その日のまえに
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その日のまえにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.34pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全309件 201~220 11/16ページ
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愛する人の最期がわかってしまったとき 残されるひとはその人が生きているあいだと 本当にいなくなってしまう,そのあとと そして「いなくなるその日」をイメージするでしょう。 重松清さんは淡々と,とも激情的ともつかない じわっと熱く,深くあたたかなまなざしを この短編集のなかにそそいでいます。 だれにでも訪れ来る「死」。 迎える準備をしている人もいれば 唐突に迎えることになる人もいます。 この物語に登場する「死」を迎える ことになる誰もが,どれだけ深く慟哭したでしょう。 この物語に登場する「死」を見守る ことになる誰もが,どれだけ苦しみを抱いたでしょう。 わたしはこの本に出会ってこころをうたれ いつか来る夫の死がわたしよりも先だったら・・ とイメージし。涙が止まらなくなりました。 | ||||
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生と死の短編集です。 本のタイトルになっている「その日のまえに」は、「その日」、「その日のあとで」の 3部作になってますね。 死は必ずやってくるものであって、ある日突然その死を見つめ直すことになったら。 自分ではなく愛するひと、大切なひとの余命を知ってしまったら。 きっととても動揺するだろう。 セカチューのように愛するひとの死をテーマにした話は 数多く生まれてきてはいるけれども、重松清の書く話は落ち着いた悲しみを抱いた。 読み終えたあとに、大切なひとに逢いたくなります。 「○○てもいいよ」 強く優しい言葉に琴線がふれました。 | ||||
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映画化もされた、重松清のベストセラー連作短編集。「別冊文藝春秋」の’04年3月号から’05年7月号の間に掲載された7つの短編を、順序を入れ替えたり、改稿し改題したりした作品集である。 後半の3作「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」がつながったひとつのストーリーとなっていて、前半の4作が、単発作品としても秀作ぞろいだが、微妙にそれらと関係している。 テーマは愛する人の「死」である。それはクラスメイトであったり、自分自身であったり、母であったりするが、メインの3作では最愛の妻である。そこには、主人公が夫として、父親として痛々しいまでに愛する妻を思いやる姿が独特の重松節で描かれている。 私は、特に「その日のあとで」のなかで、妻が意識のなくなる二、三日前に書いたという夫への手紙の一文にとても感動した。 本書は、突然訪れる「死の告知」「余命」そして「死」に対して、いたたまれずに戸惑い、嘆き、悲しみ、しかしどうしようもなくて静かに受け入れ、見送るしかない人々を見事なまでに表現しており、裏を返せば、日常のなかにあるあたりまえと思われる「生」と「幸せ」の意味をあらためて見つめさせてくれる、落涙必至の物語である。 | ||||
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映画化もされた、重松清のベストセラー連作短編集。「別冊文藝春秋」の’04年3月号から’05年7月号の間に掲載された7つの短編を、順序を入れ替えたり、改稿し改題したりした作品集である。 後半の3作「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」がつながったひとつのストーリーとなっていて、前半の4作が、単発作品としても秀作ぞろいだが、微妙にそれらと関係している。 テーマは愛する人の「死」である。それはクラスメイトであったり、自分自身であったり、母であったりするが、メインの3作では最愛の妻である。そこには、主人公が夫として、父親として痛々しいまでに愛する妻を思いやる姿が独特の重松節で描かれている。 私は、特に「その日のあとで」のなかで、妻が意識のなくなる二、三日前に書いたという夫への手紙の一文にとても感動した。 本書は、突然訪れる「死の告知」「余命」そして「死」に対して、いたたまれずに戸惑い、嘆き、悲しみ、しかしどうしようもなくて静かに受け入れ、見送るしかない人々を見事なまでに表現しており、裏を返せば、日常のなかにあるあたりまえと思われる「生」と「幸せ」の意味をあらためて見つめさせてくれる、落涙必至の物語である。 | ||||
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久しぶりに小説を読もうと思って手に取ったこの作品には、 出会えてよかったと思わせるチカラがありました。 内容は他の方に譲るとして、 30代、40代の、自分に連れ合いがいて 「幸せと思っていいはずだけど、実感がない」・・・ そんな人に薦めたい。 涙とともに、相手を思いやる気持ちを今から持ち、 心を豊かにする作品だと思います。 | ||||
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遠く、遠く、もう決して会うことのできない所に行ってしまうあなたが、この世に残される夫あるいは妻に最後の手紙を書くとしたら何と書きますか? このお話では、1枚の便箋に、たった一言だけ <・・・・・・してもいいよ>・・・・・ もし自分が、愛する人からそのようなlove letterをもらったら、と不謹慎にも想像してしまいました。思わず涙してしまう作品です。わたしは、何度も何度も、その部分を読み返してしまいました。 もし<その日のまえに>が自分にふりかかったら、あの事も言っておきたいし、この事も話しておきたい、愛する人と沢山のことを会話したいと思うのですが・・・・・・。 いざ<その日のまえに>なると、案外、適当な言葉は出てこないものなのかもしれません。このお話のような、シンプルで深い言葉が言えるような関係になっている、・・・・羨ましく思いました。 この小説は短編集でもあるのですが、各章が有機的に繋がることによって、よりいっそう深みを持った作品になっていると思います。 | ||||
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本書のテーマはというと生と死。 必ず起こりうる大切な人との別れ。 残されていく者の生き方。 もし、自分ならどう考えるのだろう・・・と 考えさせられます。 重苦しいテーマであるけど、読みやすく 根底には優しさが満ちあふれている1冊だと思います。 もし、この本を読んでみたい人は 自宅でゆっくり読んだほうがいいかも。 | ||||
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「人の死」に正面から向き合い、関わる人々の心の揺れと心象風景を丁寧に、尊厳と優しさに満ちた視点で描いた珠玉の短編集。 過酷な現実、悲痛な叫び、やり場のない怒りや後悔、罪責感、そして全てを受け入れた後に訪れる穏やかな淋しさ、それらを抱えて「生きる」人々の物語が書き綴られています。 日常意識しなくとも「死」の運命は常に隣にあるもので、それをはっきりと意識させられた人々は、優しさ、謙虚さ、見ているのに触れているのに気づかなかった世界の美しさを感じ取る心の豊かさを、手にいれます。 「死」という体験を通してそれぞれの人々が辿り着いた心境は、苦悩や淋しさを埋め合わせて、それでも余りある幸福だったのでは、と思わされます。 残される人々は、それでも人生は続き、世界も変わらずにあり続けることを、罪悪感と共に受け入れざるを得ません。ですが、日常の中に辛い記憶や感情はもちろん、淋しさや後ろめたささえも薄れ、浄化されて行きます。 忘れていくこと、大切な人との思い出は美しさを増して残ること、これは神様が人間に与えてくれた最上の贈り物かもしれない、と感じました。 作品の中にもありますが、自らの死期を知り、大切な人の死期を知り、互いにかけがえのない時間を過ごせることは、残して逝く人、残される人どちらにとっても、確かに幸せかもしれません。 重松さんによって優しく美しく書き上げられた本作品を読み終えて、じんわりと涙しながら、そう納得させられました。 | ||||
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形上は短編集。 でも、同書のタイトル『その日のまえに』短編に そこまで綴られた短編内容が、かかわってくる。 悲しい出来事が起きているのに、 明るく気丈にふるまう姿勢が、余計に涙を誘う。 涙もろい人は、 家でこもって読むことをお薦めします。 | ||||
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人間が生きることの意味や死ぬことの意味について書かせた場合、重松さんの右に出るものはいないのではないでしょうか?何故人間は死ぬのか?何のために生きているのか?その明確な答えが分からないからこそ人間は生まれた瞬間から死に向かって生きているのかも知れません。若くて死を迎える人もいれば長く生きすぎて苦労する人もいる。その人たちの苦しみや残された人たちの悲しみを重松さんならではのタッチで描かれています。多くの人の生と死についての短編集ですが、最後はそれが一つにまとまっていきます。まさに重松ワールドです。 | ||||
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2006年 本屋大賞 5位 自分自身や、自分にとって大切な人を失う「その日」。 この作品は、「その日のまえ」から「その日」までの本人や家族を描いた連作短編集である。 言葉にしてしまうとありがちのテーマであるが、読者に「悲しさ」だけではなく、何かを考えさせる、その筆力には感嘆させられた。 私に取って、人に薦めたくなる本は年間1〜2冊だが、この本は、自信を持ってお薦め出来る作品である。特に30代から40代のかたは感情移入しやすい作品と思うのでお薦めである。 なお、この作品に感銘を受けた方は、「流星ワゴン」もお薦め。 | ||||
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告知のあと流した一生分の涙。シャワーを浴びながら。人がはけたあとの仕事場で。そしてもちろん,ベッドで抱きあいながら。その後,新婚生活を送ったアパートへ足を運び,ふたりの日々をていねいにたどる。 予想以上に進む病状に対する拒絶と受容の日々。そのエピソードのひとつひとつが,せつないです。 作品はこのストーリーを主軸とした連作短編集ですが,メインストーリーとほかの短編間の絡みも絶妙。死という悲しい現実を通しながらも,それを「その日」という確実に見えるもので表現し,そこへの準備を通して,逆説的に家族の幸せを表現しています。 つい最近似た状況で奥さんを亡くした同僚がいるのですが,その人の涙を思わずには居られません。 | ||||
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自分の中で「ほっこり三部作」と勝手に名付けている作品がある。 一つ目は、この「その日のまえに」 二つ目は、映画化もされた陰日向に咲く (幻冬舎文庫 け 3-1) そして三つ目は、これも映画化が報じられているエブリ リトル シング この三作は、すべて共通点がある。 一つは、どれも大ベストセラーであること。 一つは、どれも映画化される(された)こと。 一つは、どれも連作短編であること。 そして、なにより、どの作品も心が温かくなり、涙が滲む名作であることだ。 「その日のまえに」「陰日向に咲く」「エブリ リトル シング」 個人的には、すべて読むことをお勧めする。 特に、「陰日向に咲く」「エブリ リトル シング」は、それぞれ2時間で読める。 この3作を読まずに、「ほっこり作品」を語って欲しくないとすら感じる。 3作の中では、やはり文章力は「その日のまえに」が飛びぬけている。 しかし、ユーモアセンスでは「陰日向に咲く (幻冬舎文庫 け 3-1)」が上ではないだろうか(さすが、お笑いタレントだ)。 そして、物語の伏線の巧みさや、直球で(新人作家だから変化球が投げられないのだろう)心にずしりとくるのはエブリ リトル シングだ。 繰り返すが、3作、すべて読んで欲しい。 そうすれば、人生が変わる、なんて奇蹟も十分にありえるだろう。 | ||||
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死とは誰にでも訪れるもの。 それに向き合ったとき、その人はどのような行動に出、愛する人々にどのような別れをするのだろう。 個人的に今まで読んだ小説の中で、もっとも泣かされた作品である。 今生きているから、明日もずっと会えるから、私たちは甘えを持って人と付き合ってはいないか? 家族だから、誠意や愛を置き忘れて接していないか? しかし、その大事な人がまもなく死んでしまうとなったら、我々はどうするのか? 色々な人生の終焉に、涙して自分の生き方を問う。 そんな、作品です | ||||
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重松さんの話には、いつもいつも泣かされる。 ほろっとこぼれる涙ではなく、涙が溢れて止まらない。 今回、一番胸にきたのはいまどきのだるい高校生「トシ君」とどんぐりみたいな体型の「母ちゃん」の話。 私自身、母一人、子一人であるが、子どもが成人するまでは絶対に死にたくないと思う。 けれど、死は人を選ばない。 いつ誰にでも、それはおきる。 突然のこともあるが、たいていの場合人は時間をかけてゆっくり死んでいく。 自分の大切な誰かをゆっくりと失う時、自分自身がこの世から近い将来消えるのだと知った時、「その日」を人はどう迎えるのか。 大切な人が沢山いるほど死はつらいだろうと思う。 けれど、やはり大切な人がたくさんいる中でその日をむかえたいと思った。 | ||||
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7編からなる短編集ですが、最後の「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」がメインのストーリーになっています。 そのサイド・ストーリーとして、残りの「ひこうき雲」「朝日のあたる家」「潮騒」「ヒア・カムズ・ザ・サン」があります。 因みに「その日」とは、大切な人との別れの日、つまり死別の日です。 「その日のまえに」は、告知を受けての夫婦の話で、新婚時代を過ごした町に行きます。 この小説のように告知を受け、「その日」へのカウントダウンが始まった時、自分だったらどうするだろうかなと考えてしまいました。 今までも多くの家族の「死」に対応してきましたが、自分の「その日」となると、何の準備も出来ていません。 連れ合いの「その日」にしても、この小説のような優しい対応が出来るのだろうかと心配になります。 それだけこの本には、「死」に対する「優しさ」に溢れています。もっと言えば、「幸せ」さえ感じさせてくれます。 この短編集の最後に「その日のあとで」を持ってきたのは正解だと思います。 そうした「死」に対する尊厳に満ちた「優しさ」があるからで、こうした本にありがちな暗さは一切ありません。 逆に、その「優しさ」が読む者の涙を誘うのではと思います。 | ||||
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本作は、自分自身、あるいは、自分にとって大切な人を失う「その日」、 その過程である「その日のまえ」、そして「その日のあと」に向き合う 家族・旧友・クラスメートを描いた短編集です。 家族の死・友人の死というのは、小説のテーマとしてはややありふれた感はありますが、 主人公たちの死と向き合う姿からは、悲しさや憤りだけではなく、それを超える温かさ・ 友情・愛情が強く感じられ、幸せな死とはどういうものかを考えさせてくれました。 いつか、自分や大切な家族・友人にも「その日」はやってきます。 それは、もしかしたら何の前触れもなくやってくるかもしれません。 仕事の忙しさを理由に、家族サービスや人付き合いが疎かになっている 今日この頃ですが、家族や友人と過ごす現在、過ごしてきた時間、そして、 これから過ごす時間をもっと大切にしないといけないなと感じました。 最後に、私は、本作を空港の書店で購入し、機内で読んでいたのですが、 途中で感極まって涙を堪えきれなくなり、たまらず途中で本を閉じました。 本作の世界観にどっぷりと浸かりたい方は、タオルを片手に、 自宅でゆっくり読むことをおすすめします。 | ||||
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死に対して考えさせられた話だった。7つの物語もすべてつながっていて、最初に出てきた登場人物たちもすべて最後の「その日のまえに」という物語以降登場しており、見事な構成だと思った。特に感動したのが、一番最後の和美の話だった。新婚の頃生活していた街を夫婦で訪れ、その頃の想い出を語り合う場面は印象的で、本当に楽しそうに話す和美がとても魅力的に感じられた。 | ||||
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短編すべてに横たわる“日常の中の死”。 突然の訪れであるからこそ、一瞬一瞬があまりにも大切に見える。 非日常の出来事であるからこそ、冷徹な現実を直視できてしまう。 あまり経験したく無いような展開が繰り広げられる世界に何度も涙をこぼしそうになりました。 世の中には色んな怖いものがありますが、一番怖いのは今立っている足元が一気に崩れるようなそういう出来事なんだなと思います。 そんな瞬間を恐れながら、毎日自分は生きているのだと思うと、もっと深く広く、 そして動じない力強さをつけながら生きたいと思いました。 | ||||
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冒頭の『ひこうき雲』。 小学校6年生の嫌われ者「ガンリュウ」は,同級生たちとは異なり,一人死に行く。 《どうして,ガンリュウだけ,なのだろう。僕たちとガンリュウの違いはどこにあったのだろう。たまたま? 運が悪かったから? 運命?》(40頁) そう不安になった少年も大人になる。妻の祖母がアルツハイマーになり,施設に入所している。見舞いに行くと,連れて帰ってもらえるのだと喜んでは,ぬか喜び・・・の繰り返しの祖母。 《もしも神さまがいるのなら―そして,ひとの命の行方は神さまが決めるものなのだとしたら,おばあちゃんは誰よりも長生きをするよう,神さまに選ばれてしまったのだろうか。ガンリュウを僕たちの世界から引き離して,遠くへ連れて行ってしまったのも,同じ神さまのしわざなのだろうか。》(43頁) 『ひこうき雲』からスタートして,色々な「死を見つめる」視点のあり方を描写した後,妻「和美」を失う「僕」の『その日のまえに』『その日』『その日のあとで』と続く,一連の連作短編集。構成のうまさも光るが,「人が生きる(死ぬ)とはどういうことなのか」を考えさせる契機になる作品だった。 | ||||
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