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台北の夜



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【この小説が収録されている参考書籍】
台北の夜(ハヤカワ・ミステリ文庫)

台北の夜の評価: 3.17/5点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.17pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

台湾の置かれた特殊性

新人とは思えないくらい文章が達者である。作者のプロフィールを見るとヘンリー・ジェイムズや村上春樹の影響もあるらしいので、そもそもエンタメ系ではなく、純文学寄りの人なのだろう。ファッションや食に関する描写もやたら細かく、ときに専門的だ。

本書が最も意義深いのは、台湾の置かれた特殊性を物語の中に盛り込んだことだと思う。アティカスという登場人物が、さながらアリアのように語る場面、P260~/P414~の辺りは本書の最大の読ませどころで、非常にひきつけられる。日本人はあまりによき隣人、台湾のことを知らない。

と、ここまでが本書の美点。ここからは欠点だと思うことを述べる。それは、ミステリとしてはパッとしないんじゃないか、ということだ。暗黒小説(ロマン・ノワール)風の味わいはわかるが、主人公のエマーソンにイライラさせられっぱなしだし、無駄に長いという感想しかない。

これらをトータルで俯瞰するに、本書はとても悩ましい作品だと思う。なぜなら、エドガー賞を受賞している、つまりミステリとして高く評価されているからだ。そこじゃないよな本書のよさは、と僕は思うのだ。だから★4つはミステリではなく、あくまで文学作品としての点数です。
台北の夜(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:台北の夜(ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151786015
No.1:
(5pt)

兄弟であっても、生まれ育った国が異なると言葉も意思の疎通さえもできなくなる・・その恐

このミステリーは、海外ミステリー作品の評論もする後輩から薦められました。お薦めの通り面白く、楽しめました。
自然環境決定論でもないが、人は生まれ育つ場所によって、多くのことが決められてしまう。言葉、生活習慣、etc.・・・がである。その結果、同民族であっても、意思の疎通もままならず、お互いに理解できないという場合はいくらでもある。
あらすじは「内容紹介」にある通りですが。母親が急死して、遺灰を故郷に埋葬するために、アメリカ生まれの兄は40歳にして初めて台湾を訪れる。この地には10年ほど前に家出した弟がいる筈であった。そこで、出会った弟は黒社会にも通じていそうな全くのエイリアン=異邦人であった。やがて、兄も黒い闇の中へ・・・。本作品は、作者の体験も反映されているという。
アメリカ探偵作家クラブ賞、最優秀新人賞受賞作品でデビュー作です。
この異様ムードいっぱいのサスペンスは傑作でしょう。お薦め!
台北の夜(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:台北の夜(ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151786015

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