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(短編小説)
黄金虫
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【この小説が収録されている参考書籍】
黄金虫の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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作者は1809年生まれ。 本著作が執筆されたのは、1840年前後。 ミステリーをそれほど多く読んだことがあるわけではありませんが、 全く古さを感じさせず、楽しく読むことができました。 暗号解読小説「黄金虫」やあっと驚く展開が面白い「モルグ街の殺人」 などの6編は心に残る小説となりそうです。 | ||||
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ポー生誕200周年にちなんだ巽孝之の新訳による短編集の第2弾。今回は、有名な探偵、デュパンの出てくる「モルグ街の殺人」などミステリ特集だ。 今でも暗号ミステリとして「黄金虫」は名高いし、どの作品も今読んでも、全く古びていない。ノスタルジックというより、新しささえ感じる。 新訳も読みやすく、いい短編集だった。 | ||||
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桜庭一樹氏もお気に入りだという傑作「おまえが犯人だ」をメジャーな文庫で採り上げたのは巽氏の功績だ。「群衆の人」「ホップフロッグ」も面白い。「マリー・ロジェ殺し」は、端的に失敗作なので、外して正解。 「黄金虫」の訳について。原文では、木の上で見つけた頭蓋骨の左の(left)目を見ろ、と言われた召使のジュピターが、目玉なんか残って(left)いない、と答える洒落があるのだけど、巽氏は訳出していない。 それもひとつの方針だが、後に続く数行が無意味になってしまっているので、訳者あとがきなどで触れておくべきだと思う。 最近の八木、小川、西崎、巽各氏の訳、いずれも過去のものよりずっといい。皆さんで創元社版全集をリニューアルしていただきたいですね。 | ||||
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このところ、新訳がちょっとしたブームのようで、 推理小説の祖、ポーの短編集も、新訳でお目見えです。 本書は、新訳短編集の第2弾で、 「ミステリ編」として、6つの短編が収められています。 1840年代という、今から170年余り前に書かれた作品が、 現代人にも読みやすい訳文で復活しています。 以下、収録の6編に対するコメントです。 【モルグ街の殺人】 あまりに有名な世界初の推理小説。 ここには、3つの世界初が収められています。 世界初の「密室殺人」、世界初の「意外な犯人」、 世界初の「名探偵」です。 ことに探偵役のデュパンは、物語前半、 記述者である「わたし」の考えていることをピタリと当て、 その存在感を大きく示します。 【盗まれた手紙】 デュパンの3作目。 手紙を盗んだ犯人は冒頭で明らかにされ、 もっぱら手紙の在処を探る小説。 心理的盲点を突いた隠し場所に、 傑作の誉れ高い一品となっています。 余談ですが、デュパン2作目の「マリー・ロジェの謎」も、 本書に収録してほしかった・・・。 【群衆の人】 ミステリとはちょっと言えないのではないかと思える作品。 都市とそこに埋没してしまいがちな 人間の存在の不条理な関係を描く。 難解な一編。 【おまえが犯人だ】 ラトルボロ市の名士、バルナバス・シャトルワージーの殺害事件。 犯人は誰か、真相究明が進む中、 意外な形で、犯人を名指す声が−−「おまえが犯人だ」。 【ホップフロッグ】 道化師ホップフロッグの復讐劇を童話的に描く。 「群衆の人」と同様、 ミステリ的要素が感じられず、難解な一編。 【黄金虫】 世界初の暗号解読小説。 名家の生まれだが、不幸にして貧乏になった男、 ウィリアム・ルグランが「わたし」を引き連れて、財宝探しに。 財宝の在処は、海賊の残した暗号文に隠されていたのだった・・・。 | ||||
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本作の収録作品は、 モルグ街の殺人 盗まれた手紙 群衆の人 おまえが犯人だ ホップフロッグ 黄金虫 の六作品となっております。また、新訳によって、ある程度は読み進めやすいものとなっていると思います。 ただ、個人的には収録作品の選択にあまり賛成することができません。ポーの作品として、上記の『モルグ街の殺人』、『盗まれた手紙』、『おまえが犯人だ』、『黄金虫』、この四作品に『マリー・ロージェの謎』を加えた五作品は現在にまで続くミステリの雛型と呼ばれています。 実は、この五作品が一度に収録された文庫本はほとんどなく(以前に新潮社より刊行されたポーの短編集でも『お前が犯人だ』と『黄金虫』が欠如)、今回「ミステリ編」と題されたことから五作品が全て収録されるのを期待していたのですが、御覧のとおり『マリー・ロージェの謎』は収録作品より外されています。その理由は、訳者の解説によると『マリー・ロージェの謎』は「失敗作」ということで、今回の短編集からは外したとのことでしたが、失敗作であるか否かは読み手によって判断されるべきものであり、名探偵の元祖とされる C.オーギュスト・デュパンの活躍を描いた三作品(他は『モルグ街の殺人』と『盗まれた手紙』)の一編をそのような理由で外したことはやはり失敗ではないかと思います。 折角の、ポーのミステリ五作品とこの後に脈々と続いていく名探偵の元祖の活躍に触れる機会を本作は逸してしまったように自分は感じました。 | ||||
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新訳のおかげで読みやすい。このところ新訳の本がけっこう出ているけれど、今の言葉であることの読みやすさを痛感する。ありがたい。村上春樹訳、という特殊なスタイルもありだとは思うが、むしろこうした地道な翻訳作業に実りがあるといいなと思う。でないと海外の名作はそのうち誰も読まないものになってしまう。もちろん村上春樹訳、でもいいのだけれど。 正直に言えば、高校生以来のエドガー・アラン・ポーである。訳者自身の加えた評伝にある通り、高校生が反応しやすい物語だ。実際、そうだった。とはいえ、やはり今回読んで失望した訳ではない。どきどきするし、悲しくなるし、エドガー・アラン・ポーでしか味わえないものはやはりあるんだな、と思った。「アッシャー家の崩壊」を終えたところで読むのをやめようかと思ったのも、この物語がよくできていたからだと思う。評論家の言うことはその人の生きて来た範囲の話だ。ポーの人生はもっとすごいし、ずっと破綻している。 荒んだような、不思議な気持ちになりつつ、最後の評伝まできっちり読んだ。そうか、本国での評価は微妙だったんだ、と今さら知った。 さて。問題はこの本の装幀である。中身とは関係がない。においは近い。しかし。これはどう見ても松井冬子の絵以外の何ものでもない。それはポーとなんら関係はない。結び付けた気持ちは判らなくはないが、ただただ借り物である。 この本のデザインに関わった人々はペヨトルの「夜想 #耽美」に見事に取り込まれたこの絵を知らなかったんだろうか。あまりに、安直なブックデザインであることは間違いない。 | ||||
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